理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

教本作成

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 往診を終え、午後の診療の為に診療所に戻るが、さすがにそう何度も空き巣や強盗は現れず、落ち着いた状態で午後の診療を始められそうだ。

 まず俺は入り口に立て掛けてある診療所の名前を書いたプレートから(仮)と書いた紙をはがす。

「ユーイチ、その紙をはがすってことは……」
「そうだ、今日正式に認定されたから堂々と『ミヤシタ・リハビリ・クリニック』を名乗れるぞ」
「じゃあ、今日から『ミヤシタ・リハビリ・クリニック』としての活動が始まるんだね」
「そういうこと、さあ、午後の診療も頑張るぞ」

 そうして正式認定された『ミヤシタ・リハビリ・クリニック』としての俺達の午後の診療が開始される。

 とはいえ、俺達のやる事が変わるわけではないので、いつもと同じ流れで診療は進んでいく。

 そして今日の診療時刻が終了し、俺はその日から教本の執筆にとりかかった。

 とりあえず内容としては基礎的な動きといくつかのケースに合わせたリハビリメニューの作成方法だ。

 おそらくこの内容なら治癒士と呼ばれている人達なら基礎的な考えが身につけば応用ができる人が多いはずだ。

 あとは俺がスキルで省略してしまう後遺症の軽減の方法だ。これを書いておかないと俺のスキルありきでリハビリを考えてしまうからな、それはなるべく避けないといけない。

 今のところ、このスキルを習得しているのが俺1人だからな、似た魔法を開発する動きもあるかもしれないが。

 とりあえず診療所休みの日も利用して約1か月ほどかけていわゆる原稿というものが完成した。

 とりあえず1冊だけ印刷所に作成を依頼し、なんとか1冊の教本が完成した。

 そしてある日、まずはアレフさんの元に本を持って行った。

「なるほど、よし分かった。これは領主様の元に届けて買い取っていただけるか判断を仰ごう」
「ありがとうございます」

 アレフさんがそう言ってから3日立ったある日、兵士の人が診療所に尋ねてきた。

「ミヤシタ殿、ミヤシタ殿はおられるか?」
「はい、ミヤシタですが」
「アレフ様が貴殿をお呼びだ、詰所に来ていただきたい」
「分かりました、午前の診療が終わったら行きます」

 それから午前の診療が終了し、俺はミミとミーザに留守番を任せ、詰所に行く。

 到着すると早速、執務室に案内されてアレフさんが口を開く。

「実はミヤシタ殿、領主様より君に館まで来て欲しいというお達しがあったのだ」

 教本の作成をし、それを買い取ってもらおうと思ったら、館に呼ばれることになった!領主様は俺に何をしてほしいんだ?
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