理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

異世界で仲間が増えました

アレルギーの見分け方

　単なる好き嫌いとアレルギーの違いは俺なら経験則で多少見分けられるが、それに頼りすぎるのは危険だ。だからあ・れ・を使う事をみんなに告げた。

「で、ユーイチ、そのあれって何だ？」
「決まっているだろう、照射診断レントゲンだ」
「ああ、俺の骨のゆがみが分かったあれか、でもそれでそんな事も分かるのか？」
「実は前にダンカンさんの元部下が森林で魔物狩りをしてから街に帰ってきて、その際に身体中に発疹がでた話を聞いてな」

　以前に発疹患者を診た話をし、その際に照射診断レントゲンを使って確認して判明した事を話した。

「そしたらその人はどうもそこの森林に生息するある植物のアレルギーだって事が照射診断レントゲンを使って分かったんだ」
「そのスマホってやつ、そんな事まで分かんのか、すげえなあ！」

　驚いているのは俺の方だ本来アレルギーの検査は血液や皮膚を専門の道具を使用して判明するものだが、まさかスマホの照射診断レントゲンで分かるとは思わなかったな。

「それではユーイチ様、これからお子さんのいらっしゃるお宅に訪問してその診断をするおつもりなんですか？」
「それは往診にあたるし、またアレフさんから家の情報をもらって希望者のみにしないと単なる押し売りになってしまうからな」
「そうですか」
「今回のアンケートは今後の診断に役立てるとして、俺達がまずしないといけないのはソフィアさんの弟さんの事だ、これに関してはソフィアさんの連絡待ちだし、それまではいつも通りに過ごそう」

　俺がそう言うと一同は解散し、それぞれの家に戻っていく。

　そして翌日、早速午前の診療を終えた俺達の元にある一報が届く。

　診療所の扉をノックする音がしたので、その音に反応したミミが扉を開く。

「はい、ソフィア様？いらっしゃいませ」
「失礼します、あの、ミヤシタ様はいらっしゃいますか？」
「はい、おいでです。ユーイチ様、ソフィア様がいらっしゃいましたよ」

　ミミの声が聞こえた俺は玄関まで行き、ソフィアさんを目にして挨拶をする。

「こんにちは、どうぞ」
「お邪魔します」

　とりあえず診察室まで案内し、ソフィアさんに椅子に座ってもらい用件を尋ねる。

「それでどうしましたか？」
「はい、あの後お手伝いさんと話し合って診察の邪魔にならないよう行くのが良いと思い、できれば診療所がお休みか、この午前と午後の間がいいと決めましたので、あとはミヤシタ様のご都合のよろしい日でお願いします」
「結構、診察の合間も俺達はやる事が多いので、休みの日におこしください」

　さあ、ソフィアさんとお手伝いさんの料理の試食の日が決まった。いい方法を見つけてあげないとな。