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第11話 師弟誕生
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翌日、私はエレノーラ様に借りていた魔導書を全て返却してから、インベントリと魔法の件を報告した。
「本当ですか? 昨日の魔法の覚えが人間離れしていると思っていたのですが、そういう事だったのですね。素晴らしいですわ!」
エレノーラ様がひどく腑に落ちたようで感心している。
「エレノーラ様、今から魔法を発動しますので、見ていてください」
「わかりました」
私は身構え、詠唱を始める。
「聖なる領域、セイクリッド・カーテン!」「ディバイン・ウォール!」
私の詠唱に応え魔法が発動する。高位の異なる二つの聖なる防壁が部屋の天井まで出現する。
「おお! これはお見事。どちらも難しい魔法なのにこの完成度、すごいです」
エレノーラ様から魔法に対する称賛をいただく。悪い気はしない。
「恐縮です」
「報告は間違いなさそうですね。ということは、色々と早まりそうですね」
エレノーラ様の表情がさらに明るくなる。
「では今日の講義を始めましょうか」
「わかりました。よろしくお願いします」
エレノーラ様は早速、講義に使う魔導書を数冊出現させる。
「今日使用する魔導書です。お渡ししますね」
「はい、お借りします」
私はインベントリを出現させ、一冊ずつ収納する。情報の波が脳内に現れる。
「うん、例のあふれる苦しい感覚がほとんどない」
今回も苦しくない。もう悩まずに済みそうだ。
「なるほど、そうやって習得できるのですね。素晴らしい」
「原理はわからないですが、今回もしっかり記憶できました」
「わかりました。では講義を始めますね。今日は無属性魔法についてです」
無属性魔法には生活用途、戦闘補助系の強化・弱体化効果付与、戦闘系など幅広く存在し、扱える職業も多岐にわたっているそうだ。
「職業に関しては気にする必要はなさそうですね。では生活魔法、まずは移動手段の為に難しいですが、テレポートからやっていきましょうか」
「わかりました」
いよいよテレポートを学ぶことになる。知識としてはすでに身についているが、実際に学べるのは楽しみである。
「テレポートは操作バランスの難しい魔法です。転移位置の特定、転移人数、転移距離など様々な要素が絡みます。タクトにはそれらに慣れていただきます」
「わ、わかりました」
妙な緊張感を感じるが、エレノーラ様の指導なら間違いないだろう。彼女は実践を踏まえながら一つ一つ丁寧に説明してくれた。おかげで行動原理や微細な方向感覚やバランス感覚、テレポートとグレーター・テレポートとの差など、多岐にわたり把握できた。
「この短期間でここまで操れるようになるとは、素晴らしいですわ」
「いえ、エレノーラ様の指導のおかげです。あとお願いがあるのですが」
「何でしょう?」
私にはある思いが芽生えていた。
「エレノーラ様、貴女の事を師匠とお呼びしてもよろしいですか」
「えっ?」
私の発言に一瞬驚きと戸惑いの表情を見せるが、すぐににっこりと微笑む。
「ええ、構いませんよ。こうして教えて差し上げてますしね。教え子なら多くおりますが立場上弟子などは取っておりません。それでもよろしければお好きに」
「それでいいです! ありがとうございます、師匠!」
「ふふっ、変わった方ですね」
こうして私は唯一の師匠を持ち、エレノーラ様は唯一の弟子を持つこととなる。
「ここからは簡単な魔法から覚えてもらいますね」
その後も指導は続き、私は数多くの無属性魔法を習得していった。特に戦闘補助系の強化魔法と弱体化魔法については念入りに教わった。
「強化と弱体化は戦闘の局面を左右する要になります。パーティーに入れば必ず重宝される魔法です。どのような状況でも使いこなせるよう覚えてくださいね」
「わかりました」
エレノーラ様は途中自身の業務で何度も転移して席を外すが、いつも数分で戻ってきた。
「申し訳ありません。本当は付きっ切りでいたいのですが公務やら会議やらがございまして……」
「いえ、お構いなく。私も元の世界では忙しく飛び回ってましたし」
「ご理解いただき感謝します。指導はきっちりさせてもらいますので」
エレノーラ様は申し訳なさげにしつつも、細部までサポートしてくださった。
百種類以上に及ぶ魔法を教わり、一つ一つ効果や範囲、魔力消費量や用途などを確認しながら覚えていった。
「お疲れ様でした。今日はこのくらいにしましょう。今日の復習だけしていただき、あとはお休みください」
「わかりました。師匠、今日もご指導ありがとうございました」
こうして講義の第三日目が終了した。心地よい疲れが残っている。
異世界生活はまだまだ前途多難だが、この師匠についていけばやっていけると確信する日となった。
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「本当ですか? 昨日の魔法の覚えが人間離れしていると思っていたのですが、そういう事だったのですね。素晴らしいですわ!」
エレノーラ様がひどく腑に落ちたようで感心している。
「エレノーラ様、今から魔法を発動しますので、見ていてください」
「わかりました」
私は身構え、詠唱を始める。
「聖なる領域、セイクリッド・カーテン!」「ディバイン・ウォール!」
私の詠唱に応え魔法が発動する。高位の異なる二つの聖なる防壁が部屋の天井まで出現する。
「おお! これはお見事。どちらも難しい魔法なのにこの完成度、すごいです」
エレノーラ様から魔法に対する称賛をいただく。悪い気はしない。
「恐縮です」
「報告は間違いなさそうですね。ということは、色々と早まりそうですね」
エレノーラ様の表情がさらに明るくなる。
「では今日の講義を始めましょうか」
「わかりました。よろしくお願いします」
エレノーラ様は早速、講義に使う魔導書を数冊出現させる。
「今日使用する魔導書です。お渡ししますね」
「はい、お借りします」
私はインベントリを出現させ、一冊ずつ収納する。情報の波が脳内に現れる。
「うん、例のあふれる苦しい感覚がほとんどない」
今回も苦しくない。もう悩まずに済みそうだ。
「なるほど、そうやって習得できるのですね。素晴らしい」
「原理はわからないですが、今回もしっかり記憶できました」
「わかりました。では講義を始めますね。今日は無属性魔法についてです」
無属性魔法には生活用途、戦闘補助系の強化・弱体化効果付与、戦闘系など幅広く存在し、扱える職業も多岐にわたっているそうだ。
「職業に関しては気にする必要はなさそうですね。では生活魔法、まずは移動手段の為に難しいですが、テレポートからやっていきましょうか」
「わかりました」
いよいよテレポートを学ぶことになる。知識としてはすでに身についているが、実際に学べるのは楽しみである。
「テレポートは操作バランスの難しい魔法です。転移位置の特定、転移人数、転移距離など様々な要素が絡みます。タクトにはそれらに慣れていただきます」
「わ、わかりました」
妙な緊張感を感じるが、エレノーラ様の指導なら間違いないだろう。彼女は実践を踏まえながら一つ一つ丁寧に説明してくれた。おかげで行動原理や微細な方向感覚やバランス感覚、テレポートとグレーター・テレポートとの差など、多岐にわたり把握できた。
「この短期間でここまで操れるようになるとは、素晴らしいですわ」
「いえ、エレノーラ様の指導のおかげです。あとお願いがあるのですが」
「何でしょう?」
私にはある思いが芽生えていた。
「エレノーラ様、貴女の事を師匠とお呼びしてもよろしいですか」
「えっ?」
私の発言に一瞬驚きと戸惑いの表情を見せるが、すぐににっこりと微笑む。
「ええ、構いませんよ。こうして教えて差し上げてますしね。教え子なら多くおりますが立場上弟子などは取っておりません。それでもよろしければお好きに」
「それでいいです! ありがとうございます、師匠!」
「ふふっ、変わった方ですね」
こうして私は唯一の師匠を持ち、エレノーラ様は唯一の弟子を持つこととなる。
「ここからは簡単な魔法から覚えてもらいますね」
その後も指導は続き、私は数多くの無属性魔法を習得していった。特に戦闘補助系の強化魔法と弱体化魔法については念入りに教わった。
「強化と弱体化は戦闘の局面を左右する要になります。パーティーに入れば必ず重宝される魔法です。どのような状況でも使いこなせるよう覚えてくださいね」
「わかりました」
エレノーラ様は途中自身の業務で何度も転移して席を外すが、いつも数分で戻ってきた。
「申し訳ありません。本当は付きっ切りでいたいのですが公務やら会議やらがございまして……」
「いえ、お構いなく。私も元の世界では忙しく飛び回ってましたし」
「ご理解いただき感謝します。指導はきっちりさせてもらいますので」
エレノーラ様は申し訳なさげにしつつも、細部までサポートしてくださった。
百種類以上に及ぶ魔法を教わり、一つ一つ効果や範囲、魔力消費量や用途などを確認しながら覚えていった。
「お疲れ様でした。今日はこのくらいにしましょう。今日の復習だけしていただき、あとはお休みください」
「わかりました。師匠、今日もご指導ありがとうございました」
こうして講義の第三日目が終了した。心地よい疲れが残っている。
異世界生活はまだまだ前途多難だが、この師匠についていけばやっていけると確信する日となった。
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