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体が動かないまま、椿の順番がやってきた。
「ほら、早く!ステージに連れていって!」誰かが急かす声が聞こえる。この声は執事かな?振り返ることも出来ず、椿は椅子に座ったまま移動されていく。
《さぁさぁ!大変お待たせ致しました~いよいよ最後になります!この地には珍しい真っ白な肌に黒い瞳~その髪の滑らかさ~異国の少女になります!!さぁ~とくとご覧下さい~》
司会者の紹介が終わったと同時にステージの幕が上がり、ライトに照らされた椿が静かに座っていた。
その姿をみた瞬間、会場からは「ほぅ…」と見惚れる声が聞こえてくる。
椿のあまりの美しさに会場は静寂になる。時折、息を呑む音が聞こえてくる。椿は怖くて逃げたしたくても動けないでいた。
《美しいですよね。この少女は、ただ美しいだけではありません!何と、獣魔を従えているんですよ~その獣魔はフェンリル !!皆さま、見たことないですよね~》
そう言うと、司会者はポケットから小瓶を取り出した。札の様な紙が貼ってある。それを手にして口元を不敵に笑う司会者が会場のお客に見えるようにして高く掲げながら叫んだ。
《この中に!獣魔が閉じ込められています!!少女と一緒にお渡し致しますよ~さぁ!あなたならいくら出しますか!?今から始まります~》カンカン!っと鐘を鳴らすと、ドッとお客達が一斉に値段を言い合っていた。
椿はライトで眩しい中、会場を見ると皆仮面を付けていて顔が分からない。自分の値段を決めるのを聞いていると怖くなっていく。本当に売られてしまうのか…そう実感が湧いてきたのだ。
(エマ、助けてーーウル、そこにいたのね。ごめんね、気づかなくて‥…)
《まだまだ、足りないですよ~もう一声!いないんですか~?では、100万のこの方にーーー》
「500万だ」
司会者が高値が付いた客に決めようとしていた時、更に上を言い放った声が聞こえた。
一瞬で、騒ついた会場は静まり返り皆 声がした方を振り返る。
「500万で買おう」
《500万ですと、、、何と!!本日最高値が付きましたー!!!私、司会を務めさせて頂き初めて聞いた金額です~!!!これは他にいないですね?これでは、手がだせません~》
この国の物価は安く、月の収入は2万弱。そんな中、500万と言うのは大金になる。それほどまでに、椿が欲しいのか。言い放ったふくよかな体の男は満足気に水タバコを口に含みながら、ニタリと笑っていた。男の周りには護衛なのか、数名で周りを囲んでいる。
《ーーどうやら、いない様なので。落札とさせーー》
「600万。」
《!!!おーっと!?どこからだ!?新たな金額が聞こえてきましたーーー!》
「ぐぬぬ、誰だ!?儂がもう少しで落札出来たのに!!えぇーい、700万!!!これでどうだ!」
《またまた先程の方が値段を上げました~!さぁ!どうなる!これで決まってしまうのか!?》
「1億。」
「なっなんだと!?馬鹿なーーそんな大金を持つ者など居ないはずだーーーうぐぐ…これ以上はーーー」
《ーーーーっと、あまりの金額に私言葉を失ってしまいました。1億!!素晴らしい~これはもう決まりですね!カンカンッ1億の旦那様に決まりました~!!皆さま盛大な拍手を!!!》
パチパチパチ
白熱した戦いに、会場は盛り上がりを見せた。だが、椿にはどうでも良い事。早く逃げ出したい。そう考えていたのだ。
だが、願いは虚しくステージから降ろされ、きゃっきゃっと喜ぶメイド達に最後のお手入れをされていた。
「凄いわね~1億なんて、初めて聞いたわよ!」
「でも、出したくなる気持ち分かるわ~本当に綺麗だもの」
口々におだてるが椿の耳には届いていない。絶望が椿を包み込んでいた。
「これでよし。さぁ~新しい旦那様がお見えになりますよ~」
メイドがそう言うと、別室へと移動させられた。
部屋に入ると、仮面を付けた銀髪の男性が待っていた。
「お待たせ致しました。」
メイドは椿を椅子に座らせて、部屋から退室する。執事と男性が残っており、契約などを取り交わしていた。
「はい。これで、旦那様の物になりました。では、ごゆるりとお楽しみ下さい。」
ニタニタ笑いながらウルが入った小瓶と気付け薬を手渡した。男性は受け取るとコクリと頷いた。
執事が部屋から出たのを確認すると、銀髪の男性は仮面を取り椿に近づく。そして、気付け薬を自分の口に含むと口移しで椿に飲ませた。
感覚が無かった腕が少しずつ動くようになる。
ボーっとしていた椿だったが、見知らぬ男性に口移しで飲まされている事に気づくとカッとなり動けるようになった右手を男性の顔めがけて大きく振りかぶった。
「ほら、早く!ステージに連れていって!」誰かが急かす声が聞こえる。この声は執事かな?振り返ることも出来ず、椿は椅子に座ったまま移動されていく。
《さぁさぁ!大変お待たせ致しました~いよいよ最後になります!この地には珍しい真っ白な肌に黒い瞳~その髪の滑らかさ~異国の少女になります!!さぁ~とくとご覧下さい~》
司会者の紹介が終わったと同時にステージの幕が上がり、ライトに照らされた椿が静かに座っていた。
その姿をみた瞬間、会場からは「ほぅ…」と見惚れる声が聞こえてくる。
椿のあまりの美しさに会場は静寂になる。時折、息を呑む音が聞こえてくる。椿は怖くて逃げたしたくても動けないでいた。
《美しいですよね。この少女は、ただ美しいだけではありません!何と、獣魔を従えているんですよ~その獣魔はフェンリル !!皆さま、見たことないですよね~》
そう言うと、司会者はポケットから小瓶を取り出した。札の様な紙が貼ってある。それを手にして口元を不敵に笑う司会者が会場のお客に見えるようにして高く掲げながら叫んだ。
《この中に!獣魔が閉じ込められています!!少女と一緒にお渡し致しますよ~さぁ!あなたならいくら出しますか!?今から始まります~》カンカン!っと鐘を鳴らすと、ドッとお客達が一斉に値段を言い合っていた。
椿はライトで眩しい中、会場を見ると皆仮面を付けていて顔が分からない。自分の値段を決めるのを聞いていると怖くなっていく。本当に売られてしまうのか…そう実感が湧いてきたのだ。
(エマ、助けてーーウル、そこにいたのね。ごめんね、気づかなくて‥…)
《まだまだ、足りないですよ~もう一声!いないんですか~?では、100万のこの方にーーー》
「500万だ」
司会者が高値が付いた客に決めようとしていた時、更に上を言い放った声が聞こえた。
一瞬で、騒ついた会場は静まり返り皆 声がした方を振り返る。
「500万で買おう」
《500万ですと、、、何と!!本日最高値が付きましたー!!!私、司会を務めさせて頂き初めて聞いた金額です~!!!これは他にいないですね?これでは、手がだせません~》
この国の物価は安く、月の収入は2万弱。そんな中、500万と言うのは大金になる。それほどまでに、椿が欲しいのか。言い放ったふくよかな体の男は満足気に水タバコを口に含みながら、ニタリと笑っていた。男の周りには護衛なのか、数名で周りを囲んでいる。
《ーーどうやら、いない様なので。落札とさせーー》
「600万。」
《!!!おーっと!?どこからだ!?新たな金額が聞こえてきましたーーー!》
「ぐぬぬ、誰だ!?儂がもう少しで落札出来たのに!!えぇーい、700万!!!これでどうだ!」
《またまた先程の方が値段を上げました~!さぁ!どうなる!これで決まってしまうのか!?》
「1億。」
「なっなんだと!?馬鹿なーーそんな大金を持つ者など居ないはずだーーーうぐぐ…これ以上はーーー」
《ーーーーっと、あまりの金額に私言葉を失ってしまいました。1億!!素晴らしい~これはもう決まりですね!カンカンッ1億の旦那様に決まりました~!!皆さま盛大な拍手を!!!》
パチパチパチ
白熱した戦いに、会場は盛り上がりを見せた。だが、椿にはどうでも良い事。早く逃げ出したい。そう考えていたのだ。
だが、願いは虚しくステージから降ろされ、きゃっきゃっと喜ぶメイド達に最後のお手入れをされていた。
「凄いわね~1億なんて、初めて聞いたわよ!」
「でも、出したくなる気持ち分かるわ~本当に綺麗だもの」
口々におだてるが椿の耳には届いていない。絶望が椿を包み込んでいた。
「これでよし。さぁ~新しい旦那様がお見えになりますよ~」
メイドがそう言うと、別室へと移動させられた。
部屋に入ると、仮面を付けた銀髪の男性が待っていた。
「お待たせ致しました。」
メイドは椿を椅子に座らせて、部屋から退室する。執事と男性が残っており、契約などを取り交わしていた。
「はい。これで、旦那様の物になりました。では、ごゆるりとお楽しみ下さい。」
ニタニタ笑いながらウルが入った小瓶と気付け薬を手渡した。男性は受け取るとコクリと頷いた。
執事が部屋から出たのを確認すると、銀髪の男性は仮面を取り椿に近づく。そして、気付け薬を自分の口に含むと口移しで椿に飲ませた。
感覚が無かった腕が少しずつ動くようになる。
ボーっとしていた椿だったが、見知らぬ男性に口移しで飲まされている事に気づくとカッとなり動けるようになった右手を男性の顔めがけて大きく振りかぶった。
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