- Mix blood -

久悟

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第三章 大陸冒険編

特級品

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 二週間後。
 オレ達はトーマスの部屋に集まっていた。

「みんな、見てよ。凄いのが出来たよ」

 トーマスが誇らしげに指差した先、テーブルの上には革鎧、篭手、脛当てが人数分並べられていた。先日討伐したニーズヘッグの体皮を使った防具だ。
 ダークグレーの龍鱗が、室内の明かりを受けて、鈍く重厚な輝きを放っている。

「カッコいいなこれ!」
「わぁ! すっごくいいね!」
「おぉ、仙神国の金属を使ってるんだな。やっとアタシも皆とお揃いか!」

 ジュリアが早速手に取って目を輝かせている。

「なかなかいいでしょ? 職人さんが凄くセンスのいい人で、デザインにまでこだわってくれたんだ。柔らかくなめしたから動きやすいけど、驚くほど丈夫なんだ。文句なしの特級品だよ!」

 オレも自分の分を手に取ってみた。見た目の重厚さに反して、驚くほど軽い。素材自体に伸縮性があり、身につけてみても窮屈さを全く感じない。
 特に胸周りは革が幾重にも重なるように造形されている。腕を回しても干渉しない絶妙な設計だ。肩までしっかりと守られている安心感がある。
 篭手は肘から手の甲までを覆い、脛当ては膝までをガードしているけど、関節の動きを阻害するような違和感は皆無だった。 

「篭手には魔晶石だ。このサイズでこれ以上の魔晶石は無いだろうね」
「いやぁ、気に入った。凄いぞこれは」
「トーマスの盾はそのまま?」

 トーマスは以前、ヤンさんからヤマタノオロチの革盾を譲り受けている。

「あぁ、ヤマタノオロチもニーズヘッグも一長一短あるんだよね。だからこっちも作った。その時に合わせて使い分けるよ」

 そう言って、彼はニーズヘッグの鱗で作られた新たな盾を見せた。これでオレ達の装備は盤石だ。これ以上のものはもう手に入らないだろう。
 
「トーマス、ありがとな! コカトリスの防具も一応予備で持っとくかな」
「いやいや、防具作成凄く楽しかったよ。いずれ親方に弟子入りしたいな」

 トーマスが満足げに笑う。彼の職人気質な一面が垣間見えた気がした。

「無性に動きたくなってきたな!」
「そうだね、依頼こなしに行こうよ!」

 新しい装備を試したいのは皆同じだ。オレ達はSSランクの討伐依頼を受け、その足で街を出た。

 実際に戦ってみると、守護術の展開感覚が変わっていることに気づいた。
 もちろんオレ自身の強化術もあるけど、防具そのものに練気が浸透しやすく、防御膜の密度が段違いだ。まるで防具が身体の一部になったかのような一体感がある。
 使い込んでいけば、更に馴染んで性能を引き出せるようになるだろう。
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