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第11章「異世界編、始まる」
第74話「久しぶりの王城」
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---馬車に乗せられた俺達は久しぶりに王城にやってきていた。宿場街からここまでそんなに遠いわけではないが、乗り物に乗って来たからあっという間に到着してしまった。あの黒馬の脚の速さもあったのだろうが。
「国王様達は今、王室に居られるかと思いますが、ご案内しましょうか?」
「あっ、いえ。場所は分かるんで大丈夫です」
「そうですか。では、私はこれで」
「はい、ありがとうございました!」
馬車から降りた俺達に乗せてくれた兵士さんは大広間まで案内するかと問いかけてきたが、王室の場所はだいたい覚えているし、兵士さんも忙しそうだったから断ることにした。
案内の申し出を断ると、兵士さんは御者席に乗ったまま軽く会釈してどこかへ行ってしまった。
---「改めて見ると、けっこう広いですねー」
「そうですね。前はテレポーションで中に入ってましたからね。帰りもシルヴィアさんとのお話に夢中でしたからね。ちゃんとお城の外見るのって実は初めてかも」
「たしかにそうかもしれないわね」
しばらく王城の中庭を歩いていたのだが、全員同じような感想を口に出した。俺も口には出してはいないものの同じ感想は抱いていた。
初めてこの城に来たときはテレポーションで大草原からすぐに城内に転移されたし、帰りはシルヴィアさんとのトークに夢中でほとんど景色なんて見てなかった気がする。
王城の中庭は色とりどりの草花達で造られたトンネルや迷路かのような道壁が設置されていたり、大きな公園とかに置かれていそうな噴水とその側にお茶会でも開けそうなオシャレなグラステーブルがあったり、デートスポットには良さげな感じの場所になっていた。まあ国王の所有地でデートする輩なんていないだろうけど。
だだっ広い中庭を歩いているとだんだん自分の記憶が曖昧になってきており、王室までたどり着けるかどうかマジで不安になってきた。こんなことになるんだったら兵士さんに案内してもらった方がよかったのではと若干後悔し始めている。
「あっ、お兄ちゃん! 王室がある建物ってあそこじゃないかな?」
「ん?」
しかし、そう思っていた矢先に梓が前方の方を指を差しながら俺に問いかけてきた。それを聞いて俺達は梓の指差す方に視線を向けた。
草花で彩られたトンネルの先に見覚えのある大きな白い建物が見えた。この城にはいくつか建物が建てられていたが、その建物は一際大きくて外装も他の建物より立派に装飾を施されているから一目で目的の場所だと確信させた。俺の頭の中にもあの建物から出た記憶が残っていた。だとしたら、あの場所で間違いないはずだ。
「よし! じゃあ行ってみるか!?」
その記憶を信じ、俺達は白い建物のある方へと歩いて行った。
「国王様達は今、王室に居られるかと思いますが、ご案内しましょうか?」
「あっ、いえ。場所は分かるんで大丈夫です」
「そうですか。では、私はこれで」
「はい、ありがとうございました!」
馬車から降りた俺達に乗せてくれた兵士さんは大広間まで案内するかと問いかけてきたが、王室の場所はだいたい覚えているし、兵士さんも忙しそうだったから断ることにした。
案内の申し出を断ると、兵士さんは御者席に乗ったまま軽く会釈してどこかへ行ってしまった。
---「改めて見ると、けっこう広いですねー」
「そうですね。前はテレポーションで中に入ってましたからね。帰りもシルヴィアさんとのお話に夢中でしたからね。ちゃんとお城の外見るのって実は初めてかも」
「たしかにそうかもしれないわね」
しばらく王城の中庭を歩いていたのだが、全員同じような感想を口に出した。俺も口には出してはいないものの同じ感想は抱いていた。
初めてこの城に来たときはテレポーションで大草原からすぐに城内に転移されたし、帰りはシルヴィアさんとのトークに夢中でほとんど景色なんて見てなかった気がする。
王城の中庭は色とりどりの草花達で造られたトンネルや迷路かのような道壁が設置されていたり、大きな公園とかに置かれていそうな噴水とその側にお茶会でも開けそうなオシャレなグラステーブルがあったり、デートスポットには良さげな感じの場所になっていた。まあ国王の所有地でデートする輩なんていないだろうけど。
だだっ広い中庭を歩いているとだんだん自分の記憶が曖昧になってきており、王室までたどり着けるかどうかマジで不安になってきた。こんなことになるんだったら兵士さんに案内してもらった方がよかったのではと若干後悔し始めている。
「あっ、お兄ちゃん! 王室がある建物ってあそこじゃないかな?」
「ん?」
しかし、そう思っていた矢先に梓が前方の方を指を差しながら俺に問いかけてきた。それを聞いて俺達は梓の指差す方に視線を向けた。
草花で彩られたトンネルの先に見覚えのある大きな白い建物が見えた。この城にはいくつか建物が建てられていたが、その建物は一際大きくて外装も他の建物より立派に装飾を施されているから一目で目的の場所だと確信させた。俺の頭の中にもあの建物から出た記憶が残っていた。だとしたら、あの場所で間違いないはずだ。
「よし! じゃあ行ってみるか!?」
その記憶を信じ、俺達は白い建物のある方へと歩いて行った。
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