理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界に転移しました

必要な診療方法

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 コーロ地方の領主、バートン氏より診療所の開設の許可が出された俺はアレフさんの馬車でキッコの街へと戻り、詰所に到着すると馬車からミミと一緒に降り、2人でアレフさんにお礼を言った。

「アレフさん、色々ありがとうございました」
「ありがとうございます。ユーイチ様の診療所があると私も自分の活動がしやすくなるので助かりました」
「いや、私は領主様に報告したに過ぎん、ミヤシタ殿が二コラ様を治してくれた事が最終的に領主様のお心を動かしたのだ」

 アレフさんの謙虚な姿勢と俺に対する労いの言葉で俺はとても感激しており、更にアレフさんは俺に声をかける。

「明日から診療所の開設で大変だろうが、この街の人々の為に頼むぞ」
「はい、それじゃあ戻って準備をします」

 そう言って俺とミミは診療所に戻り、明日の開設の準備を始める。

 まあ準備といっても軽く掃除をしていつでも患者さんをお迎えできるようにするくらいなんだけどな。

 診療所の準備を手伝ってくれているミミに俺は気になる事があり、尋ねてみる。

「そういえばミミは俺の診療所の準備を手伝ってくれていたけど、ミミ自身の聖女見習いの活動はしっかりやれていたのか?」
「あまり、大掛かりではなかったんですが、時々怪我をした方が私の借家に尋ねてきたりしてた事はありましたし、ご自身で動けない方は私が直接出向きましたね」

 ミミの話を聞いて、俺の頭の中で色んな考えが浮かび、それをミミに伝える。

「そうか、往診サービスか、そうだな患者さんにとってはそれも必要だな」
「ユーイチ様?」
「それからミミ、今後の治療希望者で自分で来れる人にはこの診療所に来てもらう、もしくは誰かに連れてきてもらうのがいいだろう。ここに俺とミミがいればまとめて治療と後遺症のリハビリができる」
「そうですね、それが良いと思います」

 更に俺は往診サービスをするにあたって必要であると思う事をミミに話す。

「とりあえず当面はここでの診療をメインにして、ある程度落ち着いたらまたアレフさんの所に行って、家から出れない人の情報をどれ程把握してるか聞きに行こう」
「ユーイチ様、張り切っていますね」
「この世界には俺の世界にあった物や概念がほとんどない。だからこの世界で得たスキルと元の世界で得た知識や技術を活用する事が今の俺にできる事だからな」
「ユーイチ様、私の分からない事やできない事はユーイチ様にお任せします。ユーイチ様ができない事は私が頑張りますから協力していきましょう!」

 そうだな、ミミの能力はもちろん必要だがここまで協力的な子を無下にはできないな。明日からやるぞ俺は、いや俺達は!
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