奴隷身分ゆえ騎士団に殺された俺は、自分だけが発見した【炎氷魔法】で無双する 〜自分が受けた痛みは倍返しする〜

ファンタスティック小説家

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上級騎士 対 炎の賢者 中編

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 ウィリアムの顔がこわばった。

「父さん、僕も魔術をつかうつもりはなかったです。殺してしまうかもしれないから」
「小便くさいガキが調子に乗るなよ」
「なんて言っても構わないですけど、父さん、とりあえず全力で避けることをオススメします」

 俺は全身の魔力を起動させる。
 体のまわりに赤いオーラがたちこめた。

「なんだ……」

 ウィリアムは腰を低く落とす。

 俺は熱素を手のうえに集中させた。
 すると、あたりの芝生が燃えあがり、チリチリと焼け焦げていってしまった。
 ウィリアムは俺の手のなかに出現した輝く火炎の球に、目を見開いていた。

 俺はもう物を燃やさずとも、熱の凝縮だけで熱素の塊をつくれるほどに、《ホット》の火力をあげている。

「焼き穿て──《ファイアボルト》」

 俺は手のうえの輝く火炎球に、指示をだして投げる──敵を破壊しろ。

 ファイアボルトは凄まじい勢いでとんでいき、ウィリアムにせまった。

 彼は鬼気迫る顔で、大きく飛び退いた。
 ファイアボルトが芝生に着弾する。
 着弾した地面を中心に爆発が巻き起こる。

 ウィリアムは避ける距離がたらずに、爆風に体を煽られてかなり遠くまでふっとんだ。
 しかし、空中で1回転して姿勢を整えて見事に地面に着地した。

 彼の顔には驚愕がはりついてる。

 俺はその間に第二射を準備、投擲した。

 着地後、すぐにファイアボルトが飛んできたウィリアムは、剣で火炎球を斬りさこうとする。
 
「させない」

 俺は遠隔から火炎球を爆破した。
 ファイアボルトは着弾しなくても、意図的な爆破が可能なのだ。

「馬鹿な──ぐぁあ!」

 ウィリアムが爆炎のなかから、うめき声とともに出てきた。
 彼の手から離れた剣がくるくるまわって芝生に突き刺さる。
 ウィリアムは剣を取りにはいかず、綺麗に着地にして火傷した顔でこちらを睨みつけてきた。

 よし、剣を回収される間に第三射の用意をしようか。

 そう思って俺は魔力をためはじめる。

 瞬間、ウィリアムは空手のまま俺のほうへ走りだした。
 今までの動きが冗談のような、とてつもない速さだった。
 第三射など準備している時間はない。

 俺はとっさに使う魔術を変更する。
 元はすべて《ホット》の派生技なので、このような緊急変更が効きやすいのだ。

「焼き尽くせ──《スコーチ》」

 俺は手のなかのちいさな火炎球を握り潰して、熱素を熱波として放出した。
 木を一瞬で発火させる熱風が、俺の前方数メートルを焼きはらう。

 しかし、ウィリアムは腕を十字型に構えてガードしたまま突っ込んできた。
 そんなもので耐えられるか疑問に思ったが、彼には俺の知らない技があった。

「熱いだけだなァア!」

 ウィリアムは気合いと根性と、謎の武術で俺の《スコーチ》を突破してきた。

 回し蹴りが流れるように繰り出される。
 俺は上体をそらして避けた、

 熱波のせいでひるんでいたので、ウィリアムの技が雑になっていたおかげだ。

 俺は近接戦ですぐ発動できる《スコーチ》を使って、父親に焼け死ぬか、間合いをあけて逃げるかの選択肢をあたえつづけた。

 そのすべてにおいて、ウィリアムは焼け死ぬことを選びつづけ、実に3回目のスコーチに一歩後退した。
 
 俺は次がトドメだと思いながら、最後の《スコーチ》は殺さない程度に威力をおさえる。

 俺は別にウィリアムに死んでほしいわけじゃないからな。

「ッ、油断したな!」

 瞬間、ウィリアムの指しこむような鋭いローキックが俺の足をはらった。
 体勢をかんたんに崩された俺は、上段からの振り下ろしの拳を間近に見た。

 これは避けられない。
 そう思った瞬間、俺はウィリアムの鉄拳と地面に頭を挟み撃ちされていた。

 
 
 









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