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新章 青色の智姫
第226話 アクアマリンの調査へ
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学園祭はあっという間に終わってしまう。
決勝戦は意外にもシキとライトによる戦いとなった。さすがに去年までいた強い学生が卒業したのは大きかった。
シキにいたっては準決勝でルシウと激突。まさかの兄妹対決となったのだが、やはり双子とはいえ、男女の壁は大きかった。
結果は、体力で勝るシキの粘り勝ちだった。
ライトもどちらかといえば体力が乏しい。
そのために、技術は拮抗していて、最終的な体力の差を前にシキが勝つという結果となったのだった。
「やはり、シキには敵いませんね」
「殿下もかなり実力をつけたと思いますよ。ただ、体力が持たなかっただけですね」
「もっと鍛えないとだめですね」
最後はがっちりと握手を交わし、今年の学園祭は幕を閉じたのだった。
学園祭が終わると、数日間の片付けによる休校となる。
シアンは城を抜け出して、王都のとある場所へと向かった。
「本当に参られるのですか、シアン様」
「当然です。モスグリネの学園に戻ると、アイヴォリーにやって来る理由を作っても実際に足を運ぶのは困難になりますからね。こちらにいれば、とある方の協力を得られれば、移動はとても簡単なんですよ」
シアンが休みの日にやって来たのは、マゼンダ商会だった。
ここにやって来て誰に用事があるかといえば、当然ながら一人しかいない。
「チェリシア様はいらっしゃいますでしょうか」
「チェリシア様でございますか? 少々お待ち下さい」
受付でチェリシアの場所を探るシアン。
受付に調べてもらっている間、ソファーに腰掛けて待っていると、どこからともなくお目当ての人物が現れた。
「あら、シアン様。私に何か御用でしょうか」
「ちぇ、チェリシア様?! 一体どちらから?」
後ろから現れたことで、シアンは飛び上がって驚いている。
「チェリシア様、そちらにいらしたのですか」
「ええ、ちょっとシアン様がいらっしゃるという情報を得ましたのでね、出向いてきたんですよ」
チェリシアはにこにこと笑っている。
「あの、チェリシア様。私……」
突如現れたチェリシアに、シアンは慌てて声を掛けようとしている。だが、それはチェリシアによって遮られた。
「用件は把握しておりますとも。裏手にお回りくださいな」
にこにこと笑うチェリシアに言われるがまま、シアンとスミレは一緒にマゼンダ商会の裏手に回る。
裏口から出てきたところで、シアンは事情を確認する。
「あの、どういう用件でやって来たか、本当に分かってらっしゃるんですか?」
シアンの質問に、チェリシアは黙って頷いている。
「とある情報筋とだけ申しておきましょう。まあ、シアン様なら、それだけで分かっちゃうでしょうけどね」
チェリシアがウィンクしながら話をしている。
この言い方のせいで、シアンは大体事情を察した。
「それで、アクアマリン子爵邸に跳べばいいのよね。私もちょうど話をしたいことがあったから、引き受けるわよ」
チェリシアが話した内容に、思わず何度も瞬きをしてしまう。
この話の中心はおそらくあの人物だろうけれど、こんなあっさり引き受けてくれていいのだろうかと、シアンは戸惑いを隠せないのだ。
「そんな顔をしないの。ロゼリアの娘なんだから、私が手伝うのは当然でしょ」
にこやかな顔で再びウィンクを決めるチェリシア。あまりにもきっぱりと言い切ってくれるので、心置きなくチェリシアに頼みごとができるのであった。
そうやってやって来たアクアマリン子爵領にある子爵邸。
瞬間移動魔法を使えるチェリシアにすれば、先触れなど何の意味もない。出したところで、本人が先にたどり着いてしまうのだから。
門番に話をすると、チェリシアはあっさりと中に入れてしまう。さすがはアクアマリン子爵の得意先である。
「これはこれは、チェリシア殿。ようこそおいで下さいました」
マーリンから爵位を受け継いだ息子が出迎える。
「おや、そちらはモスグリネ王国のシアン王女殿下ではございませんか」
「お久しぶりでございます、アクアマリン子爵様」
声を掛けられたので、淑女の挨拶をするシアン。すっかりお姫様が板についている。
「今日は交渉に参りましたけれど、シアン様がどうしても同行したいと仰りまして、連れて参った次第です。なんでも、アクアマリン子爵家に興味を持って書庫を見させてほしいのだそうですわ。シアン様は水魔法がお得意ですので、水魔法に長けたアクアマリン子爵家に興味を持ってらっしゃるようなのです」
「ほう、そうですか。ですが、さすがに王女殿下と使用人だけで行動させるわけには参りませんね。こちらかも一人使用人をつけさせて頂きます。構いませんでしょうか」
子爵からの予想外な提案だったが、屋敷の中で自由に動くには受け入れるしかなかった。
「はい、それで構いません」
「分かりました。では、私はチェリシア様とお話をしておりますので、その間ゆっくりとおくつろぎ下さい」
「はい、分かりました」
スカートの裾をつまんで、ちょこんと頭を下げるシアン。
本来ならば自分の甥っ子にあたる人物なために、この時のシアンはかなり複雑な感情を抱いたようだった。
なんにしても、アクアマリンの書庫に入ることができる。
第一段階の目的を達したシアンは、使用人とともに書庫へと向かったのだった。
決勝戦は意外にもシキとライトによる戦いとなった。さすがに去年までいた強い学生が卒業したのは大きかった。
シキにいたっては準決勝でルシウと激突。まさかの兄妹対決となったのだが、やはり双子とはいえ、男女の壁は大きかった。
結果は、体力で勝るシキの粘り勝ちだった。
ライトもどちらかといえば体力が乏しい。
そのために、技術は拮抗していて、最終的な体力の差を前にシキが勝つという結果となったのだった。
「やはり、シキには敵いませんね」
「殿下もかなり実力をつけたと思いますよ。ただ、体力が持たなかっただけですね」
「もっと鍛えないとだめですね」
最後はがっちりと握手を交わし、今年の学園祭は幕を閉じたのだった。
学園祭が終わると、数日間の片付けによる休校となる。
シアンは城を抜け出して、王都のとある場所へと向かった。
「本当に参られるのですか、シアン様」
「当然です。モスグリネの学園に戻ると、アイヴォリーにやって来る理由を作っても実際に足を運ぶのは困難になりますからね。こちらにいれば、とある方の協力を得られれば、移動はとても簡単なんですよ」
シアンが休みの日にやって来たのは、マゼンダ商会だった。
ここにやって来て誰に用事があるかといえば、当然ながら一人しかいない。
「チェリシア様はいらっしゃいますでしょうか」
「チェリシア様でございますか? 少々お待ち下さい」
受付でチェリシアの場所を探るシアン。
受付に調べてもらっている間、ソファーに腰掛けて待っていると、どこからともなくお目当ての人物が現れた。
「あら、シアン様。私に何か御用でしょうか」
「ちぇ、チェリシア様?! 一体どちらから?」
後ろから現れたことで、シアンは飛び上がって驚いている。
「チェリシア様、そちらにいらしたのですか」
「ええ、ちょっとシアン様がいらっしゃるという情報を得ましたのでね、出向いてきたんですよ」
チェリシアはにこにこと笑っている。
「あの、チェリシア様。私……」
突如現れたチェリシアに、シアンは慌てて声を掛けようとしている。だが、それはチェリシアによって遮られた。
「用件は把握しておりますとも。裏手にお回りくださいな」
にこにこと笑うチェリシアに言われるがまま、シアンとスミレは一緒にマゼンダ商会の裏手に回る。
裏口から出てきたところで、シアンは事情を確認する。
「あの、どういう用件でやって来たか、本当に分かってらっしゃるんですか?」
シアンの質問に、チェリシアは黙って頷いている。
「とある情報筋とだけ申しておきましょう。まあ、シアン様なら、それだけで分かっちゃうでしょうけどね」
チェリシアがウィンクしながら話をしている。
この言い方のせいで、シアンは大体事情を察した。
「それで、アクアマリン子爵邸に跳べばいいのよね。私もちょうど話をしたいことがあったから、引き受けるわよ」
チェリシアが話した内容に、思わず何度も瞬きをしてしまう。
この話の中心はおそらくあの人物だろうけれど、こんなあっさり引き受けてくれていいのだろうかと、シアンは戸惑いを隠せないのだ。
「そんな顔をしないの。ロゼリアの娘なんだから、私が手伝うのは当然でしょ」
にこやかな顔で再びウィンクを決めるチェリシア。あまりにもきっぱりと言い切ってくれるので、心置きなくチェリシアに頼みごとができるのであった。
そうやってやって来たアクアマリン子爵領にある子爵邸。
瞬間移動魔法を使えるチェリシアにすれば、先触れなど何の意味もない。出したところで、本人が先にたどり着いてしまうのだから。
門番に話をすると、チェリシアはあっさりと中に入れてしまう。さすがはアクアマリン子爵の得意先である。
「これはこれは、チェリシア殿。ようこそおいで下さいました」
マーリンから爵位を受け継いだ息子が出迎える。
「おや、そちらはモスグリネ王国のシアン王女殿下ではございませんか」
「お久しぶりでございます、アクアマリン子爵様」
声を掛けられたので、淑女の挨拶をするシアン。すっかりお姫様が板についている。
「今日は交渉に参りましたけれど、シアン様がどうしても同行したいと仰りまして、連れて参った次第です。なんでも、アクアマリン子爵家に興味を持って書庫を見させてほしいのだそうですわ。シアン様は水魔法がお得意ですので、水魔法に長けたアクアマリン子爵家に興味を持ってらっしゃるようなのです」
「ほう、そうですか。ですが、さすがに王女殿下と使用人だけで行動させるわけには参りませんね。こちらかも一人使用人をつけさせて頂きます。構いませんでしょうか」
子爵からの予想外な提案だったが、屋敷の中で自由に動くには受け入れるしかなかった。
「はい、それで構いません」
「分かりました。では、私はチェリシア様とお話をしておりますので、その間ゆっくりとおくつろぎ下さい」
「はい、分かりました」
スカートの裾をつまんで、ちょこんと頭を下げるシアン。
本来ならば自分の甥っ子にあたる人物なために、この時のシアンはかなり複雑な感情を抱いたようだった。
なんにしても、アクアマリンの書庫に入ることができる。
第一段階の目的を達したシアンは、使用人とともに書庫へと向かったのだった。
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