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第24話 あしらう親友
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昨日からずっと頭の中に離れない光景がある。
あれは一体何なのか? あの太った男は一体何者なんだ? ちかりとの関係は? そして沢木とは?
謎が謎を呼び、せっかくもらったアロマディフューザーでも頭がすっきりしないレベルだ。
ぽーっとした頭で木曜の登校を果たした俺は、自分の椅子に座ってもぽーっと。
「どうしたの良くん、何か考え事でも? いつも以上に変だね」
「……ちょっと待とうか、な? 崇吾、まるで俺は普段からある程度変だと言わんばかりだ。面白い冗談を言うじゃないか」
「冗談ねぇ……。じゃあそういうことにしておいてあげるけど。で、結局どうしたの?」
後ろの席から話しかけてきた俺の親友こと崇吾の冗談で、考え事で寄り固まりかけた頭が柔軟さを取り戻した、と思う。
確かにこの件に関しては、俺一人で処理ができるもんじゃない。ならばこそ友人、悩みを分かち合うことで気を楽にさせてもらおうじゃないか。
「実を言うとだな、昨日の放課後にちかり達カップルを見かけて様子を伺っていたところ……」
「ちょっと待って。……君は昨日、元カノさんをストーカーしていたと、そう言うつもりかな?」
「偏った見方をすればそういう受け取り方もあるだろうな。で、様子を伺っていたところ……」
「いや流されても困るよ。今思ったことを君に伝えてもいいかい?」
「何だ? 悩みの解決につながるんだったら是非言ってくれ」
「純粋に気持ちが悪いよ」
そう言い放った崇吾は信じられないものでも見るかのような、失礼な顔をしていた。
いやいや、これは訂正しなければ俺の沽券に関わる。
「待てよ。そう結論付けるのは早いんじゃないか? 言ったろう、ストーカーだなんてそんなもんはそいつの見方次第の話で、俺は単に様子を伺っていただけだって」
「いや無理だろう」
「待てよ。無理と決めつけるのは早いんじゃないか? 俺はただ単に、昨日見た光景が気になって仕方ないだけで」
「どう言い繕ったって、世間一般にはそれをストーカーと言うんじゃないかな?」
「待て待て待て。説明をさせろ! いいか、この際どうしてそうなったかとかそういうのはもう置いとくんだ。話を続けるとだな……」
「二股を掛けられたのはショックだとは思うけど、それでストーキングを始めるのは純粋に気持ち悪いと思うな」
「話を振り出しに戻すんじゃない! つまりだな……」
という問答をしているうちに始業のチャイムが鳴った。
なんだよ結局! 俺の悩みはそのままか? 友人なんだからもっと親身に話を聞いてくれたっていいじゃないか。
ちなみにこの問答は休み時間になっても繰り返され、結局のところ昼休みまで持ち越されることになった。
ここまで来たんだ、崇吾とはキッチリ腹を割って話さなきゃ。
俺は弁当を崇吾の机を置く。飯を食いながら再開しようじゃないか。
「ズバリ言わせてもらうとだな……んぐう!?」
「ほら、これあげるから。お昼ご飯ぐらいちょっと静かにして、ね?」
話を始めようとした俺の口に、崇吾が自分の弁当のおかずを突っ込んできた。
その味はジューシーで肉厚で美味しい。もぐもぐと咀嚼しながら飲み込む。
「相も変わらずの手作り弁当か? お前もよくやるよな」
「そう? お料理ってハマると面白いけどなぁ。って言ってもこのお弁当のおかずは昨日の残り物なんだけど」
「でもそれだってお前の手作りだろ?」
「まぁね。で、どう? 美味しかった、この唐揚げ?」
「そうだな。醤油ベースで下味もしっかりついてて、噛んだ時に肉汁があふれ出す。腕を上げたと褒めてやってもいい」
「どの目線で言ってるの? それさえなかったら純粋に喜んであげることも出来るんだけど」
これでもきっちり褒めたつもりなんだけど。だって俺が作る弁当って白飯以外は冷食で固めただけだし、それも三品だけ。あとふりかけ。それに比べたら崇吾の弁当は色鮮やかだ。彩りも考えて作ってるんだろうな、野菜とか色々使われてるし。
「ま、いいか! かわいそうだから、料理の腕が上がったって評価を素直に受け取るってあげる」
「おう、そうだろ。……え?」
そんな風に俺たち二人、にぎやかに話しをしながら食べ終わる。
食後は、ちょっと運動でもしておこうと教室を飛び出し、一人散歩の時間だ。
あれ? ……結局悩みを打ち明けてないぞ!? あ! かわいそうってこういうことか!? くっそ、はめられた!!
あれは一体何なのか? あの太った男は一体何者なんだ? ちかりとの関係は? そして沢木とは?
謎が謎を呼び、せっかくもらったアロマディフューザーでも頭がすっきりしないレベルだ。
ぽーっとした頭で木曜の登校を果たした俺は、自分の椅子に座ってもぽーっと。
「どうしたの良くん、何か考え事でも? いつも以上に変だね」
「……ちょっと待とうか、な? 崇吾、まるで俺は普段からある程度変だと言わんばかりだ。面白い冗談を言うじゃないか」
「冗談ねぇ……。じゃあそういうことにしておいてあげるけど。で、結局どうしたの?」
後ろの席から話しかけてきた俺の親友こと崇吾の冗談で、考え事で寄り固まりかけた頭が柔軟さを取り戻した、と思う。
確かにこの件に関しては、俺一人で処理ができるもんじゃない。ならばこそ友人、悩みを分かち合うことで気を楽にさせてもらおうじゃないか。
「実を言うとだな、昨日の放課後にちかり達カップルを見かけて様子を伺っていたところ……」
「ちょっと待って。……君は昨日、元カノさんをストーカーしていたと、そう言うつもりかな?」
「偏った見方をすればそういう受け取り方もあるだろうな。で、様子を伺っていたところ……」
「いや流されても困るよ。今思ったことを君に伝えてもいいかい?」
「何だ? 悩みの解決につながるんだったら是非言ってくれ」
「純粋に気持ちが悪いよ」
そう言い放った崇吾は信じられないものでも見るかのような、失礼な顔をしていた。
いやいや、これは訂正しなければ俺の沽券に関わる。
「待てよ。そう結論付けるのは早いんじゃないか? 言ったろう、ストーカーだなんてそんなもんはそいつの見方次第の話で、俺は単に様子を伺っていただけだって」
「いや無理だろう」
「待てよ。無理と決めつけるのは早いんじゃないか? 俺はただ単に、昨日見た光景が気になって仕方ないだけで」
「どう言い繕ったって、世間一般にはそれをストーカーと言うんじゃないかな?」
「待て待て待て。説明をさせろ! いいか、この際どうしてそうなったかとかそういうのはもう置いとくんだ。話を続けるとだな……」
「二股を掛けられたのはショックだとは思うけど、それでストーキングを始めるのは純粋に気持ち悪いと思うな」
「話を振り出しに戻すんじゃない! つまりだな……」
という問答をしているうちに始業のチャイムが鳴った。
なんだよ結局! 俺の悩みはそのままか? 友人なんだからもっと親身に話を聞いてくれたっていいじゃないか。
ちなみにこの問答は休み時間になっても繰り返され、結局のところ昼休みまで持ち越されることになった。
ここまで来たんだ、崇吾とはキッチリ腹を割って話さなきゃ。
俺は弁当を崇吾の机を置く。飯を食いながら再開しようじゃないか。
「ズバリ言わせてもらうとだな……んぐう!?」
「ほら、これあげるから。お昼ご飯ぐらいちょっと静かにして、ね?」
話を始めようとした俺の口に、崇吾が自分の弁当のおかずを突っ込んできた。
その味はジューシーで肉厚で美味しい。もぐもぐと咀嚼しながら飲み込む。
「相も変わらずの手作り弁当か? お前もよくやるよな」
「そう? お料理ってハマると面白いけどなぁ。って言ってもこのお弁当のおかずは昨日の残り物なんだけど」
「でもそれだってお前の手作りだろ?」
「まぁね。で、どう? 美味しかった、この唐揚げ?」
「そうだな。醤油ベースで下味もしっかりついてて、噛んだ時に肉汁があふれ出す。腕を上げたと褒めてやってもいい」
「どの目線で言ってるの? それさえなかったら純粋に喜んであげることも出来るんだけど」
これでもきっちり褒めたつもりなんだけど。だって俺が作る弁当って白飯以外は冷食で固めただけだし、それも三品だけ。あとふりかけ。それに比べたら崇吾の弁当は色鮮やかだ。彩りも考えて作ってるんだろうな、野菜とか色々使われてるし。
「ま、いいか! かわいそうだから、料理の腕が上がったって評価を素直に受け取るってあげる」
「おう、そうだろ。……え?」
そんな風に俺たち二人、にぎやかに話しをしながら食べ終わる。
食後は、ちょっと運動でもしておこうと教室を飛び出し、一人散歩の時間だ。
あれ? ……結局悩みを打ち明けてないぞ!? あ! かわいそうってこういうことか!? くっそ、はめられた!!
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