《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

17《VSユグシルトゴーレム》

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魔力操作、魔力を操作する能力。

俺はそれを使うことで、ウィンドウェア……つまり風を纏い、空を飛んだり浮いてたりしてる。

まぁつまりそゆことだな。

俺を鷲掴みにしたゴーレムはトドメと言わんばかりに振りかぶり、俺を地面に叩きつけてきた。

本来ならどんな音がするんだろうな? ドスッとかガスっとか、俺みたいな一歳半の赤子の身体ならベチャッてとこか?

というか俺は言いたい……毎度毎度思うんだが……

「お前ら全員、赤ちゃんの身体に優しくしろ!!!」

ウィンドウェア、俺はただ風を制御してただけで、制御を解けば風は増し、暴風が象る風の鎧にもなるんだ。

「ススム……!? よかったぁ~……」
へにゃ~と腰をおる母さん、の前のやつ……お前心配しろよ。
「ちち、生きてた」
何が生きてた、だよ! 指さす前にお前は風魔法で助けるなり出来てただろ!!
……本当にこいつ、勇者をサポートするための存在なのか疑わしいわ……

と、愚痴ってる間にもこのゴーレムは容赦ないな。

圧殺が無理とわかったんだろう、次は拳を初めから握り、岩の塊となったその巨大な腕を振りかぶり飛んでくる。

ズドンッと鳴り響く地面が弾ける音、空を飛ぶ俺の目の前にはもう巨体のゴーレムが敏捷に現れている。

けどまっさっきので分かったが……やっぱ俺、肉体的にはまじに赤ちゃんだけど、魔法の強さは完全にレベルがカンストした、ゲームの時と同じ性能があるみたいだな。

手を前に翳す。

俺のウィンドウェアはウィンドハンドから派生させた魔法。
これは守りのついでに空も飛べたらなって作ったんだが、ならばウィンドハンドを次は攻撃に特化させてやろう。

ウィンドハンドを何度も使うことで、風の魔力の操作には慣れたものだ。
ただ風の魔力を一点に、そうだな……指先に圧縮する。

合図は指を弾けばいいか、圧縮された風の魔力をデコピンで弾くように前に吹き飛ばす。

ーー特異風魔法《ウィンドガン》を習得しました。

ぱちんっ

指先を弾く俺、現れるのは閉じ込められたことを怒るように、1点の隙間から一気に吹き出す風。

巨体のゴーレムに直撃し、それでも収まることを知らずレーザーのようにゴーレムを吹き飛ばす。

「あっやば!!」
ウィンドガンのまさかの威力に焦る俺。
それは目の前にいたゴーレムが瞬間で飛んだ方面が問題なんだ。

「母さん!!!」
完全に予想外、ゴーレムは斜め下へ直線で飛んでいて、どう計算しても母さん達の方へ飛んでいる。

全身に風を一気に纏う、戦闘で殆ど使った魔力だが惜しむつもりは無い。

ーー特異風魔法《ウィンドアクセル》を習得しました。

今は頭の中の声を気にしてる暇もない。俺は吹き飛ばしたゴーレムに追いつく速度で母さんたちの方へ急ぐ。

のだが、何やら聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「ねこのこのこのこのっこのこ~《ウィンドガン》……にゃ!」

どう考えてもこの声はまさしく……ねこのこの声……だよな。

そういやあいつ言ってたな、母さんの事は守るって……ていうか、ウィンドガン使えるのね?
俺の目の前、容赦なく俺を巻き込む威力でぶち込んできた、俺のウィンドガンをかき消す直線上の暴風。
ゴーレムは追いかける俺の方へ吹っ飛んできた。

「……………………………はぁ」
そういや、あいつって……俺が魔法覚える度に俺と同じ魔法を使ってたな……
つまり、ねこのこって俺の魔法を使えるってことなのね。

「だから……無駄に心配とかしなかったんだな……」

速度のみを追求したウィンドアクセルをウィンドウェアに切り替える。
魔力を全開に、吹っ飛んでくる目と鼻の先にいるゴーレムに備えた。

がんっ!! …………がらがらがらがら!!! まぁこうなるわな。

どうやらゴーレム、とうとうその身体に耐えられるダメージの総量をオーバーしたのか、俺の身体に纏う風に直撃すると共にその身を崩壊させ、左右に飛散する岩となり地面に降り注いだ。

まぁ勝った、勝ったんだけどさ……
「なんだろう、この負けた感は……」
試合に勝って勝負に負けたって気分、ていうか……たぶんこのゴーレム、ねこのこの魔法で殆どトドメ刺された感じあるよな。

「なんで勇者の俺より……ねこのこの魔力総量のが高いんだよ……」

ふわっふわっふわっと落ちていく自身の身体。
どうやら魔力切れだな……こうなるとダメなんだ、全身の力が徐々に抜けていって、気付くと眠りに落ちていく。

一瞬、水色の長い髪が宙を舞っているのが見えた。

「ちち、つかまえた!」
ガシッとねこのこに空中キャッチされた頃には、俺の意識は眠りに落ちているのだった。

「ちち、おーい、死んだ?」
いや……死んでない、死んでないからその宙ぶらりんに持つのやめろ。
俺は一応寝ても夢として現実を見れるんだからな……後で覚えてろよ、このじゃりんこ猫め!!

「はは~! これ」
これじゃねぇ!!

「ふふ、ありがとうね~ねこのこちゃん、よしよし」
いやここ褒めるとこじゃねぇから!! 赤ちゃんは優しく扱えって怒るとこだから!!

「うむ、おなかへた……そだ!」
ん? ……………え

「へぇ~ねこのこちゃん、ススムの異空間収納からアイテム取り出せるんだ」

「もぐもぐ、もぐもぐ……いい匂いした」
……匂いで他人の異空間収納に関与できるってどうなってんだよ……

どうやらねこのこの食欲に、空間の違いなどなんの意味もなさないようだ。
……つまり、俺はねこのこのていのいい荷物袋って訳か……

ささみグミをもぐもぐもぐ、俺の収納からどうどうと取り出し食べまくるねこのこであった。




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