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もう離れない その1
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小さなドアベルがチリンと鳴る。
開かれた扉からヒュルリと外の寒い空気が流れ込んできた。
「いらっしゃいませー」
窓際のテーブルに届ける為のランチを手に、ちらりと視線だけ送って来店したお客様に言葉を掛ける。
この台詞のイントネーションがおかしいとバイト仲間に嗤われながら指摘されたのは、このカフェでバイトを始めて直ぐの頃だった。今まで気にした事も、指摘された事もなかったのでびっくりしたものだ。
チラ見した視界の端に映ったお客様はスーツを着こなしたサラリーマン二人組のようだ。
「いらっしゃいませぇ! 二名様ですかぁ?」
バイト仲間のユイちゃんが、普段より高い声でお客様に声掛けした事を鑑みるに、どうやら新規のお客様の顔は良いらしい。
いつもは取って付けた笑みに、つっけんどんギリギリの声で接客するユイちゃんは、イケメンが来店するとわかりやすく態度を変える。
正直私のイントネーションよりよほどどうかと思う勤務態度なのだが、オフィス街の片隅で近くに学校もないこのカフェでは、求人募集してもなかなか人が集まらず、微妙な勤務態度の彼女でも貴重な戦力らしい。この店のオーナーでもあるマスターが苦笑しながらそう零していた。
かく言う私も、とある事情のせいで胸を張って就職活動出来ない立場だったので、即決に近い勢いで雇ってもらえたのはありがたかったのだが。
「おまたせいたしました。本日の日替わりランチお二つです。食後に珈琲も付きますので、お食事が終わりましたらお声がけください。ごゆっくりどうぞ」
プレートに乗ったデミタスカップに入っているスープをこぼさない様テーブルに置ければ、一安心だ。お洒落だけど、地味に難易度が高いワンプレートだ。
早速とフォークを手にしたお客様に軽く頭を下げて、次のテーブルへと向かう。
「例の件、やっと……できるらしいな…」
「あぁ、やっと……だ。全く天才って奴はよ……」
「なぁ。ホント研究者ってのはぶっ飛んでるヤツが多いよな……」
ランチを食べるビジネスマンの話が、聞くつもりはなくとも切れ切れに飛び込んでくる。
最近やっと慣れてきた立ち仕事だけど、ふくらはぎの痛みは如何ともしがたい。
愛用している黒い着圧ソックスが頑張ってくれているとは言え、アラサーに突入した身としては一日中歩き回る仕事は地味に身体にくる。
と言っても贅沢を言ってられない身の上なので頑張るけれど。
「注文を…」
「は…「ただいまおうかがいしまぁす!!」」
窓際の奥の席に案内されていた推定イケメンサラリーマンが、通りすがりの私に声を掛ける。
注文を取りに足を向けた私を押しのけて、ユイちゃんが小走りで駆け寄っていった。
そんな彼女を横目に見ながらキッチンの方へ向かえば、出来上がったAランチを手にしたこの店のマスターが苦笑していた。
「はは、ユイちゃんは相変わらずだねぇ」
「自分の意思や主張がしっかりしていて可愛らしいですよね。若者の特権です。
ところでマスター。そちら三番テーブルですか?」
「美月ちゃんもまだ若いだろうに……。そう、三番のA。よろしくねー」
マスターから受け取ったAランチを三番テーブルへ運ぶ。
それから別テーブルの注文を受けて、お冷を追加して、食後のデザートやコーヒーを運ぶ。
オフィス街の片隅という立地からか、このカフェのランチタイムはそれなりに忙しい。
くるくると店内を目まぐるしく動いていると、どこからか強い視線を感じた。
注文かな?と振り返れば、その強い視線の持ち主は窓際の奥にいるサラリーマンの片割れだった。
じっと私を見つめるその視線は強くて、ぞくりと背筋が震えた。
お客様に対して失礼だと思いつつ、視線を避けるように後ろを振り向き、ちょうど通り掛ったユイちゃんに声を掛ける。
「……奥のテーブルのお客様、そろそろ食べ終わりそうだから……」
「コーヒーとデザートの確認いってきまぁす!」
皆まで言う前に、ユイちゃんが足取りも軽く奥のテーブルへ向かっていった。
そんなユイちゃんを盾にして、強い視線から身を隠す。
「おねーさんコーヒーちょうだいー」
「はい、ただいま」
別のテーブルから声が掛かり、頭を一つ振って動き始める。
あの強い眼差しに、ここにはいないはずのあの人を思い出しながら。
ツキリと胸を刺す痛みに気づかないふりをしながら。
そのまま回遊魚のようにテーブルの間を動き回っていると、レジへと向かう人影が見えた。
ちょうど近くにいたからとレジに立って顔を上げた途端、失敗したと営業スマイルが引きつった。
何故なら、伝票片手にレジへと向かってきたのは、あのイケメンサラリーマンだったからだ。
その背後に恨めし気にこちらを見るユイちゃんの姿もあった。
「ごちそうさま」
しっとりとした低音が響く。
カウンターに出された伝票を受け取って、会計を告げる。
マネートレーに出されたお札をトレーごと預かって、レジを操作する。
レシートと共にお釣りをマネートレーに乗せたタイミングで、すらりとした指先がこちらに伸ばされた。
ぎゅっとレシートと小銭ごと手を掴まれ、びくりと肩が揺れてしまう。
抜き取られたレシートと小銭の代わりに、小さな紙片を握らされる。
「……連絡待ってる。……ユエ」
不意に寄せられた整った顔と、ぽつりと落とされた小さな声に、先程よりも大きく肩が揺れた。
顔を上げれば、こちらを見つめる黒い瞳が、どろりと不穏な光を放っていた。
その黒い瞳の向こうに、金色の光を見た気がした。
「……またお越しください」
緊張に乾いた唇をぺろりと舌で舐め、何とか震わせる事が出来た声帯が、思ってもいない言葉を吐き出す。いや、店員としては正解なんだけど。
最後にもう一度指先を握られ親指の付け根辺りを一撫でされて、その指は離れていった。
その動きは、否応もなく私を過去へと引きずり込む。
「またきてくださいねぇ!」
ユイちゃんの言葉にはっと意識が明瞭になる。
手を握られている間引き伸ばされていた時間が、正常の流れに戻ったみたいに。
慌てて、お札を仕舞ってレジも閉める。
彼らが使っていたテーブルを片付けるべく動き出せば、何故かユイちゃんが後から付いてきた。
「美月さん。そのメモわたしにくださいねぇ」
「……え?」
テーブルの上のカトラリーを纏めようと伸ばした手を、ユイちゃんに掴まれる。
そしてユイちゃんの反対の手が私の手の内から紙片を抜き去っていった。
「ふふっ、やっぱり彼の連絡先だぁ。
もぉ、あのイケメンリーマンも見かけによらずヘタレですねぇ。
美月さん経由で渡さなくても、わたしに直接くれればいいのにぃ。最後にユ……なんとかっていってたしぃ。それってわたしのことですよねぇ。
だけど……美月さんが変な期待しちゃったらかわいそうじゃないですかー」
ねぇ、喪女の陰キャ眼鏡さん
悪意に満ちた呟きがそっと耳に吹き込まれ、カチャンとカトラリーがお皿に触れて音を立てた。
「二年間も社会生活から離れているような社会不適合者があんなイケメンに選ばれる訳ないじゃないですかぁ。
あれ? ちょっと期待しちゃってましたぁ? あははっ! あのリーマンも意地が悪いですねぇ!」
ひらりと私の手から抜き去った紙片を、エプロンのポケットに仕舞ったユイちゃんが離れていく。
それを気にしないふりをしながら、私はテーブルの上を片付ける。
あの小さな紙片を途方もなく重く感じていた事に、手から離れてほっとした事に気づかないふりをしながら。
……耳元に落とされたユエと呼ぶ声が呼び起こした記憶を思い出さないようにしながら。
それでも一度聞いてしまえば、記憶の蓋が開けて開けてとガタガタ揺れる。揺らいでしまう。
私の事をユエと、耳触りのよい低い声で呼ぶ優しいあの人の記憶が。
触れ合わせた熱の無い掌が。
頬を撫でる指の感触が。
記憶の底から溢れ出す。
それに必死で蓋をして閉じ込めるように強く目を瞑る。
だって私は……あの人を……。
開かれた扉からヒュルリと外の寒い空気が流れ込んできた。
「いらっしゃいませー」
窓際のテーブルに届ける為のランチを手に、ちらりと視線だけ送って来店したお客様に言葉を掛ける。
この台詞のイントネーションがおかしいとバイト仲間に嗤われながら指摘されたのは、このカフェでバイトを始めて直ぐの頃だった。今まで気にした事も、指摘された事もなかったのでびっくりしたものだ。
チラ見した視界の端に映ったお客様はスーツを着こなしたサラリーマン二人組のようだ。
「いらっしゃいませぇ! 二名様ですかぁ?」
バイト仲間のユイちゃんが、普段より高い声でお客様に声掛けした事を鑑みるに、どうやら新規のお客様の顔は良いらしい。
いつもは取って付けた笑みに、つっけんどんギリギリの声で接客するユイちゃんは、イケメンが来店するとわかりやすく態度を変える。
正直私のイントネーションよりよほどどうかと思う勤務態度なのだが、オフィス街の片隅で近くに学校もないこのカフェでは、求人募集してもなかなか人が集まらず、微妙な勤務態度の彼女でも貴重な戦力らしい。この店のオーナーでもあるマスターが苦笑しながらそう零していた。
かく言う私も、とある事情のせいで胸を張って就職活動出来ない立場だったので、即決に近い勢いで雇ってもらえたのはありがたかったのだが。
「おまたせいたしました。本日の日替わりランチお二つです。食後に珈琲も付きますので、お食事が終わりましたらお声がけください。ごゆっくりどうぞ」
プレートに乗ったデミタスカップに入っているスープをこぼさない様テーブルに置ければ、一安心だ。お洒落だけど、地味に難易度が高いワンプレートだ。
早速とフォークを手にしたお客様に軽く頭を下げて、次のテーブルへと向かう。
「例の件、やっと……できるらしいな…」
「あぁ、やっと……だ。全く天才って奴はよ……」
「なぁ。ホント研究者ってのはぶっ飛んでるヤツが多いよな……」
ランチを食べるビジネスマンの話が、聞くつもりはなくとも切れ切れに飛び込んでくる。
最近やっと慣れてきた立ち仕事だけど、ふくらはぎの痛みは如何ともしがたい。
愛用している黒い着圧ソックスが頑張ってくれているとは言え、アラサーに突入した身としては一日中歩き回る仕事は地味に身体にくる。
と言っても贅沢を言ってられない身の上なので頑張るけれど。
「注文を…」
「は…「ただいまおうかがいしまぁす!!」」
窓際の奥の席に案内されていた推定イケメンサラリーマンが、通りすがりの私に声を掛ける。
注文を取りに足を向けた私を押しのけて、ユイちゃんが小走りで駆け寄っていった。
そんな彼女を横目に見ながらキッチンの方へ向かえば、出来上がったAランチを手にしたこの店のマスターが苦笑していた。
「はは、ユイちゃんは相変わらずだねぇ」
「自分の意思や主張がしっかりしていて可愛らしいですよね。若者の特権です。
ところでマスター。そちら三番テーブルですか?」
「美月ちゃんもまだ若いだろうに……。そう、三番のA。よろしくねー」
マスターから受け取ったAランチを三番テーブルへ運ぶ。
それから別テーブルの注文を受けて、お冷を追加して、食後のデザートやコーヒーを運ぶ。
オフィス街の片隅という立地からか、このカフェのランチタイムはそれなりに忙しい。
くるくると店内を目まぐるしく動いていると、どこからか強い視線を感じた。
注文かな?と振り返れば、その強い視線の持ち主は窓際の奥にいるサラリーマンの片割れだった。
じっと私を見つめるその視線は強くて、ぞくりと背筋が震えた。
お客様に対して失礼だと思いつつ、視線を避けるように後ろを振り向き、ちょうど通り掛ったユイちゃんに声を掛ける。
「……奥のテーブルのお客様、そろそろ食べ終わりそうだから……」
「コーヒーとデザートの確認いってきまぁす!」
皆まで言う前に、ユイちゃんが足取りも軽く奥のテーブルへ向かっていった。
そんなユイちゃんを盾にして、強い視線から身を隠す。
「おねーさんコーヒーちょうだいー」
「はい、ただいま」
別のテーブルから声が掛かり、頭を一つ振って動き始める。
あの強い眼差しに、ここにはいないはずのあの人を思い出しながら。
ツキリと胸を刺す痛みに気づかないふりをしながら。
そのまま回遊魚のようにテーブルの間を動き回っていると、レジへと向かう人影が見えた。
ちょうど近くにいたからとレジに立って顔を上げた途端、失敗したと営業スマイルが引きつった。
何故なら、伝票片手にレジへと向かってきたのは、あのイケメンサラリーマンだったからだ。
その背後に恨めし気にこちらを見るユイちゃんの姿もあった。
「ごちそうさま」
しっとりとした低音が響く。
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マネートレーに出されたお札をトレーごと預かって、レジを操作する。
レシートと共にお釣りをマネートレーに乗せたタイミングで、すらりとした指先がこちらに伸ばされた。
ぎゅっとレシートと小銭ごと手を掴まれ、びくりと肩が揺れてしまう。
抜き取られたレシートと小銭の代わりに、小さな紙片を握らされる。
「……連絡待ってる。……ユエ」
不意に寄せられた整った顔と、ぽつりと落とされた小さな声に、先程よりも大きく肩が揺れた。
顔を上げれば、こちらを見つめる黒い瞳が、どろりと不穏な光を放っていた。
その黒い瞳の向こうに、金色の光を見た気がした。
「……またお越しください」
緊張に乾いた唇をぺろりと舌で舐め、何とか震わせる事が出来た声帯が、思ってもいない言葉を吐き出す。いや、店員としては正解なんだけど。
最後にもう一度指先を握られ親指の付け根辺りを一撫でされて、その指は離れていった。
その動きは、否応もなく私を過去へと引きずり込む。
「またきてくださいねぇ!」
ユイちゃんの言葉にはっと意識が明瞭になる。
手を握られている間引き伸ばされていた時間が、正常の流れに戻ったみたいに。
慌てて、お札を仕舞ってレジも閉める。
彼らが使っていたテーブルを片付けるべく動き出せば、何故かユイちゃんが後から付いてきた。
「美月さん。そのメモわたしにくださいねぇ」
「……え?」
テーブルの上のカトラリーを纏めようと伸ばした手を、ユイちゃんに掴まれる。
そしてユイちゃんの反対の手が私の手の内から紙片を抜き去っていった。
「ふふっ、やっぱり彼の連絡先だぁ。
もぉ、あのイケメンリーマンも見かけによらずヘタレですねぇ。
美月さん経由で渡さなくても、わたしに直接くれればいいのにぃ。最後にユ……なんとかっていってたしぃ。それってわたしのことですよねぇ。
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ねぇ、喪女の陰キャ眼鏡さん
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「二年間も社会生活から離れているような社会不適合者があんなイケメンに選ばれる訳ないじゃないですかぁ。
あれ? ちょっと期待しちゃってましたぁ? あははっ! あのリーマンも意地が悪いですねぇ!」
ひらりと私の手から抜き去った紙片を、エプロンのポケットに仕舞ったユイちゃんが離れていく。
それを気にしないふりをしながら、私はテーブルの上を片付ける。
あの小さな紙片を途方もなく重く感じていた事に、手から離れてほっとした事に気づかないふりをしながら。
……耳元に落とされたユエと呼ぶ声が呼び起こした記憶を思い出さないようにしながら。
それでも一度聞いてしまえば、記憶の蓋が開けて開けてとガタガタ揺れる。揺らいでしまう。
私の事をユエと、耳触りのよい低い声で呼ぶ優しいあの人の記憶が。
触れ合わせた熱の無い掌が。
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