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第5章番外編「私の大事な人」
第1話「私の相棒」
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---「…ハア」
家に着くや否やため息がこぼれてしまいました。最近、あちこちを調べまわっていて疲労が溜まってきているようです。そう感じた私は真っ先にお風呂を沸かしに行きました。そしてお風呂が沸くまでの間に調べていたことをまとめたノートを見返すことにしました。
ここ最近、この町近辺で相次いで死亡事件が発生しているのです。
しかも、その死亡の原因が皆、性的行為による腹上死。この死因は滅多にないと言われているのですが、こうたて続けに起こるのは明らかにおかしい。意図的に起こっているのは目に見えてます。ちなみに私がそれを知ったのは…
「みのりさまー!」
「あっ、ファーちゃん!」
その時、ちょうど私の名前を呼ぶ声が聞こえてきました。聞き覚えのある声を聞いて私はいつものように手のひらを見せるとパタパタと羽ばたかせながら私の手のひらに一匹のコウモリが乗っかってきました。
そのコウモリは私の手の中に収まってしまうほど小さく頭にはピンクの可愛いらしいリボンを身につけていました。
そのコウモリは私の使い魔のファントムバット、名前はファーちゃん。ファントムバットは吸血鬼の中でも最も使役されている使い魔で普通の人には見えないので色々と仕事を頼んだりするには心強い味方です。私にとっては大事な相棒です。
「お務めご苦労さまです!」
「いえいえ、みのりさまのお役に立てるのが私の至福の時です!」
私が労いの言葉をかけるとファーちゃんは嬉しそうな表情を見せた。ちなみに私があの事件を知ったのはファーちゃんが教えてくれたからです。
「ですが、申しわけありませんみのりさま。今日も大した情報は…」
しかしファーちゃんはさっきとは違い申しわけなさそうな表情で謝罪を述べてきました。その表情を見ただけで、今日の収穫は特になかったということがよくわかりました。
「大丈夫ですよ! 私も同じようなものですし」
「みのりさま」
だけど、私はファーちゃんを責めることは一切せず、むしろ優しく頭を撫でてあげました。私も収穫がなかったということもありますが、ファーちゃんが大好きなので責める気もありませんでした。
「それに、この事件はサキュバスが関わっているのは間違いありませんし、まだこの町にいるでしょうし、見つけるのも時間の問題ですよ!」
私はこの事件にサキュバスが関わっていると断定していました。彼女達は男性の精気が大好物で頻繁に摂取しているということを知っていたので、彼女達ならやりかねないと思っていたからです。
しかし彼女達はうまいこと身を潜めているようで、居場所を探すのに手間取っていました。夜は活発に動くので場所を特定するのは難しいですし、昼間はいくつかの特定の場所に身を潜めているでしょうが、なにぶん私は学生の身なので探すのは夕方くらいからしか探せません。一応、ファーちゃんにも頼んではいるのですが、町中を探すにはファーちゃんだけでは中々難しいようです。
効率が悪いですが、私が出来るのはこれくらいしかありませんでした。父にお願いすればもっと効率よくいけるとは思いますが、逆に父のお願いを聞かなければいけなくなるので、それだけは避けていました。なにせ父のお願いは1つだけですから、意地でも自力で解決するしかありません。
しかし、なぜ私がそこまでしてこの事件を追っているのか? それは犯人がサキュバスだと知っているからだけではなく、もうひとつ理由があるんです。それは…
「あっ、みのりさま、お風呂が沸けたみたいですよ!」
「えっ? え、ええ。ありがとうございますファーちゃん。じゃあ私、行ってきますね!」
「はい! 行ってらっしゃいませ!!」
その前に給湯器のリモコンからお風呂が沸いた音が鳴り響いていました。私はファーちゃんを机に降ろすと急いで着替えとバスタオルを持ってお風呂場へと向かって行きました。ファーちゃんはそんな私をただ見送ってくれているようでした。
家に着くや否やため息がこぼれてしまいました。最近、あちこちを調べまわっていて疲労が溜まってきているようです。そう感じた私は真っ先にお風呂を沸かしに行きました。そしてお風呂が沸くまでの間に調べていたことをまとめたノートを見返すことにしました。
ここ最近、この町近辺で相次いで死亡事件が発生しているのです。
しかも、その死亡の原因が皆、性的行為による腹上死。この死因は滅多にないと言われているのですが、こうたて続けに起こるのは明らかにおかしい。意図的に起こっているのは目に見えてます。ちなみに私がそれを知ったのは…
「みのりさまー!」
「あっ、ファーちゃん!」
その時、ちょうど私の名前を呼ぶ声が聞こえてきました。聞き覚えのある声を聞いて私はいつものように手のひらを見せるとパタパタと羽ばたかせながら私の手のひらに一匹のコウモリが乗っかってきました。
そのコウモリは私の手の中に収まってしまうほど小さく頭にはピンクの可愛いらしいリボンを身につけていました。
そのコウモリは私の使い魔のファントムバット、名前はファーちゃん。ファントムバットは吸血鬼の中でも最も使役されている使い魔で普通の人には見えないので色々と仕事を頼んだりするには心強い味方です。私にとっては大事な相棒です。
「お務めご苦労さまです!」
「いえいえ、みのりさまのお役に立てるのが私の至福の時です!」
私が労いの言葉をかけるとファーちゃんは嬉しそうな表情を見せた。ちなみに私があの事件を知ったのはファーちゃんが教えてくれたからです。
「ですが、申しわけありませんみのりさま。今日も大した情報は…」
しかしファーちゃんはさっきとは違い申しわけなさそうな表情で謝罪を述べてきました。その表情を見ただけで、今日の収穫は特になかったということがよくわかりました。
「大丈夫ですよ! 私も同じようなものですし」
「みのりさま」
だけど、私はファーちゃんを責めることは一切せず、むしろ優しく頭を撫でてあげました。私も収穫がなかったということもありますが、ファーちゃんが大好きなので責める気もありませんでした。
「それに、この事件はサキュバスが関わっているのは間違いありませんし、まだこの町にいるでしょうし、見つけるのも時間の問題ですよ!」
私はこの事件にサキュバスが関わっていると断定していました。彼女達は男性の精気が大好物で頻繁に摂取しているということを知っていたので、彼女達ならやりかねないと思っていたからです。
しかし彼女達はうまいこと身を潜めているようで、居場所を探すのに手間取っていました。夜は活発に動くので場所を特定するのは難しいですし、昼間はいくつかの特定の場所に身を潜めているでしょうが、なにぶん私は学生の身なので探すのは夕方くらいからしか探せません。一応、ファーちゃんにも頼んではいるのですが、町中を探すにはファーちゃんだけでは中々難しいようです。
効率が悪いですが、私が出来るのはこれくらいしかありませんでした。父にお願いすればもっと効率よくいけるとは思いますが、逆に父のお願いを聞かなければいけなくなるので、それだけは避けていました。なにせ父のお願いは1つだけですから、意地でも自力で解決するしかありません。
しかし、なぜ私がそこまでしてこの事件を追っているのか? それは犯人がサキュバスだと知っているからだけではなく、もうひとつ理由があるんです。それは…
「あっ、みのりさま、お風呂が沸けたみたいですよ!」
「えっ? え、ええ。ありがとうございますファーちゃん。じゃあ私、行ってきますね!」
「はい! 行ってらっしゃいませ!!」
その前に給湯器のリモコンからお風呂が沸いた音が鳴り響いていました。私はファーちゃんを机に降ろすと急いで着替えとバスタオルを持ってお風呂場へと向かって行きました。ファーちゃんはそんな私をただ見送ってくれているようでした。
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