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夢の中では本心が溢れる

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「キタキタキターーー!!さっきまで自室にいたのになんか知らない部屋にいる。しかも制服に極小ビキニを着てる。現実ではありえない展開、新婚初夜でスケベ衣装でエッチとかオースティンのむっつり童貞が丸分かりだよ」

 豪奢な気持ちのいいベッドの上で悶えていると、外から誰かの足音が聞こえる。寝たふりでもして、今起きたばっかりのふりをしよう。

 友達と読んでいた本で寝起きの女性に男性がムラムラして襲うシーンが沢山あった。

 足音が近づいてきて、ギシッとベッドが軋み誰かが側に座る。
 心臓の鼓動が早くなる。

 落ち着け…………おちんちんに優しくしないと怖がられる。こんなことなら、オースティンのお姉さん家庭教師設定にして、中出しのタイミングを教えてあげるにしておけば良かったっ…………。

 あの時間のない緊迫した状況で、自分の理想が新婚初夜絶倫夫とのラブラブエッチだと知る事が出来た。だから、間違っていない。

「まだ寝ているのか」

(声にモヤがかかって聞こえにくいけれど、絶対にオースティンだ!この状況で寝てるわけないじゃん。童貞思考、か、可愛いっ……。もしかしてこの状況は事後なの。タイミング悪すぎ!)

「おはようございます。あなた」

 自分が出せる微睡みHボイスで挨拶をする。予習復習はきちんとしてるタイプ。男性向けASMRを研究していた時期がある。動画配信はしなかったが、何度も練習をしてうまくなったとおもう。

 あれ、目の前にいるのはオースティンじゃない。筋肉質な金髪の美丈夫がいた。

「「……」」

 えーっとこの状況は何なのだろう。お互い全裸だし、シーツが乱れたあとがある。やる事やってる癖に恥ずかしがっているとか?

「ねぇ、サリアたち昨日結婚したのよね?あなたはサリアの夫なの?」

 ぶら下がったちんちんを視界の端に入り、ハッとして正面から抱きついた。

「サリアっ……」

 お互い抱きしめあい愛情の確認をする。2人で全身にキスをし合う。

 夢、やるじゃん。

 前世からクマに犯されることが夢だった私は、筋肉質で仮性包茎のおちんちんとセックスがしたかった。イケメン好きの人からは理解出来ないらしい。

 鍛え上げられた身体、見ているだけで大洪水を起こしそうな少し盛りあがった乳首。熱い吐息。
 触れてもないのに半勃ちをしている。触れたくてヨダレが出そう。

 向こうは全裸でこっちは服を着ている。エロ漫画の読みすぎだよ。好き。

「私処女だからいっぱいエッチなことを教えてくださいね」

「俺も女性経験がないんだ」

「お揃いですね。名前はなんと呼べばいいですか?」

「シャルアといつもみたいに呼んでください」

「んっ、ンンっ~??」

 婚約者と同じ名前。こんなに可愛いおちんちんなわけないから違う人だよね?

 スパダリ絶倫騎士団長のCGはいつだって、陰茎の先は真っ赤な先端。前世で資料集を見たファンが集まって、

『シャルア様好き集まって!薄目で下からシャルア様をみたらモザイクが取れるわよ!』

『おしりの穴まで丸見えだ。ぱっくり可愛いふわとろおまんこだ』

『ホモ疑惑匂わせるな!シャルア様は女の子が大好きなヤリチンよ!』

 と喧嘩をしていた。2人とも二次創作で争い大手同人作家になっていた。

 目の前にいるのは婚約者のシャルアブラッドじゃないよね?視界に入る暴力的な肉体のせいで、考えがまとまらない。

 ちんちんが可愛いからどうでも良くない?

「シャルア、可愛い名前。私の名前と少し似てるね。子供が産まれたら最後に同じくアをつけましょうね」

「うん、絶対にそうする」

 シャルアは目に涙を溜めて泣いていた。瞳の色が赤い。婚約者の目の色は深い青色だったから、違う人だ。

「私たち夫婦になったのね。幸せだね」

「サリアも同じ気持ちだったのか。どうしよう幸せ過ぎて嬉しい」

 お互い強く抱き締めあった。雄っぱいに埋もれて死にそう。彼の匂いは甘くてずっと抱きしめられたい気持ちになる。

「シャルアブラッドと別れても同じ名前の人と夢でセックスするなんて」

「えっ」

「オースティンの身体付きも雄っぱいも好きだったけれど、どうして彼じゃなくて君なんだろう。大好きな仮性包茎で身体つきもいいなんて今まで何処にいたの?絶対に婚約者と別れて、君と付き合うよ。現実に君がいたら結婚する。金髪に赤い瞳だもん。私たちの赤ちゃんは絶対に可愛いよ」

 お尻に先程から勃起した熱杭が当たっている。シャルアは無意識におしりを揉んでいる。

「そろそろ挿入して欲しいな」

 唇にキスをすると驚いた顔をされて、食べられそうなキスを返された。ぽってりしたエロ唇と肉厚な舌が気持ちがいい。

「わたひのファーストキス、うれひぃ、好き、すきぃ」

 キスだけで達しそう。安眠の種の効果は絶大だ。窒息しそうなキスややさしいキスをされ、我慢出来ないくらい濡れている。

「そろそろ、挿入して欲しいです」

「サリア、俺でいいのか」

「うん、だって分かんないくらい愛してるから」

 太ももを拡げられて丸見えになってしまっている。指で弄られて初めての感覚に戸惑ってしまう。お腹につきそうなくらいシャルアは勃起してる。

 クイッと仮性包茎の皮を剥いて、私の下半身にあてがう。大きい身体に似合うくらいおちんちんも大きい。さっきまで小さかった癖に。自分の身体で興奮していることが分かって嬉しい。

「わたしの初めて、初めてをシャルアに♡」

「痛かったら言って下さい」

 軽くキスをされて始めて入る瞬間を瞬きひとつせずみつめている。

 両手を握られて、硬さだけでじゅぷじゅぷ入って…………。



 来なかった。ちょうどいい時に朝日の光で目が覚めた。

 あっれれ~ちんちんはどこに行った?
 赤目のシャルアは?仮性包茎は?

「おはようございまーす」

 元の姿に戻ったサキュバス先生に駆け寄って、先程夢であったことを説明した。

「だから、もう1回夢を見させてください!安眠の種もう1個ください!次は食べませんから」

「それは無理ですわ」

「どうしてですか?」

「あれは滅多に手に入るものじゃないのよ」

「理想の男のおちんちんを入れてもらってないのに。悔しい、悔しいよォ」

「魔力不足のせいで最後まで出来なくて可哀想ね。次の授業できちんと教えるわ。今まで一緒に過ごせて幸せだったわ。家に帰るから次に会う日は執事から聞いて」

 窓から飛び立って消えると私は寝込んだ。
 婚約者のシャルア(※婚約者)と約束していた日で、仕方がないから着替えて直接会うことにした。

 やっぱり王子様の側近らしいしなやかな筋肉で、夢の中の彼と違う。金髪で深い青い瞳。青薔薇の騎士と呼ばれている端正な甘い顔。優しい目元が感情がなく、ゲームやっている時も嫌いだった。胡散臭い笑顔で、他人優先の性格。

 あの人と違う。

 気がつけば、夢の出来事を思い出して顔が緩んでいた。

「元気そうで良かったです」

「気を使っていただいてありがとうございます。お忙しいのに、こんな人間に時間を使うよりももっと素敵な人と過ごしてください」

「……素敵な人は君にいるのか?」

 どうしよう。夢に見たシャルアもいいけれど、オースティンの雄っぱいも思い出して濡れそうになる。

 2人の雄っぱいに挟まれたらと考えるとムラムラしてきた。

「私はいるよ」

 私たち同じ事を考えていたんだ。これは婚約解消がスムーズに出来そうな予感がする。
 相手に合わせてこちらの要望を叶えてもらおう。

「いるのですか?その人と結婚した方がいいですよ!私と婚約解消してもいいですから。周りの人も似合わないって噂しています。どうして私と婚約したんですか?」

 目を見開いているシャルアと目が合った。政略結婚だからとオーラで訴えている。

「時期が来たら話をしよう」

「前向きに婚約解消の検討お願いしますね。泣いて縋りませんし、連絡もしません」

「サリア、私の事をどう思っていますか?」

 上から下まで確認した後に、騎士服から逆算したおちんちん込でこう言った。

「全く興味がないです。恋愛感情もないので浮気されても傷つきません」

「清々しい感想だ」

 こうして別れた私たちは学校以外で会うことはなく、好感度が上がることは絶対にありえなかった。
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