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第六章 同盟締結
2 エドアルド皇太子の学友達
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『チェッ、これに割り込みを掛けたら、無粋者だと非難されちゃうな……ユーリ嬢はユージーン卿を信頼しきっているから、素晴らしいパドトワレを踊っているんだ。それにしても、ユーリ嬢は花が咲いたように綺麗だなぁ』
ユーリとユージーンのパドトワレにも割り込みを掛けるのを諦めて、エドアルドはうっとりと眺める。
「ユーリ嬢は本当に可憐な花みたいだねぇ。明日の王妃様の音楽会では、可愛い姿でピアノでも弾かれるのかなぁ~。良いなぁ、皆は招待されているんだよねぇ~。私は音楽会に招待されて無いんだよなぁ~」
ハロルドの未練たらしい言葉を、エドアルドやジェラルド達は笑った。
「そりゃ、ハロルド、君が王妃様の音楽会で下品な戯れ歌なんか歌うから、追放されるのさ。僕はピアノでユーリ嬢と連弾でもしようかな」
ジェラルドの言葉に大袈裟に落ち込んだ様子のハロルドに、エドアルドは笑った。
「ハロルド、母上に君も招待するように言っておくよ。母上も君の声は良いバリトンだと誉めていたから。でも、二度と戯れ歌なんて歌っちゃ駄目だよ」
「了解!」
軍隊式に敬礼したハロルドに皆で爆笑したが、次の曲をグレゴリウスとユーリが踊り出すと、エドアルドの機嫌が悪くなってきた。
「少し、イルバニア王国側はユーリ嬢を独占しすぎではないかな。さっきから、ユーリ嬢は自国の人としか踊ってないじゃないか。私のダンスパーティーに出席されているのに、考慮が足りないのでは……」
グレゴリウスとユーリのダンスを眺めて、少し嫉妬心が隠せないエドアルドに、気まずそうにハロルド達はリーフレットを差し出した。
「これ、何……」
ペラペラっと見ると、余りに陳腐な内容に頭痛がしてきたエドアルドは、学友達を睨めつけた。
「え~だから、ニューパロマの令嬢方にグレゴリウス皇太子がモテモテになるように……」
「ほら、指導の竜騎士ジークフリート卿は恋の熟練者だから、注意をそらさないとねぇ~」
「怒らないで下さい、ハロルドやユリアンは……」
しどろもどろの弁解に、エドアルドは、学友達が自分を応援するために馬鹿なことをしたのに溜め息をついたが、仕方無いなと許した。
「もう、良い! 一度、リセットして巻きなおしだ。リースを演奏してくれ!」
次々とパートナーを変えて踊るリースが終わると、ちゃっかりユーリを捕まえてダンスし始めたエドアルドに、学友達はホッと胸をなで下ろした。
「結局、エドアルド様の足を引っ張っちゃう結果になったかな~」
計画を立てたハロルドは、機嫌のなおったエドアルドにホッとしながらも、友人として情けないなと溜め息をついた。
「明日の王妃様の音楽会で、皆で協力してユーリ嬢とエドアルド様をくっつけようよ」
ユリアンの言葉に全員が「無理、無理! 社交界から追放されるよ~」と叫んだ。
エリザベート王妃は大の音楽愛好家で、名門貴族でも音楽の素養のない方はお断りなので、主催の音楽会は大変権威のある物になっていた。そこで無作法な真似をしたらと、ぶるぶると身震いする。
「ユリアン、考えなしに喋るなよ。王妃様に睨まれたら、社交界からも追放されるぞ。それより、ユーリ嬢は音楽の素養があるのだろうか? 王妃様は音楽の趣味を持たない皇太子妃とはうまくいかないぞ。嫁、姑でエドアルド様が苦労するのは気の毒だからなぁ」
ジェラルドに窘められて、ユリアンはちょっと悄げたが、あっ、と良い案を思いついた。
「確かに、明日の音楽会は大人しくしといた方が良いかもね。日曜の狩りで、ユーリ嬢とエドアルド様を組みにしようよ」
そんな事は全員が考えついていたので、はいはいといなされてしまったが、ハロルドは一人で考え込んだ。ユーリがどの位の乗馬の腕なのかは知らないが、武術は苦手と言っていたので、たいしたことはないだろうとハロルドは考えて良い案を思いついた。
「ちょっと、良い案を思いついたんだ。皆の協力がいるけど、どうかな?」
懲りない学友達は狩りで、エドアルドとユーリをくっつける計画に夢中になり、せっかくのダンスパーティーもほったらかしだ。
「ユーリ嬢が乗馬が凄く上手い場合は、狐役に罠を仕掛けて貰おう。下手な場合は、ロマンチックな小さなテントを用意しよう」
ハロルドの提案に学友達はああでもない、こうでもないと、計画を練り上げる。
ユーリとしては頑張って、夜中までダンスしたが、段々と庭やボートへとカップルで抜けるのが目につきだすと、ジークフリートもユージーンも、これ以上付き合う必要はないと判断して皆で大使館に引き上げた。
「あれ、ユーリ嬢は? まだ、踊ってないのに~」
悪巧みに夢中になってたハロルドが嘆くのを、ちゃっかり途中で抜けて踊ったジェラルドとユリアンはゲラゲラと笑った。
「ぼんやりしてるからだよ」
そんな学友達を眺めながら、エドアルドはまた馬鹿な事を計画してなければ良いがと心配した。
「また変なことを画策しないでくれよ」
釘をさしたが、エドアルドも若く、学友達も若い。此処に教育係のマゼラン卿がいたら、大目玉を食らわすか、もっと緻密な作戦を練ろと怒っていただろう。
ダンスパーティーでグレゴリウスはあまりユーリと踊れず、なんだか様子のおかしい令嬢方の相手をさせられ少し苛々していた。
『なんだかニューパロマの令嬢は変な様子だったなぁ。それにユーリとは2回しか踊れなかった! エドアルドのダンスパーティーなんか金輪際行きたくない!』
でも、帰りの馬車でユーリがもたれて寝てしまい、寝顔が見れたので気分は浮上した。
『ユーリ、私の肩に頭をのせて……可愛い寝顔だなぁ……眠っていると、子どもみたいだ』
しかし大使館に着いても起きないユーリを、仕方ないなと、ユージーンが抱き上げて部屋に運ぶのを見ると、やはり嫉妬してしまい複雑な気持ちで、なかなか寝付かれない夜を過ごす羽目になった。
ユーリとユージーンのパドトワレにも割り込みを掛けるのを諦めて、エドアルドはうっとりと眺める。
「ユーリ嬢は本当に可憐な花みたいだねぇ。明日の王妃様の音楽会では、可愛い姿でピアノでも弾かれるのかなぁ~。良いなぁ、皆は招待されているんだよねぇ~。私は音楽会に招待されて無いんだよなぁ~」
ハロルドの未練たらしい言葉を、エドアルドやジェラルド達は笑った。
「そりゃ、ハロルド、君が王妃様の音楽会で下品な戯れ歌なんか歌うから、追放されるのさ。僕はピアノでユーリ嬢と連弾でもしようかな」
ジェラルドの言葉に大袈裟に落ち込んだ様子のハロルドに、エドアルドは笑った。
「ハロルド、母上に君も招待するように言っておくよ。母上も君の声は良いバリトンだと誉めていたから。でも、二度と戯れ歌なんて歌っちゃ駄目だよ」
「了解!」
軍隊式に敬礼したハロルドに皆で爆笑したが、次の曲をグレゴリウスとユーリが踊り出すと、エドアルドの機嫌が悪くなってきた。
「少し、イルバニア王国側はユーリ嬢を独占しすぎではないかな。さっきから、ユーリ嬢は自国の人としか踊ってないじゃないか。私のダンスパーティーに出席されているのに、考慮が足りないのでは……」
グレゴリウスとユーリのダンスを眺めて、少し嫉妬心が隠せないエドアルドに、気まずそうにハロルド達はリーフレットを差し出した。
「これ、何……」
ペラペラっと見ると、余りに陳腐な内容に頭痛がしてきたエドアルドは、学友達を睨めつけた。
「え~だから、ニューパロマの令嬢方にグレゴリウス皇太子がモテモテになるように……」
「ほら、指導の竜騎士ジークフリート卿は恋の熟練者だから、注意をそらさないとねぇ~」
「怒らないで下さい、ハロルドやユリアンは……」
しどろもどろの弁解に、エドアルドは、学友達が自分を応援するために馬鹿なことをしたのに溜め息をついたが、仕方無いなと許した。
「もう、良い! 一度、リセットして巻きなおしだ。リースを演奏してくれ!」
次々とパートナーを変えて踊るリースが終わると、ちゃっかりユーリを捕まえてダンスし始めたエドアルドに、学友達はホッと胸をなで下ろした。
「結局、エドアルド様の足を引っ張っちゃう結果になったかな~」
計画を立てたハロルドは、機嫌のなおったエドアルドにホッとしながらも、友人として情けないなと溜め息をついた。
「明日の王妃様の音楽会で、皆で協力してユーリ嬢とエドアルド様をくっつけようよ」
ユリアンの言葉に全員が「無理、無理! 社交界から追放されるよ~」と叫んだ。
エリザベート王妃は大の音楽愛好家で、名門貴族でも音楽の素養のない方はお断りなので、主催の音楽会は大変権威のある物になっていた。そこで無作法な真似をしたらと、ぶるぶると身震いする。
「ユリアン、考えなしに喋るなよ。王妃様に睨まれたら、社交界からも追放されるぞ。それより、ユーリ嬢は音楽の素養があるのだろうか? 王妃様は音楽の趣味を持たない皇太子妃とはうまくいかないぞ。嫁、姑でエドアルド様が苦労するのは気の毒だからなぁ」
ジェラルドに窘められて、ユリアンはちょっと悄げたが、あっ、と良い案を思いついた。
「確かに、明日の音楽会は大人しくしといた方が良いかもね。日曜の狩りで、ユーリ嬢とエドアルド様を組みにしようよ」
そんな事は全員が考えついていたので、はいはいといなされてしまったが、ハロルドは一人で考え込んだ。ユーリがどの位の乗馬の腕なのかは知らないが、武術は苦手と言っていたので、たいしたことはないだろうとハロルドは考えて良い案を思いついた。
「ちょっと、良い案を思いついたんだ。皆の協力がいるけど、どうかな?」
懲りない学友達は狩りで、エドアルドとユーリをくっつける計画に夢中になり、せっかくのダンスパーティーもほったらかしだ。
「ユーリ嬢が乗馬が凄く上手い場合は、狐役に罠を仕掛けて貰おう。下手な場合は、ロマンチックな小さなテントを用意しよう」
ハロルドの提案に学友達はああでもない、こうでもないと、計画を練り上げる。
ユーリとしては頑張って、夜中までダンスしたが、段々と庭やボートへとカップルで抜けるのが目につきだすと、ジークフリートもユージーンも、これ以上付き合う必要はないと判断して皆で大使館に引き上げた。
「あれ、ユーリ嬢は? まだ、踊ってないのに~」
悪巧みに夢中になってたハロルドが嘆くのを、ちゃっかり途中で抜けて踊ったジェラルドとユリアンはゲラゲラと笑った。
「ぼんやりしてるからだよ」
そんな学友達を眺めながら、エドアルドはまた馬鹿な事を計画してなければ良いがと心配した。
「また変なことを画策しないでくれよ」
釘をさしたが、エドアルドも若く、学友達も若い。此処に教育係のマゼラン卿がいたら、大目玉を食らわすか、もっと緻密な作戦を練ろと怒っていただろう。
ダンスパーティーでグレゴリウスはあまりユーリと踊れず、なんだか様子のおかしい令嬢方の相手をさせられ少し苛々していた。
『なんだかニューパロマの令嬢は変な様子だったなぁ。それにユーリとは2回しか踊れなかった! エドアルドのダンスパーティーなんか金輪際行きたくない!』
でも、帰りの馬車でユーリがもたれて寝てしまい、寝顔が見れたので気分は浮上した。
『ユーリ、私の肩に頭をのせて……可愛い寝顔だなぁ……眠っていると、子どもみたいだ』
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