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22.宝石にかくされた秘密とジョナルダの企み
しおりを挟む3月になるとシャンティ―城の丘に花が咲きはじめた。
そんな季節の色があふれる岩の正門で、エウリッタはジョナルダ伯爵を迎えた。客人は正門まで迎えに出るべきとアグネスが言うからだ。でないと父のためなんかにわざわざ着飾って出たりしない。
ちなみにアグネス本人は城外へ買い物にやった。前回ジョナルダ伯爵が彼女をいやに気に入ったから。
「ここへ来るのは久しぶりだね。君が結婚してもう3度目の夏がやってくる。元気にしていたかな?」
「はい、シャンティ―領は緑が多くて空気がいいです」
(あなたの顔を見ることがなかったから元気です。おかげさまで)
「君から会いたがってくれるとは思ってもみなかった。楽しみにしていたよ」
「そうですか? わたしも待ちわびていました」
「お互い会いたかったわけか。じゃあ私たちはもっと頻繁にお茶をするべきだね」
さむざむしい挨拶をかわしながら長い回廊式遊歩をめぐってようやく城内に入った。ジョナルダ伯爵はすぐさま帽子を取ると目元にかかったプラチナブロンドを搔き上げながら兵士のひとりに帽子とステッキを押しつけた。
帽子持ちは兵士の仕事なんかじゃない。兵士は戸惑った表情をしてエウリッタを見たが、彼女がうなずくと護衛の輪から離れた。客間付きの召使いを呼びに行くのだ。
(勝手知ったる他人の家だな)
まるで悪い家主のように横暴にふるまう父にもうすでに嫌気がさしてきた。
(少しの我慢だ。わたしが呼んだんだもの)
永遠に思えるようなギクシャクした空気のなかでようやく客間に着いたとき、けれどエウリッタの足は止まった。
「ようこそおいでくださいました。お茶の準備ができています。前回につづいて滞在の間は私ジェレニー・ソロモンが近辺を守らせていただきます」
父の訪問陣から外したはずのジェレニーが扉の前にいた。ジョナルダ伯爵は彼に一瞥をくれたがほがらかに無視した。
「……先にくつろいでいてください。すぐ戻ります、伯爵」
父が扉の向こうで召使たちに囲まれるのを待って、エウリッタは扉を閉めると慌ててジェレニーに詰め寄った。
「ソロモン卿、どうしてここにいるんですか? ジョナルダ伯爵に近づけたくないと思ってたのに」
「奥方様、お気遣いは感謝しますが、不要なことです。私は近衛長です。シャンティ―卿の不在には城とあなたを守る義務があります。アグネス様も今いませんし」
「アグネスさんはわざと外してもらってるんです!」
「でも、いないと不安でしょう? 私くらいはお傍につけてください」
ジェレニーは決して強引な男ではない。プライベートになると無口だし、人を寄せつけない高貴さというか貴族然とした近寄りがたさがある男だった。そんな彼が膝を折って真摯な眼差しで見上げてくる。
「ソロモン卿、でも、あなたを前みたいに巻き込みたくないの」
戸惑うエウリッタを見て金髪の騎士がふと形相を緩めた。
「奥方様、それは違います。前のことで私はあなたと絆ができたと思っているんですから」
「ええ?」
「だってあれほど奇想天外なことがあったのです。あなたのお父様が今後どんな無茶を言ったって私は驚くことはありませんよ。そんな私こそあなたの傍にいるべきではありませんか?」
そこまで言われたら断る理由がすぐ思い浮かばず、エウリッタは口ごもる。
「……わかった」
「ありがとうございます、奥方様」
「お礼を言うのはわたしです。終わったらジェレニー様がアレルギーが出ない感じのお菓子を一緒に食べましょう。あ、アグネスさんも一緒にね。旦那様の不在に他の男性と2人きりはまずいから」
ジェレニーが微笑んだ。
「よろこんで、奥方様」
「でも絶対無理はしないで。あぶないと思ったら即遠くへやりますから」
「わかりました」ジェレニーが満足げに顔を伏せて敬礼する。
ほんとうに大丈夫だろうかとまだ不安を残しつつエウリッタは客間へ入った。
「ああ、ようやく主役が現れた」
その先にある光景に、棒立ちになった。
暖かいはずの部屋でぞっと全身が鳥肌を浮かべた。
東に面して白い陽射しが集まる窓辺でジョナルダ伯爵は腰かけていたが、裸の召使い女が上に跨っていた。たくさんいる他の召使たちが見ている前で。泣きながら。
「みんな出て! 出てください!」
エウリッタは叫ぶように命じた。
召使たちが脱兎のごとく逃げていく。下着の最後の一枚まで脱がされた女召使いもよろけながら服を拾い集めて出て行った。エウリッタは彼女の後ろで急いで扉を閉じた。
「……ジョナルダ伯爵」
扉一枚へだてて召使女のすすり泣きとジェレニーの慌てる声がする。
エウリッタは慄く。じろりと睨んだが、当の男は身じろぎひとつしなかった。服に一糸として乱れがないままカウチに腰を落ち着けて、父は、気怠そうに、退屈そうに、娘を見つめている。
「なにを驚いているのかな。ジョナルダの家ではよくある風景だろう」
「ここはあなたの家じゃない。ロドニス様の城です!」
父は、ふうん、と流し目をよこした。自分のと同じはずのローズゴールドの瞳が正体の知れない魔物のもののようにゾクリとさせられる。
「だったらあまり私を1人にしない方がいい、リッタ。こういうところがまだ甘い。リヴならこんなへまはしないね。……家を出て平和ボケしたのかな」
「召使たちに何をしたんですか?」
「まだ何も。だれか余興をしてくれるかなと聞いただけだよ。着ているものを全部脱いで私の膝に乗ってくれないかとね」
「脅したんですね。城に来てそうそう自分を落胆させるつもりかとか言って」
冷たい霧みたいな笑みが男の顔を覆う。ぶるりとエウリッタは身震いした。気圧されないよう、自分から視線を外した。
「さっさと用事を言います。お茶を出し終わったら召使たちには下がらせるつもりでした。2人きりで話がしたかったから」
ロドニスや彼の周りの人間を巻き込みたくないと言いながらシャンティ―城で父と会っている。ここがエウリッタにとって世界で一番安心できる場所だからだ。父を自分の土俵に上げたつもりだった。けれどこれ以上ロドニスに甘えるわけにはいかない。
「そうだね、実はこれから別の用事が入っていてね。手短に済ませて欲しいのだが」
あっけらかんと言う父の元へ歩いていくと一枚の紙を差しだした。
ゆるく後ろへ撫でつけられたプラチナブロンドの髪を揺らしてジョナルダ伯爵がそれを読む。ローズゴールの瞳はいっさいの動きがない。
「……とある人に調べてもらいました。あなたがいつも飲んでる処方薬だそうですね。難病のお薬だとか。今の医学では治療は出来なくて、病気の進行を遅らせるだけのものといいます。ジョナルダ伯爵、あなたは今ゆっくり死んでいってるんですか」
「ああ、そうだよ。私はもうじき死ぬ」
ジョナルダ伯爵が紙をそっと閉じた。
「そこの暖炉で燃やしてもいいかな。あまり人に知られたくないのでね」
「……ええ」
(それだけ?)
ステッキと帽子は兵士の手から召使の手にわたって今壁際のラックにかかっている。ジョナルダ伯爵は緩慢な足取りで歩いていくとステッキを手に取って暖炉に近づいた。薬の名前が書いてある紙を炎にくべる。
そのまま伯爵は黙って紙が燃えるのを眺めた。振り返らないその背中を見ているうち、訳の分からない感情がエウリッタの内に沸いた。
「……いつから病気だったんですか」
この男の愛なんか欲しくない。
欲しいと思ったことはあった。血を吐くように欲した。けれどその願いは留学先の王立学院とともに炎のなかで燃え尽きた。だから今胸をざわつかせる感情は愛なんかじゃない。
「いつからだろうね。ロドニス君はこのことを知っているのかな。君が私のことを調べて、私を城に呼び寄せたことも?」
「……いいえ、夫は何も知りません」
ロドニスに知られずにいろいろ調べて伯爵を招くのは苦労した。犬笛にも昨夜伯爵が来ることを言ったばかりだった。大目玉をくらったし、ジョナルダ伯爵は門前払いにしろとロドニスが言いつけていたようだがどうにか城の門を開けてもらえることになった。
ジョナルダ伯爵の近辺を調べてくれたのは、ナグダライダだ。
ジョナルダ家は中央の重役だから『怪しいことがあるから調べて欲しい』と言ったら快く引き受けてくれた。ナグダライダは革命を成功させたい。だから敵の弱味になりそうな情報は知りたかったのだろう。
ロドニスは何も知らない。ナグダライダとのことを聞かれたときは『ロー様を見守る会』をしていると言い訳している。ほんとうにしているし。
処方薬を記した小さい紙は、ロドニスが去年の冬にくれた首輪に仕込まれていた。あの青い宝石はナグダライダから買ったものだったのだ。宝石を嵌める縫い目に入っていてロドニスがいなくなってからこっそり取り出した。再びきれいに縫い合わせるのにとても苦労した。
「ほう。ロドニス君に頼らずに調べたのか」
不意にジョナルダ伯爵が喉を震わせた。
「何がおかしいんですか?」
彼が笑いだしたのが不気味でエウリッタは身構える。さも愉快そうに自分の死を語る。そんな男を見ていると得体の知れない胸のざわつきがひどくなるようだった。
「何がおかしいんですか。わたし、こんなことを知るなんて思ってなかった。ただ変だなって思ったんです。旦那様はわたしとの結婚を望んでいたって教えてくれた。でも、だったらどうしてあなたが急に態度を変えて結婚を許してくれたのかって腑に落ちなかった。まるでわたしの幸せを思って送り出してくれたみたいで。でも、そんなはずがない。あなたが何を企んでるのか調べようって思った。……病気のことと関係あるんですか?」
ジョナルダ伯爵はエウリッタの畳みかけをゆるく笑んで聞いていた。けれど彼女に問いただされてぞくりとする冷たい視線を向けてきた。
「やっぱり君は甘い。ルイスに比べるとまだまだだ」
「……ルイス様? ジョナルダ家の跡取りの?」
「うちの長男だよ。ルイスは何年も前からこっそり私に毒を食わせている。その症状が、とある難病ととてもよく似ていてね。医者でも見分けがつかない。同じような症状だから薬を飲んだら一時的に楽にはなるが、まあ、じき死ぬだろうね」
何を言われているのかすぐ理解できなかった。
「わりといい死に方だと思うのだよ。息子に殺される。私らしい最後じゃないか。でも、……欲が出てね。君にちょっかいをかけることにした。私にとって私の子供は私の色を引く君とルイスの2人だけだ。君たち2人が競って私を殺そうとしてくれたらどんなに面白いだろう。人生最後にそんな良い夢がみたかった」
ジョナルダ伯爵が大手を振った。こんなに無垢で嬉しそうで天使みたいに笑うこの男を生涯見たことがあっただろうか。
でも、その目は醒めている。この世界の何一つ面白くないと訴える、冷たく突き放すその視線を、父はエウリッタに向けている。
「……じゃあ、ロドニス様は? この結婚は一体なんだったんですか?」
「君は女性だ。しかも庶子。分が悪かろう。だからルイスと少しでも対等に争えるように、君には狂犬をあげたんだよ」
「狂犬……」
「あの男は君の牙になってくれそうだと思った」
「それだけ?」
「うん?」
エウリッタは射殺す視線を向けた。
「旦那様は犬じゃないわ。武器じゃない。物じゃない。わたしの旦那様よ。あなたは本当にちっともわたしの幸せなんか考えてなかったってこと?」
「おやおや。君が自分で言ったんじゃないか。私が君の幸せを思うはずはないと」
何かに気づいたかに、ジョナルダ伯爵が言葉を切った。暖炉の傍からゆったりとステッキを鳴らしながら歩いてきて、手袋をしたままの手を伸ばすと、エウリッタの頬に触れた。
エウリッタはとっさに俯く。けれど男の指はなめくじみたいに彼女の頬に吸いついて離れなかった。
「君が泣くのは毎回見ているな。もう目新しさはない」
思わずエウリッタは顔を上げた。自分を見返す男の瞳に出会った。血の通わない。人の温度がない。けれど、何より、近くで見つめあう相手を人間以下のたいくつな玩具へとなり下げる、冷たい目だった。その眼差しにがんじがらめにされてエウリッタは動けなくなる。
「じゃあ行くよ。さっき言ったように他に用事もあるからね」
ジョナルダ伯爵が長い羽織りものを纏って帽子をかぶる。
「私がさっき笑ったのは君のふがいなさにだ。ロドニス君に知らせずひとりで動いたと言ったろう。せっかく狂犬をあげたのに飼い慣らせてないんだね。残念だ。もっと出来る子かと思っていたよ。……私の買いかぶりだったか、いや親のひいき目か」
穏やかな口調で語るジョナルダ伯爵をエウリッタは睨んだ。声が震えた。せめて煮えたぎる眼差しを彼にぶつけた。
「……親のひいきめ? あんたは親じゃない」
「そう拗ねないでおくれ。お父様と呼んでくれたらもう少し長居をしてあげ」
「絶対呼びません」
「……このまま死に別れても?」
父の死を出されて、噴き上がる憤怒がうそみたいに萎えそうになる。
ここまでコケにされているのに。
エウリッタはたじろぎつつも彼を見据える。
ジョナルダ伯爵も彼女を眺めた。
「ああそうだ。この葉っぱを知っているかな」そして急に思い出したように、彼は胸ポケットから手のひら大の葉っぱを出した。
「薬草だ。リュヘムの涙という媚薬の解毒剤になるらしいよ。この薬草がたくさん生える藪のそばに、もう一つ君への贈り物を仕込んだ。あとで取りに行きなさい」
「え?」
ギョッと身構えるエウリッタを見て、伯爵は近づいてきた。
「手紙をもらってすぐ来られなくてすまなかった。最近あちこちで民草どもの反逆の一揆が起こっていてね。国の防衛長官として忙しいのだよ。この間は東方の領主がやられた。一家の召使いにまでわたって全員殺されてしまったらしいよ」
伯爵が指先でエウリッタの顎を取る。彼女の青褪めた顔を眺めながらローズゴールドの瞳が柔らかく眇められた。「革命はこわいね。君とロドニス君も気をつけなさい」
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