冴えない社畜、異世界で最凶聖女に地獄指導されて魔王軍に挑む

ワスレナ

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第20話 勇者メルキウス

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  私は黄金色に輝くフルプレートアーマーを装備した戦士と対峙たいじする。両腰には立派なさやからわかる見事な剣、兜の下から見える凛々りりしい顔つき、自信に満ちたオーラ。

 彼が勇ましい声で名乗りを上げる。

「俺がサレシアル王国の勇者メルキウスだ」

 きっと幾多いくたの困難を切り抜けてきたのだろう。私も呼応してメルキウスに対し名乗る。 

「勇者イグノールの代理、大賢者タクト」

 メルキウスは私の姿を見て残念そうな表情を見せる。

「フッ。勇者イグノールの代理、どんな奴かと思っていたらこんなヒョロいのが出てくるとはな」

 言葉の内容とトーンで彼のイラつきが感じ取れる。

「そうですか」

 私は冷静に彼の様子をうかがう。

「サッサと片付けて帰るとするか……」

 彼のイラつきが頂点に達してるようだ。あからさまな挑発。こんな時やることは一つだ。

「そうか……。じゃあ全力で来るんだな」

 私は軽くりきんで魔力を開放する。彼にも私のオーラが見えたのか、一歩後ずさりする。

「お、お前!?」

「これは戦争だ。遠慮はいらない」

 私は彼の挑発に応える。

「ハハハハ。そうか。そんなに死にたいか。よかろう、全力を出そう」

 メルキウスは精神を集中させ何かを始める。

「はあああああああっ!!」

 気合の叫びとともに何かが発動し、力が一段開放される。

「モード・ハイエクスプレス。俺の最大火力だ」

 確かに今までの彼とは段違いの力を感じる。おそらくこちらがつかんだ情報以上の力なのだろう。

 国を背負って戦ってきた勇者だ。あなどってはいけない。

 その時、闘技場施設の拡声器から野太い男性の声が響き渡る。

「我、サレシアル王国将軍ザギールと申す。これよりサレシアル王国とクラヴェール王国の戦争、勇者メルキウスと大賢者タクトとの決闘を見届ける者である」

 私とメルキウスが声の方を向く。

「決闘のルールを説明する。武器やスキル、魔法の使用は自由とする。どちらかが死亡もしくは戦闘不能になった時点で勝敗が決するものとする。判定はこの私、将軍ザギールが行う」

 互いに相手に向き直り、精神を集中させる。開始の合図がまさに迫ろうとしていた。


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