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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》
10《メニュー画面》
しおりを挟む母さんは、ほあ~って変な声を出して感心している。
それは空中に魔法で浮きながら、キッチンにあるリビングテーブルの上へ、異空間収納した食材を次々に出す俺を見てのことだ。
「これで多分全部だよ?」
「本当に便利な魔法ね、高いお金使ってでも欲しい人がいるのが頷けるわ」
まぁたしかに、僕自身もこれは便利だって思うからな。
前の世界だと異空間収納なんて使える訳もなし、暑い日とか買い物帰りの大荷物は地獄だったもんな。
……ふむ
「母さん、荷物を運ぶのが大変だったら、僕が荷物持ちで買い物ぐらい付き合うからいつでも言ってね」
まぁこの母さんには育てて貰ってる恩があるからな。これぐらいの事なら進んでやりたいってもんだ。
ふふんと自慢げに言う俺、そんな俺の頭を母さんは撫でる。
「ふふ、ほんとススムは良い子で母さん助かるわ、でも買い物ぐらいは母さんがするわよ、なんたってススムの母なんだしね! 息子に頼られた事ないのに頼ってばかりなんて情けないわよ」
ん~そんなことないと思うけどな、困った時はお互い様って言うし……それに、俺は……なんだかんだ、この母さんに色々助けて貰ってるんだけど……それを伝えるには前世の記憶の事を打ち明けないと行けなくなる訳で、さすがに……それは、色々と気まずいからここは……
「うっうん、でも本当に無理だって思ったら、僕を頼ってね!」
「ふふ、頼もしいナイトちゃんですね~」
はぁ……いいこと言ったつもりなのにな。赤ちゃん扱いか……
……まぁ僕ってば……まだ生後間もない赤ちゃんなんだけどさ。
♢
母さんが料理を始めるので部屋に戻った俺である。
「ふぅ……なんか疲れる」
このひとりの時間はなんだかんだで癒されるな。
やっぱ、たまに母さんを騙してる罪悪感があって、それが精神的疲労に繋がってる感じだな……
「ねこのこはねこのこで……なんか、いつかポロッと言いかねないし、そうなると……俺は捨てられるのかな……」
前世と言えばいいのか、前の自分を思い出す。
ただ毎日をただ消費していた空白のように過ぎ去った時間、人肌恋しかったが……誰も信じられなくて、誰とも関われなくて、けどゲームの中でだけは自分をさらけ出すことが出来てた。
「はぁ……」
メニュー画面を当たり前のように開く。
まぁゲームの世界だし開けて当然なんだけど……母さんのあの反応、異空間収納が普通は使えないってことは、このメニュー画面も俺以外は王家とかそーゆーやつらしか使えないのかもしれないな。
ポチッポチッと操作を進める。
まぁこのメニュー画面、この世界に来て初めて見た日から使い慣れてんだよな。
……なんせ、俺のしてたゲーム、ユグシルトと全く同じだからな。
《ステータス》《装備・アイテム》《魔法・特技》《???》
まぁこんな感じに表記には、幾つか開示されていないはてなマークもあるのだが、幾つかは検討がついてんだよな。
1つは《ギルド》冒険者になったら使える機能、ゲームだと階級やらなんやらとあったが、この世界でも同じかは分からんな。
2つ目は《世界地図》まぁゲームあるある、行ったことのある場所の詳細等がわかるものだな。ゲームではテレポなんて使えてたんだけど、この世界でも使えたら便利だなって思うとこだ。
3つ目《領地》自分の家となる土地のことだな。ゲームなら有名な冒険者とかになると王様から土地を貰えるんだが、自分で作ったり捕まえたりした精霊や魔物をここで飼育できるんだよな。
町に発展していく様は中々楽しかったっけ
まぁまだまだあるが、今日はこの辺はとりあえずどうでもいいかな……なんせ、俺はまだ赤ん坊で、この機能を使うにはあと16年……まぁせめて成人はする必要がありそうだからさ。
なので、今日ポチリと押すのは《魔法・剣技》ちょっと気になることがあったんだ。
所持魔法一覧
《初級》《中級》《上級》《聖級》《王級》《帝級》《神級》
剣技一覧
習得した剣技はありません。
今日気になってるのは中級魔法、なので《中級》の所をタップする。
「あっ、やっぱそうなんだ……」
ちなみに俺、ほとんど全ての魔法は習得済みだったりするんだ。
理由はよくわからんが、ステータスを見るとLv255だった点からして、ゲームのステータスがこの世界に反映されてるって感じだと思うけどな。
で、まぁ……沢山の魔法を取得してる俺なんだけど、ひとつだけ問題があったんだ。
それは魔法の発動の問題だな。
ゲームの世界に無くて、この世界にあったそれはまぁ《詠唱》
俺は全魔法を習得してるが、この詠唱を知らないって理由だけで全ての魔法が使えないって意味不明な状況なんだよな。
なので今回調べたのはその詠唱、そして今回分かったのはその詠唱がメニュー画面に登録される方法。
さすがに1回2回見ただけで覚えるのは無理、なので登録したい詠唱だったんだが、今回でわかったよ。
「ふむふむ、1度使用した魔法は登録されるってことか……」
ちなみに幾つかわざと唱えず読むだけにしたのだが、その魔法は調べたところ詠唱は記載されていないようだな。
「……まっそんな簡単ではないと思ってたけど、面倒だなーこれ」
俺の魔法の数、いくつあるんだコレ? これ全部の詠唱見つけるってなると骨が折れそうだし、使う分だけでいいか……
ちなみに魔法、使用したらした分だけ熟練度というものが上がり、魔法によって異なるが無詠唱で使用可能になるみたいだな。
「回復魔法は無詠唱にまでしたいけど……そうそう怪我なんてしないもんだしなぁ……」
零す言葉に付属するように、ふと思い浮かぶのはねこのこ。
「いや……怪我する可能せ……がはっ!?」
魔法の練習がてら、ぷかぷか浮かび部屋中浮遊してた俺。
急に開いたドア、バン!!! っと俺は挟まれる。
「ちち! 手伝っ……にゅ?」
バタンと部屋のドアが閉まる。
どうやらねこのこ、部屋を確認し俺がいないと思い去っていったようだ。
「……痛い……」
開いたメニュー画面、見える俺のステータス。
体力ゲージ、青から黄色になっている。
「……ねこのこがいる限り、怪我する可能性高いんだったな……」
魔法を唱え、俺は自分で自分の身体を回復するのだった。
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