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おまけ
1-2 ウルと呼ばれて。
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真っ赤な火が見える。
目の前が、赤く燃えている。
あぁ、これは我の怒りだ。何か小虫が叫んでいるが邪魔だな。
ガヴゥゥゥーーーーー・・・プチ
これで、静かになった。
人族よ。恐れる事はないぞ、小虫は我が退治したからな、ん?人族よ?どうした?
・・・・・
人とは、何と脆い事よ。
『風よこの地を清めておくれ。そして、この者達の魂を運んでくれ。』
サーーッ
花の匂いと共に風の妖精達が人族を土に還し大地を清め始めた。
人族の体からは魂がフヨフヨと空へ昇っていく。
フェンリルは寂しそうに見つめていた。
それから数百年が経ち、フェンリルも歳を迎えようとしていた。
大樹の幹で横たわり目を閉じ生涯を思い浮かべる。
人族達との日々は楽しかった。会話をする事は無いが一人ではなかった。それが楽しいと分かったのはあの事件があってから後の事。
もし、願いが叶うならまた人族に会いたい。
今度は会話をしてみたい、無理な話だなーーー
我の命は消えかかっている。
良いのだ。
我は充分に生きた。この身が朽ちようと大地に還るだけ、悲しい事は無い。
ーーーーそう、悔いは・・・無い。
「いやいや、未練タラタラでしょ~?」
!!?
「そんな驚かなくても、僕には分かってるから~」
「えっ?これは夢か?だって?アッハー!!笑笑。夢なわけないじゃん~君は死んだの!ここは僕の領域。」
「君は死んで、僕が呼んだの。んで、今からクッソ面倒臭い事になりそうだから~君にお願いしたいんだよね~あっ!僕はアルテミス。この領域の神様やってまーーす!ちなみに~僕の星に女の子を連れてったんだけどさ~すぐ死んじゃいそうで心配なんだよね~勝手に僕の領域に来て、連れてったら死にました~じゃ後味悪いじゃん?だから、君に手伝って貰いたいんだよね~君って生前徳を積んでたから、魂が清いままだし~」
なんと!我は死んだのか!
「遅っそーー!今頃?遅いっつーーの!笑!ねぇ、今僕が話したの聞いてた?どんだけ、反応遅いのさ。また話すの面倒臭いんですけどー」
我が貴殿、いや。神の代わりに人族の女子を守護すれば良いのだな?
「まじ?話聞いてるじゃ~ん!まぁいいや。そ!その女の子を守護してくれる?前の身体は大地に還って無いから。僕が新しく作ってあげる~若い身体にしとくよ?おじいちゃんのままだと守るの心配だしね~」
・・・任せる。
「ん~こんなもんかな?僕の加護も付けといたから。前よりパワーアップだね~じゃ!よろしく♪」
バイバーイ
ーーーブツン
目の前が暗い。
我は本当に生き返ったのか?
否
神を信じるのだ。
光が見える。近づくと人族の女子がいる。
ぼんやりとあの人族とかぶるな…か弱き人族を守らなければ。
スッと近づくと人族の女はビクリと体を震わせながらこちらを見た。
その目には恐怖だった。怖がらせてはいけない。
そう思っている矢先、怪しい人影が見えた。危ない!ガヴゥ。唸り声を出し、威嚇しながら人族に覆い被さり怪しい人影を確認する。
ーーーどうやら、いなくなったみたいだ。
我の下でフルフル震えている人族に警戒されないように柔らかい口調で話して見る。
もう、会話もせず。離れるのは嫌だ。
《怪我は無いですか?アルテミス様より守護を任されました。》
自分で思ったより、優しく話せて驚いた。
どうやら、神が何かしたみたいだ。
「アルテミス?もしかして、神様?」
鈴を転がした様に少し震える声で話す人族は、恐る恐ると言った感じで我を見つめる。
その時、我の中でこの方を守らなければならない。本能がそう言っている。
《はい、アルテミス様です。守護を任されました》
神の名前を出すと緊張が解けたのか、肩の力が抜けた様に会話が続く。
我を見ても恐れず話を続ける事に嬉しさが込み上げてくる。
「はじめまして、椿と言います。えっと~あなたのお名前は?」
《はっ、つばき様。私には名前がありませんので、呼びやすい名で結構です》
つばき様…この方を守る為に我は生まれてきたのか、いや。生まれ変わったのか。
「名前かぁ、ーーウル。ウルフみたいだからウル!安直過ぎたかな?」
《フェンリルなんですが、ーーウル…我が名はウル!つばき様と契約し、この命が尽きるまで貴女様を御守り致します!!》
ゥヴォーンっと柄にもなく雄叫びをあげてしまった。
命尽きるまで、つばき様をお守り致します。
あの人族に出来なかった事ーーー
我に巡り合えた奇跡。
神よ。感謝の言葉では伝え切れぬ。
これからのつばき様の道筋に光が灯す事を願わずにはいられない。
フェンリル‘ウル’のお話でした。
終わり
目の前が、赤く燃えている。
あぁ、これは我の怒りだ。何か小虫が叫んでいるが邪魔だな。
ガヴゥゥゥーーーーー・・・プチ
これで、静かになった。
人族よ。恐れる事はないぞ、小虫は我が退治したからな、ん?人族よ?どうした?
・・・・・
人とは、何と脆い事よ。
『風よこの地を清めておくれ。そして、この者達の魂を運んでくれ。』
サーーッ
花の匂いと共に風の妖精達が人族を土に還し大地を清め始めた。
人族の体からは魂がフヨフヨと空へ昇っていく。
フェンリルは寂しそうに見つめていた。
それから数百年が経ち、フェンリルも歳を迎えようとしていた。
大樹の幹で横たわり目を閉じ生涯を思い浮かべる。
人族達との日々は楽しかった。会話をする事は無いが一人ではなかった。それが楽しいと分かったのはあの事件があってから後の事。
もし、願いが叶うならまた人族に会いたい。
今度は会話をしてみたい、無理な話だなーーー
我の命は消えかかっている。
良いのだ。
我は充分に生きた。この身が朽ちようと大地に還るだけ、悲しい事は無い。
ーーーーそう、悔いは・・・無い。
「いやいや、未練タラタラでしょ~?」
!!?
「そんな驚かなくても、僕には分かってるから~」
「えっ?これは夢か?だって?アッハー!!笑笑。夢なわけないじゃん~君は死んだの!ここは僕の領域。」
「君は死んで、僕が呼んだの。んで、今からクッソ面倒臭い事になりそうだから~君にお願いしたいんだよね~あっ!僕はアルテミス。この領域の神様やってまーーす!ちなみに~僕の星に女の子を連れてったんだけどさ~すぐ死んじゃいそうで心配なんだよね~勝手に僕の領域に来て、連れてったら死にました~じゃ後味悪いじゃん?だから、君に手伝って貰いたいんだよね~君って生前徳を積んでたから、魂が清いままだし~」
なんと!我は死んだのか!
「遅っそーー!今頃?遅いっつーーの!笑!ねぇ、今僕が話したの聞いてた?どんだけ、反応遅いのさ。また話すの面倒臭いんですけどー」
我が貴殿、いや。神の代わりに人族の女子を守護すれば良いのだな?
「まじ?話聞いてるじゃ~ん!まぁいいや。そ!その女の子を守護してくれる?前の身体は大地に還って無いから。僕が新しく作ってあげる~若い身体にしとくよ?おじいちゃんのままだと守るの心配だしね~」
・・・任せる。
「ん~こんなもんかな?僕の加護も付けといたから。前よりパワーアップだね~じゃ!よろしく♪」
バイバーイ
ーーーブツン
目の前が暗い。
我は本当に生き返ったのか?
否
神を信じるのだ。
光が見える。近づくと人族の女子がいる。
ぼんやりとあの人族とかぶるな…か弱き人族を守らなければ。
スッと近づくと人族の女はビクリと体を震わせながらこちらを見た。
その目には恐怖だった。怖がらせてはいけない。
そう思っている矢先、怪しい人影が見えた。危ない!ガヴゥ。唸り声を出し、威嚇しながら人族に覆い被さり怪しい人影を確認する。
ーーーどうやら、いなくなったみたいだ。
我の下でフルフル震えている人族に警戒されないように柔らかい口調で話して見る。
もう、会話もせず。離れるのは嫌だ。
《怪我は無いですか?アルテミス様より守護を任されました。》
自分で思ったより、優しく話せて驚いた。
どうやら、神が何かしたみたいだ。
「アルテミス?もしかして、神様?」
鈴を転がした様に少し震える声で話す人族は、恐る恐ると言った感じで我を見つめる。
その時、我の中でこの方を守らなければならない。本能がそう言っている。
《はい、アルテミス様です。守護を任されました》
神の名前を出すと緊張が解けたのか、肩の力が抜けた様に会話が続く。
我を見ても恐れず話を続ける事に嬉しさが込み上げてくる。
「はじめまして、椿と言います。えっと~あなたのお名前は?」
《はっ、つばき様。私には名前がありませんので、呼びやすい名で結構です》
つばき様…この方を守る為に我は生まれてきたのか、いや。生まれ変わったのか。
「名前かぁ、ーーウル。ウルフみたいだからウル!安直過ぎたかな?」
《フェンリルなんですが、ーーウル…我が名はウル!つばき様と契約し、この命が尽きるまで貴女様を御守り致します!!》
ゥヴォーンっと柄にもなく雄叫びをあげてしまった。
命尽きるまで、つばき様をお守り致します。
あの人族に出来なかった事ーーー
我に巡り合えた奇跡。
神よ。感謝の言葉では伝え切れぬ。
これからのつばき様の道筋に光が灯す事を願わずにはいられない。
フェンリル‘ウル’のお話でした。
終わり
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