スローライフ 転生したら竜騎士に?

梨香

文字の大きさ
255 / 273
第十二章  皇太子妃への道

20  キャベツ畑でこんばんわ

しおりを挟む
「ユーリったら、無理しすぎなんだよ」

 バロア城で真名で竜心石を覚醒し続けたり、寒い風の中で心配して待って、心身共に疲労困憊だった筈なのに、コンスタンス姫やアレクセイ王子とナルシス王子の面倒を見ていたユーリは、ユングフラウに帰ると熱を出してしまう。

「ごめんなさいね……」

 熱でぼんやりしているユーリも可愛いなぁと、グレゴリウスは額のタオルを代えながら頬にキスをする。

「コンスタンス姫はカザリア王国の大使館に落ち着かれたの?」

「熱を出しているのに、人の心配をしている場合じゃないだろう。コンスタンス姫は大使館で少し休養してから、カザリア王国に帰国されるそうだ。長年の幽閉で、お疲れみたいだったから」

 あんなに窶れていては国の御両親も心配されるだろうと、グレゴリウスは痛ましく思う。

「王子様方は、お元気になられるかしら? 子ども時代を、幽閉されて過ごすだなんて……」

「男の子だから大丈夫だよ。カザリア王国に行けば、コンスタンス姫の実家のアリストリア公爵家で保護されるだろう。陰鬱なローラン王国で成長するより、のびのびとしてかえって良いかも。人のことより、熱をさます為にも、寝ないと駄目だよ」

 そう言いつつグレゴリウスはユーリにキスをして、熱を心配して駆けつけたヘルメスに呆れられてしまうのだ。


 ユーリの熱は一晩寝ると下がり、グレゴリウスを安心させたが、カザリア王国大使館に着いたコンスタンスは長年の幽閉の疲れと、栄養失調から寝付いてしまった。カザリア王国からはコンスタンスの両親が駆けつけて看病にあたったが、長年の無理が祟って弱りきっている。

「お見舞いに行きたいけど、私が行くと気を使わせてしまうかも……」

 セリーナ夫人は、こういう場合に側近をお見舞いに遣わすのですよと、笑いながら教えた。

「年上の私では大使夫人が気を使うでしょうから、ビクトリア様にお願いしましょう。そうですわねぇ、あと数人若い側近が必要ですわね。これからこんな風にお見舞いや、お祝い、お悔やみなどは妃殿下の代わりに側近を遣わすことが多くなりますし……どなたかお気に入りの方があれば王妃様から話を通して頂きますよ」

 ユーリはお気に入りと言うほど貴婦人の知り合いが居なかったし、自分の素を知っているセリーナやビクトリアだけの方が気楽なのにと愚痴る。

「今はどうにかなっても子どもが出来たら、あれこれ付き合いが出てくるわ。リヒテンシュタイン伯爵もベンジャミンが産まれる前は放置してくれていたのに、あれこれ口出ししてくるの。友達とかも選ばなくてはいけないし、その親との付き合いとか、2人では無理になるわ。独身時代のお友達とかで、結婚している気が合った人とかいないの?」

 ユーリは仲の良かった令嬢方を思い浮かべる。

「エリザベス様や、ヘレナ様は結婚されているけど、赤ちゃんを産んだばかりだし……それに何人かは妊娠中だわ。皆、新婚か結婚して1、2年ですもの、側近は無理な方ばかりだわ。独身の方は駄目なの?」

 セリーナは同じ年頃の方は少し難しいかもと思った。

「妃殿下がもう少し落ち着かれていたら、令嬢の側近というか付き添いも良いでしょうが……未婚の令嬢には、離宮は少し刺激が強いのではないかと思うのですよ」

 セリーナの言葉に、ユーリは頬を染める。グレゴリウスは女官や側近がいても、平気でキスしたりしてくるのだ。

「新婚だから仕方ないわ、仲が良いのは結構なことよ。それより、コンスタンス姫に何かお見舞いの品を用意しなくてはいけないわ」

「そうですわね、側近の件はゆっくり考えましょう」

 セリーナは少し年上の婦人で気の合いそうな人を探そうと考えた。

「お見舞いねぇ、温室に苺ができているけど、この時期は苺なんて何処にでもあるし……サクランボは終わったし、ハーブ鶏の卵?」

 ユーリは離宮の周りに温室と、果樹園、ハーブ畑を作っていた。

「いくら栄養失調で倒れたとはいえ、卵のお見舞いは格好がつかないわ。私は離宮の苺が凄く美味しいから良いと思うわ。セリーナ夫人はどう思われます?」

「花とかが一般的ですが……妃殿下が栽培された苺なら気持ちも届くと思いますよ。ハーブ卵もとても美味しいですけど、お見舞いには不似合いかもしれませんね」

 ユーリが温室に苺を摘みに行こうとするのを、セリーナは制した。

「そういう事は、女官にさせるのですよ。ああ、そんな顔をしないで下さい。苺狩りぐらいは格好もつきますが、鍬をふるうのはおよし下さいね」

 ユーリが園芸ならぬ菜園でストレス解消しているのをセリーナは理解していたが、皇太子妃としては花の栽培の方が優雅なのにと溜め息をつく。

「妃殿下、私もお手伝いしますわ」

 ビクトリアは、苺が大好物なので、本をサイドテーブルに置くと、いそいそとユーリの後を追いかける。

「ビクトリア様は苺を食べてばかりで、手伝いにはならないわ」

 セリーナは笑い声が遠ざかるのをサロンで聞きながら、ユーリとビクトリアと気が合いそうな貴婦人はなかなか見つからないのではと溜め息をつく。ビクトリアは皇太子妃の名代として、コンスタンス姫のお見舞いを無事に果たす。

「とても痩せていらしたけど、苺を喜んで受け取られたわ。カザリア王国では、よくピクニックで苺狩りをしたと懐かしそうに話されたわ。王子様達にも、苺狩りをさせてあげたいと……あんなお淑やかな姫君を4年も幽閉するだなんて、ゲオルクは下劣な男だわ」

 憤懣するビクトリアをセリーナは怒るだけ無駄ですよと言いつつ、内心では罵倒していた。

「でも、少し元気になられたみたいで安心したわ」

 コンスタンスが離婚された理由の一つが自分にも有るように思えて、ユーリは心を痛めていたのだ。



 ユングフラウの大使館で一月静養して、カザリア王国に帰れる体力を回復したコンスタンスは、お世話になったお礼を言いたいとユーリに面会を求めてきた。

「妃殿下には親切にして頂きました。お礼の申しようもございません」

 病上がりのコンスタンスが気楽に面会できるように、王子達もお連れ下さいと伝えていたので、庭でソリスと遊ぶ様子を眺めながら寛いだ雰囲気で話す。

 ユーリはコンスタンスが自分に面会を求めてきたのは、バロア城の件を気にしているからではと思った。救出されてバロア城でユーリに世話をされながら、弱りきっていたコンスタンスは謝ろうとしたのだが、治療師や看護婦の目を気にして口を閉ざしたのだ。

「ルドルフ様がユーリ様にされたことを、謝りたいと思ったのです。幽閉されていても、噂は聞こえてきました。ゲオルク王に脅されのでしょうが、人としてあってはならない事ですわ。離婚されたとはいえ、王子達の父親ですもの、お許し下さい」

 ユーリがコンスタンスには関係ない話だと制するのに、深々と頭を下げる。

「コンスタンス様、頭を上げて下さい。ルドルフ様とは、何も無かったのよ。それに、今はグレゴリウス様と結婚して幸せなのですから、気にしないで下さい」

 コンスタンスが何も無かったと、ユーリ本人の口から聞いてホッとしているのを感じて、未だルドルフを愛しているのだと思った。

「馬鹿な女だと思われるでしょうが、お察しの通りルドルフ様を愛しているのです。ローラン王国に帰る事は無いでしょうが、王子達を立派に育てますわ」

 ユーリはコンスタンスが愛するぐらいだから、ルドルフにも良い点は有るのだろうと思ったが、やはり好きにはなれない。しかし、庭で遊ぶ王子達は愛らしくて、次世代はローラン王国と友好的になれば良いなと思って眺める。

『アレクセイとナルシスは、外国に行くのか?』

『ソリスと友達になれたのに、残念だな。一緒にニューパロマに来ない?』

『ソリスともっと遊びたいよ~』

 ユーリはアレクセイ王子とナルシス王子がソリスを抱きしめて、別れを惜しむ言葉を話しているのを聞いて驚いた。

「コンスタンス様、アレクセイ王子とナルシス王子は竜騎士の素質がありますわ。ソリスと話していますもの」

 コンスタンスは離婚された理由の一つである、王子達が竜騎士の素質がないというゲオルクの宣言が根も葉もない嘘だと知って、怒りを覚える。

「離婚されて、一つ良い事がありますわ。あの卑劣なゲオルクの顔を、二度と見なくて済むのは有り難いですわ。同じ空気を吸うのもイヤなぐらい、大嫌いでしたの! あら、失礼いたしましたわ……でも、これで踏ん切りが付いた気がします」

 お淑やかなコンスタンスは自分の振る舞いを恥じたが、ユーリは気にしないでと笑う。

「コンスタンス様が、踏ん切りが付いて良かったです。それに、大嫌いぐらいは悪口になりませんわ」

 ユーリはグレゴリウスと陰険糞爺と呼んでいるとは立場を考えて言わなかったが、コンスタンスはさぞかし盛大な悪口を言って居るのだろうと察して笑う。

 アレクセイ王子とナルシス王子は、母上が楽しそうに笑っているのを珍しく見上げる。二人は綺麗な皇太子妃と笑っている母上の姿を、イルバニア王国の離宮で話せる狼と遊んだ思い出と共に、いつまでも心に留めた。



 コンスタンスから無事にニューパロマに着いて、実家で王子達とのんびり暮らしていると手紙が届いて、ユーリはホッとした。

「ローラン王国から、何か言って来てる?」

 グレゴリウスはユーリが心配するような事は無いよと誤魔化したが、王子達の返還要求や、誘拐犯のジークフリートを引き渡せと、毎日のようにローラン王国から書簡が届いていた。

「そんなことより……」

 グレゴリウスは皇太子として色々な職務を負っていたが、世継ぎを作る職務ほど楽しいのは無いなとユーリを押し倒す。



「グレゴリウスとユーリはとても仲が良いのですが、世継ぎは未だみたいですわね。キャベツ畑が、必要なのかもしれませんわ。でも、言い出し難くて……」

 王妃はマリー・ルイーズにそれとなく仄めかしてくれないかと頼んだが、ぷるぷると首を振られてしまう。

「そうよねぇ……姑が言うのは拙いわよね。良いわ、メルローズはもう一人子どもを欲しがっているから、キャベツ畑を頼ませますわ。年も本当にギリギリですもの、早く作ってと頼んでも不思議はありませんし……」

 マリー・ルイーズは、王妃がややこしい話を、メルローズに押し付けたのに気付いたが、自分では無かったので安堵する。

 メルローズが離宮にラリックを連れて遊びに来た時から、セリーナとビクトリアは何の用事かピンときた。

「ラリックちゃん、とても可愛いわ。食べてしまいたいくらい、ぷくぷくだわ。ハトコのユーリでちゅよ」

 子どもを抱き上げて頬をスリスリしながら、可愛がる様子をメルローズは笑って眺めながら、本題をどう切り出そうかと困まる。

「メルローズ様は、キャベツが必要ですのね」

 ユーリも、メルローズが何を言いに来たのか察した。

「ええ、一人っ子ではラリックが可哀想ですもの。わかっていらっしゃったのね」

 ユーリは世継ぎのプレッシャーを受け続けているのと、メルローズに苦笑して答えた。

「そろそろ前の呪いから2年が経つから、キャベツ畑を作ろうと思っていたの。セリーナ夫人、鍬が必要なのよ、良いでしょう?」

「妃殿下が、自ら鍬を振るわなくても……呪いだから、仕方ありませんわ」

 ユーリはキャベツの苗を手配させて、離宮の裏のハーブ畑の横にキャベツ畑を作った。




「グレゴリウス様、一緒にキャベツ畑に赤ちゃんを探しに行きましょう」

 満月の夜、二人は大きなキャベツを取って離宮に帰った。

「これで呪いは終わりなの?」

 大きなキャベツを持ってグレゴリウスは困惑していたが、効果が有るのは証明済みだ。

「これからが大事なの。ちょっと、気が早いわ! スープを作って飲んでからよ」

 グレゴリウスはユーリを早速押し倒そうとして叱られて、大事なことってこれしか無いだろと愚痴ったが、スープを作るユーリを愛しそうに眺めて待つ。

「凄く美味しいスープだね。こんな呪いなら、大歓迎だよ」

 二人でキャベツスープを飲むと、お預けだった甘い夜をグレゴリウスはユーリとやっと楽しんだ。


 離宮の裏のキャベツ畑には、王妃が選抜した夫婦が赤ちゃんを探しに現れ、たまに顔を合わせてはバツの悪い思いをしながら、キャベツを持って帰ってスープを作るのだ。
しおりを挟む
感想 82

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』

とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~ -第二部(11章~20章)追加しました- 【あらすじ】 「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」 王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。 彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。 追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった! 石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。 【主な登場人物】 ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。 ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。 アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。 リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。 ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。 【読みどころ】 「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

処理中です...