70 / 82
ススム編、第二章。《Lv255の赤ちゃんギルド》
58《隊長!》
しおりを挟むあれだけ悩んだ不老問題、時間が経てば案外開き直ることも出来るってもんだな。
「ススムはずっと可愛いままなのねぇ~」
いやでも、喜ばれるのはなんか違うと思う。ていうか母さん……息子が成長しないんだぞ? そこは悲しむべきとこだろ。
「ちち、ちび」
……お前にだけは言われたくない。ていうか、俺を転生させた張本人が何言ってんだよ……俺はそもそもお前と出会わなけりゃ普通に大人だったっつーの。
あれから数ヶ月、さすがに俺は気にしなくはなったものの、母さんとねこのこに関しては……もうちょい気にしてくれてもいいのになぁって思う次第だ。
まぁ……
「ススム殿はワシのせいで……ススム殿はワシのせいで……」
逆にあんな反応されるのも面倒、むしろ……気にしなくていいぞってなるから不思議なもんだわ。
「シルマ、何度も言うけど副作用を知らず安易に使ったのは俺だ、だからそう気にする必要は無いぞ?」
「でっですがススム殿、儂はもう老い先短い老兵、ススム殿は未来に希望溢れる若者じゃ……だと言うのに、ワシはワシは……なんということぉぉおおお!!!!」
ごめん、一つだけ言わせてくれ……シルマよ……お前ってあれだわ。マジで、面倒くさい。
「ねこのこ隊長!」
「にゃ!」
びしっと現れるのはねこのこ、なんか最近隊長? ってのにハマってるらしく、こうやって呼ぶとすぐ様現れるんだ。
「うずうず、うずうず」
そして向けてくる期待の眼差し、指示を待ってるらしい。
なので俺は、指示を出す。
「シルマ副隊長が最近怠けている!! 少し鍛えなおしてくれ!」
「びしっ!」……これは口で言うことじゃねぇ。
ねこのこってたまに変な事にハマるが……こういった便利なものにハマってる時が利用しやすいよなぁ。
「ねっねこのこ殿!? なにを!?」
「シルマ、弛んでる、鍛え直すにゃ~」
「!?!!!??? いやじいやじゃやめてくれーーー!!!」
あのクールでナイスガイのシルマも……
ねこのこは怖いんだなぁ~
「南無……」
まぁでも、シルマは俺の事があってから修行でも、手加減間違えて訓練生何度か仕留めそうになってたからなぁ。
ちょっとマジで鍛え直した方がいいから、
ねこのこの……訓練……がくがくぶるぶる……
絶対鍛え直されると思うわ。
「ねこのこって……男に対しては手加減ないし、シルマ……死ななきゃいいが……」
「………………………うげ……」
さっそく外から音が聞こえてくる。
どごーーん!! やら、ばっごーーーん!! やら……
「……まじで、シルマ……死ななきゃいいが……」
ちなみにだが、シルマ曰く。
ねこのこの強さは……現役剣聖だった頃のシルマを軽く凌駕するとのことだ。
もういっそ、魔王とやらはねこのこが倒せばいいと思う。
「ススム~そう言えば、今日はリズちゃんに呼ばれてるんじゃないのー?」
「ん?」
………………あっ忘れてた……そういや今日、なんか大切な話があるとか何とか? 告白だったらどうしよう……俺は一生赤ちゃんだし丁重に断ることになるなぁ~罪深い男だ……ふっ
「女の人を待たせちゃダメよ~」
「はーい! いってきまーす!」
まぁ冗談だけどな、リズが呼び出すってことはギルド案件だろうな~。
♢
ぽよんっぽよんっ……ふぅ
「団長は抱っこがお好きですよねぇ~」
「あっうん」
俺が……というより、この場所を好きじゃない男なんて存在しないと思うのは俺だけなのだろうか?
「ふふ、とはいえ、私もこうして団長を抱っこしてるのが最近落ち着くんですよねぇ~」
「へ~」
こう言われると、疚しい気持ち全開なのが……少し心苦しいな。
さて、俺のこの魅惑の赤ちゃんボディに、和んでしまったところ申し訳ないのだが……今日はいつもみたいにリズの胸目当てでただ来たわけじゃないからな。話をしっかり聞くとしよう。
「そういやさ~今日、なんの用で呼んだんだ~ふぁ~」
最近リズのこのそこまで大きくはないが、なんかいい感じにフィットするここに居ると眠たくなるなぁ。
「えーとですね~王都から~ギルドランクアップの書類が来たんですよ~」
ランクアップ依頼か~懐かしいな~ついこの間のことなのに、リズ達が来て長い時間過ぎた気がするな~
まぁそれも一重にこいつらが良い奴で、ギルドにスっと馴染んだからだとは思うけど
「………………………へ? ランクアップクエスト……?」
「そうですよ~団長が団員達に武器を与えたことで、依頼の達成速度が上がったんですよね~気が付くと、ランクアップに必要な依頼数をこなしてたみたいですね~」
……そういや、この間ガチャ武器配布したんだっけ?
……ていうか、あんなゴミで捨てるような装備でこんなにも効果が出るのか!?
「んーと、つまり……」
「はい、ランクアップクエスト頑張ってくださいね!」
「……ちなみについてこれるやつは……」
「んー団員以外に領地内のことをこなせる冒険者の方はうちの領地には居ませんので、3日もギルドを空けるのはかなり厳しいと思いますねぇ」
…………「1人?」
「はい、団長でしたら大丈夫ですよ!」
信用もここまで来たら……ただのいじめだと思う。
……野良冒険者か……さすがにそろそろ流通させなきゃ……俺がしんどいなぁ
♢
シルマ。
ギルドに来る高難易度のクエストの殆どを熟す、ほぼ最強の冒険者。それ程までに忙しい身でありながら、朝から昼までギルドの団員たちの強化に務めている。
リオン。
朝から昼まではシルマ、もしくはねこのこに鍛えてもらっている、実は今ではうちのギルドで上位の強さを誇っている。
昼からはシルマのクエストについて行く。
ミルク。
とりあえず可愛い、清純、優しい。ヒーラーを絵に書いたような女の子、この子も昼まではねこのこに修行を付けてもらっていて、昼からは依頼を受けてクエストへと向かっている。
ねこのこ。
自由気まま適当で奔放な、そのまま猫みたいなやつ。
昼まではリオンとミルクの修行? をしてる……というか、基本的にミルクの服の中に潜り込んでたりする?
ミルクに異常に懐いていて、ミルクがクエストに出掛けると必ずついて行く。
……ミルクって攻撃魔法無いからなぁ、色々心配が多いんだが……ねこのこがいる事で高難易度の依頼をこなせてたり……
シルマとハピナ。
2人でパーティを組む、夫婦の冒険者。
子供は出かけてる間、うちの母さんや冒険者達の母達が面倒を引き受けてくれてたりする。
獣魔人という、そもそも優れた強さを持つ種族だけあり、簡単な依頼から一定の高難易度のクエストをこなしている。
リズ。
冒険者……というより、ギルド受付嬢。
殆どリズ1人で回ってるので、ギルドを空けられるわけはない。
その他団員総勢15人ぐらい。
中位5級のイノセントロアーには、実はかなりの依頼が舞い込む。
まぁ言っても下級の依頼が殆どであるが……うちの団員達は毎日、依頼未達成を作らないようにと必死に頑張ってるそうな……
つまり……だ。
「俺だけなんだな……暇なのって……」
こんな突然3日ほど空けろよ~って感じに来た、中位ランクアップクエスト。
誰も行けるヤツが居る訳もなく……俺一人で行くことになるって訳だな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる