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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》
08《魔導図書館》
しおりを挟む波乱のお出かけであるが、ようやく目的の地へと到着した俺は眠っている。すやぁ
「ふふ、ねこのこちゃんも子供ねぇ」
結局ねこのこもあの後すぐ、歩きながらパタリと突如倒れるように眠り、見事に俺はねこのこのクッションとなり、ねこのこの身を守ったのだった。
って、赤ちゃん下敷きにするなよ!!
と、俺の声は届くことは無い。なんせこう見えて寝てるからな。
ひょいっと眠る俺とねこのこを抱っこし、母さんが目的地に連れてきたって感じだな。
最初からそうして欲しかったと、つくづく思うよ。あっ、そろそろ目覚めるな俺。
「……ふぁ~」
「あら、おっきしたの?」
「うん~……付いたの?」
「着いたわよ、ススムが行きたいって言ってた魔導図書館よ」
そうなのだ、今回のお出かけ……俺の目的の為に来たんだよな。
ほら、魔導図書館って名前の響き的になんか良くね?
高々と真っ直ぐ天へ建つ、塔のような形状の図書館。
内装は壁一面が本棚で、螺旋状に階段が付いてる感じだな。
家にある世界の建物って本に書いてるとおりなら、上に行けば行くほどに高位な魔法書があるらしい。
「ふへ~……やっぱ、いい!!!」
「あらっススムったら珍しく目を輝かせちゃって」
トー~っ!! っと母の腕から飛び降り空中二回転着地。まぁカッコつけたが風魔法の応用だな。別に回らなくても良かったがそこはあれだ、カッコイイだろ?
あっちなみにだが、ねこのこに落とされる時とかも一応この魔法使ってるぞ?
ただ……いきなり過ぎて、いつもほとんど間に合ってないってだけ……だけど、死ぬレベルにダメージが達して無いのは魔法によって軽減できてるからだと思う。
……勇者をサポートする生き物……むしろ何度殺そうとしてるんだこの猫。
まじで、ねこのこの設定考えたゲーム会社の奴に文句言いたいな。
……あれ、そいやこの世界がゲームを真似たってのはおかしいな……ゲームがこの世界を真似ている?? ……よく分からんがまぁとりあえずねこのこだけは勇者サポートに回したらダメな人材ってのは確かだな。
と、愚痴も程々にしよう。
なんせ今日は、念願の魔導図書館にやってきたんだからな!!
俺は身体に魔力を溜める。ここ1ヶ月、魔法の練習を頑張ったからな……ウィンドハンドぐらいなら無詠唱で使えるようになった、そしてこれはその応用、わざわざ抱っこされてまで魔力を温存したのは……今!! この時の為!!
《応用魔法、ウィンドウェア》
身体にウィンドハンドにより発生する風を纏わせることで空を飛ぶ俺のオリジナル魔法。
かなり練習した結果、周りに強い風の影響を完全に止めることに成功したんだ。
なのでまぁ
「ススム~あまりはしゃぎ過ぎないようにね~」
「はぁいー!!」
僕は螺旋階段を無視し高く高く舞い上がる。
下の方にある初級魔法に関しては殆どが童話とか、家にある教材に載ってたからな。別に読む必要も無い。
俺が求めるのは高位魔法。
そう、ねこのこから身を守る為の回復魔法!!!
流石にそろそろ覚えてないとマジで死ぬからな!!!
高く高く舞い上がること数分。
「この辺ならいいのあるかなぁ~」
高位とはいえ、確か回復魔法ってのは中級からあったはずだからな、癒しの魔法《ヒーリング》ぐらいは覚えて帰りたいとこだよな。
ふわっと浮いたまま壁伝いに本を見ていく。
《中級火魔法を使用した永久機関の作り方》
《手袋無しでの氷系魔法の取り扱い方法》
《中級雷魔法、使用する際は金属製装備厳禁》
なんか色々と気になるのがあるが……今日はこれじゃない。
「を」あったあった、多分これだな。
《女子力アップ間違いなし! これで男もイチコロの中級聖属性魔法の使い方》
タイトルはともかくとして、多分内容的には間違ってないはずだ。なんせ聖属性だからな、男もイチコロって事は……回復魔法ってこの世界だと女子力なのか?? まぁなんでもいいや
「赤子が……飛んでる??」「えっ? えっ? 赤ちゃん??」
「天使?? 悪魔?? 赤ん坊??」
なんかめっちゃ周りの人達がざわざわとやたら騒がしい……図書館でぐらい静かにしろっての。マナーのなってない大人ってのは本当に嫌んなるわ。
「さて、えーと」俺は本を開き内容を読む。
「赤子が喋った!?」「きっきのせいだよな!?」
「誰か幻覚魔法でも使ってるのか!?」
俺の特技、本を読むと周りの声が聞こえないぐらい集中可能。
まぁ短所とも言えるが、俺的には最高の特技だと思ってるんだ。なんせ……嫌な現実を忘れることができるんだからな。
読むこと数分。
「ふむふむ、めちゃんこ簡単だたな」
というわけで、物は試しだな。
ここに来る際、ねこのこに落とされたせいで後頭部、あと身体のあちこちが痛い。
なので、頭の中で自身の身体全体を想像し、ウィンドウェアの様に身体に魔力を纏う。
あとは簡単、いまさっき読んだ本の通りに詠唱を唱えるだけだ。
「天蜂の巣より滴る純然たる蜜──傷付き倒れし者に、安らぎの許しと再度立ち上がる力を与えん──《ヒーリング》」
きらきらと輝く白い光を放つのは、蜂の形をした精霊達。
俺の身体に蜜を運んでくると、ふわっとした温もりを感じ、気付くと全身の痛みは消えていた。
「をを、回復魔法……すご」
なんか感動したわ。ていうか……蜂なんだな。
まぁこれでとりあえず目標は達成したな。
母さんも心配してるだろうし、そろそろ戻ることにしよう。
《ウィンドウェア》
再度発動し、おれはふゆふゆと下で待つ母さんの元へ向かった。
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