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side M
もう離れない その2
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「な、なんかぁ…わたしの勘違いだったみたいでぇ……。
こ、このメモやっぱり美月さん宛でぇ……」
次の日。
昨日とは打って変わってオドオドとした態度でこちらにメモを差し出すユイちゃんに、思わず首を傾げてしまった。
「? ユイちゃんどうかしたの?」
なんとなく差し出されたメモを素直に受け取る気になれず、朝から顔色の悪いユイちゃんに問い掛ける。
「いいからぁっ! このメモ受け取ってくださいよぅっ!!
そして、書かれた連絡先に連絡してくださいっ!!
……おねがいだからぁ……」
とうとう泣き出してしまったユイちゃんに、ひたすら困惑するしかない。
このバイトで出会ってから、何が彼女の琴線を刺激したのか私に絡んでマウントを取る事に必死だった彼女の、ここまで弱った姿を見るのは久しぶりだ。
前回見たのは……遅刻が多くて流石にマスターがブチ切れた時だっただろうか。
あの時のマスターは傍から見ても恐ろしかった。普段温厚に見える人ほど怒らせると怖いというのはこの事かと実感した。
閑話休題
「でも……」
正直そのメモは受け取りたくない。
このメモに書かれた連絡先のその先にいるのは間違いなく昨日のあのサラリーマンなのだろう。
……私をユエと呼んだあの人……。すらりとした長身を身体にフィットしたスーツに包んでいて。
サイドは短くトップは長めに整えられた黒髪を整髪料で遊ばせて。
すっとした切れ長の眼窩に収まった黒い瞳は、黒曜石の様につややかで。
すっと通った鼻筋と、少し薄めの唇から白い歯が覗いていた。
あの唇が『ユエ』と呼んだ。
あの人と同じ口調で私の事を……。
「おねがいしますぅ! わたしを助けるとおもってぇ!!」
思考を飛ばしていると、流れたアイラインで下瞼を真っ黒にしたユイちゃんに腕を掴まれていた。
ぼたぼたとユイちゃん自慢の大きな目から零れ落ちる涙が、彼女の本気を表していた。
そして私の腕を掴んでいる、僅かに震えている手からも。
「わ、わかった。わかったから泣き止んで! もうすぐ開店だから!!」
震える彼女の手からメモを引き抜くと、涙に潤んでいた瞳に安堵の光が宿った。
……ていうか、彼女がこれだけ怯えるなんて、昨日の今日で一体何があったのだろう?
はてな? と首を傾げながら、ユイちゃんから受け取ったメモを開く。
そこには案の定このメモの持ち主のものであろう連絡先と、そして……
『連絡待ってる。 リン』
末尾に書き記されたその名前にどくりと鼓動が跳ねた。
丸太を組んで作ったロッジ風の小屋の中。
乾燥途中の薬草がいくつもぶら下がっていて。
背後の戸棚にはいくつもの薬瓶が並んでいる。
カウンター越しに伸ばされる大きな手。それに見合った大きな体躯を窮屈そうに屈めれば、首のところで纏められた金髪がさらりと流れる。
伸ばされた指先が私の頬に触れ、そしてこちらを覗き込む金色の瞳。
『ユエ……好きだよ……だからあの世界に戻っても……君と……』
耳元に懐かしい声が木霊する。
「…きちゃん! ……つきちゃんっ!! ……美月ちゃん?!」
トンと肩を掴まれた瞬間、ハッと意識が明瞭になった。
パチパチと瞬きを繰り返せば、懐かしい景色はそこになく目の前に見慣れたカフェのバックヤードが広がっていた。
「……マスター?」
振り返ればこちらを心配そうにのぞき込むマスターの姿があった。
「美月ちゃん大丈夫?」
「え、えぇ……まぁ、はい」
「もし具合が悪いなら言ってね? そしたら今日はもう臨時休業にしちゃうから」
「……え?」
マスターが疲れた表情で自分の首の後ろに手をやって、凝りをほぐすようにコキコキと動かす。
「いやさぁ、何だか知らんけど、ユイちゃんが急に辞めますって言ってさぁ。
それどころか、そのまんま飛び出してっちゃったんだよ……」
「……えぇ?!」
思わず目を見張る。
「流石にそこまで常識の無い事する子じゃないと思ってたんだけどなぁ……」
マスターが深々と息を吐く。
「まぁ、そんな訳だからさ。今から他の子にヘルプ頼むのも厳しいし。
美月ちゃんが体調悪いようならもう休みにしちゃおうかと思って。
だから、遠慮なく言ってね? こんな状況で言いづらいかもだけど、今日無理して明日からに響く方が事だからさ……」
「え……いえ、体調は大丈夫です…が……え? ユイちゃんが辞めた?!」
ここに来てようやく事実は飲み込めたが、理解までは及ばない。
だってさっきまでここにいて、泣きながら私にメモを押し付けた彼女がもういないというのだ。
もう何が何やら……。
というか、ホントに昨日彼女の身に何があったの?
十中八九このメモの相手がユイちゃんに何かしたんだろうけど……。
え? 私そんな相手にこれから連絡取らないといけないの……? シンプルに怖いんですが……。
「そうなんだよぉ。はぁ、また求人募集しなきゃ……。
とりあえず美月ちゃんが大丈夫そうなら、今日のランチはメニュー絞って日替わりだけにして店開けるけど……」
「あ、はい。大丈夫です」
「ごめんねぇ。今日の賄いゴージャスにするねぇ。あと今日のバイト料イロ付けとくから!」
「あ、いえ。バイト料までは……ゴージャスな賄い楽しみです」
混乱したまま曖昧に微笑めば、マスターも微苦笑を浮かべながら店に戻っていった。
◇◇◇
はぁと空気を吐き出せば、冷たい空気が白く染まる。
猫の爪のような三日月の浮かぶ空を見上げれば、日が落ちてしばらく経つというのに、ほんのり明るさを秘めた夜空が広がっていた。
もちろんこれは日の光が残っている訳でなく、街を照らすオフィスビルの明かりを反射しているからだろう。
星もあまり見えないこの空は、あの世界の空とはあまりにも違い過ぎて、なんとなく鼻を啜る。
そうすると冷たい空気が鼻腔を満たし、排ガスと埃の混ざった臭いが鼻の奥を刺していった。
オフィスビルの隙間に設けられた小さな公園は、昼間はランチを食べたり息抜きにコーヒーを飲んだりする人でベンチは埋まってそこそこ賑わっているが、人々が家路を急ぐこの時間、人影は見当たらない。
はぁともう一度息を吐いて、夜空を淡く照らす三日月を何の気なしに見つめながら、ここで待ち合わせをしている相手に思いを馳せる。
ユイちゃんが急にバイトを辞めると飛び出していった後、マスターと二人でカフェを回した。
幸い気のいい常連さんばかりだったので、ランチメニューが日替わり一択だったとしてもあまり混乱はなかった。
普段は別料金になるプチデザートを無料でサービスしたのも効いたのかもしれないが。
そんなランチタイムを乗り越えて休憩を貰った際に、普段よりちょっと豪華な賄いをいただきながら、件の連絡先に連絡を取ってみた。
ユイちゃんの尋常ではない態度に思うところなかった訳では無いが、向こうに職場を知られている以上どのみちその時はやってくるのだと、半ば諦めの心境でメッセージを送ったところ、恐るべきスピードで既読が付き、返信もまた早かった。ていうか、普通の会社員は普通に仕事中であろう時間だったのに、即レスとか……。
そして仕事の終わる時間を聞かれ、あれよあれよという間に待ち合わせの約束がなされていた。
その強引さが嫌ではなかったのは……と、そこまで考えて頭を一つ振っていつの間にか握り締めていたスマホに視線を落とす。
開きっぱなしの画面には、待ち人と連絡を取っているアプリの画面が表示されている。
待ち人のアカウント名には『鈴木 陽太』の文字。
「『リン』って……そっちかぁ。
それにしても、名は体を表すって……あながち間違いじゃないんだなぁ……」
『陽太』の文字を眺めながら、太陽みたいにキラキラした金髪と金の瞳、そして眩しい笑顔で周囲を明るく照らしていたあの人を思い出す。
コミュ障気味で陰キャの代名詞のような自分とは正反対の、自分で作った理想の自分ですら空に浮かぶ月のように己だけでは輝けない、ひっそりと目立たず生きる事しかできなかったユエとは正反対のあの人を。
それでも私にとって、あの世界はこの世界より息がし易くて幸福だったのだ。
この世界の私にはなんにもない。
家族も。
安定した職場も。
……好きな人も。
あの二年の間に、家族に、職場に捨てられた今の私には何にもない。
そして……好きな人は自分で手放してきた。この世界にかえる時に。
あの世界だったら彼を好きなままでいられたのだろうか。
他愛のないおしゃべりをして。
想いを伝えて。
一つのベッドでくっついて眠って。
熱のない、触れるだけのキスをして。
あの世界の私だったら……。
視線の先の三日月が歪む。
いつの間にか目から溢れた水滴が頬を濡らす。
「……かえりたいなぁ」
ぽつりと白い息と共に言葉を落とす。
それが叶わぬ夢だというのは理解っていても。
それでも……。
「かえさないよ」
答えと共に鼻と口元がツンとした刺激臭に包まれた。
慌てて振り返ろうとしても、背後から抱きしめられた身体は既に不自由で。
叫ぼうと開いた口は、より刺激臭を体内に取り込むことにしかならず。
結果……ふつりと私の意識は闇に落とされた。
こ、このメモやっぱり美月さん宛でぇ……」
次の日。
昨日とは打って変わってオドオドとした態度でこちらにメモを差し出すユイちゃんに、思わず首を傾げてしまった。
「? ユイちゃんどうかしたの?」
なんとなく差し出されたメモを素直に受け取る気になれず、朝から顔色の悪いユイちゃんに問い掛ける。
「いいからぁっ! このメモ受け取ってくださいよぅっ!!
そして、書かれた連絡先に連絡してくださいっ!!
……おねがいだからぁ……」
とうとう泣き出してしまったユイちゃんに、ひたすら困惑するしかない。
このバイトで出会ってから、何が彼女の琴線を刺激したのか私に絡んでマウントを取る事に必死だった彼女の、ここまで弱った姿を見るのは久しぶりだ。
前回見たのは……遅刻が多くて流石にマスターがブチ切れた時だっただろうか。
あの時のマスターは傍から見ても恐ろしかった。普段温厚に見える人ほど怒らせると怖いというのはこの事かと実感した。
閑話休題
「でも……」
正直そのメモは受け取りたくない。
このメモに書かれた連絡先のその先にいるのは間違いなく昨日のあのサラリーマンなのだろう。
……私をユエと呼んだあの人……。すらりとした長身を身体にフィットしたスーツに包んでいて。
サイドは短くトップは長めに整えられた黒髪を整髪料で遊ばせて。
すっとした切れ長の眼窩に収まった黒い瞳は、黒曜石の様につややかで。
すっと通った鼻筋と、少し薄めの唇から白い歯が覗いていた。
あの唇が『ユエ』と呼んだ。
あの人と同じ口調で私の事を……。
「おねがいしますぅ! わたしを助けるとおもってぇ!!」
思考を飛ばしていると、流れたアイラインで下瞼を真っ黒にしたユイちゃんに腕を掴まれていた。
ぼたぼたとユイちゃん自慢の大きな目から零れ落ちる涙が、彼女の本気を表していた。
そして私の腕を掴んでいる、僅かに震えている手からも。
「わ、わかった。わかったから泣き止んで! もうすぐ開店だから!!」
震える彼女の手からメモを引き抜くと、涙に潤んでいた瞳に安堵の光が宿った。
……ていうか、彼女がこれだけ怯えるなんて、昨日の今日で一体何があったのだろう?
はてな? と首を傾げながら、ユイちゃんから受け取ったメモを開く。
そこには案の定このメモの持ち主のものであろう連絡先と、そして……
『連絡待ってる。 リン』
末尾に書き記されたその名前にどくりと鼓動が跳ねた。
丸太を組んで作ったロッジ風の小屋の中。
乾燥途中の薬草がいくつもぶら下がっていて。
背後の戸棚にはいくつもの薬瓶が並んでいる。
カウンター越しに伸ばされる大きな手。それに見合った大きな体躯を窮屈そうに屈めれば、首のところで纏められた金髪がさらりと流れる。
伸ばされた指先が私の頬に触れ、そしてこちらを覗き込む金色の瞳。
『ユエ……好きだよ……だからあの世界に戻っても……君と……』
耳元に懐かしい声が木霊する。
「…きちゃん! ……つきちゃんっ!! ……美月ちゃん?!」
トンと肩を掴まれた瞬間、ハッと意識が明瞭になった。
パチパチと瞬きを繰り返せば、懐かしい景色はそこになく目の前に見慣れたカフェのバックヤードが広がっていた。
「……マスター?」
振り返ればこちらを心配そうにのぞき込むマスターの姿があった。
「美月ちゃん大丈夫?」
「え、えぇ……まぁ、はい」
「もし具合が悪いなら言ってね? そしたら今日はもう臨時休業にしちゃうから」
「……え?」
マスターが疲れた表情で自分の首の後ろに手をやって、凝りをほぐすようにコキコキと動かす。
「いやさぁ、何だか知らんけど、ユイちゃんが急に辞めますって言ってさぁ。
それどころか、そのまんま飛び出してっちゃったんだよ……」
「……えぇ?!」
思わず目を見張る。
「流石にそこまで常識の無い事する子じゃないと思ってたんだけどなぁ……」
マスターが深々と息を吐く。
「まぁ、そんな訳だからさ。今から他の子にヘルプ頼むのも厳しいし。
美月ちゃんが体調悪いようならもう休みにしちゃおうかと思って。
だから、遠慮なく言ってね? こんな状況で言いづらいかもだけど、今日無理して明日からに響く方が事だからさ……」
「え……いえ、体調は大丈夫です…が……え? ユイちゃんが辞めた?!」
ここに来てようやく事実は飲み込めたが、理解までは及ばない。
だってさっきまでここにいて、泣きながら私にメモを押し付けた彼女がもういないというのだ。
もう何が何やら……。
というか、ホントに昨日彼女の身に何があったの?
十中八九このメモの相手がユイちゃんに何かしたんだろうけど……。
え? 私そんな相手にこれから連絡取らないといけないの……? シンプルに怖いんですが……。
「そうなんだよぉ。はぁ、また求人募集しなきゃ……。
とりあえず美月ちゃんが大丈夫そうなら、今日のランチはメニュー絞って日替わりだけにして店開けるけど……」
「あ、はい。大丈夫です」
「ごめんねぇ。今日の賄いゴージャスにするねぇ。あと今日のバイト料イロ付けとくから!」
「あ、いえ。バイト料までは……ゴージャスな賄い楽しみです」
混乱したまま曖昧に微笑めば、マスターも微苦笑を浮かべながら店に戻っていった。
◇◇◇
はぁと空気を吐き出せば、冷たい空気が白く染まる。
猫の爪のような三日月の浮かぶ空を見上げれば、日が落ちてしばらく経つというのに、ほんのり明るさを秘めた夜空が広がっていた。
もちろんこれは日の光が残っている訳でなく、街を照らすオフィスビルの明かりを反射しているからだろう。
星もあまり見えないこの空は、あの世界の空とはあまりにも違い過ぎて、なんとなく鼻を啜る。
そうすると冷たい空気が鼻腔を満たし、排ガスと埃の混ざった臭いが鼻の奥を刺していった。
オフィスビルの隙間に設けられた小さな公園は、昼間はランチを食べたり息抜きにコーヒーを飲んだりする人でベンチは埋まってそこそこ賑わっているが、人々が家路を急ぐこの時間、人影は見当たらない。
はぁともう一度息を吐いて、夜空を淡く照らす三日月を何の気なしに見つめながら、ここで待ち合わせをしている相手に思いを馳せる。
ユイちゃんが急にバイトを辞めると飛び出していった後、マスターと二人でカフェを回した。
幸い気のいい常連さんばかりだったので、ランチメニューが日替わり一択だったとしてもあまり混乱はなかった。
普段は別料金になるプチデザートを無料でサービスしたのも効いたのかもしれないが。
そんなランチタイムを乗り越えて休憩を貰った際に、普段よりちょっと豪華な賄いをいただきながら、件の連絡先に連絡を取ってみた。
ユイちゃんの尋常ではない態度に思うところなかった訳では無いが、向こうに職場を知られている以上どのみちその時はやってくるのだと、半ば諦めの心境でメッセージを送ったところ、恐るべきスピードで既読が付き、返信もまた早かった。ていうか、普通の会社員は普通に仕事中であろう時間だったのに、即レスとか……。
そして仕事の終わる時間を聞かれ、あれよあれよという間に待ち合わせの約束がなされていた。
その強引さが嫌ではなかったのは……と、そこまで考えて頭を一つ振っていつの間にか握り締めていたスマホに視線を落とす。
開きっぱなしの画面には、待ち人と連絡を取っているアプリの画面が表示されている。
待ち人のアカウント名には『鈴木 陽太』の文字。
「『リン』って……そっちかぁ。
それにしても、名は体を表すって……あながち間違いじゃないんだなぁ……」
『陽太』の文字を眺めながら、太陽みたいにキラキラした金髪と金の瞳、そして眩しい笑顔で周囲を明るく照らしていたあの人を思い出す。
コミュ障気味で陰キャの代名詞のような自分とは正反対の、自分で作った理想の自分ですら空に浮かぶ月のように己だけでは輝けない、ひっそりと目立たず生きる事しかできなかったユエとは正反対のあの人を。
それでも私にとって、あの世界はこの世界より息がし易くて幸福だったのだ。
この世界の私にはなんにもない。
家族も。
安定した職場も。
……好きな人も。
あの二年の間に、家族に、職場に捨てられた今の私には何にもない。
そして……好きな人は自分で手放してきた。この世界にかえる時に。
あの世界だったら彼を好きなままでいられたのだろうか。
他愛のないおしゃべりをして。
想いを伝えて。
一つのベッドでくっついて眠って。
熱のない、触れるだけのキスをして。
あの世界の私だったら……。
視線の先の三日月が歪む。
いつの間にか目から溢れた水滴が頬を濡らす。
「……かえりたいなぁ」
ぽつりと白い息と共に言葉を落とす。
それが叶わぬ夢だというのは理解っていても。
それでも……。
「かえさないよ」
答えと共に鼻と口元がツンとした刺激臭に包まれた。
慌てて振り返ろうとしても、背後から抱きしめられた身体は既に不自由で。
叫ぼうと開いた口は、より刺激臭を体内に取り込むことにしかならず。
結果……ふつりと私の意識は闇に落とされた。
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