理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

同じ目標に向かって

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 メルさんの店に行き、俺はリハビリ中の食事メニューのレシピ、そして事業計画のプレゼン資料をメルさんに見せて、メルさんにサンプルメニューの作成を依頼する。

 俺の依頼内容を聞いてメルさんはかつてお父さんが傭兵であり、食料が少ない村での炊き出しをきっかけに料理の素晴らしさに目覚めた事を話してくれ、メルさんも依頼を承諾してくれた。だけど疑問もある為、俺はメルさんに尋ね返す。

「あの、お父さんなら俺の話にのるかもしれないって言ってましたが、やっぱり炊き出しの事があったからですか?」
「それもあるけど、私の野菜嫌い克服の為に食べやすい料理を作ってくれたし、どうしたら美味しく食べれるかを考えていたからかな」
「そうですか、じゃあもう1つメルさん自身はどうして俺の依頼を受ける気になったんですか?」
「あのね、今だから話すけど、あなた達がうらやましかったの」

 あなた達?もしかして俺達ミヤシタ・リハビリ・クリニックの面々の事か?

「ユーイチさん、ミミちゃん、ミーザちゃん、ギベルトさんってみんな仕事内容も違うのにとても仲いいし、まるで家族みたいに見えたわ」
「か、家族……、いやあ、ちょっとみんな変わってるだけですよ」
「ふふふ、でもみんな違う立場からあなたの診療所を手伝っているし、それってきっとユーイチさんがとても素晴らしい人だからだと思うわ」

 ちょっと、なんでいきなり俺の事をそんなべた褒めしてんだ、正直戸惑っているんだけど、そう思っていると、少し憂いた表情で本心を話してくれる。

「いつかは誰かを雇うけど、今のお店は1人でやっているし、それに実家の店を追い出されてからはずっと1人だったし、誰かと同じ目標に向かっていきたかったかもしれないわ」
「メルさん……俺の、俺達の今の目標はこの街の人達の健康を守って、いつかは俺達のした事を地方や国中に広める事なんです。メルさんもそのお手伝いをしてもらっていいですか?」
「ええ、喜んで、お店もあるから、そこも相談してくれると嬉しいな」
「もちろん、それはメルさんにお任せします」

 そう言って、俺は今回来た一番の目的をメルさんに伝える。

「実はですね、このサンプルメニューのレシピに関してメルさんの意見も取り入れて最終調整をしようとも、っていうかこれが一番の目的ですね」
「そうなの、じゃあもう1回見せてもらっていい?」
「どうぞ」
「ふむふむ、じゃあさ、まずは……」

 そこから俺とメルさんは午後の診察時間に間に合うギリギリまで話し、時々メルさんは料理の仕込みもするが話はでき、どうにかまとまったのだ。
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