もふもふ大好き聖女の異世のんびり生活

ファンタスティック小説家

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波乱、カレーの日

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 転生から3ヶ月が経過した。

 平日夜は森へ探検に、週末は村へモフモンに会ったり、ユウカリ博士の研究所でモフモンの勉強をする日々が続いている。

 また、通りかかったテイマーにバトルをふっかけるという戦闘狂っぷりも、日課にくわわった。

 最もテイマーがハジメ村にあまり来ないので、ユウリにとっては出くわしたらラッキー程度の感覚だった。

 今日は1ヶ月に一度のカレーの日。

 ユウリは、罰則として午前中の信仰魔法の訓練すべてをキャンセルし、料理当番を任されていた。
 ミルクプリンの一件以来、さまざまな絶品料理を孤児院に伝えてしまったがゆえの罰則内容だった。

(はあ、にしても、100人前のカレーを一人で作るなんて無理ゲーっぽくない?)

 食堂の厨房でため息をつくユウリ。
 ただ、タマネネギを刻む手は手際良い。
 
(まっ、やるからにはベストを尽くすけど)

 真面目なユウリである。

「オニャ」
「メェエ」

「ん~、お手伝いしてくれるですか~?」

 ユウリは甘々な声で、大きな鍋を運ぶコペルニクスとフランを見た。
 ふたりはよいしょ、こらしょ、と協力して重たい鍋を運び、そこに油を敷き、鍋を温める。

「オニャっ、オニャ!」
「メェエ、メェエェ…!」

 コペルニクスは『マジックパワー』で、野菜をほどよく切ったり、フランはつまみ食いをしたりして、キッチンを賑やかにしてくれた。

(尊い、無理、かわぇぇえ~……っ)

 あまりにも可愛いモフモンたちのお手伝いに、よだれを垂らす。もふもふして、健気で、ちょっといたずらで、もうマジ天使だった。

(ぁぁ、無理だよ、つらい、尊い…勘弁してよ、可愛すぎるってぇ…)

 鼻息荒く限界を迎えながらも、ユウリは頑張った。
 モフモンたちも頑張った。
 皆の強力で素材の下準備は完了だ。

 しかし、ここで問題が発生する。

「まずい、野菜がたりない!」
「オニャ!」
「メェエ!」

 実はアウラ神父、わざと野菜をきらしていた。
 来週末も脱走するユウリへの、先手をうった策略である。
 月一度のご褒美を食べれなかった聖女候補生たちは、いったいどうなるか。そう、戦争勃発だ。

 いや、そこまではいかないかもしれない。

 だが少なくとも、世論はユウリを糾弾する。自由奔放すぎるユウリも、さすれば少しは自粛して、自らの行いを改めるだろう。

 アウラ神父はそんな事を考えていた。

「教官殿はおっちょこちょいだね、まったく」
「オニャオニャ」
「メェエ」

 本人たちは策略に気づく気配はない。

(野菜…野菜…どうしよかな)

 悩んだすえに、ユウリは突破口を見つける。エプロンを脱ぎ捨て、勝手口から裏庭へ向かう。例のごとく勝手口は勝手に開いた。

(そういえば、最近ドアノブすら触ってないな)

「ありがとね、コペルニクス」
「オニャ?」

 孤児院という名のモフモンの働きは、すべてがコペルニクスの手柄として片付けられる。真のパドロンの正体にユウリが気がつくのは、もうしばらく後の話だ。

 裏庭では番犬の長がユウリに反応する。

「ガブーン!」
「ミスター・ワン! 協力してくれるの? よし、それじゃ、みんな採集カゴ持ってきてください!」
 

 ──しばらく後


 ユウリたちは森に野菜をとりに来ていた。
 夜のフィールドワークで森に入るときに、天然物の野菜が原生しているポイントを、いくつも押さえているのだ。

「たしか、この辺に……あった!」

 枝木をかきわけて、お日様が差し込んでいる泉へ到着。
 泉の近くには原生ポイントを耕して育てた、立派なジャガガイモとニンジジン、タマネネギなどが出来ている。
 
「たった1ヶ月で育つんですね。流石は異世界です」

 育たない。普通は育たない。
 30日前にユウリが植えた野菜たちが実ってるのは、土の栄養とユウリが繰り返し通って手入れをしたことで、この場所が浄化されたからに他ならない。

「アル、アルラ」
「ん、この声は…?」

 泉の奥からふわりふわりと、葉が風に揺れるようにしてゆったり凪ぐ少女が近づいて来ていた。

 新緑の肌をしていて、体のまわりには植物のツタが巻かれており、控えめな胸を隠している。緑色の美少女は、綿毛がもっふもふした花弁から咲くように、細い体を出していて、ユウリの事を見つめていた。
 
(モフモンだ!)

 記憶をさぐり、正体を当てる。

「あなたは……もふアルラウネですね!」
「アルアル♪」

 もふアルラウネは和やかなに微笑む。

 このモフモンは通常、あまり人前に姿を見せないとされている珍しいモフモンだ。見目麗しい姿から、主に男性テイマーに人気。ただし、変な事をしようとすると、容赦なくトゲで刺してくるので注意。
 
(手入れをしたから、来てくれたのかな?)

 綺麗な泉、野菜の原生、女神の加護をもつユウリの浄化のチカラもあわさって、ここは森でも最高の土地となっていた。

 ただ、そればかりではない。

 もふアルラウネはユウリに近寄る。

「アル、アール♪」
「わわっ」

 小さなユウリの脇に手を差しこみ持ちあげた。彼女はそのまま、愛おしくて仕方ないようにユウリを抱きしめた。綿毛のなかに取り込まれたユウリは幸せそうだ。

(極楽、もふもふ、ふわふわ、お花の香り、気持ちぃぃ……なにこれ、寝れるよ、まずいって……っ)

 癒されてるユウリに、もふアルラウネは満足げに笑みをうかべる。

 彼女は感謝していたのだ。
 毎晩、森にやって来ては、 モフモンたちと仲良くしてくれる彼女に。

「アルアル♪」
「ははは、良いですよ、このくらいお礼されるほどのことじゃ無いですからね」
 
 もふアルラウネはユウリを丁寧に地面におろす。

 すると、彼女は綺麗な歌声で、森の調べを奏ではじめた。

 泉のなかから、イドカゲが。
 木の上から、オチナイトリが。
 枝木の向こうから、ガブたちが。

 彼らはトカゲのモフモン、鳥のモフモン、犬のモフモンだ。
 この近くに住んでるようで、みんな各地から集めたと思われる野菜をもって来ていた。

 栄養満点、天然物の野菜である。

「わたしたちにくれるの?」
「アル、アルラウネっ、アルラ」

 アルラウネたちは、ユウリ達に森を綺麗にしてくれたお礼をしようと言うのだ。

 実はユウリ、無意識のうちに邪悪なる霊を追い払ったのだ。本人は知らないが、モフモンたちはその恩を忘れていない。

 これから先ユウリのおかけで、森はさらに元気に、美しく育っていくことだろう。
 
「はーい、それじゃ、野菜もらう前にちょっと失礼しますね…………ズズゥゥゥウ!」

 胸の前で羊印をきって、イドカゲ、オチナイトリ、ガブたちを、複数匹分丁寧にモフッていき、毛並みを吸収して、ユウリは野菜を受け取った。

 実に有意義な収穫だった。

(女神さま、恵みをありがとうございます…もふもふ…最高っ)

 もらった野菜に収穫をくわえれば、4つの採集カゴじゃ収まらないくらいの量だった。

 持てない分は、もふアルラウネたちが運ぶのを手伝ってくれた。こうしてユウリは無事に野菜を確保して、孤児院へと戻った。

「あ、そうだ。みんなせっかくだから、カレー食べていってよ!」

「アルラ、アルラ~」
「チナイ、チナチ!」
「ガブブ、ガブ!」
「カゲェ…っ」

(うん、みんな食べたそう!)

 ユウリは腕によりを掛けてカレーをつくる。
 包丁とまな板がトントンっと小気味良いリズムを刻むほどに、ユウリの「モフモン達を幸せにしたい」という気持ちが、キッチンと調理器具に魔法をかけていく。 

 いつしか、ユウリの頭のうえに魔法陣が展開され、複雑怪奇な模様が、祝福の信仰魔法をかけはじめた。
 祝福は浄化とは違い、物や、場所にそのまま加護をあたえる信仰魔法だ。

 これにより祝福包丁で切られた野菜は、旨味成分が増幅されて、輝きだす。原生野菜のすべてのポテンシャルを引き出すのだ。
 
 さらに、モフモンたちがノリノリでお手伝いをするものだから、ユウリはさらに楽しい気分になる。
 そうしてテンション上がってしまい、歌って踊って、祝福をかけまくる。

(わたし、モフモンと料理してる! みんなお手伝いしてくれてるんだっ!)

「ありがとうね、みんな!」

「オニャ~!」
「メェエエっ!」
「ガブーンガブガブ!」
「アルラ、アルラ~」
「チナイ、チナチ!」
「ガブブ、ガブ!」
「カゲェ…っ」

 やがて、大鍋いっぱいのカレーは完成する頃には、食堂は黄金の輝きに包まれていた。

(ふふ、これは上出来だね)

「みんなは先に食べちゃってね!」

 モフモンたちは黄金のカレーを美味しそう食べた。

 みんな笑顔で大満足の結果だ。
 彼らの顔を見ているだけで、ユウリは胸いっぱい満たされた気持ちになる。

 その気持ちを抱えたまま、1匹ずつ背後から失礼して、丁寧にモフッていった。

(ぐへへ、お代へ体で払ってもらうぜ!)

「ふぁあ~最高♡」

 ユウリ大歓喜。
 
──────────────────────────────────
 

 ──ユウリが祝福クッキングをしてる頃

 アウラ神父は信仰魔法の練習を監督していた。聖女候補生たちは皆、真剣な表情で詠唱をとなえ、信仰魔法を使おうとしている。

 少女たちを見て、最年長の15歳組の候補生たちの手際の良い治癒の魔法にうなずく。
 あれならば、聖女昇格試験に挑んでも問題なく成績をおさめられそうだ。

 ふと、ユウリの顔が脳裏にチラついた。

 アウラ神父はぶんぶん頭をふり、ここ数ヶ月で現れた悪童のことを忘れようとする。

(あの子には悩まされてばかり。寝てるときも夢に出てくるし、なんなんでしょうか?)

 ユウリは優秀だが、道を外れてしまいそうな危うさがある、アウラ神父は心配していた。
 別に特別に好いてるわけではない、そんなことは絶対にありえない。ないったらないんだからね。

「アウラ神父、心に乱れが見えますよ」
「っ、マハトレ高位神官様……っ」

 聖刻広間がどよめく。

「マハトレ高位神官様、ご無沙汰しております。ところで、今日はどうして、こちらに?」
「ちょうど近くに寄ったもので、皆の様子を見ておこうと思いましてね」

 アウラ神父は言葉の裏を読む。
 
(ユウリの様子を見に来たみたいですね)

 シュレック教のなかでも、ユウリが話題にあがっていることは知っている。
 
(けど、わざわざ会いに来るなんてね。ん? ぁ、そういえば、今日はあの子にカレーの当番を押しつけていたような……?)

 思い出し顔から血の気が吐く思いがした。

 たとえ罰則だとしても、カレー当番をひとりに押しつけるのは、イジメや不平等性の問題に繋がってくる。

 しかも、アウラ神父はユウリの根性を叩き直すために、わざと食材を用意しなかった罪まで犯している。うっかりだったとしても、孤児院運営の落ち度は、神父の責任だ。
 
(はぅ……っ、これが策士策に溺れるというやつなの……!)

 アウラ神父に悪意はない。

 ユウリがこれ以上罰則を重ね、聖女昇格試験の内申点が悪くなりすぎることを憂いての作戦だった。

 だが、すべては遅かった。
 
「おろおろ」
「ん、どうしました、アウラ神父」
「いえ、なんでも……おほん、マハトレ高位神官、今日はカレーの日です。料理の天才ユウリが作ってくれています。まもなく出来上がるでしょうから、ぜひとも食堂へ寄っていらしてください」
「ユウリには料理の才能まであったのですか。そうですね、すごく楽しみです。さっそく参るとしましょう」
「はい……」

 アウラ神父は責任逃れすることはせず、すべてを受け入れることにした。
 
(さよなら、私の短い神父生活)

 およよ、と心のなかで涙をながす。

 食堂にやってきた。
 急遽、信仰魔法の練習を切りあげた候補生たちは、カレーが楽しみで待ちきれないといった面持ちだ。
 
 アウラ神父は胸が締めつけられるような思いのまま、食堂の両開き扉を押し開けた。

 その瞬間。

 食堂のなかから、輝きが漏れて来た。

「うわ、まぶしい!」
「なになに、これー?!」
「黄金に、輝いてる……?」

 聖女候補生たちはキャピキャピ騒ぐ。
 アウラ神父はあの子がなんかした、と一瞬で悟る。
 マハトレは見極めんと目をスッと細めた。

「ユウリ、これは一体……?」
「皆さま、今日のカレーは会心の出来ですので、冷めないうちにお召し上がりくださいませ」

 気品モードのユウリは、ペコリと綺麗なお辞儀をして、皆に席につくよううながした。
 
 マハトレは見事な所作のユウリに、満足そうにうなずく。

「なんで光ってるのー?」

 候補生のひとりがつぶやく。
 それは誰にもわからない。
 ユウリにもわわからない。

 結局、みんな疑問に思ってるまま席についた。

「恵みを与えてくれる自然と女神に感謝を」

 簡易的な昼のお祈りが終わる。輝いているカレーたちが、スプーンで元気よく少女たちの口に運ばれていく。

 ひと口食べた瞬間、食堂は静まりかえった。
 あまりの美味しさにこの場にいる全員が、女神モフッテモがいる天界を垣間見たほどだ。羊のパジャマを着てるはずないので、幻覚だろうが。

「ぅぅぅ、おいじぃ、っ、です……っ!」
「美味しすぎて、涙がとまりまじぇん…!」

 泣き出すほど美味しいカレー。
 ピリッと辛く、それでいて深い味わい。

 野菜の旨味が極限まで引き出され、濃厚な味わいとスパイスが、温かいライスとマリアージュ。

 彼女たちは見てくれを気にする余裕なく、いっきに口のなかへカレーをかき込んだ。

 ちょうどその頃、午前の訓練を終えて来た、付き人の少女たちが、疲れた顔で食堂へやってくる。

 彼女らが来た事で、ようやくマハトレとアウラ神父は食事にありつける事となった。

 付き人たちは、自分の主人たちが、涙して、輝くカレーを食べている異様すぎる光景に、ギョッとした。だが、カレーを一口食べれば、その意味が理解出来た。

「ユウリさまぁあア?!」

 一目散に駆け出し、ユウリの身の安全を気にかけるルーナ。
 今日はユウリがひとりで料理すると聞かされ、気が気でなかったための発狂ぶりだ。
 
「ユウリさまぁあァア、ご無事ですか?!」
「ルーナ、聞こえていますよ、聞こえていますとも。怪我してないですし、恥ずかしいですから、大声出さないでくださいね」

 しっとり汗で濡れた銀髪を揺らし、ルーナは心配な顔つきで、ユウリの体に怪我がないことを確かめる。

 ひと通り見て、ルーナは安心した。

 その後は、彼女は黄金カレーを食べて、美味しさにひっくり返って気絶した。数秒して意識を取り戻すと、誰が作ったのか聞いて、ユウリが作ったと聞くと「はぅん…♡」と言ってまた気絶した。忙しい少女だ。

「この段階の祝福をあの子が……?」

 驚きを隠せないマハトレは「まあ、美味しい」と上品に口を押さえる。

「アウラ神父、感心しましたよ。まさかあの日拾った少女が、ここまで実力を伸ばして成長しているとは」
「はい、お褒めに預かり光栄です」

 アウラ神父は内心、冷や汗が止まらなかった。

 どうやって100人前の料理を短時間で終えたのか。
 どうやって素材を調達して来たのか。
 
 疑問の答えは、こっそりと森へ帰っていく野生のモフモンたちの背中にこそあるが、その事を知るのはまだ少し先の話だ。

「本当に素晴らしいです。… 10年……いいえ、100年に一度の天才。聖女でも皆が祝福を使えるわけではありません」
「祝福、高位の信仰魔法…あの子が使えたなんて…」
「アウラ神父、本当によくやってくれました」

 マハトレは知ってか知らずか、アウラ神父の手腕の優秀さをさんざん褒めちぎる。
 
 食堂の少女たちのわちゃわちゃ声のなか。
 彼女は最後に大事な話を切り出した。

「近々、中央神殿から聖女昇格試験の通達があるでしょう」
「……っ、それは、いったい誰の?」
「もちろん、ユウリのものです。前々から会議で話題はあがっていました。これほどの信仰魔法を使えるのなら、昇格は硬いでしょう。史上最年少記録の更新なので、神殿も期待しています。くれぐれも彼女のことを大事にお願いしますよ」

 アウラ神父は丁寧に胸のまえで羊印をきって、マハトレからの願いを承った。
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