救援隊(レスキューパーティー)『黄金の鈴』出動します!~最強賢者パーティーはダンジョンで誰かの野望をレスキューする~

高村渚

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やりたいこと

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 自分の堂々とした声に、思わず驚いてしまう。
 騎士たちからどっと笑い声が起こっても、「アリエッタは無茶しないとよいが」などと考える余裕が、今のイシュアには出来ていた。

 その態度が気に障ったのか、騎士がさらに増長し語気を荒らげる。

「どけと言っているのだ!
 本日は、殿下直々に第一階層の大回廊まで降りていただく!
 危険に身を晒すをいとわぬ勇気……さすがは我らが殿下だ。
 正しく次代の王に相応しい!
 勇者の試練に挑む殿下の邪魔をするなら、容赦はせんぞ!」

「勇者の試練……」

 つい先程、苛烈を極める環境の第二十七階層に身を置いたイシュアだ。
 帰りに通りがかった第一階層の大回廊の、あの、のんびりまったりとした様子との落差を思い出し、うっかりぷっと鼻息を吹き出してしまった。

「何が可笑しい!」

 騎士たちが一斉に剣の柄に手を遣った。
 主君を馬鹿にされては黙っていられないだろう。

 大通りに緊張が走る。

 相手は一小隊とはいえ、魔導士を含んだ騎士団だ。
 大通りの両脇に散らばる野次馬も含めて、怪我人を出してしまうのは本意ではない。
 シルヴァが魔法の展開に備える。

 その時、後方の馬上から、無駄に軽やかな声がかかった。
「よい、皆下がれ」

 ルーファスが騎乗のまま、しずしずと前に進み出てきた。

 二十歳をやや超えているだろうか。顔立ちはイシュアに似ていなくもない。
 ただ肌の白さが、高貴な育ちを物語っていた。

「殿下……しかし!」
「よいのだ。
 我が弟は、ものを知らぬだけなのだ。
 許してやれ」
「なんですってえ!」

 ギヨームがすかさずアリエッタの腕を捉まえる。
 一瞬の差であやうく大通りの石畳が粉々に砕け散るところだった。

 大斧をひょいと取り上げてシルヴァに放り、シルヴァはあっという間に羊皮紙の魔方陣に大斧を仕舞い込んだ。見事な連携だ。

 口を開こうとしたイシュアにものを言わせず、ルーファスは鷹揚にうなずく。

「そなたは知らぬのであろうが、グラータ地下大迷宮とは、それは危険な場所なのだ。
 わたしの勇敢な騎士たちは、これからその命を賭して、迷宮の奥深くまで降りようとしておる。

 第十四階層。

 そこに住まうといわれる大鎧百足の『兜』……。

 数多の勇者たちが挑み、討伐かなわず散っていったと聞く。
 困難な命題だが、わたしの勇敢な騎士たちなら必ずや……!」

「大鎧百足の……『兜』、だと?」
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