7 / 40
第十四章 新しい力、未だ知らぬ世界
百十七話 禁裏の奥へ
しおりを挟む
尾州(びしゅう)除葛氏(じょかつし)の名族に生まれ、ここ朱蜂宮(しゅほうきゅう)の南苑(なんえん)で貴人に次ぐ美人の位にある、漣(れん)さま。
彼女の下でお世話になり始めて、三日目の朝。
日昇(にっしょう)への祈祷をいつも通り終えた漣さまは、先輩侍女たちに囲まれて、よそ行きのお召し物に着替え直されていた。
「陛下のお側に、行かれるんですか」
「ええ」
小声で訊ねた私に、孤氷(こひょう)さんが小さく頷く。
漣さまと皇帝陛下の逢瀬、ランデヴーである。
相変わらず男女の蜜月に慣れないおぼこ娘の私は、ソワソワする気持ちを胸に隠しながら、脱ぎ置かれた部屋着をいそいそと片付ける。
部屋にはフローラルなお香がもうもうと焚き染められ、漣さまの女っぷりを向上させるのに、一役買っていた。
「漣さま、今日もとてもお綺麗です」
「そうなんかな」
化粧も髪結いも、服装も香りも、バッチリと準備万端に決まって。
孤氷さんからの賛美にもどこかずれた発言を返す漣さまは、特に緊張も興奮も感じられず、いつも通りであった。
いやらしい話だけれど、こういうボーっとした女性がむしろグッと来る、エロい、と感じる男性も、多いのだろうな。
ま、そんな下世話な基準で皇帝陛下が寝室の相手を選んでいるのかどうか、私にはわからないけれどね。
おそらくは政治的なパワーバランスが、大きく影響している問題だろうし。
ともあれ、朱蜂宮(しゅほうきゅう)の南門を出て、宦官の担ぐ輿(こし)に乗り、漣さまは皇帝陛下のもとへ赴かれた。
「この場合、今日の夕方と明日の朝のお祈りは、どうなるんですか?」
疑問点を孤氷さんに質問する。
巫女である漣さまは一泊二日の間、不在である。
「漣さまは主上のお部屋に行かれても、自らのお勤めを必ず欠かさず、果たされています。私たちも朝夕に、中庭に出て漣さまがそこにいるときと同じように、座して日を崇めるのです」
マ、マジか。
陛下と甘く熱い一夜を共に過ごしても、日の出前には起床して、四四十六回の拝跪を、絶対にサボらないのか。
なんと言うか、色々な意味で、超越した人だなとしか、言葉がない。
「わかりました。私も気を抜かず、いつも通り頑張ります」
「ええ、その心持ちでお願いします。さ、漣さまがいない間は大掃除です。棚の下や隙間も徹底的にやりますよ」
貴賓には蒙塵(もうじん)させるべからず。
お妃さまが部屋にいる間は、家具を移動するような大掃除は、ホコリが立ちすぎるので、できない。
部屋を離れたこの機会にやってしまおうということなのだな。
掃除なら任せろー、とばかりに私は気合いを入れて、孤氷さんの指示のもとに棚や卓を動かしにかかる。
作業興奮が乗り始めたそのとき、水を差すような邪魔が入った。
「除葛(じょかつ)美人の侍女、麗なにがし。畏れ多くも正妃殿下がお呼びである。ただちに奴才(ぬさい)とともに、北の宮に来られよ」
「は?」
部屋に若い宦官が来て、偉そうに言った。
おそらくは、昨日に会った川久(せんきゅう)とか言うニヤけ宦官の差し金だろう。
うお、こういう手で来たか~!
漣さまと話し合い、折り合いをつけて私を召喚するのが面倒だから、漣さまがいない隙を見計らいやがった!
見た目がけち臭そうなやつは、やることも小者臭えな!!
しかしその宦官の前に孤氷さんが立ちはだかり、いつものクールな顔で問うた。
「どういうことですか」
「申し上げた通りであれば、どうもこうもござらぬ」
「部屋の仕事に差し障りがないように計らうから安心せよと、皇太后さまのお言葉があるはずです。このようなやり方で彼女を呼びつけられる謂れはありません。今は見ての通り、忙しいのです。この機会でなければできない仕事をしているので。邪魔をしないでいただきますよう」
おおお、想像通り、いやそれ以上に、孤氷さんが頼もしい。
そうだそうだ、漣さまがいない状況を利用してなし崩し的に私を連れて行こうなんて、そんな姑息なやり口、筋が通らないぞ!
言い返されるとは思っていなかったのか、若い宦官はぐっと顔を歪め、孤氷さんを睨むように呻いた。
「せ、正妃さまのお言葉でありますぞ。それに逆らいなさるか」
「だったらあなたのような木っ端宦官ではなく、川久太監を寄越しなさい。そもそもあなた、誰ですか」
「なっ!?」
お前なんか知らんと面と向かって言われ、若い宦官は顔を赤くして狼狽した。
「ここはろくな礼も弁えずに、あなたごとき匹夫が気軽に足を踏み入れていい部屋ではありません。あの環(かん)貴人でさえ、ご挨拶に来られた折には丁重に礼を尽くし、部屋の前で静かに待っていただいたものです。川久太監にどれだけ可愛がられているのか知りませんが、いったいなにさまになったつもりですか。後宮の礼を学んで出直してきなさい」
玉楊(ぎょくよう)さんの話が出たのが、私は嬉しかった。
気安い社交であっても礼を失せぬ立ち振る舞いを、貫いていたんだねえ。
これ以上ないまでの厳しい舌鋒を浴びせられ、若い宦官は身じろぎもできぬほどに固まるしかなかった。
次第にプルプルプルと全身を震わせ。
「お、覚えておるが良い!!」
負け犬の遠吠えを吐いて、立ち去った。
家の前に来た野良犬を追っ払ったお姉さんのようだった。
つ、強い!
痩せぎすでか細い出で立ちの孤氷さんが、これほどまでに芯の硬い女性だったとは!
だからこそ、あの緩やかで危なっかしくもある漣さまのお側に仕え、護ることができるのかもしれないなあ。
キラキラうるうるとした尊敬の眼差しで、アホのように口を開けて孤氷さんを見つめる私。
「は、早く仕事の続きにかかりますよ」
ちょっと照れくさそうに頬を染めてそう言ったのが、更に萌えポイント高くて、キュンとした。
将来は私もこんな風に、部下や後輩を守れる人間になりたいなあと、温かい気持ちで思うのでありました。
「そんなことを考えていた時間が、私にもありました」
「なにか言いましたかな」
独り言を冷たく、突っ込まれた。
今、私はカビの生えたカレー鍋を見てしまったような最悪の気分と表情で、川久太監の後ろを歩いていた。
こうなってしまった理由は、あれから直後にある。
「用があるなら川久を呼んで来い、お前じゃ話にならん」
と若い宦官に啖呵を切った孤氷さん。
やり過ごせたかー、と思ったのは私の頭が平和だったからで、すぐさま改めて、川久太監その本人が、本当に部屋に来たのだ。
尊い方の部屋にお伺いを立てる際の礼を、しっかりと弁えて。
「才なく賤しい身ではございまするが、伏して除葛美人のお部屋の前で、申し上げまする」
部屋の入口前で丁寧に四拝した川久太監を無下に扱うことは、さすがに孤氷さんにもできなかった。
「日没の前までには、お返しいただきますよう」
苦々しく、あくまでも妥協してやったのだという意図を隠さず、孤氷さんは川久太監に要求した。
麗を預けるのは、夕方のお祈りの時間までだぞ、と。
その頼みを嘲るかのように川久太監は言った。
「美人さまがおられぬのですから、そこまで堅苦しく考えずとも良いでしょう」
この発言から察するに、川久太監は漣さまの日々の祈りを、さほど重要ごとと認識していないのだな。
しかしその判断を、孤氷さんはきっぱりと撥ねつける。
「なりません。漣さまと同じお部屋で寝起きする以上、侍女のわたくしたちも同じように天神に祈らねば、穢れが溜まってゆきます」
「そう言うことでございますれば、かしこまりました」
というやりとりがあり、私は正妃さまがおられる北の宮へ、連行されることと相成ったのだ。
「我々を穢れと申すか、血に塗れた除葛氏の部屋付き女ごときが」
行く途中、川久太監が舌打ちしてそうボヤいたのを、私は聞き逃さなかった。
もう、人気のないところでこっそり、煉瓦でも拾ってコイツの脳天にブチ降ろしたくなったよ。
翔霏(しょうひ)なら、誰もが見逃すような恐ろしく速い一撃で、容赦なくやってただろうな。
自分の非力が哀しい。
いっそのこと、喉に指でも突っ込んで、ゲロとか吐いてしまおうか。
正妃さまも吐瀉物まみれの小娘と、わざわざ面会したくはあるまい。
あーもう、こんなことに時間を取られている場合じゃないのに。
眠っている翠(すい)さまのためにも、さっさと事態を解決したいんだよ!
「ん?」
翠さまのことを考えて、私の思考に一つ、風穴が空くのを感じた。
正妃さまが私に話を聞きたいとおっしゃるのなら。
同時にそれは、正妃さまや素乾家(そかんけ)がどのような思惑を持っているのか、私が知るチャンスでもあるのではないか?
後宮に行けと私に命じた姜(きょう)さんは、素乾家は呪いの首謀者ではない、と見ている。
しかし犯人でないとしても、なにかしらの繋がり、手がかりが見つけられるのだとは、考えられないだろうか。
仮になにもめぼしい情報が得られなかったとしても、ならば他の道を探ればいいだけで、可能性の一つを潰して回る結果になるだろう。
「むふふ、そう考えると、正妃さまに会うチャンスなんてめったに得られるものじゃないし、かえって良かったのかも」
発想を切り替えた私の顔に笑顔が、口に独り言が浮かぶ。
「一人で勝手に浮いたり沈んだり、なんだか気持ち悪いやつだな」
私を横目で見る川久太監の表情が、そう語っていた。
彼女の下でお世話になり始めて、三日目の朝。
日昇(にっしょう)への祈祷をいつも通り終えた漣さまは、先輩侍女たちに囲まれて、よそ行きのお召し物に着替え直されていた。
「陛下のお側に、行かれるんですか」
「ええ」
小声で訊ねた私に、孤氷(こひょう)さんが小さく頷く。
漣さまと皇帝陛下の逢瀬、ランデヴーである。
相変わらず男女の蜜月に慣れないおぼこ娘の私は、ソワソワする気持ちを胸に隠しながら、脱ぎ置かれた部屋着をいそいそと片付ける。
部屋にはフローラルなお香がもうもうと焚き染められ、漣さまの女っぷりを向上させるのに、一役買っていた。
「漣さま、今日もとてもお綺麗です」
「そうなんかな」
化粧も髪結いも、服装も香りも、バッチリと準備万端に決まって。
孤氷さんからの賛美にもどこかずれた発言を返す漣さまは、特に緊張も興奮も感じられず、いつも通りであった。
いやらしい話だけれど、こういうボーっとした女性がむしろグッと来る、エロい、と感じる男性も、多いのだろうな。
ま、そんな下世話な基準で皇帝陛下が寝室の相手を選んでいるのかどうか、私にはわからないけれどね。
おそらくは政治的なパワーバランスが、大きく影響している問題だろうし。
ともあれ、朱蜂宮(しゅほうきゅう)の南門を出て、宦官の担ぐ輿(こし)に乗り、漣さまは皇帝陛下のもとへ赴かれた。
「この場合、今日の夕方と明日の朝のお祈りは、どうなるんですか?」
疑問点を孤氷さんに質問する。
巫女である漣さまは一泊二日の間、不在である。
「漣さまは主上のお部屋に行かれても、自らのお勤めを必ず欠かさず、果たされています。私たちも朝夕に、中庭に出て漣さまがそこにいるときと同じように、座して日を崇めるのです」
マ、マジか。
陛下と甘く熱い一夜を共に過ごしても、日の出前には起床して、四四十六回の拝跪を、絶対にサボらないのか。
なんと言うか、色々な意味で、超越した人だなとしか、言葉がない。
「わかりました。私も気を抜かず、いつも通り頑張ります」
「ええ、その心持ちでお願いします。さ、漣さまがいない間は大掃除です。棚の下や隙間も徹底的にやりますよ」
貴賓には蒙塵(もうじん)させるべからず。
お妃さまが部屋にいる間は、家具を移動するような大掃除は、ホコリが立ちすぎるので、できない。
部屋を離れたこの機会にやってしまおうということなのだな。
掃除なら任せろー、とばかりに私は気合いを入れて、孤氷さんの指示のもとに棚や卓を動かしにかかる。
作業興奮が乗り始めたそのとき、水を差すような邪魔が入った。
「除葛(じょかつ)美人の侍女、麗なにがし。畏れ多くも正妃殿下がお呼びである。ただちに奴才(ぬさい)とともに、北の宮に来られよ」
「は?」
部屋に若い宦官が来て、偉そうに言った。
おそらくは、昨日に会った川久(せんきゅう)とか言うニヤけ宦官の差し金だろう。
うお、こういう手で来たか~!
漣さまと話し合い、折り合いをつけて私を召喚するのが面倒だから、漣さまがいない隙を見計らいやがった!
見た目がけち臭そうなやつは、やることも小者臭えな!!
しかしその宦官の前に孤氷さんが立ちはだかり、いつものクールな顔で問うた。
「どういうことですか」
「申し上げた通りであれば、どうもこうもござらぬ」
「部屋の仕事に差し障りがないように計らうから安心せよと、皇太后さまのお言葉があるはずです。このようなやり方で彼女を呼びつけられる謂れはありません。今は見ての通り、忙しいのです。この機会でなければできない仕事をしているので。邪魔をしないでいただきますよう」
おおお、想像通り、いやそれ以上に、孤氷さんが頼もしい。
そうだそうだ、漣さまがいない状況を利用してなし崩し的に私を連れて行こうなんて、そんな姑息なやり口、筋が通らないぞ!
言い返されるとは思っていなかったのか、若い宦官はぐっと顔を歪め、孤氷さんを睨むように呻いた。
「せ、正妃さまのお言葉でありますぞ。それに逆らいなさるか」
「だったらあなたのような木っ端宦官ではなく、川久太監を寄越しなさい。そもそもあなた、誰ですか」
「なっ!?」
お前なんか知らんと面と向かって言われ、若い宦官は顔を赤くして狼狽した。
「ここはろくな礼も弁えずに、あなたごとき匹夫が気軽に足を踏み入れていい部屋ではありません。あの環(かん)貴人でさえ、ご挨拶に来られた折には丁重に礼を尽くし、部屋の前で静かに待っていただいたものです。川久太監にどれだけ可愛がられているのか知りませんが、いったいなにさまになったつもりですか。後宮の礼を学んで出直してきなさい」
玉楊(ぎょくよう)さんの話が出たのが、私は嬉しかった。
気安い社交であっても礼を失せぬ立ち振る舞いを、貫いていたんだねえ。
これ以上ないまでの厳しい舌鋒を浴びせられ、若い宦官は身じろぎもできぬほどに固まるしかなかった。
次第にプルプルプルと全身を震わせ。
「お、覚えておるが良い!!」
負け犬の遠吠えを吐いて、立ち去った。
家の前に来た野良犬を追っ払ったお姉さんのようだった。
つ、強い!
痩せぎすでか細い出で立ちの孤氷さんが、これほどまでに芯の硬い女性だったとは!
だからこそ、あの緩やかで危なっかしくもある漣さまのお側に仕え、護ることができるのかもしれないなあ。
キラキラうるうるとした尊敬の眼差しで、アホのように口を開けて孤氷さんを見つめる私。
「は、早く仕事の続きにかかりますよ」
ちょっと照れくさそうに頬を染めてそう言ったのが、更に萌えポイント高くて、キュンとした。
将来は私もこんな風に、部下や後輩を守れる人間になりたいなあと、温かい気持ちで思うのでありました。
「そんなことを考えていた時間が、私にもありました」
「なにか言いましたかな」
独り言を冷たく、突っ込まれた。
今、私はカビの生えたカレー鍋を見てしまったような最悪の気分と表情で、川久太監の後ろを歩いていた。
こうなってしまった理由は、あれから直後にある。
「用があるなら川久を呼んで来い、お前じゃ話にならん」
と若い宦官に啖呵を切った孤氷さん。
やり過ごせたかー、と思ったのは私の頭が平和だったからで、すぐさま改めて、川久太監その本人が、本当に部屋に来たのだ。
尊い方の部屋にお伺いを立てる際の礼を、しっかりと弁えて。
「才なく賤しい身ではございまするが、伏して除葛美人のお部屋の前で、申し上げまする」
部屋の入口前で丁寧に四拝した川久太監を無下に扱うことは、さすがに孤氷さんにもできなかった。
「日没の前までには、お返しいただきますよう」
苦々しく、あくまでも妥協してやったのだという意図を隠さず、孤氷さんは川久太監に要求した。
麗を預けるのは、夕方のお祈りの時間までだぞ、と。
その頼みを嘲るかのように川久太監は言った。
「美人さまがおられぬのですから、そこまで堅苦しく考えずとも良いでしょう」
この発言から察するに、川久太監は漣さまの日々の祈りを、さほど重要ごとと認識していないのだな。
しかしその判断を、孤氷さんはきっぱりと撥ねつける。
「なりません。漣さまと同じお部屋で寝起きする以上、侍女のわたくしたちも同じように天神に祈らねば、穢れが溜まってゆきます」
「そう言うことでございますれば、かしこまりました」
というやりとりがあり、私は正妃さまがおられる北の宮へ、連行されることと相成ったのだ。
「我々を穢れと申すか、血に塗れた除葛氏の部屋付き女ごときが」
行く途中、川久太監が舌打ちしてそうボヤいたのを、私は聞き逃さなかった。
もう、人気のないところでこっそり、煉瓦でも拾ってコイツの脳天にブチ降ろしたくなったよ。
翔霏(しょうひ)なら、誰もが見逃すような恐ろしく速い一撃で、容赦なくやってただろうな。
自分の非力が哀しい。
いっそのこと、喉に指でも突っ込んで、ゲロとか吐いてしまおうか。
正妃さまも吐瀉物まみれの小娘と、わざわざ面会したくはあるまい。
あーもう、こんなことに時間を取られている場合じゃないのに。
眠っている翠(すい)さまのためにも、さっさと事態を解決したいんだよ!
「ん?」
翠さまのことを考えて、私の思考に一つ、風穴が空くのを感じた。
正妃さまが私に話を聞きたいとおっしゃるのなら。
同時にそれは、正妃さまや素乾家(そかんけ)がどのような思惑を持っているのか、私が知るチャンスでもあるのではないか?
後宮に行けと私に命じた姜(きょう)さんは、素乾家は呪いの首謀者ではない、と見ている。
しかし犯人でないとしても、なにかしらの繋がり、手がかりが見つけられるのだとは、考えられないだろうか。
仮になにもめぼしい情報が得られなかったとしても、ならば他の道を探ればいいだけで、可能性の一つを潰して回る結果になるだろう。
「むふふ、そう考えると、正妃さまに会うチャンスなんてめったに得られるものじゃないし、かえって良かったのかも」
発想を切り替えた私の顔に笑顔が、口に独り言が浮かぶ。
「一人で勝手に浮いたり沈んだり、なんだか気持ち悪いやつだな」
私を横目で見る川久太監の表情が、そう語っていた。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。
※この作品は、カクヨムでも掲載しています。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる