転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第5章 入学編

第5章ー㊾

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 「っは~~~、疲れたぁ~~!」

 授業が終わり、自分はギリスケと一緒に大浴場でひとっぷろ浴びに来ていた。自分が身体を洗い流しているうちにギリスケの方は先に湯船で首まで浸かってリラックスしていた。相当疲れているようだな。まあ、さっきまで銃で撃たれたかのようにフラフラな瀕死状態だったしな。

 「ったく、こんなの毎日続くのかよ」

 「先生からオッケー貰えば解放されるけどな」

 「あ゛~、いやだいやだいやだ~~。とっとと魔法の授業受けて~~~!」

 身体を洗い流した自分も少し遅れて湯船に入り、ギリスケの愚痴に付き合わされていた。こいつの気持ちはよく分かるけどな。

 「これじゃあ、魔法の授業受ける時には脚だけムッキムキになってんぞ」

 「そんなんでなるわけねーだろ。人間の肉体なめんなよ」

 「マジにすんなって。冗談だろー、冗談」

 ギリスケの愚痴にマジレスするとやれやれと言いたげな表情を浮かべていた。今のはちょっとムカつくな。話に付き合ってあげただけなのになんだその態度。

 「けど、マジでこれいつまで続くんだろうな。このままだと脱落者とか出ちまうんじゃねーの?」

 「脱落者?」

 「中退する奴が出るんじゃねーのって話」

 「ッ!?」

 そんなギリスケからとんでもない発言が飛び出た。倍率の高い名門校を受けてやっとの思いで受かったのに、入学して間もないうちから中退するなんて考えにくいと思うが。それに、皆よく頑張ってるし、根性はある方に見えたが。

 「いや、流石に俺はないと思うけどな」

 「なんで?」

 「なんでって、皆結構頑張ってるし、わざわざ倍率の高い学園に入ってる訳だし、ある程度覚悟してきてるだろ?」

 「ある程度、はな」

 「ん?」

 「この学園に居る大半の連中は結局学園を卒業したっていう箔が欲しいだけだよ。名門校を卒業したって聞きゃあそれだけでどれだけ有望か分かるだろ?」

 「まあ、たしかに」

 「けど、卒業が難しいっていうのは有名な話だ。だからそれ相応の覚悟で臨んでる。だが、蓋を開けてみりゃあ毎日毎日走って走って走って走るだけ。魔法の勉強が出来るかと思いきや体力トレーニングだぞ? 理想と現実が違い過ぎると人間ってショックでやる気を失くしちまう。そうなりゃあ、やってらんねってなってどうでもよくなっちまうもんさ」

 「…」

 彼の話を聞いて妙に納得する自分が居た。たしかに、ここまで理想と現実の差を見せつけられると心が折れてもおかしくない。そう考えると、なんだか嫌な予感がしてくるな。
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