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254 呪われる王と聖女
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「それで、なぜ生き残った聖女が、その地下の祭壇の間に行かなければならないの?」
「魔力を供給する者がいなければ、大量に魔力を受け入れてきた聖女の体は、生きることもままならないからですよ」
「え?王から魔力を与えられる前は普通に過ごしていたはずだよね」
今の聖女の彼女も普通に過ごしている。何度か私の大量の魔力の受け皿になったものの、元気に脱走していた。
「さて、私にはわからない感覚ですが、体に風穴を開けられたような感じだそうですよ」
これは神父様の母親の言葉だろう。自分自身の僅かな魔力で生命維持すらできなくなっているのか、自らの魔力をすべて、垂れ流してしまうのかわからないけれど、生きることすらままならないのだろう。
そして、全てが世界に呑み込まれると。
ただ、今の現状を考えるのに、ダンジョンの存在が忘れ去られたことと共に、本来の王と聖女の死が変わってしまったのだろう。
「悪いんだけどさぁ。此処から先は出てくる小物を倒さないで欲しい」
「アンジュ。いきなり話が飛んだな」
ファルが文句を言ってきたけど、無視だ。
「理由は何だ?アンジュ」
ルディ。今の私は身体強化使えないから、ギュウギュウに締めないで欲しい。
「死の鎖が現れた原因なんだけど、前回のダンジョンの探索で居なくて、今回居るのは、私と酒吞と茨木だよね。酒吞と茨木はこの世界にとって異物だから、除外できる」
「まぁ、俺たちには何も制限はかかってはいないからな」
「そうですね。妖術も普通に使えていますからね」
私が世界の異物扱いした二人は、私の言葉が正論と言わんばかりに頷いている。いや、文句を言ってもらっても良かったんだよ?
「となれば、私なのだけど。このダンジョンに入る条件は王族と聖女と精霊の指輪を持つもの。ならば、私は聖女として認識されていると思う」
まぁ、ここまでは良い。問題はここからだ。
「本来は王と聖女の死はここで迎えるはずだったんじゃないのかな?」
「どういうことだ?」
「それはないだろう?」
「面白い推測ですね」
三人は別々の反応をみせたものの、私の言葉を突拍子もないことだと、思っているのだろう。
「茨木。百足に毒蜘蛛、毒蛾、あと毒蛇も入るのかなぁ。何を思い浮かべる?」
「全て毒を持っていますね。強いて言うなら呪詛ですか?陰陽師共が得意とするものの一つですね」
茨木は何かに気がついたのだろう。辺りを見渡して、壁に触れている。
「一見、石の壁のように見えますが、継ぎ目がありませんね。何処にも逃さないという意思が感じられます。これは私達は餌ということですか?違いますね。餌にはなり得ない、このまま進んでいけば……蠱毒の核と成り果てる……だから、アンジュ様は進むのであれば殺してはならないと」
「蠱毒だって?そんなヤベーもんの中に居るのか?俺たちは?呪詛はどうにもならねーから嫌いだ」
茨木の『蠱毒』という言葉に、酒吞は反応した。過去に呪詛を受けたことでもあるのだろうか。酒吞の機嫌が一気に降下していく。
「アンジュ。その『ジュソ』とはなんですか?」
こちらの世界では毒虫を媒体に呪を作り上げるということはしないのだろう。神父様が疑問を投げかけてきた。
「どちらかと言えば、ここは『蠱毒の壺』だね。毒虫を詰め込んだ壺を放置して、最後に生き残ったモノを呪いとして使う術といえばいいのかな?呪いの中でも蠱毒の壺は凶悪だね。その蠱毒の壺を大規模に再現したのが、このダンジョンってことかなぁと思ったの」
「アンジュ。魔ねずみは毒を持っていないぞ」
ファルが揚げ足を取ってきたけど、魔ねずみは毒は持ってはいない。だけど……
「病気の媒介となるから、厄介モノってことじゃない?さっきのアレも人から見れば厄介な害虫」
「あのゴキb……っぶねー!その剣を投げつけてくるな!」
アレの名前を言おうとしたファルに向かって、重力の聖痕の力を施した太刀を投げつけた。今の私じゃこんな太刀は奮うことはできないからね。
「ということで、死の鎖にまかれながら、呪いの核となった聖女と王が出来上がるわけ」
「アンジュ。それの何の意味があるのかさっぱりわからないが?」
ファルの言う通り、呪を身に染み込ませた王と聖女がただ死んでも呪を振りまくだけだ。
恐らくこのダンジョンの最下層に何か仕掛けがあるはず。
「今、現状でわかるのはここまで、ただ、この先は出現する小物は相手にしてはいけないってこと。何故なら、ここには王族と天使の聖痕を持った私がいるのだから」
しかし、予想はできる。全ての受け皿になる月の聖女だからこそ、最後の役目として与えられたのだろうと。
「では、ここから先に進む作戦を立てましょうか」
「神父様。私の話を戯言だと思わないわけ?」
「全ては太陽の聖女の御心のままに」
いや、私に向かって敬礼しないでよ。すごく背筋に悪寒を感じるんだけど?
「魔力を供給する者がいなければ、大量に魔力を受け入れてきた聖女の体は、生きることもままならないからですよ」
「え?王から魔力を与えられる前は普通に過ごしていたはずだよね」
今の聖女の彼女も普通に過ごしている。何度か私の大量の魔力の受け皿になったものの、元気に脱走していた。
「さて、私にはわからない感覚ですが、体に風穴を開けられたような感じだそうですよ」
これは神父様の母親の言葉だろう。自分自身の僅かな魔力で生命維持すらできなくなっているのか、自らの魔力をすべて、垂れ流してしまうのかわからないけれど、生きることすらままならないのだろう。
そして、全てが世界に呑み込まれると。
ただ、今の現状を考えるのに、ダンジョンの存在が忘れ去られたことと共に、本来の王と聖女の死が変わってしまったのだろう。
「悪いんだけどさぁ。此処から先は出てくる小物を倒さないで欲しい」
「アンジュ。いきなり話が飛んだな」
ファルが文句を言ってきたけど、無視だ。
「理由は何だ?アンジュ」
ルディ。今の私は身体強化使えないから、ギュウギュウに締めないで欲しい。
「死の鎖が現れた原因なんだけど、前回のダンジョンの探索で居なくて、今回居るのは、私と酒吞と茨木だよね。酒吞と茨木はこの世界にとって異物だから、除外できる」
「まぁ、俺たちには何も制限はかかってはいないからな」
「そうですね。妖術も普通に使えていますからね」
私が世界の異物扱いした二人は、私の言葉が正論と言わんばかりに頷いている。いや、文句を言ってもらっても良かったんだよ?
「となれば、私なのだけど。このダンジョンに入る条件は王族と聖女と精霊の指輪を持つもの。ならば、私は聖女として認識されていると思う」
まぁ、ここまでは良い。問題はここからだ。
「本来は王と聖女の死はここで迎えるはずだったんじゃないのかな?」
「どういうことだ?」
「それはないだろう?」
「面白い推測ですね」
三人は別々の反応をみせたものの、私の言葉を突拍子もないことだと、思っているのだろう。
「茨木。百足に毒蜘蛛、毒蛾、あと毒蛇も入るのかなぁ。何を思い浮かべる?」
「全て毒を持っていますね。強いて言うなら呪詛ですか?陰陽師共が得意とするものの一つですね」
茨木は何かに気がついたのだろう。辺りを見渡して、壁に触れている。
「一見、石の壁のように見えますが、継ぎ目がありませんね。何処にも逃さないという意思が感じられます。これは私達は餌ということですか?違いますね。餌にはなり得ない、このまま進んでいけば……蠱毒の核と成り果てる……だから、アンジュ様は進むのであれば殺してはならないと」
「蠱毒だって?そんなヤベーもんの中に居るのか?俺たちは?呪詛はどうにもならねーから嫌いだ」
茨木の『蠱毒』という言葉に、酒吞は反応した。過去に呪詛を受けたことでもあるのだろうか。酒吞の機嫌が一気に降下していく。
「アンジュ。その『ジュソ』とはなんですか?」
こちらの世界では毒虫を媒体に呪を作り上げるということはしないのだろう。神父様が疑問を投げかけてきた。
「どちらかと言えば、ここは『蠱毒の壺』だね。毒虫を詰め込んだ壺を放置して、最後に生き残ったモノを呪いとして使う術といえばいいのかな?呪いの中でも蠱毒の壺は凶悪だね。その蠱毒の壺を大規模に再現したのが、このダンジョンってことかなぁと思ったの」
「アンジュ。魔ねずみは毒を持っていないぞ」
ファルが揚げ足を取ってきたけど、魔ねずみは毒は持ってはいない。だけど……
「病気の媒介となるから、厄介モノってことじゃない?さっきのアレも人から見れば厄介な害虫」
「あのゴキb……っぶねー!その剣を投げつけてくるな!」
アレの名前を言おうとしたファルに向かって、重力の聖痕の力を施した太刀を投げつけた。今の私じゃこんな太刀は奮うことはできないからね。
「ということで、死の鎖にまかれながら、呪いの核となった聖女と王が出来上がるわけ」
「アンジュ。それの何の意味があるのかさっぱりわからないが?」
ファルの言う通り、呪を身に染み込ませた王と聖女がただ死んでも呪を振りまくだけだ。
恐らくこのダンジョンの最下層に何か仕掛けがあるはず。
「今、現状でわかるのはここまで、ただ、この先は出現する小物は相手にしてはいけないってこと。何故なら、ここには王族と天使の聖痕を持った私がいるのだから」
しかし、予想はできる。全ての受け皿になる月の聖女だからこそ、最後の役目として与えられたのだろうと。
「では、ここから先に進む作戦を立てましょうか」
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