《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

19《感謝の気持ち》

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燦々とした草原がただただ広がるだけの土地。

そんな土地の端にウッドフェンスに囲われたそれはドシンと構え建っている。

坪数で言うと軽く200を超える、平屋の木造一軒家。
庭から見えるのは囲炉裏の部屋や畳が引き詰められた客を持て成す為の和室、奥にはカウンターキッチンの付いた広いリビングがあり、広いお風呂にはなんと、外に出る為の大きな窓が付いており、檜で造られた露天風呂となっている。

「ふむ」

と、そんな感じの家なんだが、母さんにプレゼントだよって言ったら目が点になって固まってしまった。

「ススム……? これ?」

指を指してるが言葉になってなくて、何を言いたいかわからんな。

「いつも頑張ってる母さんだからね、たまの休日ぐらいここに来てゆっくりしたらいいと思ってさ」
まぁ流石にまだ出来たばかりの領地は何も無さすぎるからな。
基本は今まで通り、あっちの家に住んどいて、休みの日にこっちに来る感じになると思う。
母さんには仕事とかもあるしな、それにこんなデカいだけの家……住むにはちょっと住み辛いと思う。

ああ、ちなみにこの家はユグシルト・オンライン時代に俺が建てた家だな。
ゲーム内だからと言って、ちょっと調子に乗りすぎた結果こんなでかくなったんだ。

……懐かしいな、限りある領地、ギルメンに家がデカすぎて邪魔って言われて倉庫番になった家なんだよな。

でも

「ほっほんとうに……お母さんもこの家に来ていいの!?」

これ程喜んでくれるなら、遊びで作ったとはいえ結構頑張ったからな、作った甲斐があったってもんだよ。

「うん、あとこれね」

「……? 指輪?」

「それ、この領地に好きに来る事が出来るライフリングのコピーだよ」

「……!? それってかなり高価なものじゃ!?」

……えっと、これ高価なの? 
少し驚きだわ……なんせ、俺はこれもギルメン増える度に取りに行くのが面倒で、ストック作りに篭ったせいで馬鹿みたいに持ってるからな。

名前《ダビングリング》

魔道具の性能をコピーすることが可能な指輪。
けれど複数の性能を持つ魔道具から性能をコピーすると、その中のひとつの性能しかコピーすることは出来ない。

ちなみにライフリングからは、転移性能だけをコピーしてるって訳だな。
つまりこのコピー品のライフリングを持ってるだけで、この領地に行ったり来たり出来るって訳だ。

でも……まずいな~本当なら俺がそんなの持ってる筈がない訳だし……なんて言い訳しよ……あっそだ

「さっき倒したユグシルトゴーレムが落としたんだ」
我ながら嘘が上手いな。

「そっそうだったのね……本当に母さんいいのかしら……」
母さんは母さんで相変わらずチョロい。

「なにかダメなことでもあった?」

「ちがうのよ、母さん……ススムを産んだだけなのに、こんなに幸せにして貰っていいのかなって思ってね、お父さんにも合わせられない母だって言うのに……息子がこんなにも……」

ふむ。

「母さん、それ以上は言ったら僕は怒るよ? 母さんは僕を産んでくれて、たった1人でこうして育ててくれてるんだ、僕は母さんに感謝してるし、母さんの元に生まれてきて良かったって思ってる、だから……母さんは自信を持って、幸せになったらいいと僕は思う……えと……そっそれだけ!!」
なんだろう、……俺ってば今、すげぇ柄にない事言ったな……恥ずかしい。

でも……

「……ススム……ふふ、母さん泣かせるなんて、ひどい息子ね」

俺は思う、この人だからこそ……俺はそう思えて、そう伝えたいって思ったんだなってさ。

泣いてる母さんの元へとことことこ。と現れたのは、後ろでポケーと興味なさげに家を見ていたねこのこ。

「なでなで」なんだかんだでねこのこって母さんに懐いてるよな……泣いてる母さんを撫でて慰めようとしてるのか?

根は良い奴なんだな~、と、一瞬でも思った自分を殴りたい。

「はは、泣いてる。ちち、サイテー、ろくでなし~、どーてー」

「……………………………」
どうしよう、ツッコミを入れたいが……最後の言葉のせいでツッコミが入れずらい。
たぶんこいつ……言葉の意味を分かってないが、なんとなく知ってる言葉の悪口っぽいのを並べたってとこだな。

「……ふふ」あっ母さんが笑った。

「ねこのこちゃん……ふふ、あのね、童貞って言葉は女の子が使ったら駄目よ?」
……母さん、変なとこツボなんだな。
ていうか母さん、そんなこと言うと……ねこのこはどしてダメなんだ? って聞いてくるぞ……

「はは、わかった」なぜ素直!?

「いいこいいこ……さて、ススムにせっかくプレゼントしてもらったんだし、泣いてなんていないで堪能させてもらおうかな!」

この後、母さんは家中をくまなく探索し、最終的にねこのこと風呂に入りに行ってたな。

俺はまぁ……一歳半の身体とはいえ、一応中身はいい歳こいた大人の男…………………なんだけどな。

「ススム、気持ちいいわ~本当にありがとうね」

「ちち、にょたいだぞ、喜べ」
何故こいつは毎度俺に裸見せてくるのか……

結局の所、俺は一歳半、性欲とかそーゆーの一切無いから……美女と美少女とお風呂入ってること、許してくれたら幸いだ。

ちなみにだが、お風呂になると俺は毎回全力で逃げるんだけどな、どこからともなく現れるねこのこにバシッと捕獲され、毎度強制的に風呂に入れられてるって感じ……

……あいつ、ウィンドアクセルに素で追い付くのかよ……

恐るべし、ねこの身体能力。

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