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ススム編、第二章。《Lv255の赤ちゃんギルド》
46《ねこのこの謎》
しおりを挟むわいわいがやがや……とは行かないが、昨日の今日だと言うのに、イノセンスロアーのギルドホーム、それなりの形が出来上がったと思う。
がらっと空いたままの待合所、まぁ冒険者達は朝早くから、やたらと張り切った様子でクエストに出掛けたからな。
まだまだ少ない人数でのギルド運営だとこんなもんだ。
クエストボードに張り出された依頼、昨日結構な数をリズが張り出してたはずだが、虫食い状態だな~1人の冒険者が2つとか取ったってとこか? かなりの数減ってることに驚きだわ。
一応昨日リズに頼まれて連れてきた、受付嬢2人と料理人も流石に暇だからかクエストに出かけたみたいで、夜には戻ると言っていた。
だからまぁ……現在、ギルドにいるのは俺とリズの2人。
「団長は抱っこが好きですよね」
「まぁ赤ちゃんだからな~」
……抱っこが1番胸の感触を堪能できるとはさすがに言えん。
「ふふ、昨日は突然な出来事が多すぎて戸惑いましたが、団長のギルドをこうして支えられるって光栄なことですよね」
「よくわからんけど、リズがそうおもうならそうなんじゃないのか~」俺的には厄介事を押し付けただけなんだが、やりがいが出たなら良かった良かったってとこだな。
「ところでだんちょう」
「なんだ?」
「あの子は確か……団長のねこのこですよね? 先程からキョロキョロ何かをお探しのようですが、声をかけなくてよろしいのですか?」
「………………げっ」
なんだってこいつは……いつもこういうタイミングで現れるんだ……まさかまた、俺の幸せな時間を奪おうと言うのか??
まぁ当然目の前にいるのはねこのこ、でもなんか様子がおかしいな?
「ちち、あのむすめどこやった」
ああ……キョロキョロしてた理由それだったのね。
俺はてっきり、何故か女の人にくっついてると邪魔してくるから、またなにかされるのかと思ったわ。
「あのむすめ? だれのことでしょう?」
ああ普通に理解した俺がおかしいのか、普通はねこのこのあの端折りまくった言葉を理解するのって難しいわな。
「ミルクのことだよ、なんかねこのこのやつ、ミルクに懐いてるみたいなんだよな」
「そうだったんですか、ミルクなら今朝1人でゴブリンの討伐に向かったはずですよ?」
ん? ゴブリンの討伐……?
・
・
「って、ミルク一人で行かせたのか!?」
「あっはい、ゴブリンは初級冒険者が引き受けることが可能な依頼ですので」
これはまずいな、ミルクって……たしか、回復魔法以外を一切使用することが出来ない、完全にサポート職……ゴブリンと言えども、魔力も通ってない武器で女子小学生程度の腕力しかないミルクが殴ったとこで……
「あれ? ……ねこのこは?」
考え事をしてる間に突如姿を消したねこのこ。
「えと、いま……居場所を聞かれたので答えると、いってくるる~と消えたんですが──」
ん? そんなやり取りあったの? 考え事してて全っぜん気付かんかったわ。
「ふーん、ならミルクは大丈夫そうだな」
「えっと、ゴブリンの討伐にミルクを行かせるのはまずかったのです?」
「ああ、ミルクって回復魔法しか使えないだろ? ゴブリンに捕まって慰め者にされるのがオチじゃないか?」
「あっ……」ふむ、リズってやっぱおっちょこちょいなとこあるよな。
「どっどっどうしましょう!?」
「ん? あ~たぶんもう大丈夫だよ」
「へ!? どうしてです!?」
慌ててるリズだが、ねこのこが向かったからなぁ~心配する必要皆無というかなんというか……
「いまさっきねこのこがいただろ?」
「あっはい」
「あいつ、俺より強いから……消えたってことは、リズに聞いた途端に転移魔法でミルクの元にでも飛んだんじゃないか? あいつって転移魔法も使えるし」
いやまぁ、これは俺もかなり驚いたんだよ?
なんせねこのこって俺の使う魔法だけを使えるのかな? って思ってたら……どうやら違って、元々意味わからんぐらい強力な魔法を持ってて、更に俺が魔法を使用したとこを見るだけで使えてしまうという……
はっきりいって……勇者より強い勇者サポートだったんだからさ。
「ててててて……転移魔法!!??? やはりさっきのはそうだったのですか!? ……そっそれに団長より強いって……あの子、ねこのこ族ですよね!? 勇者をサポートするだけの弱い種族ですよね!?」
まぁリズが驚くのも無理はないってとこだな。
ん? ていうか……「ねこのこ族って弱いのか?」初耳なんだが?
「はい……ねこのこ族は勇者をサポートするだけの存在ですので、攻撃系統の魔法を習得しません、なので勇者なしで戦うとなるとかなり弱い種族と言われてます」
…………………ねこのこ、あいつってたしか……聖級程度の魔法を遊び感覚で使って俺にぶつけてくるんだが……
なんか、ねこのこの謎がまたひとつ増えた気がするわ。
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