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8.勘違いから囚われる
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心地よい眠りから目を覚ますと抱きしめられていた。そっと離れようとすると力強く抱きしめられる。再現できない匂いと体温ですぐに彼だと分かってしまう。心臓の音が警鐘を鳴らしていた。呼吸の音を聞いて眠っているのだと確信すると、少しの時間抱きしめていた。
全体的にゴツゴツして筋肉質だ。身体が大きいと思っていたが、鍛えて方が以前と違うからだ。ほんの少しだけムラっとしてしまい下が濡れる。あれ……また下着を履いていない。
このまま気が付かれず彼の腕から逃げられる方法はないのだろうか。
そんなことを考えている時、太腿に触れている太くて滾る下肢の感覚が変わった。今の彼は全裸で、ネグリジェを着ている私にきつく抱きついている。呼吸が荒くなり何度も名前を呼ばれた。
もしかして夢の中で何かを見ているのだろうか。不安な気持ちを解放してあげたい。ネグリジェを捲り、仰向けに体勢を変える。彼の下肢を太ももの根元で挟み腰を揺すると生温かい液体をかけられる。ビクビク震えてい長い時間射精している。
射精して終えたラシエルの顔の表情が緩み、寝息を立てている。精子まみれのネグリジェを脱ごうか悩んでいる時に部屋にメイドが入ってきた。
「きゃああああああ」
叫び声を出したメイドに反応して目が覚めたラシエルに押し倒された。身体が一瞬宙に浮いて衝撃を受け入れるために目を閉じる。そっと視線だけ上げると、頬を染めたラシエルがいた。
「……どうして貴方がここに。どうして血と白濁が混ざっている」
「血? あっ!」
そろそろ月の物が始まると思っていたけれど、予想以上に早かった。いつもは薬を飲んで早く終わらせるから油断していた。ベッドを汚してしまい、顔が青ざめているとシーツで包まれた。早くどうにかしないといけないのにラシエルが離してくれない。そうこうしているうちにドアがノックされた。
「申し訳ございません。意識のないリーファ嬢の乙女を奪ってしまった罪は償います」
乙女を奪ってしまった罪?寝ている間に襲ったの?あの優しくて絶対に私を傷つけないラシエルが……。奥の方が疼いて身体全身が熱くなる。
「その、乙女じゃないから平気よ」
責任を取って欲しくないから嘘をついた。申し訳なさそうに口にすると、ラシエルは離してくれるだろうと期待した。沢山の男の人と付き合っていた話もしている。
「何を言っているんですか。嘘をつかないでください。下着を脱ぎ指で開いて、しっかり脳に焼き付けるくらい見ましたよ。弄り慣れていないクリトリス、指一本も入らなそうな蜜壺、それなのに大きくて張りのある胸にピンクの乳首、後ろの孔だって入れた事がないでしょう」
「な、寝ている時にそんなところまで確認したの! 変態!」
「違います。自分から見せてきたんです。目に涙を溜めて、処女を確認しないと帰ると言うから。だから、俺はしっかり確認するしかなかったのです。痴態を見せつけられて我慢して眠っていたら、可愛い貴方に入れてしまって……さっきから言い訳ばかりですね。こうしている間も襲いたくて仕方がないのです」
お尻に当たる物が硬くなっている。絶対にそういうことをしていないと経験上分かる。中に精子を注がれると魔力の塊が入ってくる感覚がする。もっとも幸福で、このために女に産まれてきたのかと納得してしまう心地よさだ。
お医者様が入ってくると私達の様子に驚きながら診断してくれた。そういう行為をしていないと断言された。ホッとした。お医者様はラシエルに誘導尋問されて仕方なさそうに、
「外に射精した精子が少しだけ膣に入っている……かもしれないですね」
「そうだろう、そうに決まっている!」
とお医者様は言ってしまった。ラシエルは口角を上げて悪魔のような笑みを浮かべている。とても悪い顔で、胸がドキドキする。
「経験上、膣の外側に射精していても水滴のように伝って妊娠することがあります」
「でも、私は月のものが始まったばかりで」
本当のことを話しているのに顔を左右に振られ信用してくれない。
「俺の子供を妊娠している可能性があるなら、外に出ることは許されない」
「いくら何でも横暴ですよ。貴方の子供は妊娠していません。シャーリーはどうするんですか?」
「ただの画家と客の関係だ。どいつもこいつも噂話を囃し立てて何が面白いんだ。何度も言っているが好きなのは――」
両手でラシエルの口を抑えると「聞きたくないです」と黙らせた。
しばらく一人になりたいと伝えると、気を利かせた使用人たちに湯浴みをして着替えさせられた。ラシエルと側にいたくないのに、どうして……あそこを見せたのだろう。
窓から出られないか開けると、心地の良い風が部屋に入る。花の匂いが微かに香り、外がみたくなった。近づくとラシエルの母の庭園がある事を覚えていた。確か、今の時期は黄色と白の花が咲き乱れている頃だ。
「どうして」
そこにあったのは以前と全く違う花が植えられていた。四季を楽しめるように配置された花や木は元からなかったかのようだった。
ラシエルが違うのだから当たり前なのにショックを受けていた。ラシエルの父が妻のために作った庭園は、結婚記念日を迎える度に新しい花を植えられていた。
物音に振り返るとラシエルが廊下を歩いていた。隣の部屋に入ると部屋の中にあるドアに手をかけて中に入っていく。
開けっ放しのドアから彼が入った部屋を覗くと一面に私の絵が飾られていた。
探していた全裸の絵の前に椅子がありラシエルが腰をかける。何かを鼻に近づけて匂いを嗅ぎながら片手だけが動いている。
「神様、俺の天使が妊娠してくれました。夢の中に現れてはセックスしていたけれど、素っ気なくされて諦めていたのに。リーファ、リーファ。両手にちょうど収まる胸、お尻で俺を誘惑しないでくれ。最近服装を変えたのは、俺の好みを知ったからだ。可愛い服も好きだが今はもっと好きだ! 今まで夢の中で仲が良すぎたせいで、緊張しているのだろう。両思いだから中に出すよ、ふっ、ふっ出る受け入れてくれ!うっうっ、はぁいっぱい出た。」
手に握られていたのは私の下着だった。射精をして疲れきったところで、申し訳ない気持ちになってしまった。
「いつもみたいに『ラシエル愛している』と言ってくれ……」
射精の喜びに震えているうちに天使のふりをして近づくことにした。
「ラシエル」
「俺の天使ちゃん、これは夢?名前を呼ばれるなんて」
前は『私だけの女神』と呼ばれていたのに、天使に降格したなと心の中で思う。
この状況を利用して何とか出来ないか、腕を組んで考えた。視線は知らずに下を向き、椅子に座っているラシエルを見下ろしていた。
私の下着に射精した余韻で、蕩けるような目をしている。
「天使ちゃん、俺のちんぽなんて見ないでください。この通り皮が被って恥ずかしいです。でも夢の中で素敵だと言われて、何度も大好きだと舐められ射精しています」
ピクピク震え出て立ち始めると先端から先走りが漏れている。
「絵を買ったのだって、夢で見たあなたにそっくりで美しい女性が目の前にいたからです。妄想だった女性が現実にいるのに、俺が表情筋が固くて執拗いから嫌われています。我慢できない気持ちになり、シャーリー嬢に結婚している姿を描いて貰っています」
一日で何回も抜いているなんて勿体ない。妄想だと勘違いしているから彼が言って欲しい事を口にする。
「関わらない方がいいのでは?家に帰してあげましょう。彼女は妊娠していません」
「嫌です! 始めて射精したのはリーファ嬢で、彼女と結婚出来なければ俺は一生独り身の予定でした。それなのに俺の子を妊娠させてしまいました。どうして寝ている時に子供を作ったのだろう」
「寝ている時に、性行為は出来ません」
「嘘に決まっています。そういう本に書かれていて勉強しました」
この男ラシエルは厄介な性格だ。
「寝ている時は濡れてないので入らないのです。セックスの仕方も分からない癖に赤ちゃんが出来るわけないでしょう。絵も本人も返して、本人も屋敷に帰させましょう。貴方に素敵な人がすぐに見つかりますよ。ねっ」
うん、いい考えだ。飢えた獣のようなラシエルと萎えてしまったモノが相反しこちらをみつめている。
全体的にゴツゴツして筋肉質だ。身体が大きいと思っていたが、鍛えて方が以前と違うからだ。ほんの少しだけムラっとしてしまい下が濡れる。あれ……また下着を履いていない。
このまま気が付かれず彼の腕から逃げられる方法はないのだろうか。
そんなことを考えている時、太腿に触れている太くて滾る下肢の感覚が変わった。今の彼は全裸で、ネグリジェを着ている私にきつく抱きついている。呼吸が荒くなり何度も名前を呼ばれた。
もしかして夢の中で何かを見ているのだろうか。不安な気持ちを解放してあげたい。ネグリジェを捲り、仰向けに体勢を変える。彼の下肢を太ももの根元で挟み腰を揺すると生温かい液体をかけられる。ビクビク震えてい長い時間射精している。
射精して終えたラシエルの顔の表情が緩み、寝息を立てている。精子まみれのネグリジェを脱ごうか悩んでいる時に部屋にメイドが入ってきた。
「きゃああああああ」
叫び声を出したメイドに反応して目が覚めたラシエルに押し倒された。身体が一瞬宙に浮いて衝撃を受け入れるために目を閉じる。そっと視線だけ上げると、頬を染めたラシエルがいた。
「……どうして貴方がここに。どうして血と白濁が混ざっている」
「血? あっ!」
そろそろ月の物が始まると思っていたけれど、予想以上に早かった。いつもは薬を飲んで早く終わらせるから油断していた。ベッドを汚してしまい、顔が青ざめているとシーツで包まれた。早くどうにかしないといけないのにラシエルが離してくれない。そうこうしているうちにドアがノックされた。
「申し訳ございません。意識のないリーファ嬢の乙女を奪ってしまった罪は償います」
乙女を奪ってしまった罪?寝ている間に襲ったの?あの優しくて絶対に私を傷つけないラシエルが……。奥の方が疼いて身体全身が熱くなる。
「その、乙女じゃないから平気よ」
責任を取って欲しくないから嘘をついた。申し訳なさそうに口にすると、ラシエルは離してくれるだろうと期待した。沢山の男の人と付き合っていた話もしている。
「何を言っているんですか。嘘をつかないでください。下着を脱ぎ指で開いて、しっかり脳に焼き付けるくらい見ましたよ。弄り慣れていないクリトリス、指一本も入らなそうな蜜壺、それなのに大きくて張りのある胸にピンクの乳首、後ろの孔だって入れた事がないでしょう」
「な、寝ている時にそんなところまで確認したの! 変態!」
「違います。自分から見せてきたんです。目に涙を溜めて、処女を確認しないと帰ると言うから。だから、俺はしっかり確認するしかなかったのです。痴態を見せつけられて我慢して眠っていたら、可愛い貴方に入れてしまって……さっきから言い訳ばかりですね。こうしている間も襲いたくて仕方がないのです」
お尻に当たる物が硬くなっている。絶対にそういうことをしていないと経験上分かる。中に精子を注がれると魔力の塊が入ってくる感覚がする。もっとも幸福で、このために女に産まれてきたのかと納得してしまう心地よさだ。
お医者様が入ってくると私達の様子に驚きながら診断してくれた。そういう行為をしていないと断言された。ホッとした。お医者様はラシエルに誘導尋問されて仕方なさそうに、
「外に射精した精子が少しだけ膣に入っている……かもしれないですね」
「そうだろう、そうに決まっている!」
とお医者様は言ってしまった。ラシエルは口角を上げて悪魔のような笑みを浮かべている。とても悪い顔で、胸がドキドキする。
「経験上、膣の外側に射精していても水滴のように伝って妊娠することがあります」
「でも、私は月のものが始まったばかりで」
本当のことを話しているのに顔を左右に振られ信用してくれない。
「俺の子供を妊娠している可能性があるなら、外に出ることは許されない」
「いくら何でも横暴ですよ。貴方の子供は妊娠していません。シャーリーはどうするんですか?」
「ただの画家と客の関係だ。どいつもこいつも噂話を囃し立てて何が面白いんだ。何度も言っているが好きなのは――」
両手でラシエルの口を抑えると「聞きたくないです」と黙らせた。
しばらく一人になりたいと伝えると、気を利かせた使用人たちに湯浴みをして着替えさせられた。ラシエルと側にいたくないのに、どうして……あそこを見せたのだろう。
窓から出られないか開けると、心地の良い風が部屋に入る。花の匂いが微かに香り、外がみたくなった。近づくとラシエルの母の庭園がある事を覚えていた。確か、今の時期は黄色と白の花が咲き乱れている頃だ。
「どうして」
そこにあったのは以前と全く違う花が植えられていた。四季を楽しめるように配置された花や木は元からなかったかのようだった。
ラシエルが違うのだから当たり前なのにショックを受けていた。ラシエルの父が妻のために作った庭園は、結婚記念日を迎える度に新しい花を植えられていた。
物音に振り返るとラシエルが廊下を歩いていた。隣の部屋に入ると部屋の中にあるドアに手をかけて中に入っていく。
開けっ放しのドアから彼が入った部屋を覗くと一面に私の絵が飾られていた。
探していた全裸の絵の前に椅子がありラシエルが腰をかける。何かを鼻に近づけて匂いを嗅ぎながら片手だけが動いている。
「神様、俺の天使が妊娠してくれました。夢の中に現れてはセックスしていたけれど、素っ気なくされて諦めていたのに。リーファ、リーファ。両手にちょうど収まる胸、お尻で俺を誘惑しないでくれ。最近服装を変えたのは、俺の好みを知ったからだ。可愛い服も好きだが今はもっと好きだ! 今まで夢の中で仲が良すぎたせいで、緊張しているのだろう。両思いだから中に出すよ、ふっ、ふっ出る受け入れてくれ!うっうっ、はぁいっぱい出た。」
手に握られていたのは私の下着だった。射精をして疲れきったところで、申し訳ない気持ちになってしまった。
「いつもみたいに『ラシエル愛している』と言ってくれ……」
射精の喜びに震えているうちに天使のふりをして近づくことにした。
「ラシエル」
「俺の天使ちゃん、これは夢?名前を呼ばれるなんて」
前は『私だけの女神』と呼ばれていたのに、天使に降格したなと心の中で思う。
この状況を利用して何とか出来ないか、腕を組んで考えた。視線は知らずに下を向き、椅子に座っているラシエルを見下ろしていた。
私の下着に射精した余韻で、蕩けるような目をしている。
「天使ちゃん、俺のちんぽなんて見ないでください。この通り皮が被って恥ずかしいです。でも夢の中で素敵だと言われて、何度も大好きだと舐められ射精しています」
ピクピク震え出て立ち始めると先端から先走りが漏れている。
「絵を買ったのだって、夢で見たあなたにそっくりで美しい女性が目の前にいたからです。妄想だった女性が現実にいるのに、俺が表情筋が固くて執拗いから嫌われています。我慢できない気持ちになり、シャーリー嬢に結婚している姿を描いて貰っています」
一日で何回も抜いているなんて勿体ない。妄想だと勘違いしているから彼が言って欲しい事を口にする。
「関わらない方がいいのでは?家に帰してあげましょう。彼女は妊娠していません」
「嫌です! 始めて射精したのはリーファ嬢で、彼女と結婚出来なければ俺は一生独り身の予定でした。それなのに俺の子を妊娠させてしまいました。どうして寝ている時に子供を作ったのだろう」
「寝ている時に、性行為は出来ません」
「嘘に決まっています。そういう本に書かれていて勉強しました」
この男ラシエルは厄介な性格だ。
「寝ている時は濡れてないので入らないのです。セックスの仕方も分からない癖に赤ちゃんが出来るわけないでしょう。絵も本人も返して、本人も屋敷に帰させましょう。貴方に素敵な人がすぐに見つかりますよ。ねっ」
うん、いい考えだ。飢えた獣のようなラシエルと萎えてしまったモノが相反しこちらをみつめている。
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