理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

異世界で仲間が増えました

補佐官の訪問

キッコの街の詰所近くに座り込んでいるダッカ地方から移住してきた料理人メルから無茶な注文を突き付けられて困っていたアレフさんの補佐官であるソフィアさんに俺は倉庫をメルさんに紹介してみてはと提案し、ソフィアさんも彼女に話してみると言い、俺は午後の診療の為に診療所へと戻っていく。

　その日の診療はなんとか無事に終わり、それから2日が経ち、俺の元にある一報が届く。

　いつものように午前の診療が終わり、休憩時間に入ろうとした時であった。

「よし、そろそろ休憩にするか、今日は俺が用意するぞ」
「ねえねえ、最近はレシピ機能を参考にしたメニューを用意していないけど、どうして？」
「あのなあミーザ、歓迎会の時は俺も張り切って作ったけど、いつもあんな事ができるわけじゃないんだ。まあ、確かドレッシングがまだあったと思うし、サラダにかけてはやるよ」
「やった！あれのおかげで野菜も食べやすくなったんだよね」

　子供かこいつは、まあ俺もドレッシングのおかげで少しだが食は充実してきたからな。そろそろ新しいドレッシングを作らないとな、そうでないとこの普段は子供みたいなやつが不機嫌になるからな。

　昼食の準備に取り掛かろうとすると診療所の扉をノックする音が聞こえ、ミミが俺に対し声をかける。

「私が出ます」
「頼む」

　俺の言葉を受けて、ミミが扉を開けるとそこには俺にとっての意外な訪問者がいた。

「失礼します、こちらはミヤシタ・リハビリ・クリニックでお間違えないですね？」
「はい、そうですが。今は診療外時間ですので緊急でなければ午後の診療時間までお待ちいただけますか」
「いえ、診療ではなく、ユーイチ・ミヤシタ様に御用があって、参上しました」
「少々お待ちください、ユーイチ様、少しよろしいですか？」

　ミミに促されて俺が目にした意外な訪問者はアレフさんの補佐官であるソフィアさんであった。

「ソフィアさん⁉どうしたんですか？」
「ユーイチ様、こちらのお方は？」
「この人はソフィアさんっていって、アレフさんの補佐官をやっている人だ」
「そうなのですね、お初お目にかかります、私は聖女見習いのミミと申します」

　ミミが挨拶をするとソフィアさんも返事をする。

「お話はアレフ様よりうかがっております。アレフ様の補佐官をさせていただいているソフィアと申します。街の方々の為にいつもありがとうございます」
「いえ、私だけでは不十分な事もありますし、ユーイチ様のお力添えもあってです」
「そうですね、ミヤシタ様のお話もうかがってますしね」
「あはは、ところでソフィアさん、何かお話があって来たんじゃ？」
「そうでした、実は……」

　ソフィアさんは俺に何を伝えに来たのか？