奴隷身分ゆえ騎士団に殺された俺は、自分だけが発見した【炎氷魔法】で無双する 〜自分が受けた痛みは倍返しする〜

ファンタスティック小説家

文字の大きさ
21 / 49

上級騎士 対 炎の賢者 中編

しおりを挟む

 ウィリアムの顔がこわばった。

「父さん、僕も魔術をつかうつもりはなかったです。殺してしまうかもしれないから」
「小便くさいガキが調子に乗るなよ」
「なんて言っても構わないですけど、父さん、とりあえず全力で避けることをオススメします」

 俺は全身の魔力を起動させる。
 体のまわりに赤いオーラがたちこめた。

「なんだ……」

 ウィリアムは腰を低く落とす。

 俺は熱素を手のうえに集中させた。
 すると、あたりの芝生が燃えあがり、チリチリと焼け焦げていってしまった。
 ウィリアムは俺の手のなかに出現した輝く火炎の球に、目を見開いていた。

 俺はもう物を燃やさずとも、熱の凝縮だけで熱素の塊をつくれるほどに、《ホット》の火力をあげている。

「焼き穿て──《ファイアボルト》」

 俺は手のうえの輝く火炎球に、指示をだして投げる──敵を破壊しろ。

 ファイアボルトは凄まじい勢いでとんでいき、ウィリアムにせまった。

 彼は鬼気迫る顔で、大きく飛び退いた。
 ファイアボルトが芝生に着弾する。
 着弾した地面を中心に爆発が巻き起こる。

 ウィリアムは避ける距離がたらずに、爆風に体を煽られてかなり遠くまでふっとんだ。
 しかし、空中で1回転して姿勢を整えて見事に地面に着地した。

 彼の顔には驚愕がはりついてる。

 俺はその間に第二射を準備、投擲した。

 着地後、すぐにファイアボルトが飛んできたウィリアムは、剣で火炎球を斬りさこうとする。
 
「させない」

 俺は遠隔から火炎球を爆破した。
 ファイアボルトは着弾しなくても、意図的な爆破が可能なのだ。

「馬鹿な──ぐぁあ!」

 ウィリアムが爆炎のなかから、うめき声とともに出てきた。
 彼の手から離れた剣がくるくるまわって芝生に突き刺さる。
 ウィリアムは剣を取りにはいかず、綺麗に着地にして火傷した顔でこちらを睨みつけてきた。

 よし、剣を回収される間に第三射の用意をしようか。

 そう思って俺は魔力をためはじめる。

 瞬間、ウィリアムは空手のまま俺のほうへ走りだした。
 今までの動きが冗談のような、とてつもない速さだった。
 第三射など準備している時間はない。

 俺はとっさに使う魔術を変更する。
 元はすべて《ホット》の派生技なので、このような緊急変更が効きやすいのだ。

「焼き尽くせ──《スコーチ》」

 俺は手のなかのちいさな火炎球を握り潰して、熱素を熱波として放出した。
 木を一瞬で発火させる熱風が、俺の前方数メートルを焼きはらう。

 しかし、ウィリアムは腕を十字型に構えてガードしたまま突っ込んできた。
 そんなもので耐えられるか疑問に思ったが、彼には俺の知らない技があった。

「熱いだけだなァア!」

 ウィリアムは気合いと根性と、謎の武術で俺の《スコーチ》を突破してきた。

 回し蹴りが流れるように繰り出される。
 俺は上体をそらして避けた、

 熱波のせいでひるんでいたので、ウィリアムの技が雑になっていたおかげだ。

 俺は近接戦ですぐ発動できる《スコーチ》を使って、父親に焼け死ぬか、間合いをあけて逃げるかの選択肢をあたえつづけた。

 そのすべてにおいて、ウィリアムは焼け死ぬことを選びつづけ、実に3回目のスコーチに一歩後退した。
 
 俺は次がトドメだと思いながら、最後の《スコーチ》は殺さない程度に威力をおさえる。

 俺は別にウィリアムに死んでほしいわけじゃないからな。

「ッ、油断したな!」

 瞬間、ウィリアムの指しこむような鋭いローキックが俺の足をはらった。
 体勢をかんたんに崩された俺は、上段からの振り下ろしの拳を間近に見た。

 これは避けられない。
 そう思った瞬間、俺はウィリアムの鉄拳と地面に頭を挟み撃ちされていた。

 
 
 









しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした

セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。 牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。 裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...