《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

35《下位ランクアップクエスト》

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まぁ翌日、つまり……ランクアップクエスト当日となったので、手紙に同封されてた依頼書を元にやってきた俺なんだけどな。

「ふむ」

響き渡る歓声、飛び交う罵声と声援、円状に建てられた建物の中央、すっぽり開いた広場があるここは……

かんっぜんに思い出したわ。

そう、ランクアップクエスト、1番最初のってのは……

下位クラス。5級~1級、ランクアップクエスト。
《トーナメント式、ギルド総力戦》
……俺、突っ立ってるだけで終わったんだった……

今は無駄に広い控え室にいる俺。

何やら設置されたスピーカーから音声が聞こえてくる。

「さーーーて!! 今年も始まりました!! 下位ギルド、ランクアップクエスト、ギルド総力戦!! 実況は私《ウルサ・マイク》が努めさせていただきます!!!」

うおおおぉおおおおおお!!!!! と、怒涛の歓声が聞こえる中……俺は今、マジで困っている。

えっと、どうすんの俺?? ていうか……クエスト内容は現地に来てからって……みんな知ってるような内容なら、そもそも依頼書に書いてろよ!!! そしたらシルマ呼び戻して、直ぐに終わらしてたんだ!!!

と、思う俺の思考の片隅、ひとつ気にかかることがあった。

……そういや、2泊3日の依頼……リオン1人で行けるって言ってたの、ねこのこが……わざわざシルマを……………………

あんの猫!!! 絶対知ってただろ!!!!

なんて愚痴ってても、それは容赦なく始まる。

「では、各ギルドの団長のみが集まり開会式を始めます、暫くお待ちください!!」

………俺、まじで一人でやるの?

そんな俺の気持ちなんて知ったこっちゃないと、当たり前のように広すぎる本来ならギルメンが集う控え室にあるドア、コンコンとノックの音がし開く。

「イノセントロアー、団長様、開会式が始まりま……あれ?」
まぁ当然の反応だな。控え室に迎えに来た役員だろう中年の男、俺の顔を見るなり目を疑ってる様子。
そして言ってくる。

「えっと、イノセントロアーの方々はどちらに?」

こう言われると、なんか……ギルメンに見捨てられた虚しい団長見たいで言いずらいじゃないか……

「はい、俺一人です……」

「えっ!?」
役員の人は驚いた様子で書類らしきものを見る。

「……えっこれ、記入ミスじゃなかったのか?」

「はい……」
たぶん、団長の年齢が2歳とでもかかれてたんだろな。
普通に考えたら記入ミスと思って仕方ない。けど、正真正銘……それが真実なんだ。これ以上何も言わないでくれ……

「しっ失礼しました!! ではこちらへ!!」

開会式へ向かう。

♢

闘技場に入るまでの廊下、待機してる俺。
めちゃくちゃ心細くて、すっげぇ嫌って思ってたんだけどな。

……案外ひとりって最高なのかも……
先程までの心境はどこへやら、なんせ俺、今、この世界に来ていっちばん幸せかもなんだからな!!

「ほんとかわいい、どこの赤ちゃんなのかしら」

「つぎは私に貸してくださいよ!」

「そろそろ交代ですよー!!」

四方八方から、俺を無理に包こもうとしてるのは、なんかもう美人揃いのお姉様ばかり。
考えてみたら、ギルドを立ち上げたばかりの奴らばかりって事は、基本的に年齢層は20~30ぐらい……そして、冒険者ってのは男が多いが女だってかなりの数が居る。

……ここが俺の求めていた聖地なのかもしれない。

開会式、俺はお姉様の方々に抱かれ参加し、幸せを感じてる間に終わっていた。

♢

「じゃあまたね~」

「またね~」

めっちゃ寂しい……
開会式が終われば、当然俺を可愛がってくれてたお姉様方も、あそこに居たってことは団長で、ギルドの元へ帰っていくってものだ。

俺はポツリとまたひとりぼっちの控え室。

…………いっそ、さっさと負けて終わろうかな

参加さえしたらランクダウンさせられることは無いからな、なんかもう……いい思い出も出来たし、俺は満足したのでランクアップクエストはどうでもいいや。

でも……ねこのこ怒るかな? 怒るだろうなぁ……いつも以上に虐めてくんだろなぁ……やだなぁ

母さんも悲しむかなぁ、やだなぁ……

仕方ない、あるていどがんばって、無理そうならリタイアしよっと……総力戦だし、1人だし、仕方なかったんだ。うん、これでいこう。

そうと決まれば怖くない、いつでもどこでもどぉん! と来い!! ってもんだ!!

「では、第1回戦《サウザントライス》VS《イノセントロアー》を開始します! 呼ばれたギルドの方々は速やかに係の者の指示に従い、指定の場所までお越しください!!」

「………………俺、1回戦だったの……? ……一回目はいやーーーーーー!!!!!!!」

お姉様に興奮しすぎて、トーナメント表なんて全く見てなかった俺、容赦なくやってくる係員に連れられ、闘技場前の廊下へと向かった。

相手は少数でありますように!!

相手は弱弱ギルドでありますように!!

相手も1人でありますように!!!!!!!!


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