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第三章 大陸冒険編
軍事演習
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数日後の午後。
軍事演習の為、北門から少し離れた広大な演習場に来ている。
地平線まで埋め尽くすほどの兵士が整列している光景は圧巻だ。最前列には、ロンの憧れ、王国騎士団がずらりと並んでいる。
「みんな! 今日もキレイに整列できてるね! 今日は新しい戦闘法を修練してもらうょ!」
「これを覚えたら、昇化してない者も仙術が使えるようになっちゃうかもよ!」
二人の王が拡声の魔法具を使って演説する。
実は午前中に、各部隊長クラスを個別に招集し、オレ達が直々に練気術と魔族の戦闘法を伝授していた。ただし、龍族の秘伝であることは伏せてもらっている。
騎士団の部隊長ともなると、すでに昇化した実力者ばかりだ。
王国は完全実力主義。
文武に秀でていれば、出自に関係なく誰にでも出世の機会がある。
演説の後、部隊長達がそれぞれの隊員に指導を始めた。
高台から見下ろしていると、早くも感覚を掴んで浮遊し始めている一兵卒がいるのが見えた。
「ちょっと手分けして見に行ってこようか」
「そうだね。そうしよう」
「ちゃんボクも行ってこようかな」
オレ達四人と二人の王は、分かれて演習場を回った。
元々、兵士たちは基礎的な魔力操作ができるため、練気術の「練る」という感覚の習得は早いようだ。
問題はその先。
練り上げた気を体外へ放出し、術として成立させるのが難しい。オレ達も最初はだいぶ手こずった。
やはり、もともと仙術の素養がある者や、感覚の鋭い者は習得が早かった。普通なら数ヶ月から年単位の修行が必要な技術だ。
けど、これを全員が習得すれば、王都の軍事力は文字通り倍増するだろう。
「そうだ、レオナード王。西の山脈に『ニーズヘッグ』ってのがいると思うんですけど、あれはヤバそうですか?」
「ヤバいなんてもんじゃないよユーゴちゃん。あんなもん軍で対処するような奴だよ」
「討伐しても大丈夫ですか?」
「え……あんなのと戦おうとしてるの!? 構わないけど、SSSの魔物だょ? 死んじゃうょ……?」
「SSSなんてあるんだ……」
SSランクの上、SSS。
未知の領域だ。
今回の軍事演習は、主に練気術の基礎習得で幕を閉じた。
「よし、練気術の習得はできたね! それを応用するのが難しいょね! 基礎は今日学んだとおりだょ、各自持ち帰って修練を積むように!」
女王の号令で演習は終了した。
一日で習得して使いこなすジュリアのような天才が異常なだけだ。皆、焦らず時間をかけて自分のものにすればいい。
オレ達はその後の日々を、ギルドの依頼をこなしながら、ひたすら術の精度を上げる修練に費やした。
四人で互いに動きを確認し、アドバイスをし合いながら、個々の長所を伸ばしつつ、仲間の技術を吸収していく。
「ツヴァイハンダーはもちろんお気に入りの武器だが、一対一のスピード勝負では『風切』を使った方が良さそうだな」
ジュリアは新調した刀に『風切』と名を付けた。
由来は、振った時の風切り音が心地良かったから。実に単純でジュリアらしい。
「そうだな、乱戦や大型の魔物相手にはツヴァイハンダーの破壊力が活きる。使い分けができるのは強みだ」
四人の連携も、格段に洗練されてきた。
トーマスの盾は、鉄壁の守りで前線を支える。
オレは二刀流で攻防一体、遊撃役として立ち回る。
ジュリアは圧倒的な火力で敵を粉砕する超攻撃型。
エミリーは皆にバフをかけつつ治療役に回り、苦無と遁術を駆使して中距離から支援火力を叩き込む。
オレ達は相当強いパーティーに仕上がっているはずだ。
◇◇◇
季節は巡り、二ヶ月が過ぎ去ろうとしていた。冬の気配がすぐそこまで迫っている。
マモン達の行方を追って情報収集を続けたが、聞こえてくるのは古い噂話ばかりだった。王都には帰って来ていないと見る他ない。
王都は王国中の商人や狩猟者が集まる情報の一大集積地だ。ここで情報がないということは、彼らは王国を出て、魔都に滞在している可能性が高い。
だとすれば、いずれ彼らが動けば、最初に情報が入るのもここ王都だ。オレ達が未だ王都に滞在しているのは、そういう理由からだ。
いつの間にか、ジュリアは練気術を完全に我が物とし、空を自由に駆け回るまでになっていた。流石は仙族が誇る天才、成長速度が桁違いだ。
「オレ達もう、ニーズヘッグ倒せるんじゃないか?」
「どんなやつかも分からないけど、今のこの連携ならどうにかなるんじゃないかな」
「行ってみるか?」
「ヤバかったら逃げればいいしね!」
いつもの軽いノリで決まった。
皆の武具の整備をトーマスに任せて、二日後、オレ達は伝説のドラゴン討伐へと出発することにした。
軍事演習の為、北門から少し離れた広大な演習場に来ている。
地平線まで埋め尽くすほどの兵士が整列している光景は圧巻だ。最前列には、ロンの憧れ、王国騎士団がずらりと並んでいる。
「みんな! 今日もキレイに整列できてるね! 今日は新しい戦闘法を修練してもらうょ!」
「これを覚えたら、昇化してない者も仙術が使えるようになっちゃうかもよ!」
二人の王が拡声の魔法具を使って演説する。
実は午前中に、各部隊長クラスを個別に招集し、オレ達が直々に練気術と魔族の戦闘法を伝授していた。ただし、龍族の秘伝であることは伏せてもらっている。
騎士団の部隊長ともなると、すでに昇化した実力者ばかりだ。
王国は完全実力主義。
文武に秀でていれば、出自に関係なく誰にでも出世の機会がある。
演説の後、部隊長達がそれぞれの隊員に指導を始めた。
高台から見下ろしていると、早くも感覚を掴んで浮遊し始めている一兵卒がいるのが見えた。
「ちょっと手分けして見に行ってこようか」
「そうだね。そうしよう」
「ちゃんボクも行ってこようかな」
オレ達四人と二人の王は、分かれて演習場を回った。
元々、兵士たちは基礎的な魔力操作ができるため、練気術の「練る」という感覚の習得は早いようだ。
問題はその先。
練り上げた気を体外へ放出し、術として成立させるのが難しい。オレ達も最初はだいぶ手こずった。
やはり、もともと仙術の素養がある者や、感覚の鋭い者は習得が早かった。普通なら数ヶ月から年単位の修行が必要な技術だ。
けど、これを全員が習得すれば、王都の軍事力は文字通り倍増するだろう。
「そうだ、レオナード王。西の山脈に『ニーズヘッグ』ってのがいると思うんですけど、あれはヤバそうですか?」
「ヤバいなんてもんじゃないよユーゴちゃん。あんなもん軍で対処するような奴だよ」
「討伐しても大丈夫ですか?」
「え……あんなのと戦おうとしてるの!? 構わないけど、SSSの魔物だょ? 死んじゃうょ……?」
「SSSなんてあるんだ……」
SSランクの上、SSS。
未知の領域だ。
今回の軍事演習は、主に練気術の基礎習得で幕を閉じた。
「よし、練気術の習得はできたね! それを応用するのが難しいょね! 基礎は今日学んだとおりだょ、各自持ち帰って修練を積むように!」
女王の号令で演習は終了した。
一日で習得して使いこなすジュリアのような天才が異常なだけだ。皆、焦らず時間をかけて自分のものにすればいい。
オレ達はその後の日々を、ギルドの依頼をこなしながら、ひたすら術の精度を上げる修練に費やした。
四人で互いに動きを確認し、アドバイスをし合いながら、個々の長所を伸ばしつつ、仲間の技術を吸収していく。
「ツヴァイハンダーはもちろんお気に入りの武器だが、一対一のスピード勝負では『風切』を使った方が良さそうだな」
ジュリアは新調した刀に『風切』と名を付けた。
由来は、振った時の風切り音が心地良かったから。実に単純でジュリアらしい。
「そうだな、乱戦や大型の魔物相手にはツヴァイハンダーの破壊力が活きる。使い分けができるのは強みだ」
四人の連携も、格段に洗練されてきた。
トーマスの盾は、鉄壁の守りで前線を支える。
オレは二刀流で攻防一体、遊撃役として立ち回る。
ジュリアは圧倒的な火力で敵を粉砕する超攻撃型。
エミリーは皆にバフをかけつつ治療役に回り、苦無と遁術を駆使して中距離から支援火力を叩き込む。
オレ達は相当強いパーティーに仕上がっているはずだ。
◇◇◇
季節は巡り、二ヶ月が過ぎ去ろうとしていた。冬の気配がすぐそこまで迫っている。
マモン達の行方を追って情報収集を続けたが、聞こえてくるのは古い噂話ばかりだった。王都には帰って来ていないと見る他ない。
王都は王国中の商人や狩猟者が集まる情報の一大集積地だ。ここで情報がないということは、彼らは王国を出て、魔都に滞在している可能性が高い。
だとすれば、いずれ彼らが動けば、最初に情報が入るのもここ王都だ。オレ達が未だ王都に滞在しているのは、そういう理由からだ。
いつの間にか、ジュリアは練気術を完全に我が物とし、空を自由に駆け回るまでになっていた。流石は仙族が誇る天才、成長速度が桁違いだ。
「オレ達もう、ニーズヘッグ倒せるんじゃないか?」
「どんなやつかも分からないけど、今のこの連携ならどうにかなるんじゃないかな」
「行ってみるか?」
「ヤバかったら逃げればいいしね!」
いつもの軽いノリで決まった。
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