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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》
11《1歳ですので》
しおりを挟む短く感じるようで長くも感じる赤ちゃん生活。
とにかく魔法を覚え続けること数ヶ月、本日は俺の1歳のお誕生日である。
キッチンにあるリビングテーブルの上、朝だと言うのに沢山の豪華な食事、うちは結構貧乏なんだけど……俺の為にしてくれてるって思うと、嬉しいよりもなんか、悪い気がしてしまうのはきっと、俺の中身が大人で、母さんはこの肉体の俺を祝ってくれてるからなんだろうなって思う。
「ススム、お誕生日おめでとう!」
「ちち! おめめ!」
それは目玉の事な、ていうかフォークを人に向けて言うな!
リビングテーブルの椅子はさすがに大きくて、俺にはサイズが合わないからな、いつも通りぷかっと浮きながら祝ってもらってる俺。
「ありがとう母さん、ねこのこ」
それにしても1歳か……つまり俺はこの世界に来て1年経つって訳だな。
そしてなぜこの世界に来たのか不明、ねこのこが勇者見つけた。
その一言だけを言って、俺をここに連れてきたはずなんだがな……大事なとこ、ぜんっぜんわかってない様子で……
つまり俺、ただ異世界生活してるってだけの現状。
……いやさ、別にいいけどさ、異世界来たかったし、魔法とか使えて楽しいし……
「もぐもぐもぐ、はは! 今日のは100点!」
「ふふ、いつも100点ありがとうね~なでなで」
「うむ! 精進するんだぞ!」
でもさ、出来ることなら大人の身体が良かったな……。
こんな……とんちんかんでチビなぺたん娘美少女より、おれとぅるーして美女ハーレムしたいってのが男心ってもんだ。
唯一この世界で近しい美女は母さんだしな……母さんになでなでとかされても……別に……嬉しいが、違うんだよ!!
「あらあら、そんなにおいしいのかな?」
「もぐもぐもぐ……!! ちち、はやい……ねこのこ負けぬ!」
こうなりゃヤケ食いだ!!
♢
白い建物、白い部屋、白いカーテン。
この施設の従業員の方はさぞ掃除が大変だろうな。
1歳の誕生日を終え、更に半年が経つ。
ああ、今来てるのはあれだ、俺こう見えて生後1年、つまり1歳児だからな。
今日は1歳半検診ってやつだ。
「では次の方~」
待合室で待機してた俺と母さんとねこのこ。
呼ばれたので待合室の椅子から立ち上がる。
「はは! 続きはよ!!」
「ふふ、ねこのこちゃん、後で読んであげるからね、とりあえず今はススムの検診に行きましょうね~」
「ふむ、仕方ない、約束だぞ!」
……相変わらず生意気、ていうか……最近わがまま度が上がってる気がするのは気の所為なのだろうか?
まぁ……説明をしっかりしたらちゃんと言うこと聞く点は、ただの子供よりは楽でいいとは思うけどさ。
母さんに抱かれ、俺は待合室から検診する部屋に移動する。
「んぎゃー!! ほんぎゃー!!!」
「やっ!! やっ!! うぅ……うえーーーん!!!」
まぁ1歳検診なんて当然こんなものだよな。
大きな部屋に沢山の赤ちゃん、鳴き声があちらこちらから聞こえてくる。
「ふふん」自慢げな俺、まぁ当然だろ……俺ってばここのヤツら全員同い年だが、あんなわけも分からず泣いたりしないからな。
「ススムも泣きたい時は泣いてもいいのよ~よしよし~」
「あっ大丈夫です、僕はもう1歳ですので」
「ふふ、可愛げ無いとこがススムの可愛いとこね~」
ん? なんか今すっげぇ酷いこと言われたか??
「ちち、泣け!」「泣かねぇよ!!」
突然のねこのこの言葉に咄嗟にツッコミを入れてしまったが……なんだろう、じーーっと見てきてる。
すげぇ嫌な予感……
「はは! ちち貸せ!」
俺を抱く母さんに両手を広げるねこのこ。
「ふふ、ならねこのこちゃんにお願いしようかしら」
「!? やっ!! やっ!! 母さんがいい!!」
「あら? ススムはもう1歳なんだよねぇ~?」
「……………………」
俺は何も言い返せず「ちちは確かにあずかった!」ねこのこの胸のなかへ。
「………じーーーーー」
なんだ、こいつ……なにするつもりなんだ!?
いつも思うが、ねこのこの考えてる事って全然分からないから死ぬほど怖い。
「じゅる……」「じゅる??」そして次の瞬間。
「がぶっ」と声がしてコリっと音がした。ねこのこに鼻を噛まれたんだ。
一瞬ゾクッとする痛み、からのじわ~っと熱くなる痛み。身体全体が暑くなってきて……気付くとこうなってしまう。
「うわーーーーーーん!!!!」
記憶は大人、でも結局……精神的な面や身体は赤ちゃんな俺。
「ふふん、ちち、泣いた、これでみんな一緒なたぞ」
何故かご満喫なねこのこに泣かされたのだった。
……ていうか、内心は泣いてないのにこう泣いてしまうのが、赤ちゃんの身体でいちばん辛いことだと思う。
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