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第50話 アビス第十二階層、十二本木
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「では行きましょうか。今日は第十二階層へ向かいますね」
「はい。お願いします」
エレノーラ様が転移の呪文を唱え始める。
「グレーター・テレポート」
私達は一瞬でアビスの地へと転移する。荒涼とした赤茶けた大地が広がり、空は黒い雲が渦巻いている。至るところで雷が轟き、稲妻が光っている。
この階層は第一階層パズニアと比べるまでもない程に狭い。半径十キロメートルあるかどうかくらいだ。
「ここがアビスの第十二階層、十二本木です。少し遠くに見えているのが十二本の大きな松の木です。その中央に巨大な玄武岩の舞台があります。悪魔達が善人や天使を木につるして生贄にしているのです」
エレノーラ様がこの地について教えてくださる。
「それで、今回は何故この場所を選ばれたのでしょうか?」
私の問いにエレノーラ様が少し困った顔をして答える。
「ええ。実は以前、私はこの地に捕まっていた天使達を救出したことがあるのですが、物好きな天使達がまたこの地に訪れて悪魔に説教をしに来たらしいのです。それでまた捕えられたと聞きまして」
「なるほど。また救いに行こうと思ったのですね?」
「その通りですわ、タクト」
空には遠くにある巨大な骨組みの足場がそびえ立ち、桟橋を支えている。そこには立派な数百メートルはあろう船が建造されている。
「エレノーラ様、あの大きい船は何でしょうか?」
「ああ、あれは悪魔達が作っている『混沌の船』というものらしいです。何のために作っているのかはわかりませんわ」
「そうですか……」
時折絶叫する声がかすかに聞こえてくる。空にはタナーリとおぼしき悪魔がところどころに飛んでいるのが見える。
「師匠、ここで雷帝を出してもよろしいですか?」
「ええ。構いませんよ」
「では早速……」
初めての召喚だ。私は右手を挙げて叫ぶ。
「召喚! 超電の雷帝!」
すると私達の前の空が光り出し、雷帝の姿が現れる。やはり記載通りにインベントリに収納したままでも召喚ができた。
「おお! これが超電の雷帝ですか!」
エレノーラ様から感嘆の声が上がる。
「はい。どうですか、師匠」
「初見ですが、素晴らしいですわ。ただ、音が大きいですわね」
「ああ、雷鳴ですね」
もちろんエレノーラ様は音など自分で調整される。ここがアビスでなく地上なら何か策を講じられるだろう。雷帝はこの階層で轟いている雷を呼び寄せて吸収している。
『我を呼んだか、タクトよ』
「ああ。ここはアビスの地なので呼ばせてもらった。試してみたいことがあるんだ」
雷帝は私の言葉にかなり興味を抱いている。辺りを見回して状況を確認している。
『なるほど。確かにアビスだな。何を試すというのだ?』
「雷帝に私から力を付与できるか試したいんだ」
『力? どのような力だ?』
「いくつかある。まずは土、水、氷属性の耐性。次にパワーの強化。そして体力と魔力の強化だな」
私の発言内容に雷帝はひどく驚く。
『たった一度の戦闘でそこまで……! そのような事、うぬにできるのか?』
「できるかどうかやってみるよ」
私は必要な呪文をすべて唱え、一つのエネルギー体に集約する。それを雷帝の身体に埋め込んでみる。
「どうだ、雷帝?」
『おお! 力がみなぎるぞ!!』
雷帝の様子が変化する。それを見てエレノーラ様が尋ねる。
「タクト、なぜ強化魔法のように対象にかけないのですか?」
「ああ、それは一時的にかけるのではなく、永続的に効果を与えるためです」
エレノーラ様が私の説明に驚く。
「そのようなことが可能なら、誰でも強くなってしまいますわね」
確かにその通りだ。だがこれは限定的なものでしかない。
「おっしゃる通りです。これは召喚時のみにしか影響が出ないよう限定的なものです」
「いえ、そういう問題では……」
エレノーラ様が頭を抱えている。
「効果に条件はあるのですか?」
「わかりません。それゆえ雷帝で試してみようかと」
『この力、素晴らしい! まるで生まれ変わったようだ』
「大地の精霊王、水の精霊ウンディーネ、氷の女王の加護をつけてみた」
「何と! それはすごい事だ!」
雷帝が喜んでいる。すると嗅ぎつけたのか蠅の親玉のようなチャズミー達が群れをなしてこちらへ向かってくる。
「何か気持ち悪いな……」
私は前の世界でのハエを思い出してしまう。
「やはり来ましたね」
エレノーラ様はやれやれといった様子だ。
「ここは雷帝に相手してもらいますか?」
「そうですね。せっかく強化したわけですし。やってみてください」
トランキル・ヴァルチャー、ドレッチといったタナーリの悪魔が空と地上に数千体に及んでいる。私は雷帝に攻撃指示を出す。
『相わかった』
雷帝は悪魔達に対峙し、大量の雷を操る。
『雷界展開』
もともとある雷雲が更に集合し、激しく光りだす。
『オーバーヴォルト・ストライク・シャワー!!』
雷帝の超高出力の落雷が降り注ぎ悪魔達に炸裂する!! 被弾した悪魔達が即死していく。
「おお! 素晴らしいですわ!」
エレノーラ様が目の前の光景に声を上げる。バタバタ落ち、消滅していく悪魔達を好奇のまなざしで見ている。
エレノーラ様の情報では、この階層の悪魔達はバズニアの悪魔と比べても強力な奴が多いそうだ。だが雷帝の力はそれらをものともしなかった。
『お気に召されて何よりだ』
雷帝もエレノーラ様の様子に喜んでいる。
「さて、天使の救出に参りましょうか」
「わかりました」
エレノーラ様と私は『飛翔』を唱えて宙に舞う。
『我が先導しよう』
「お願いしますわ。あの松の大木の中心ですわ」
行く手には確実により強力な悪魔達が待ち構えているだろう。私達は天使を救出すべく、階層の中心部へと急ぐのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【まめちしき】
【チャズミー】……巨大なハエのような姿を持つ忌まわしい中位デーモン。ガリガリに痩せこけた人型の胴体に、羽虫の翅と複眼、長い針状の口器を備えている。不気味な羽音を響かせて獲物に近づき、精神を蝕む羽音で敵を恐怖させる。強力な吸血口器で血を吸い尽くし、同時に相手の生命力を奪う。羽音は催眠と恐怖の魔力を持ち、精神力の弱い者を無力化する。
【トランキル・ヴァルチャー】……中位の鳥型デーモン。枝から枝へ静かに滑空し、落ちた死体を啄む。羽ばたきの音すら無い不気味な存在。死の気配を食らうため、倒れた冒険者の残留思念すら啄む。討伐されると、逆に死の気配をまき散らす瘴気源になる。
【ドレッチ】……タナーリ族の中でも最下層のデーモン。背は低く、肥満したトロールのような小鬼の姿をしており、皮膚は薄汚れた緑色や灰色で、全体に瘡蓋や膿が浮いている。体から腐敗した悪臭を放ち、鼻をつく悪臭で周囲を不快にする。個体としては弱く、知性は低く数で押す。死を恐れないため、前線で真っ先に突撃するか、他のデーモンの捨て駒になる。
「面白いかも!」「続きが読みたい!」「陰ながら応援してるよ!」
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「はい。お願いします」
エレノーラ様が転移の呪文を唱え始める。
「グレーター・テレポート」
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この階層は第一階層パズニアと比べるまでもない程に狭い。半径十キロメートルあるかどうかくらいだ。
「ここがアビスの第十二階層、十二本木です。少し遠くに見えているのが十二本の大きな松の木です。その中央に巨大な玄武岩の舞台があります。悪魔達が善人や天使を木につるして生贄にしているのです」
エレノーラ様がこの地について教えてくださる。
「それで、今回は何故この場所を選ばれたのでしょうか?」
私の問いにエレノーラ様が少し困った顔をして答える。
「ええ。実は以前、私はこの地に捕まっていた天使達を救出したことがあるのですが、物好きな天使達がまたこの地に訪れて悪魔に説教をしに来たらしいのです。それでまた捕えられたと聞きまして」
「なるほど。また救いに行こうと思ったのですね?」
「その通りですわ、タクト」
空には遠くにある巨大な骨組みの足場がそびえ立ち、桟橋を支えている。そこには立派な数百メートルはあろう船が建造されている。
「エレノーラ様、あの大きい船は何でしょうか?」
「ああ、あれは悪魔達が作っている『混沌の船』というものらしいです。何のために作っているのかはわかりませんわ」
「そうですか……」
時折絶叫する声がかすかに聞こえてくる。空にはタナーリとおぼしき悪魔がところどころに飛んでいるのが見える。
「師匠、ここで雷帝を出してもよろしいですか?」
「ええ。構いませんよ」
「では早速……」
初めての召喚だ。私は右手を挙げて叫ぶ。
「召喚! 超電の雷帝!」
すると私達の前の空が光り出し、雷帝の姿が現れる。やはり記載通りにインベントリに収納したままでも召喚ができた。
「おお! これが超電の雷帝ですか!」
エレノーラ様から感嘆の声が上がる。
「はい。どうですか、師匠」
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「ああ、雷鳴ですね」
もちろんエレノーラ様は音など自分で調整される。ここがアビスでなく地上なら何か策を講じられるだろう。雷帝はこの階層で轟いている雷を呼び寄せて吸収している。
『我を呼んだか、タクトよ』
「ああ。ここはアビスの地なので呼ばせてもらった。試してみたいことがあるんだ」
雷帝は私の言葉にかなり興味を抱いている。辺りを見回して状況を確認している。
『なるほど。確かにアビスだな。何を試すというのだ?』
「雷帝に私から力を付与できるか試したいんだ」
『力? どのような力だ?』
「いくつかある。まずは土、水、氷属性の耐性。次にパワーの強化。そして体力と魔力の強化だな」
私の発言内容に雷帝はひどく驚く。
『たった一度の戦闘でそこまで……! そのような事、うぬにできるのか?』
「できるかどうかやってみるよ」
私は必要な呪文をすべて唱え、一つのエネルギー体に集約する。それを雷帝の身体に埋め込んでみる。
「どうだ、雷帝?」
『おお! 力がみなぎるぞ!!』
雷帝の様子が変化する。それを見てエレノーラ様が尋ねる。
「タクト、なぜ強化魔法のように対象にかけないのですか?」
「ああ、それは一時的にかけるのではなく、永続的に効果を与えるためです」
エレノーラ様が私の説明に驚く。
「そのようなことが可能なら、誰でも強くなってしまいますわね」
確かにその通りだ。だがこれは限定的なものでしかない。
「おっしゃる通りです。これは召喚時のみにしか影響が出ないよう限定的なものです」
「いえ、そういう問題では……」
エレノーラ様が頭を抱えている。
「効果に条件はあるのですか?」
「わかりません。それゆえ雷帝で試してみようかと」
『この力、素晴らしい! まるで生まれ変わったようだ』
「大地の精霊王、水の精霊ウンディーネ、氷の女王の加護をつけてみた」
「何と! それはすごい事だ!」
雷帝が喜んでいる。すると嗅ぎつけたのか蠅の親玉のようなチャズミー達が群れをなしてこちらへ向かってくる。
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「やはり来ましたね」
エレノーラ様はやれやれといった様子だ。
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トランキル・ヴァルチャー、ドレッチといったタナーリの悪魔が空と地上に数千体に及んでいる。私は雷帝に攻撃指示を出す。
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雷帝は悪魔達に対峙し、大量の雷を操る。
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もともとある雷雲が更に集合し、激しく光りだす。
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「おお! 素晴らしいですわ!」
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「わかりました」
エレノーラ様と私は『飛翔』を唱えて宙に舞う。
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【トランキル・ヴァルチャー】……中位の鳥型デーモン。枝から枝へ静かに滑空し、落ちた死体を啄む。羽ばたきの音すら無い不気味な存在。死の気配を食らうため、倒れた冒険者の残留思念すら啄む。討伐されると、逆に死の気配をまき散らす瘴気源になる。
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