乙女ゲームの世界じゃないの?

白雲八鈴

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2話 お前は誰なんだ

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 式は終わり教室まで移動して、今後の予定を説明されて今日は終了の予定です。
 教室につけば、どうやら私はウサギショタと同じクラスになったようなんだけど、なんかおかしい。
 髪の色、目の色は変わらないのに、もう別人レベルで変化していた。
 いや、もしかして、スチルの神が乙女心を考慮して神スチルに変えてくれていたのではないのか、というレベルまで体の厚さが違う。顔つきも違う。私の目に写っているウサギはこうだ。
 がっしりした体躯、筋肉質な腕。イケメンには間違いないのだけど、自尊心に満ち溢れている顔をして、パツパツの制服を着ている。流行りなんだろうか。

 違う設定資料を思い出してみよう。
 リッター・グアトールは偉大な統括師団長の孫として生まれ、自分も騎士として生きることを目指すが13歳から受けることができる王立騎士養成学園に受かることが出来なかった。
 騎士として生きることをあきらめ、15歳から受けられる王立魔術学園に受かることができ、仕方がなく魔術師としての道を選ぶが、どこかで騎士になる夢を諦め切れないでいる。

 体の線が細く筋肉が付かないことがコンプレックス、常時うるうる目をしており庇護欲を掻き立てられる。
 『君に僕の何がわかるというんだ』
 『こんな僕でも受け入れてくれる君が好きだ』

 以上こんな感じだった。もう、別人じゃん。誰、この雄々しいウサギはもう騎士養成学園入れるでしょ。その筋肉。

 担任が来てプリントを配り、今後の予定を説明していたけど、頭に入って来なかった。


 もう、寮へ帰ろうか。しかし、確か入学式後の中庭イベントがあったはず。気になる、でも不審者はいけない。考えてみる。うーん。
 校内を探検中にちょっと中庭が気になって散策していたプランでいこう。新入生が興味津々でうろついているんだなっと優しい目で見られるやつだ。なんかイタイ子になってない?

 取り敢えず中庭がに向かってみるけど、どこ?ゲームじゃ入学式が終わって教室に行ったら選択肢が出るだけだったしなぁ。
 『寮へ帰る』『中庭へ行く』『お腹すいたな』
 3番目の選択肢はない。ちなみに選ぶと腹痛で翌日休みになる。

 中庭を探しながら校内を歩く。中庭のイベントはメルス・スラーヴァルのイベントになる。中庭で寝転んでいるメルス・スラーヴァルを中庭を歩いていると踏んずけてしまう。というイベントだ。いや。いくら緑の髪でも気付こうよ。それとも案外気がつかないものなのかなぁ。

 廊下の先で人の話声が聞こえる。え、こんな廊下で告白イベント!こっそり柱の影から覗きみる。ドキドキ。
 メルス・スラーヴァルを発見!めっちゃかわいい、薄い青い髪の鳥族と思われる女の子に話掛けられていた。詳しい種族はわからないけど、背中から生えた薄い青色の翼がピョコピョコ動いてる。

「あ、あの」

「何だか早くしてくれないか」

「前回の王妃様主催のお茶会でスラーヴァル様を一目見たときから好きになってしまいました。わたくしのことを知って貰いたいので、御時間があれば、これからお茶を御一緒にいたしませんか」

「気持ち悪い」

「え?」

「俺は殿下に呼ばれている。これ以上近づくな。気持ち悪い」

 そう言って、メルス・スラーヴァルは背を向けて去って行った。青い鳥族の少女はその場で泣き崩れてしまった。
 
 あれはない。お色気担当はどこに行った!姿かたちはスチルと一緒だ。しかし、あの目はいただけない。どこのマ○ィアの幹部だと突っ込みたくなる程の目付きの悪さだ。

 青い鳥族の少女はお付きの人に連れられて帰って行った。

 メルス・スラーヴァルの設定資料を思い出してみよう。近衛隊長の兄を持つ騎士の一家に生まれ、男のみの兄弟で育つが女性には優しくというのを教え込まれ育つ。10歳の時、とある令嬢に初恋をするが彼には高嶺の花、その恋心が忘れられず今に至る。
 「こんなところで何をしているのかな?」
 「俺の心は全て君に捧げよう。愛しい人」

 絶対別人だ。メルス・スラーヴァルの皮を被った何かと言っていいんじゃないのかな。
 きっとあれだ。初恋の君にアタックして破れて歪んでしまったんだきっと、そういうことにしておかないと、あの態度は許せない。
 親指を首の前で横にスライドさせて下に向けて威嚇したいぐらいだ。何が気持ち悪いんじゃー。

 取り敢えず、イベントは起こりそうにないので寮に帰ろう。

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