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第二章 リーベン島編
因縁
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「コホン……。やぁ、久しぶりだねメイファ。歳をとっても相変わらず美しい」
「あぁ、別に会いたくはなかったがな」
あの青い瞳と金色の髪……まさか……。
「このアレクサンドを忘れることは無かったようだね」
「お前みたいな変な奴、忘れたくても忘れられん」
その名を聞いた瞬間、エミリーの身体から魔力が嵐のように吹き荒れた。
「アレクサンドォー!!」
「なんだこの小娘は。女の子が何て声を出すんだ」
エミリーはアレクサンドと名乗った男を睨みつけて言葉を続けた。
「おい、クズ。リヴィア・オーベルジュを覚えてるだろ」
「リヴィア? 誰だそれは」
「あんたが孕ませて、家ごと焼き殺した人族だよ!」
「はて? どれの事かな。人族とは一夜限りなんだ。いちいち覚えてるわけ無いだろ」
「どこまでクズなんだ……私は焼き払われたリヴィアの子だ! お前をぶん殴る為に生きてる!」
「ほぉ、ボクの子に会うのは初めてだな。まぁ、今はお祖父様にバレようがどうでもいいから見逃してやるけどね」
その言葉が引き金だった。エミリーは刀を抜き放ち、獣のような雄叫びを上げてアレクサンドに斬りかかった。
『キィィーーン』
甲高い金属音が鳴り響く。アレクサンドの前に現れた見えない壁に、エミリーの刃は阻まれた。
『火遁 煉獄!』
『風遁 鎌鼬!』
アレクサンドはその場から一歩も動かない。魔晶石で増幅されたエミリーの渾身の遁術ですら、奴の強固な守護術に傷一つつけられなかった。
「ほう、なかなかやるね、いい術だ。さすがボクの娘と言ったところか。もっと強くなったら遊んでやるよ。しかし……ぶん殴ると言いながら斬りかかって来るとはね。行儀の悪い子だ」
「クソッ……私はエミリー・スペンサーだ! 覚えとけ! 次に会ったときにはぶっ殺してやる!」
「エミリーか。成長した姿を楽しみにしとくかな」
メイファさんは歯を食いしばり、悔し涙を流すエミリーの肩を強く抱き寄せた。
その時、マモンが今度はトーマスに視線を向けた。
「さっきから気になってたんだけど、そっちの赤茶髪の少年は『センビア族』ね? 生き残りがいたとはね」
「え……?」
突然声を掛けられ、トーマスは小さく声を漏らした。
「あの噴火で生き残るって事は、どこかに出かけてたの?」
「何で知ってる……?」
「そりゃ知ってるわよ。ワタシが火山を噴火させたんだから」
場が凍りついた。
「は……? なんだって?」
「理解力のない子ねぇ。見せてあげるわ」
マモンがトーマスに向けて、すっと手をかざす。
「何だ……これは……ゥワァァーッ!!」
トーマスは突然頭を抱え、地面に崩れ落ちて絶叫した。
「おい! トーマスに何をした!?」
「うるさいわね、何もしてないわよ。あの時ワタシは荒れてたの、魔族と人族の間でね。アナタ達って人族で、しかも髪が赤っぽいじゃない? 自分を見てるみたいで気に食わなくて皆殺しにしたの」
「……そんな理由で……僕の家族たちを殺したのか……?」
「あぁ、でも安心して。あの噴火でいい魔法思いついたの。アナタの一族は無駄死にではなかったわ」
「このクズ野郎……」
「あら、野郎とは失礼しちゃうわね」
トーマスは見たことのない怒りの形相で立ち上がり、刀の柄に手を掛けた。
『ウオォォォー!! お前……殺してやる……』
え……? トーマスの眼の色が……緑色に変わった……。
次の瞬間、トーマスは抜刀と同時に地を蹴り、神速の居合でマモンに斬りかかった。
「キィィーーン!」
しかし、その一閃は父さんによって阻まれた。トーマスは弾き飛ばされ、地面に激しく叩きつけられる。
「おい、マモン。相変わらず趣味の悪いやつだな。防御が弱いくせに煽るな」
「あら、ありがとね。シュエンちゃん」
アレクサンドがマモンに近づく。
「あの赤茶髪の男、昇化したぞ?」
「あら、ワタシの記憶、そんなに良かったかしら? 感謝してもらわないとね」
二人の会話に、父さんが苛立ちを露わにした。
「おい、俺は楽しく里帰りに来たわけじゃ無いと言っただろう。こいつ等がベラベラと喋りすぎたのは詫びる。トーマス、エミリー、もっと強くなってこいつらを殺しに来るなら大歓迎だ。ユーゴ、お前に言うことは一つだ。二度と俺の前に姿を現すな」
何でだよ……何でそんな事言うんだ……。
あまりのことに、オレは声すら出せなかった。
「じゃ、お邪魔したわね。帰るわね」
三人は再びふわりと宙に浮き、あっという間に飛び去っていった。
後に残されたのは、あまりに突然の絶望と、静まり返った修練場だけだった。
「あぁ、別に会いたくはなかったがな」
あの青い瞳と金色の髪……まさか……。
「このアレクサンドを忘れることは無かったようだね」
「お前みたいな変な奴、忘れたくても忘れられん」
その名を聞いた瞬間、エミリーの身体から魔力が嵐のように吹き荒れた。
「アレクサンドォー!!」
「なんだこの小娘は。女の子が何て声を出すんだ」
エミリーはアレクサンドと名乗った男を睨みつけて言葉を続けた。
「おい、クズ。リヴィア・オーベルジュを覚えてるだろ」
「リヴィア? 誰だそれは」
「あんたが孕ませて、家ごと焼き殺した人族だよ!」
「はて? どれの事かな。人族とは一夜限りなんだ。いちいち覚えてるわけ無いだろ」
「どこまでクズなんだ……私は焼き払われたリヴィアの子だ! お前をぶん殴る為に生きてる!」
「ほぉ、ボクの子に会うのは初めてだな。まぁ、今はお祖父様にバレようがどうでもいいから見逃してやるけどね」
その言葉が引き金だった。エミリーは刀を抜き放ち、獣のような雄叫びを上げてアレクサンドに斬りかかった。
『キィィーーン』
甲高い金属音が鳴り響く。アレクサンドの前に現れた見えない壁に、エミリーの刃は阻まれた。
『火遁 煉獄!』
『風遁 鎌鼬!』
アレクサンドはその場から一歩も動かない。魔晶石で増幅されたエミリーの渾身の遁術ですら、奴の強固な守護術に傷一つつけられなかった。
「ほう、なかなかやるね、いい術だ。さすがボクの娘と言ったところか。もっと強くなったら遊んでやるよ。しかし……ぶん殴ると言いながら斬りかかって来るとはね。行儀の悪い子だ」
「クソッ……私はエミリー・スペンサーだ! 覚えとけ! 次に会ったときにはぶっ殺してやる!」
「エミリーか。成長した姿を楽しみにしとくかな」
メイファさんは歯を食いしばり、悔し涙を流すエミリーの肩を強く抱き寄せた。
その時、マモンが今度はトーマスに視線を向けた。
「さっきから気になってたんだけど、そっちの赤茶髪の少年は『センビア族』ね? 生き残りがいたとはね」
「え……?」
突然声を掛けられ、トーマスは小さく声を漏らした。
「あの噴火で生き残るって事は、どこかに出かけてたの?」
「何で知ってる……?」
「そりゃ知ってるわよ。ワタシが火山を噴火させたんだから」
場が凍りついた。
「は……? なんだって?」
「理解力のない子ねぇ。見せてあげるわ」
マモンがトーマスに向けて、すっと手をかざす。
「何だ……これは……ゥワァァーッ!!」
トーマスは突然頭を抱え、地面に崩れ落ちて絶叫した。
「おい! トーマスに何をした!?」
「うるさいわね、何もしてないわよ。あの時ワタシは荒れてたの、魔族と人族の間でね。アナタ達って人族で、しかも髪が赤っぽいじゃない? 自分を見てるみたいで気に食わなくて皆殺しにしたの」
「……そんな理由で……僕の家族たちを殺したのか……?」
「あぁ、でも安心して。あの噴火でいい魔法思いついたの。アナタの一族は無駄死にではなかったわ」
「このクズ野郎……」
「あら、野郎とは失礼しちゃうわね」
トーマスは見たことのない怒りの形相で立ち上がり、刀の柄に手を掛けた。
『ウオォォォー!! お前……殺してやる……』
え……? トーマスの眼の色が……緑色に変わった……。
次の瞬間、トーマスは抜刀と同時に地を蹴り、神速の居合でマモンに斬りかかった。
「キィィーーン!」
しかし、その一閃は父さんによって阻まれた。トーマスは弾き飛ばされ、地面に激しく叩きつけられる。
「おい、マモン。相変わらず趣味の悪いやつだな。防御が弱いくせに煽るな」
「あら、ありがとね。シュエンちゃん」
アレクサンドがマモンに近づく。
「あの赤茶髪の男、昇化したぞ?」
「あら、ワタシの記憶、そんなに良かったかしら? 感謝してもらわないとね」
二人の会話に、父さんが苛立ちを露わにした。
「おい、俺は楽しく里帰りに来たわけじゃ無いと言っただろう。こいつ等がベラベラと喋りすぎたのは詫びる。トーマス、エミリー、もっと強くなってこいつらを殺しに来るなら大歓迎だ。ユーゴ、お前に言うことは一つだ。二度と俺の前に姿を現すな」
何でだよ……何でそんな事言うんだ……。
あまりのことに、オレは声すら出せなかった。
「じゃ、お邪魔したわね。帰るわね」
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後に残されたのは、あまりに突然の絶望と、静まり返った修練場だけだった。
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