理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

ミヤシタ・リハビリ・クリニック(仮)

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診療所の名前を3人で話し合った結果、俺達の診療所の名前は『ミヤシタ・リハビリ・クリニック』と決まった。

 そして翌朝、ミミとミーザが訪れると俺は2人にあるものを見せた。

「2人共見てくれ、俺達の診療所『ミヤシタ・リハビリ・クリニック』の名前を書いたプレートを作成したぞ」
「もう作ったんですか、すごいですね」
「ちょっと待って、その(仮)って紙を貼っているのはなんで?」
「昨日は俺達で名付けたにすぎないから、後で詰所で申請して正式に認定されたら(仮)は外す予定だよ」

 俺が(仮)は正式に認定されたら外すつもりだとミミ達に告げると、ミミが午前診療の開始を呼びかける。

「じゃあそろそろ午前の診療を開始しましょうか、『ミヤシタ・リハビリ・クリニック(仮)』にとって初めての」
「律儀に(仮)をつけなくてもいいと思うんだけどな、まあいいや診療開始だ」

 さあ、(仮)とはいえ、診療所に名付けをした最初の診療だ。

 扉のプレートをオープンにし、診療所名を書いたプレートを入り口前に立て掛け、午前の診療開始だ。

 例によって午前は親子連れの患者が多く、珍しい患者が訪れて来た。

「おはよう、ミヤシタさん、ミミさん」
「ミランダさん?珍しいですねミランダさんがうちの診療所に来るなんて」
「リンがね、お買い物に一緒に行ったら道で転んで擦りむいたの、お願いできる?」
「もちろんです、頼むぞミミ」

 ダンカンさんの奥さんのミランダさんが診療所を訪ねてきたのは娘のリンちゃんが転んで足を擦りむいたからだ。俺の声掛けにミミが応じ、リンちゃんの手当てを行う。

「リンちゃん、まずは傷口を拭きますからね、痛いかもしれないけど少しだけ我慢してくださいね」
「うん」

 リンちゃんも涙ぐんでいるがしっかりとミミの言うことを聞いて痛くて泣くのをこらえてる。ミミの雰囲気が痛みを和らげているのか、それとも親御さんの教育がいいのか、そんな事を考えているとミランダさんが俺に声をかける。

「ねえ、ミヤシタさん、前に書いてある『ミヤシタ・リハビリ・クリニック(仮)』ってこの診療所の名前なの?確か前は名前がなかったと思ったんだけど」
「ええ、やっぱり名前がないと不便だと思ったので、後で詰所で名前も申請しようと思っています」
「そうね、やっぱり場所にも名前が必要ね、ところでこちらのお嬢さんは?」
「彼女はミーザといって、診療所の護衛の為に契約した傭兵で、何もないときは治療の手伝いもしてもらっています」

 俺がそう言うとミランダさんはミーザにも挨拶する。

「はじめまして、ミランダと申します。夫のダンカンと果物屋を営んでいるから時々はいらしてね」
「あ、はい。こちらこそお願いします」

 ミーザも少しづつこの街の人と仲良くなってほしいな。
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