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ガシッ
「見かけによらず随分元気だな。今にも死にそうな顔をしているのに。」
銀髪の男は、椿の振りかぶった手を止めた。そして、強引に唇を奪う。「んっっっ」嫌がる椿の唇に無理やりキスをしながら丸い実を飲ませた。
ゴクン
「!!?」
「毒ではない。少しだけ自由を奪っただけさ。」
「・・・・」
「あぁ、声は出ないよ。連れて帰るまで騒がれたら大変だからね」
銀髪の男性が何か話しているが、椿は体が怠く睡魔に襲われ意識を手放した。
カクンと力なく倒れた椿を支えながら、優しく顔を撫でる。
「やっと、僕の所に戻ってきた。僕の花嫁」
銀髪の男はそう言うとギュッと椿の事を抱きしめた。
「王、そろそろ行かなくては?」
「あぁ。影、皆んなに出発だと伝えてくれ」
「かしこまりました。」
部屋から影の気配が無くなったのを確認し、王と呼ばれた銀髪の男は仮面を付け、優しく椿をお姫様抱っこに抱き直してから部屋を出て行く。
外に用意してあった馬車に乗り込むと「帰るぞ!」一声かけると馬車は静かに走り出した。
椿は夢の中にいた。
◇
ガシャーーン
グラスを叩き割る音が響いていた。
「話が違うではないか!!!」
執事に向かい怒鳴り散らしているふくよかな男。この男は、先程の競売で椿を買い損ねてしまった男だった。
「ガネーシャ様、落ち着いて下さい~我々もまさかあの様な事態になるとは思いもよらなかったものでして~」
ペコペコ頭を下げ、ご機嫌を伺う執事に対しガネーシャは水タバコを吸いながらイライラしていた。
「ふん、わざわざ攫う様に命じたのが間違いだったんだ。さっさと儂の屋敷に連れてくれば、今頃あの白い肌を堪能しておったのにーーーこの落とし前はどうするんだ?」
「それはも~ガネーシャ様はお得意様ですから、若い娘を3人お譲りしますよ~…まだ乙女ですので、ガネーシャ様の色に染めて下さいな~」
コソッと話す執事に、ニンマリとスケベ顔になったガネーシャは機嫌を直し「屋敷まで連れて来なさい。あっあっあ、くれぐれも儂の好みの娘だぞ?」「分かってますよ~」執事と握手すると、部屋から出ていった。
残された執事は、ペッと扉に向かい悪態をつく。
「ヤダヤダヤダわ~あんな変態じじい!大金の方がいいに決まってるでしょうが!ペッペッ二度と来るな!」
先程とは違い、手のひらを返した態度に一緒にいたボーイも戸惑ってしまう。
「それにしても1億よ~こんな馬鹿な話がある?うふふ~だから、この仕事はやめられないのよね~」
そう言うと銀髪の男から受け取ったお金を数え出した。
ボーイがガネーシャの件はどうするのか聞いたら「適当に見繕って連れて行きなさい~」と興味なさそうに伝える。ボーイが部屋から出ると1人になった執事は、テーブルの上に今日の売り上げ金を数え始めた。
「ホント最高~毎日こんなに高値がついたらいいのに~」
ルンルン気分で、数えていたら
ギィーー
っと、ドアが開く音がした。「あら?何かあったの?」ボーイが戻ってきたと思い、振り向きもせず数えるのを続ける。
何も言わないボーイに執事は振り返ると誰もいなかった。
「?変ね~立て付けが悪くなったのかしら?お金が入ったから新しくしましょ~」
上機嫌で、扉を閉めテーブルに戻る。
「!!!?無い!!えっえっ?お金が無くなっているわー!!!」
テーブルの上には綺麗に何もない状態だった。執事は青ざめ床を見たりクロスをめくったりするが何もない。
「どこに消えたのよ!私のお金ーーーー!!!」
執事の叫びは虚しく部屋に響き渡っていた。
「見かけによらず随分元気だな。今にも死にそうな顔をしているのに。」
銀髪の男は、椿の振りかぶった手を止めた。そして、強引に唇を奪う。「んっっっ」嫌がる椿の唇に無理やりキスをしながら丸い実を飲ませた。
ゴクン
「!!?」
「毒ではない。少しだけ自由を奪っただけさ。」
「・・・・」
「あぁ、声は出ないよ。連れて帰るまで騒がれたら大変だからね」
銀髪の男性が何か話しているが、椿は体が怠く睡魔に襲われ意識を手放した。
カクンと力なく倒れた椿を支えながら、優しく顔を撫でる。
「やっと、僕の所に戻ってきた。僕の花嫁」
銀髪の男はそう言うとギュッと椿の事を抱きしめた。
「王、そろそろ行かなくては?」
「あぁ。影、皆んなに出発だと伝えてくれ」
「かしこまりました。」
部屋から影の気配が無くなったのを確認し、王と呼ばれた銀髪の男は仮面を付け、優しく椿をお姫様抱っこに抱き直してから部屋を出て行く。
外に用意してあった馬車に乗り込むと「帰るぞ!」一声かけると馬車は静かに走り出した。
椿は夢の中にいた。
◇
ガシャーーン
グラスを叩き割る音が響いていた。
「話が違うではないか!!!」
執事に向かい怒鳴り散らしているふくよかな男。この男は、先程の競売で椿を買い損ねてしまった男だった。
「ガネーシャ様、落ち着いて下さい~我々もまさかあの様な事態になるとは思いもよらなかったものでして~」
ペコペコ頭を下げ、ご機嫌を伺う執事に対しガネーシャは水タバコを吸いながらイライラしていた。
「ふん、わざわざ攫う様に命じたのが間違いだったんだ。さっさと儂の屋敷に連れてくれば、今頃あの白い肌を堪能しておったのにーーーこの落とし前はどうするんだ?」
「それはも~ガネーシャ様はお得意様ですから、若い娘を3人お譲りしますよ~…まだ乙女ですので、ガネーシャ様の色に染めて下さいな~」
コソッと話す執事に、ニンマリとスケベ顔になったガネーシャは機嫌を直し「屋敷まで連れて来なさい。あっあっあ、くれぐれも儂の好みの娘だぞ?」「分かってますよ~」執事と握手すると、部屋から出ていった。
残された執事は、ペッと扉に向かい悪態をつく。
「ヤダヤダヤダわ~あんな変態じじい!大金の方がいいに決まってるでしょうが!ペッペッ二度と来るな!」
先程とは違い、手のひらを返した態度に一緒にいたボーイも戸惑ってしまう。
「それにしても1億よ~こんな馬鹿な話がある?うふふ~だから、この仕事はやめられないのよね~」
そう言うと銀髪の男から受け取ったお金を数え出した。
ボーイがガネーシャの件はどうするのか聞いたら「適当に見繕って連れて行きなさい~」と興味なさそうに伝える。ボーイが部屋から出ると1人になった執事は、テーブルの上に今日の売り上げ金を数え始めた。
「ホント最高~毎日こんなに高値がついたらいいのに~」
ルンルン気分で、数えていたら
ギィーー
っと、ドアが開く音がした。「あら?何かあったの?」ボーイが戻ってきたと思い、振り向きもせず数えるのを続ける。
何も言わないボーイに執事は振り返ると誰もいなかった。
「?変ね~立て付けが悪くなったのかしら?お金が入ったから新しくしましょ~」
上機嫌で、扉を閉めテーブルに戻る。
「!!!?無い!!えっえっ?お金が無くなっているわー!!!」
テーブルの上には綺麗に何もない状態だった。執事は青ざめ床を見たりクロスをめくったりするが何もない。
「どこに消えたのよ!私のお金ーーーー!!!」
執事の叫びは虚しく部屋に響き渡っていた。
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