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小さな光~達磨の過去
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全身の倦怠感と精神的なショックからなのか達磨は高熱を出して寝込んだ。
そのベッドの横で、いつもと変わらない顔で院長は達磨の耳に優しい声で呟いた。
「達磨、この事は内緒だよ。もし誰かに言ったら達磨と同じ目に子供達が1人づつ合う事になる。それでもいい?」
力無く首を横に振る達磨に微笑んで
「分かったならいいんだ。いい子にしてれば誰も苦しまない…」
「………」
「さあ、ゆっくり休んで元気になりなさい。」
そう言って院長は立ち上がり達磨の部屋から出ると、また中国語で呟いた。
『まあ、準備が出来るまでの間だけどね…それまでは楽しませて貰うよ、達磨。』
熱と身体の痛みで朦朧とした頭で考えていたのは、妹達を守る事だけだった。
そして達磨は院長に身体を貪られた日から月日が経ち、施設に近い奨学金が全額出る私立の高校へ進学した。
あれから何度も院長に抱かれ身体はそういう事に慣れていった。
今では院長だけじゃなく職員の佐藤にも抱かれる様になった。
心が悲鳴をあげていても、身体は欲望ににげてしまう。
暗く長い道がどこまで続くのか…出口の見えないトンネルをただひたすら歩いている様に感じていた。
何度か死にたい…と思った事もあったが妹達の顔を見ると、どうにも出来なかった。
ただただ糸がキリキリと張り詰めるような毎日を過ごしていた。
何とか今の現状を抜け出すのは金がいる。
そう考えてバイトをしたいと申し出たが、院長がそれは許してくれなかった。
常に自分の目が届く所にいる様に施設の仕事をさせていた。
そんな時、学校で3年の先輩に抱かせて欲しいと言われ、冗談で金を要求してみたら1万円を差し出した。
噂が噂を呼び、達磨を抱きたいという男達に達磨は身体を差し出した。
そして高校2年春、達磨はある人物と同じクラスになった。
神城 陸…神城グループの御曹司であり入学した時から学年主席を維持し続け、全国でも上位を占める成績を誇っていた。
次期生徒会長として言われ人望もあり、達磨にとって眩しい存在だった。
そんな陸とたまたま席が隣になった時、誰もが達磨を汚い雑巾の様に見ていたのに陸は違っていた。
たまたま陸が繁々と眺めていた携帯電話の待ち受け画面が見えた達磨が、写っていた男の子を可愛いなと言った事が始まりだった。
「可愛いな…その子弟か?」
「可愛い…分ってくれるか!可愛いだろ~弟なんだ!」
「ああ、俺にも同じくらいの妹がいるんだ…」
「お前も兄馬鹿だな…同士よ!」
「そ、そうだな…結構暑苦しい奴だな、お前…」
そこから陸の弟自慢は永遠に続き、昼休みどころか放課後まで続いた。
「神城…分った、本当にお前の弟愛は理解したから!!」
「いや~こんなに語ったのは久し振りだよ~!達磨~また聞いてくれな~」
「まだあるのかよ!そしていつの間にか呼び捨てだし!」
「ええ~同じ兄馬鹿仲間じゃん、俺も陸でいいから~仲良くしてよ~」
「お前さ~俺の噂聞いて無いの?俺と仲良くしてもいい事ないぜ?」
「ああ、知ってる。俺は女がいいんで襲わないでね!」
「はぁ~?」
「まあ人生色々だし、どんな手段を取っても自分が守りたい者の為にやってる事なら、それは汚いなんて事ないよ。」
「神城…」
「俺も弟の為なら、どんなに汚れてもいいって覚悟がある!そして、お前にもあるんだろ?そんな覚悟がさ。お前の目はそんな目をしているよ…」
「そっか…ありがとよ…陸…」
「おう!」
達磨の目に光るモノがあったが陸は見えないふりしてくれた。
戦っていると言われて達磨の瞳に消えない炎を見た。
そこから、達磨と陸はいい仲間となった。
暗い暗いトンネルの中で見えた小さな小さな光。
そして運命は動き始めたのだ。
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お気に入り&読んで頂き有難うございます(^人^)
神城の長兄登場しましたね~これから話しはクライマックスへ!行くはず!
次回の更新も土日の予定です。
宜しくお願い致します(^人^)
そのベッドの横で、いつもと変わらない顔で院長は達磨の耳に優しい声で呟いた。
「達磨、この事は内緒だよ。もし誰かに言ったら達磨と同じ目に子供達が1人づつ合う事になる。それでもいい?」
力無く首を横に振る達磨に微笑んで
「分かったならいいんだ。いい子にしてれば誰も苦しまない…」
「………」
「さあ、ゆっくり休んで元気になりなさい。」
そう言って院長は立ち上がり達磨の部屋から出ると、また中国語で呟いた。
『まあ、準備が出来るまでの間だけどね…それまでは楽しませて貰うよ、達磨。』
熱と身体の痛みで朦朧とした頭で考えていたのは、妹達を守る事だけだった。
そして達磨は院長に身体を貪られた日から月日が経ち、施設に近い奨学金が全額出る私立の高校へ進学した。
あれから何度も院長に抱かれ身体はそういう事に慣れていった。
今では院長だけじゃなく職員の佐藤にも抱かれる様になった。
心が悲鳴をあげていても、身体は欲望ににげてしまう。
暗く長い道がどこまで続くのか…出口の見えないトンネルをただひたすら歩いている様に感じていた。
何度か死にたい…と思った事もあったが妹達の顔を見ると、どうにも出来なかった。
ただただ糸がキリキリと張り詰めるような毎日を過ごしていた。
何とか今の現状を抜け出すのは金がいる。
そう考えてバイトをしたいと申し出たが、院長がそれは許してくれなかった。
常に自分の目が届く所にいる様に施設の仕事をさせていた。
そんな時、学校で3年の先輩に抱かせて欲しいと言われ、冗談で金を要求してみたら1万円を差し出した。
噂が噂を呼び、達磨を抱きたいという男達に達磨は身体を差し出した。
そして高校2年春、達磨はある人物と同じクラスになった。
神城 陸…神城グループの御曹司であり入学した時から学年主席を維持し続け、全国でも上位を占める成績を誇っていた。
次期生徒会長として言われ人望もあり、達磨にとって眩しい存在だった。
そんな陸とたまたま席が隣になった時、誰もが達磨を汚い雑巾の様に見ていたのに陸は違っていた。
たまたま陸が繁々と眺めていた携帯電話の待ち受け画面が見えた達磨が、写っていた男の子を可愛いなと言った事が始まりだった。
「可愛いな…その子弟か?」
「可愛い…分ってくれるか!可愛いだろ~弟なんだ!」
「ああ、俺にも同じくらいの妹がいるんだ…」
「お前も兄馬鹿だな…同士よ!」
「そ、そうだな…結構暑苦しい奴だな、お前…」
そこから陸の弟自慢は永遠に続き、昼休みどころか放課後まで続いた。
「神城…分った、本当にお前の弟愛は理解したから!!」
「いや~こんなに語ったのは久し振りだよ~!達磨~また聞いてくれな~」
「まだあるのかよ!そしていつの間にか呼び捨てだし!」
「ええ~同じ兄馬鹿仲間じゃん、俺も陸でいいから~仲良くしてよ~」
「お前さ~俺の噂聞いて無いの?俺と仲良くしてもいい事ないぜ?」
「ああ、知ってる。俺は女がいいんで襲わないでね!」
「はぁ~?」
「まあ人生色々だし、どんな手段を取っても自分が守りたい者の為にやってる事なら、それは汚いなんて事ないよ。」
「神城…」
「俺も弟の為なら、どんなに汚れてもいいって覚悟がある!そして、お前にもあるんだろ?そんな覚悟がさ。お前の目はそんな目をしているよ…」
「そっか…ありがとよ…陸…」
「おう!」
達磨の目に光るモノがあったが陸は見えないふりしてくれた。
戦っていると言われて達磨の瞳に消えない炎を見た。
そこから、達磨と陸はいい仲間となった。
暗い暗いトンネルの中で見えた小さな小さな光。
そして運命は動き始めたのだ。
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お気に入り&読んで頂き有難うございます(^人^)
神城の長兄登場しましたね~これから話しはクライマックスへ!行くはず!
次回の更新も土日の予定です。
宜しくお願い致します(^人^)
応援ありがとうございます!
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