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第二章 ロゼリアとチェリシア
第18話 女王からの招待状
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コーラル子爵領から戻ってきて一週間。塩作りも順調のようで、王宮にも近いうちに届けられる事が早馬で伝えられてきた。
ロゼリアは、チェリシアとペシエラの姉妹と小まめに交流しているのだが、ペシエラは相変わらずロゼリアには睨むような目を向けてきていた。
(私の知るチェリシアさんと、本当に良く似ています。ただ、年齢のせいか可愛く思えるんですよね)
ペシエラの年齢は、ロゼリアたちの三つ下、五歳である。
ロゼリアに向ける睨みや、チェリシアに向ける膨れっ面も、年齢のせいで可愛く見えてしまっているのだ。
(たとえペシエラさんが死に戻り前のチェリシアさんだとしても、この可愛さの前には関係ないわ)
ロゼリアはペシエラにメロメロだった。
王都に戻ってきてからも、ペシエラを交えて以前のように交流するロゼリアとチェリシア。
二人を見送った後に、シアンがロゼリアの元に血相を変えて飛び込んできた。
「た、た、大変でございます、お嬢様」
「どうしたの、シアン」
「殿下を交えてのお茶会のお誘いが、女王陛下の名で届いております」
「……はい?」
ロゼリアは、女王主催のお茶会の誘いと聞いて、顔を引き攣らせて首を傾げた。
実は前回でもこの時期にお茶会の誘いは受けていた。ただ、王子の参加はなかった。今回は、この時点で王子の婚約者候補になってしまっている事から断りづらい。
(前回は侯爵家の娘って事で、お父様もお母様も意気込んでて圧が凄かったから断れなかったのよね。色々煽てられもしたし)
前回はわがままし放題だった事もあり、今回のお茶会も参加はするがおとなしくしておこうと、ロゼリアはそう決めた。
「シアン、お茶会には参加すると返事をお願いします」
「畏まりました。早速認めて出しておきます」
「頼むわね」
シアンは部屋を出ていく。
扉が閉まった事を確認すると、ロゼリアは盛大なため息をつく。
「絶対、お茶会の場で婚約者候補として発表されるに決まっているわ。殿下がおいでになるのなら確実ですし、かと言ってお断りもできない。憂鬱になるわ」
ロゼリアはもう一度ため息をついた。
やってきました、お茶会の日。
子どもの参加者が居るという事で、午後の時間帯に屋内で行われる事になっている。
会場に居る子どもの参加者を見てみると、シルヴァノ殿下の姿はまだ見えないが、ロゼリアとその兄カーマイル、チェリシアと妹のペシエラ。それ以外には、宰相の息子と騎士団副隊長の双子の男女と、意外にも少人数だった。
だが、大人の方は多い。マゼンダ侯爵夫妻、コーラル子爵夫妻はもちろん、それ以外にも有力貴族や商人までもが揃っている。もはや夜会レベルの面子である。
(うわー、胃が痛くなるわ……)
家族と共にテーブル付近に立つロゼリアの心中は、とてもじゃないが穏やかではなかった。
集まった面々を見れば、重大発表である事は確かだし、お茶会と題されたのは、子どもたちの事を考えて時間が早められたから。つまり、実質夜会なのである。なので、集まった面々がとんでもない人物ばかりなのである。
一方のチェリシアは、
(うわーっ! 攻略対象のうち三人が揃ってるわ。子どもなのに、みんななんて整った顔をしてるの!)
遠巻きに見ながら興奮していた。乙女ゲームの攻略対象を生で見るのは、まるでモニタ越しに見るアイドルに直に会うようなだから、転生者のテンション爆上がりは仕方のない事なのだろう。
興奮する姉を、ペシエラは隣で冷めたように見ていた。それは、呆れるというよりは蔑んだような目だった。だが、興奮真っ只中のチェリシアはそれに気付かなかった。
(王子もそろそろ来るから、全部で四人。ゲームでは王子推しだったけど、誰を攻略しようかしら)
ゲームの時間軸より前なので、まだ誰の好感度も上がってはいない。
ちなみに元のゲームは、こういう類の話で時々見る逆ハーレムルートは存在していない珍しいゲームだった。その代わり、複数キャラの好感度を上げると、攻略難度が上がるというとんでも仕様。ほどほどの好感度を保ちつつ、一人のキャラに入れ込まなければならないという、その危ういバランスがうけたようなのだ。
チェリシアが浮かれていると、場の空気が一気に変わる。
「皆のもの、よくぞ集まってくれた」
ブランシェード女王陛下が登場したのだった。
ロゼリアは、チェリシアとペシエラの姉妹と小まめに交流しているのだが、ペシエラは相変わらずロゼリアには睨むような目を向けてきていた。
(私の知るチェリシアさんと、本当に良く似ています。ただ、年齢のせいか可愛く思えるんですよね)
ペシエラの年齢は、ロゼリアたちの三つ下、五歳である。
ロゼリアに向ける睨みや、チェリシアに向ける膨れっ面も、年齢のせいで可愛く見えてしまっているのだ。
(たとえペシエラさんが死に戻り前のチェリシアさんだとしても、この可愛さの前には関係ないわ)
ロゼリアはペシエラにメロメロだった。
王都に戻ってきてからも、ペシエラを交えて以前のように交流するロゼリアとチェリシア。
二人を見送った後に、シアンがロゼリアの元に血相を変えて飛び込んできた。
「た、た、大変でございます、お嬢様」
「どうしたの、シアン」
「殿下を交えてのお茶会のお誘いが、女王陛下の名で届いております」
「……はい?」
ロゼリアは、女王主催のお茶会の誘いと聞いて、顔を引き攣らせて首を傾げた。
実は前回でもこの時期にお茶会の誘いは受けていた。ただ、王子の参加はなかった。今回は、この時点で王子の婚約者候補になってしまっている事から断りづらい。
(前回は侯爵家の娘って事で、お父様もお母様も意気込んでて圧が凄かったから断れなかったのよね。色々煽てられもしたし)
前回はわがままし放題だった事もあり、今回のお茶会も参加はするがおとなしくしておこうと、ロゼリアはそう決めた。
「シアン、お茶会には参加すると返事をお願いします」
「畏まりました。早速認めて出しておきます」
「頼むわね」
シアンは部屋を出ていく。
扉が閉まった事を確認すると、ロゼリアは盛大なため息をつく。
「絶対、お茶会の場で婚約者候補として発表されるに決まっているわ。殿下がおいでになるのなら確実ですし、かと言ってお断りもできない。憂鬱になるわ」
ロゼリアはもう一度ため息をついた。
やってきました、お茶会の日。
子どもの参加者が居るという事で、午後の時間帯に屋内で行われる事になっている。
会場に居る子どもの参加者を見てみると、シルヴァノ殿下の姿はまだ見えないが、ロゼリアとその兄カーマイル、チェリシアと妹のペシエラ。それ以外には、宰相の息子と騎士団副隊長の双子の男女と、意外にも少人数だった。
だが、大人の方は多い。マゼンダ侯爵夫妻、コーラル子爵夫妻はもちろん、それ以外にも有力貴族や商人までもが揃っている。もはや夜会レベルの面子である。
(うわー、胃が痛くなるわ……)
家族と共にテーブル付近に立つロゼリアの心中は、とてもじゃないが穏やかではなかった。
集まった面々を見れば、重大発表である事は確かだし、お茶会と題されたのは、子どもたちの事を考えて時間が早められたから。つまり、実質夜会なのである。なので、集まった面々がとんでもない人物ばかりなのである。
一方のチェリシアは、
(うわーっ! 攻略対象のうち三人が揃ってるわ。子どもなのに、みんななんて整った顔をしてるの!)
遠巻きに見ながら興奮していた。乙女ゲームの攻略対象を生で見るのは、まるでモニタ越しに見るアイドルに直に会うようなだから、転生者のテンション爆上がりは仕方のない事なのだろう。
興奮する姉を、ペシエラは隣で冷めたように見ていた。それは、呆れるというよりは蔑んだような目だった。だが、興奮真っ只中のチェリシアはそれに気付かなかった。
(王子もそろそろ来るから、全部で四人。ゲームでは王子推しだったけど、誰を攻略しようかしら)
ゲームの時間軸より前なので、まだ誰の好感度も上がってはいない。
ちなみに元のゲームは、こういう類の話で時々見る逆ハーレムルートは存在していない珍しいゲームだった。その代わり、複数キャラの好感度を上げると、攻略難度が上がるというとんでも仕様。ほどほどの好感度を保ちつつ、一人のキャラに入れ込まなければならないという、その危ういバランスがうけたようなのだ。
チェリシアが浮かれていると、場の空気が一気に変わる。
「皆のもの、よくぞ集まってくれた」
ブランシェード女王陛下が登場したのだった。
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