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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》
09《美女と美少女》
しおりを挟む次の目的地、まぁ家のあるド田舎村からそれなりに遠い所まで来てるからな。
ついでに母さんが買い物もすませとこって感じに来たのは食材や生活雑貨等が売ってる大きな市場だな。
「ねこのこちゃん、しっかり手を繋いでてね」
「うむ!」なぜ偉そうなのか、あんたが迷子にならないようにしてるってことは理解してますかな?
ちなみに俺は母さんの首に乗っている。言わば肩車だな……ねこのこに落とされる前に、最初からここにくっついときゃ良かったわ。
「さぁて、今晩食べたいもののリクエスト!」
「「シチュー!」」
「ふふ、やっぱり仲良しね~」
…………まぁこればっかりはそう思われても仕方ないのか……何故か不思議なもので、ねこのこは俺と食べ物の好みが似てるんだよな。
勇者の身体から発生する存在って書いてる書物もあったし、つまり俺の身体から出来たなら……つまりそゆことなのか?
「鶏肉……じゅるる」
あっちがったわ、そういやねこのこは……シチューに入ってる味の染みた鶏肉が目当てなだけで、シチュー自体には大して興味無いの忘れてた……
「ふふ、鶏肉たっぷり入れてあげるわね」
「にゅにゅ!!! よっよきにはからえ!!」
こいつどこでこんな言葉覚えてきてんだ??
ていうか使い方間違えてるし……
とても澄んだ水色の髪とエメラルド色の瞳をした美少女だってのに……ほんと、言葉使いだけで台無しにしてる感あるよなぁ。
……いや、これはこれで需要があるのがオタク界って物か……俺はまだその領域には足を踏み入れれてないってとこだな。
黒いローブの上からでもわかる。
上から見下ろすねこのこのしっぽはピンと喜びを表してるな。
♢
異世界の露店市場は広大だ。
りんご1つにしても、ひとつの店を埋めるぐらいに敷き詰められてたり、肉なんてほとんどの店が大きな肉塊をケバブのようにぶら下げてるから、ひとつの店に沢山の品が並ばず、その結果……こうも先が見えない程の巨大な露店市場になってんだろうな。
「じゅるる~」はしたない猫が1匹。
「ふふ、ねこのこちゃんは本当に鶏肉が好きなのね~」
いや、母さん……そうじゃないだろ……、普通店のカウンターに身を乗り上げ、ぶら下がる鶏肉見ながら洪水のヨダレでカウンター汚してる事を注意すべきだろ……
ほら、店の人やってきたぞ、怒られるぞ、俺は知らんからな!!
「ほほぅ、まさかこの子はねこのこ族ですかな?」
……ん? おかしいな……なんだか予想と違う反応だぞ?
筋肉質な厳つい坊主のおっさんきたーー!! って思ったんだが、口を開くと優しい口調に驚きが隠せん。
「じゅるる……ねっねこのこはねこ……じゅるる、鶏肉、よこせ!!」食欲に負けて自己紹介やりきれてないぞ……ていうか、ねこのこってやっぱ、凄い生意気なとこあるよな。
「ハハハ! ねこのこ族は初めて見たが中々に可愛いな! ほらよ、さっき昼飯用に焼いた鶏肉だがやるよ!」
……なんだろう、この世界には美少女に生意気言われたら、許さなきゃいけないっていうルールでもあるのだろうか?
「おっさんありがとだぞ!!」
……とうとうこいつ、ダイレクトにおっさんて言いやがった、さすがに怒られるぞ……
「お礼が言えて偉いなぁ、ほらよ、これも食べな」
……何故褒められる?? 次はおにぎりも渡されてるねこのこ。
「くんくん……いらね」しかも軽く拒否。
「鶏肉が好きなんだな! これはいい客になってくれそうだ!」いや、もうマジで叱らなきゃそいつ調子乗るぞ!?
結局ねこのこは一切怒られることはなく、うふふとその光景を眺める母さんも、美女ってことで鶏肉を安く譲ってもらってた。
俺はわかったわ、たぶんこのおっさんは彼女いない歴=年齢の悲しき男なんだってさ。
「あなた、おや? 可愛いお客さんだね」
「はは、そうだろ!」
いや、普通に嫁いたわ……つまり美少女と美女は基本的に優遇される生き物ってことだな。
♢
鶏肉、野菜、それから調味料等など、結構な量の食材を購入した母さんである。
勿論そんなに買えば……
「母さん、重たくないの?」
「ふふ、お母さんを誰だと思ってるの? これぐらい余裕よ!」
いや、誰って……母さんは母さんで、痩せ型でひ弱な女性じゃないのか??
まぁなぜ俺がそう思うかと言うとだな、ねこのこに抱かれる俺が見る母さん、腕がぷるぷるしてるとこから無理してるのはひと目で分かるんだよな。
ていうか不思議だ。
「ねぇ母さん」
「どっどうしたの?」
もう声色も変わってんじゃん、若い若いと言っても腰を痛めたら若くても人生終わるから無理は禁物なんだぞ?
じゃなかった。
「ねぇ、どうして異空間収納しないの?」
「……へ?」
だってさ、ここってゲームの世界じゃん。
だから当然、食料だろうがなんだろうが、アイテムって分類になってて、アイテムは勿論収納出来るのが当然じゃん?
現に俺は異空間に腐る程アイテムを持ってて、何故母さんがわざわざこうして重い荷物を持ってるのかわからん。
「筋トレ? ……でも母さんは筋肉無い方が可愛いと思うけど」
「……嬉しいこと言ってくれるのは良いんだけど……ススム、さっきなんて言ったの?」
ん? 母さんボケるにはまだ若いと思うが……子供二人を1人で育てる疲労でも溜まってんのか?
「えぇと、異空間収納になおさないの?」
・
・
何故か母さんは静かになった。
そして、言ってくる。
「ススム……まさか、異空間収納を持ってるの!?」
「……? うっうん」
……おかしい、また思ってた反応と違う。
俺が魔法を使おうが、生後すぐに歩いたり喋ったりしようが驚かなかった母さんだと言うのに……まさか、異空間収納って……
俺の感は的中した。
「異空間収納というのは、王族のみが生まれながらに持つ魔法なの……もしくは街一つ買えるぐらいのお金を払って手に入れるような高名な魔法……」
えぇ……これってそんな凄いのか?? 生後すぐに使えたし……なんかサイズ合わない装備の倉庫になってるこれが……
いやもう驚きです。
「ちち、勇者、もってるとうぜん!」
横からねこのこが何故か自慢げに割り込んできた。
「……そう言えばそうね、ススムは勇者なんだから持っててもおかしくないのかしら? ……ふふ、母さんとしたことが、勇者を育てるんだから驚かないようにしようと思ってたのにね、ごめんねススム……よしよし」
……ああ、そうだったんだ。
なんか母さんがあまり驚かない理由がわかったよ。
つまり、我が子が勇者として生まれたから、それに驚いて僕に嫌な思いをさせないようにしてくれてたって訳だな。
……ふむ
我が母ながら、出来た親だなーって感心するよ。
「母さん、とりあえず収納するね」
「ふふ、じゃあお願いしようかしら」
僕は母さんの持つ荷物を全て異空間に収納、僕たち3人は帰路に着いた。
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