理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

野菜嫌いの弟

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 ソフィアさんが俺に話したい事とはなんと弟さんの事だった。まずソフィアさんが自分の家について語りだした。

「私の両親はともに商人で、この街に店を構えて商売をしていました。主に衣服や宝石を売っています」
「そうなんですね、あれ?でもソフィアさんは詰所の仕事をしていますよね?」
「商売は弟に継いでもらいたいようなので、私は両親がこの街で作ってくれたツテで詰所に民間採用されました」

 民間採用?確かアレフさんは王都の騎士学校の出身で、卒業後この地域、この街に配属されたんだよな?どういうことか聞いてみよう。

「その、民間採用というのは?」
「まず、アレフ様のお話になるのですが、アレフ様は領主様よりこの街の管理を一任されております。これは貴族や騎士身分でなければならないのです」
「そうですか」
「私は、というよりアレフ様以外の詰所の人間は基本的に民間採用なんです。警備の兵士や私のように事務方も全て」

 なるほどな、兵士は当然体力がないとできないだろうし、商人の娘であるソフィアさんなら文字の読み書きや数字の計算なんかはお手のものだろうし、採用されるという事はやっぱり優秀なんだな。

「それで、話を弟さんに戻しますが、一体どうしたんですか?」
「まずミヤシタ様にお聞きしたいんですが、ミヤシタ様の教本を先日アレフ様にお願いして領主様にお売りしてもらって読んだのですが、そこには食事の大事さも書かれていましたよね」
「はい、確かに書きましたね」

 リハビリには当然栄養も大事だ、筋肉や骨を作る元になるし、安定して続ける為に食事の条件もできる限り良くしないとな。

 しかし、ソフィアさんくらいの裕福な家なら食べるには困らないと思うし、そもそもこの街は食も豊富だったはず。

「弟が、なかなか野菜を食べてくれないんです」
「え?」
「野菜を食べてくれなくて困っているんです、ミヤシタ様の本の話をしても聞いてくれなくて」

 まさかのそっちか!少し困っていると更にソフィアさんが話を続ける。

「このまま成長すると弟が病気になりやすくなるんじゃないかと不安なんです。ミヤシタ様、何かいいお考えはありませんか?」

 いいお考えと言われてもな、食が豊富で美味しいものを食べていると少しでも食感が嫌いなものは食べたくないという考えになりやすいだろうし、いきなりどのようにしていいか分からないケースだな。

 アレフさんにはいつもお世話になっているし、その補佐官のソフィアさんは助けてあげないとな。

 よし!まずは聞き取り調査からだ!
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