死神と老人の小旅行

burazu

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人生の最後に

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 なんと、れんもわしを好いておったとは、これは予想を上回る出来事じゃ。

「多分、母も喜んでくれていると思います。母に代わってお礼を言わせてください、ありがとうございました」
「いや、わしもれんさんの話を聞けて良かったです。ありがとうございました。それじゃあこれで」

 そしてわしとアンジはその場を立ち去り、帰りの新幹線でアンジと会話をする。

「なあ、アンジよ、本当はわしの本心、そしてれんの本心を知っておったんじゃないのか?どうも話がうますぎて」
「古橋様、私はあくまで古橋様の未練解消のお手伝いをしたに過ぎません」
「とぼける気か、まあ良いそれでわしはいつ死ぬんじゃ?」
「その時にまたお迎えにあがります」

 その言葉を最後に東京駅でアンジと別れた。

 そして3日後、わしは突如体調を崩し、意識を失い、そのまま病院に運ばれ、死んだ。
 
 妻には苦労をかけ、子供達とは軋轢を生んで何も残らず死んでいくと思ったが、不思議と安らかな死へと向かっていった。

 多分、アンジのおかげじゃ。奴は本当に死神だったのか?

 今となっては分からんが、奴は同じ死でも安らかに死を迎えるようにしてくれた。

 感謝するぞアンジ……。

「逝きましたか、さてと次はあの方ですか……」

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