《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ねこのこ編予告、第一章《偽りのねこのこ》

08《恨み》

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俺にはねこのこに内緒にしてたことがあった。

それは……俺がねこのこをどうしても許せない、今に思えばどうしようも無いほどにくだらない、そして最低な想い。

俺の父は勇者だった。

そして同時に……俺の母は大聖者であった。

勇者を倒す為、まだ産まれたばかりの俺を残し……父さんと母さんは──

帰ってきたのは父さんだけであった。

母さんは俺を産んだ事で大激戦を乗り越えるだけの体力はなく、魔王との戦いの最中……亡くなったらしい。

けれど俺はそれが嘘だと知っていた。

ある日、父さんが残した日記を見たからだ。

母さんは……魔王が死ぬ前に、我が子を喰らい回復を測ろうとしたところをその身で庇い、絶命した。

父さんの日記では、もしも魔王が子を食っていたなら勝機は無くなっていた。そうとも記されている。

けれど……それを見た当時の俺に、そんなもの関係なかった。

アルバムでしか見たことが無い母さん、とても優しそうで……産まれたあの日、優しく俺を抱きしめてくれた温もりを今でも覚えている。
だからこそ、俺は……母さんが死ぬ理由となったねこのこを、殺そうと思ったんだ。

諸悪の根源、魔王の娘、母さんの仇。

殺すには充分な理由だと思った。
だから眠るねこのこに、俺は父さんが隠していた魔王を殺せるという剣を盗み、突き立てようとしたんだ。

けれど……父さんにばれて……止められ咎められた。

「あの子がお前になにかしたのか!!!」

「……母さんを……俺の母さんを奪った!!!」

「……なぜお前がそれを!? ……いや、今はそれはいい……」

「何が今はいいだ!! アイツがいなけりゃ俺の母さんは!!」

「黙りなさい!! お前はあの子の事が何も見えていない!!」

意味がわからなかったさ……俺は部屋を飛び出た。

そしたら……「ススム……」そこにはねこのこがいた。

「……お前……まさか、聞いてたのか……」

産まれた日から今まで、共に育っただけに罪悪感もあった。
母を奪った仇という気持ちと、共に育った友達という気持ち。
混濁する気持ちの最中……ねこのこに言われた。

「次は……ちゃんと、殺してね……えへへ」

無理に作る笑顔と言葉が、ねこのこが全てを知っていた事を物語っていた。

俺は唖然としたさ。
なんせ……俺は少し前にこの事を知って……毎日をにへらにへらと過ごすこいつに腹を立て、殺そうと至ったんだから……

こいつは……ねこのこは、知ってたってのか?
この際、俺の母さんのことはいい……
こいつは、ねこのこは……実の親に殺されそうになった事を、親の仇と共に生きてることを知ってて……それでも毎日笑ってたってのか!?

もうな、心の底から負けた。俺がそう思ったのは産まれて初めてで、その先にもなかったよ。

その時は……「だまれ!!!」そう言って、お前を拒絶してしまった俺を許して欲しい。
なんせ俺は……あの時は子供で、お前みたいに強くはなれなかったから──

父さんに聞いた。

お前は常に勇者である父さんがようやく倒した魔王、それとは比べ物にならない化け物達と、精神の中で毎日戦ってたんだってな。

ごめんな、何も分かってやれてなくて……

でも、だからこそ……俺は強くなった──

強くなってようやく「たどり着いたぞ……ちびねこ!!」

世界の行く末を決める一本の塔の上、勇者はたどり着いた。

「……すす……む?」

「ああ、俺はススム……お前との約束を果たすため、こうしてやってきた……お前だけの勇者だ!!」

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