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第26話 同じ事は繰り返される
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パステルピンクとパステルシアンが商店街までやって来ると、前回同様逃げ惑う買い物客たちで地獄絵図だった。化け物が暴れては青色に染まっていく通行人たち。楽しいはずの買い物の時間が、見るも無残な地獄へと変えられてしまっていた。
「おーっほっほっほっ! みーんな、青く染まっておしまい!」
その騒動の中心に居るのはブルーエだった。完璧な作戦を立てると言ってた彼女は、今回はどんな作戦を立ててきたというのだろうか。
「おい、おばさん。またあんたか!」
「お・ね・え・さん、だって言ってるでしょうが!」
パステルピンクが到着早々爆弾を投下すると、キレたブルーエから噴射攻撃が飛んできた。二人は難なくそれを躱す。
「いきなり爆弾投下はやめなさいってば!」
パステルシアンが叫ぶが、パステルピンクには意味が通じていないようである。本当に無神経である。
「さあ、モノトーン。あの失礼な小娘どもを成敗してやるよ!」
「モノ、トーンッ!」
未だに怒りマークが消えないブルーエは、召喚していた化け物と攻撃を仕掛ける。よく見ると、今回はマンホールの蓋のようである。また結構な重量物を化け物にしたものである。
「モノ、トーンッ!」
化け物は大声を上げると、マンホールを投げてきた。当たるとひとたまりもない。速いとはいえ躱せないものではない。パステルピンクもパステルシアンも初撃、それと二撃目も危なげなく躱していく。
だが、問題は三撃目の後に起きた。
「きゃあっ?!」
「パステルシアン!」
パステルシアンの後方から衝撃が走ったのである。
「モノトーンッ!」
なんと2体目の化け物だった。商店街によくあるU字の車止めである。ズドンと地面に打ち止めされてしまうパステルシアン。これはピンチである。
動けなくなったパステルシアンに、追撃のマンホール攻撃が放たれる。しかし、これにもパステルシアンは冷静だった。
「パステル・オーシャン・シャワー!」
こう叫ぶと、自分を封じる化け物もろとも水をかぶる。するとどうだろうか。パステルシアンはするっと化け物から抜け出てしまったではないか。そして、迫りくるマンホールを回避すると、そのマンホールはパステルシアンを封じていた車止め型の化け物に命中したのである。
「モノォッ?!」
ものすごいスピードで飛んできたマンホールをもろに食らった化け物は完全に目を回している。
「降り注げ、浄化の雨! パステル・サマー・スコール!」
そこへすかさずパステルシアンは必殺技を浴びせる。
「モノ、モノトーンッ!」
車止め型の化け物はあっさりと浄化されてしまった。
しかし、今回はこれで終わりではない。まだブルーエは居るし、マンホールの化け物だっている。まだ戦いは終わっていないのだ。
「はっ、1体倒したくらいでいい気になるんじゃないよ。もっとやっておやり、モノトーン!」
「モノ、トーンッ!!」
気合いを入れ直すブルーエと化け物。そして、再開されるマンホール乱舞。それをパステルピンクとパステルシアンは落ち着いて躱していく。
「避けてるのもめんどくせえな、……どりゃあっ!」
何を思ったか、パステルピンクはマンホールを蹴り返そうとした。あれだけの金属の塊がすごいスピードで飛んでくるというのに、そんな事をすれば脚が砕けてしまうのが普通である。
だが、パステルピンクはマンホールを蹴り返した。しかも脚は無事。よく見てみれば、レッグガーダーのように脚に植物の蔓が巻き付いていた。さっきのパステルシアンの行動の真似だろう。よくもまあとっさに思い付くものである。
「ちっ、危ないでしょうが!」
蹴り返したマンホールはブルーエの近くをかすめていた。
「それを人にぶつけようとしてて、よく言うぜ!」
文句を言うブルーエにパステルピンクは正論を返した。
「ぐぬぬぬぬ……」
ブルーエは言い返せずに悔しそうである。とはいえ、ブルーエはまだ何気に余裕がありそうである。隠れて見ているチェリーとグローリは嫌な予感がしてたまらなかった。なにせあのブルーエは、同時に二種類の化け物を生み出していたからだ。一度召喚した化け物の片方はすでに浄化されている。となると、またもう一種類を生み出せないとも限らない。2体の心配はそこにあったのである。
その不安は的中する事になる。
「モノトーンッ!」
突如としてまた別の化け物が現れた。
「なっ、また別の奴だと?!」
パステルピンクは驚きを隠せなかった。
「あははははっ! あたしは同時に2体のモノトーンを生み出せるのさ。1体倒したところで、あたしはまたモノトーンを生み出せるのさ!」
ブルーエは勝ち誇ったように叫ぶ。
「さあ、あたしの力が尽きるのが先か、あんたたちの命が尽きるのが先か、根比べといこうじゃないか!」
ブルーエが狂ったように笑う。それとほぼ同時に、
「ふーん、だったらあんたを先に消せばすべて解決ね」
どこからともなく声が響き渡った。
「悪しき心を塗り替える! パステル・オータム・ペイントレイ!」
間髪入れずに必殺技が放たれる。この技はパステルオレンジだ。
「なっ!? そ、そんな……」
完全に不意を打たれたブルーエは、迫りくるインクの波に飲まれていく。
「あたしがこんな、こんな終わり方をするなんて!!」
ブルーエは飲まれながらも必死に脱出を試みるが、3体目の化け物召喚で思ったより消耗していたのか、もう抗う力は残っていなかったようだ。
「も、モノトーンに栄光あれっ!」
さぁっと、ブルーエは光に飲み込まれ、その場にブルーエの持っていた噴射装置がごとんと落下する。そして、青い光の粒となって消え去った。
すると、出現していた化け物たちも断末魔を上げながら、元の姿へと戻っていったのだ。
「た、助かったぜ、パステルオレンジ」
「別に……。あんたたちが引き付けてくれたおかげで楽だったわ。それには感謝するわ」
パステルピンクたちがお礼を言うと、パステルオレンジは相変わらず突き放したような物言いをしている。
「あたしは馴れ合うつもりはないわ。あたしと一緒に戦いたいというのなら、まだまだあんたたちは足りない。精進する事ね」
パステルオレンジはこう言って、そのままどこかへ跳び去っていった。
パステルピンクとパステルシアンは、ただ黙ってその姿を見送っていた。
「おーっほっほっほっ! みーんな、青く染まっておしまい!」
その騒動の中心に居るのはブルーエだった。完璧な作戦を立てると言ってた彼女は、今回はどんな作戦を立ててきたというのだろうか。
「おい、おばさん。またあんたか!」
「お・ね・え・さん、だって言ってるでしょうが!」
パステルピンクが到着早々爆弾を投下すると、キレたブルーエから噴射攻撃が飛んできた。二人は難なくそれを躱す。
「いきなり爆弾投下はやめなさいってば!」
パステルシアンが叫ぶが、パステルピンクには意味が通じていないようである。本当に無神経である。
「さあ、モノトーン。あの失礼な小娘どもを成敗してやるよ!」
「モノ、トーンッ!」
未だに怒りマークが消えないブルーエは、召喚していた化け物と攻撃を仕掛ける。よく見ると、今回はマンホールの蓋のようである。また結構な重量物を化け物にしたものである。
「モノ、トーンッ!」
化け物は大声を上げると、マンホールを投げてきた。当たるとひとたまりもない。速いとはいえ躱せないものではない。パステルピンクもパステルシアンも初撃、それと二撃目も危なげなく躱していく。
だが、問題は三撃目の後に起きた。
「きゃあっ?!」
「パステルシアン!」
パステルシアンの後方から衝撃が走ったのである。
「モノトーンッ!」
なんと2体目の化け物だった。商店街によくあるU字の車止めである。ズドンと地面に打ち止めされてしまうパステルシアン。これはピンチである。
動けなくなったパステルシアンに、追撃のマンホール攻撃が放たれる。しかし、これにもパステルシアンは冷静だった。
「パステル・オーシャン・シャワー!」
こう叫ぶと、自分を封じる化け物もろとも水をかぶる。するとどうだろうか。パステルシアンはするっと化け物から抜け出てしまったではないか。そして、迫りくるマンホールを回避すると、そのマンホールはパステルシアンを封じていた車止め型の化け物に命中したのである。
「モノォッ?!」
ものすごいスピードで飛んできたマンホールをもろに食らった化け物は完全に目を回している。
「降り注げ、浄化の雨! パステル・サマー・スコール!」
そこへすかさずパステルシアンは必殺技を浴びせる。
「モノ、モノトーンッ!」
車止め型の化け物はあっさりと浄化されてしまった。
しかし、今回はこれで終わりではない。まだブルーエは居るし、マンホールの化け物だっている。まだ戦いは終わっていないのだ。
「はっ、1体倒したくらいでいい気になるんじゃないよ。もっとやっておやり、モノトーン!」
「モノ、トーンッ!!」
気合いを入れ直すブルーエと化け物。そして、再開されるマンホール乱舞。それをパステルピンクとパステルシアンは落ち着いて躱していく。
「避けてるのもめんどくせえな、……どりゃあっ!」
何を思ったか、パステルピンクはマンホールを蹴り返そうとした。あれだけの金属の塊がすごいスピードで飛んでくるというのに、そんな事をすれば脚が砕けてしまうのが普通である。
だが、パステルピンクはマンホールを蹴り返した。しかも脚は無事。よく見てみれば、レッグガーダーのように脚に植物の蔓が巻き付いていた。さっきのパステルシアンの行動の真似だろう。よくもまあとっさに思い付くものである。
「ちっ、危ないでしょうが!」
蹴り返したマンホールはブルーエの近くをかすめていた。
「それを人にぶつけようとしてて、よく言うぜ!」
文句を言うブルーエにパステルピンクは正論を返した。
「ぐぬぬぬぬ……」
ブルーエは言い返せずに悔しそうである。とはいえ、ブルーエはまだ何気に余裕がありそうである。隠れて見ているチェリーとグローリは嫌な予感がしてたまらなかった。なにせあのブルーエは、同時に二種類の化け物を生み出していたからだ。一度召喚した化け物の片方はすでに浄化されている。となると、またもう一種類を生み出せないとも限らない。2体の心配はそこにあったのである。
その不安は的中する事になる。
「モノトーンッ!」
突如としてまた別の化け物が現れた。
「なっ、また別の奴だと?!」
パステルピンクは驚きを隠せなかった。
「あははははっ! あたしは同時に2体のモノトーンを生み出せるのさ。1体倒したところで、あたしはまたモノトーンを生み出せるのさ!」
ブルーエは勝ち誇ったように叫ぶ。
「さあ、あたしの力が尽きるのが先か、あんたたちの命が尽きるのが先か、根比べといこうじゃないか!」
ブルーエが狂ったように笑う。それとほぼ同時に、
「ふーん、だったらあんたを先に消せばすべて解決ね」
どこからともなく声が響き渡った。
「悪しき心を塗り替える! パステル・オータム・ペイントレイ!」
間髪入れずに必殺技が放たれる。この技はパステルオレンジだ。
「なっ!? そ、そんな……」
完全に不意を打たれたブルーエは、迫りくるインクの波に飲まれていく。
「あたしがこんな、こんな終わり方をするなんて!!」
ブルーエは飲まれながらも必死に脱出を試みるが、3体目の化け物召喚で思ったより消耗していたのか、もう抗う力は残っていなかったようだ。
「も、モノトーンに栄光あれっ!」
さぁっと、ブルーエは光に飲み込まれ、その場にブルーエの持っていた噴射装置がごとんと落下する。そして、青い光の粒となって消え去った。
すると、出現していた化け物たちも断末魔を上げながら、元の姿へと戻っていったのだ。
「た、助かったぜ、パステルオレンジ」
「別に……。あんたたちが引き付けてくれたおかげで楽だったわ。それには感謝するわ」
パステルピンクたちがお礼を言うと、パステルオレンジは相変わらず突き放したような物言いをしている。
「あたしは馴れ合うつもりはないわ。あたしと一緒に戦いたいというのなら、まだまだあんたたちは足りない。精進する事ね」
パステルオレンジはこう言って、そのままどこかへ跳び去っていった。
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