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第21話 王国の騎士団長がやってきた。俺を反逆罪で捕縛するらしい
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「――開門! 直ちに開門せよ!」
俺がのんびりとジャガイモ(ミスリルポテト)の収穫をしていた昼下がり。
村の入り口にある『拒絶の城門』の外から、拡声魔法で増幅された怒号が響き渡った。
「うわ、すごい大声だな。ご近所迷惑だろ」
俺はスコップを肩に担ぎ、ため息交じりに門へと向かった。
門の傍にある詰め所(という名の豪華な休憩室)では、門番役のアイリスが険しい顔で外の様子を伺っていた。
「主様、ご足労をおかけして申し訳ありません」
「いや、いいよ。で、今度はどこのセールスマンだ?」
「セールス……ではありません。あれは、王国騎士団の中でも『汚れ仕事』を専門とする特務部隊、『断罪騎士団』です」
アイリスの声には、かつてないほどの警戒色が滲んでいた。
彼女自身、元騎士団長だ。
その彼女がここまで警戒する相手とは、なかなかのものらしい。
「彼らは、法の番人であり、同時に処刑人でもあります。反逆者や逃亡者を捕らえ、その場で裁く権限を持っています。……おそらく、狙いはジークでしょう」
なるほど。
ジークは勇者の任務を放棄し、借金を踏み倒して逃亡した身だ。
国としては、メンツにかけても捕まえたいのだろう。
「でも、ジークならもういないぞ。昨日逃げ出したからな」
「ええ。ですが、彼らがそれを素直に信じるとは思えません。それに……彼らの目的はもう一つあるはずです」
アイリスが言い淀む。
「もう一つ?」
「『聖剣』の回収です。ジークが持ち出した国宝級の武具……それらが『ここにある』と判断されれば、私たちも同罪とみなされます」
ああ、あのハサミのことか。
昨日の喧嘩で粉々になっちゃったけど。
「まあ、とりあえず話してみるよ。隠すことなんて何もないしな」
俺は気楽に構えて、城門の操作盤(石板に『開』と書いただけのスイッチ)に手を触れた。
ズズズズズ……ッ。
重厚な地響きと共に、巨大な門が左右に開いていく。
◇
門が開いた先。
そこには、全身を漆黒のフルプレートメイルで固め、血のような赤いマントを羽織った集団が整列していた。
総勢五十名。
全員が殺気を隠そうともせず、手には抜き身の剣や槍を持っている。
その先頭に、一際豪奢な黒鎧を纏った大柄な男が、馬に跨ってこちらを見下ろしていた。
ガレス・ヴォルフォード。
『断罪騎士団』の団長であり、『首狩りガレス』の異名を持つ男だ。
「……貴様が、この『自治区』の代表か?」
ガレスは兜越しに、低い声で俺を威圧した。
その視線は、俺の持っているスコップと、泥だらけの長靴に向けられ、明らかに侮蔑の色を浮かべていた。
「はい、ノエルです。今はちょっとジャガイモ掘りで忙しいんですけど」
「農夫……だと? フン、グランツ宰相も焼きが回ったか。こんな小僧に騙されて『自治区』などと……」
ガレスは鼻で笑うと、馬の上から大声で告げた。
「我々は、逃亡した勇者ジークの身柄確保、及び、彼が不当に所持している国宝『聖剣エクスカリバー』の回収に来た! 情報によれば、奴はこの村に逃げ込んだはずだ。直ちに引き渡せ!」
やっぱりジークのことか。
あいつ、本当に最後まで迷惑な奴だな。
「ジークならいませんよ。ここでちょっと働いてましたけど、仕事が辛かったみたいで、昨日の夜に逃げ出しました」
俺は正直に答えた。
だが、ガレスの目は笑っていなかった。
「逃げた? ほう……。我々の包囲網を抜けてか? ありえんな」
「いや、本当にいないんですって。探してもいいですけど」
「黙れ!」
ガレスが一喝した。
その声だけで、周囲の空気がビリビリと震える。
物理的な衝撃波を伴う『威圧(プレッシャー)』だ。
普通の人間なら、これだけで失神するか、恐怖で動けなくなるレベルだろう。
だが、俺にとっては「ちょっと大きな声」でしかなかった。
「あの、耳がキーンとするんで、もうちょっと小さい声で喋ってもらえます?」
俺が耳をほじりながら言うと、ガレスがピクリと反応した。
「……貴様、何者だ? 我が威圧を受けて平然としているとは」
「農家です」
「ふざけるな! ……まあいい。ジークがいないなら、もう一つの用件だ。『聖剣』を返してもらおうか」
ガレスが手を差し出す。
「ジークが持ち出した聖剣。あれは国の所有物だ。奴がいないなら、奴を匿っていた貴様が管理しているはずだ」
聖剣。
昨日の夜、ジークが「神剣だ!」とか言って振り回していた、俺の『高枝切りバサミ(改)』のことだろうか。
それとも、アイリスが持っている本物の聖剣のことか?
いや、ジークが持っていたのは、国から支給された『量産型聖剣(レプリカ)』のはずだ。
「ああ、剣ですか。えーと……」
俺は頭をかいた。
「壊れちゃいました」
「は?」
「ジークが暴れて振り回すもんだから、危なくて。ちょっと指で弾いたら、粉々になっちゃって。あ、破片なら肥料置き場に捨ててありますけど、要ります?」
俺の言葉に、その場が静まり返った。
騎士たちが顔を見合わせ、そして一斉に爆笑した。
「ハハハハ! 聞いたか? 聖剣を指で弾いて壊しただと!」
「農夫の妄想もここまでくると傑作だな!」
「肥料置き場に捨てた? 国宝をゴミ扱いか!」
ガレスも肩を震わせて笑っていた。
だが、その笑いはすぐに冷酷なものへと変わった。
「……貴様、我々を愚弄する気か」
チャキッ。
ガレスが腰の剣を抜いた。
漆黒の刀身を持つ、禍々しい大剣だ。
『断罪の魔剣』。
斬った相手の魂すら断ち切ると言われる、Aランクの魔道具である。
「国宝の隠匿、虚偽の申告、そして騎士団への侮辱……。これらは全て『国家反逆罪』に相当する」
ガレスが剣先を俺に向けた。
「よって、貴様をこの場で処刑する。この村も、反逆者の巣窟として焼き払う。……総員、構え!」
「ハッ!」
五十人の騎士が一斉に戦闘態勢に入る。
彼らの殺気が、村へと向けられる。
「……はぁ」
俺は深くため息をついた。
せっかくの昼休みが台無しだ。
それに、「焼き払う」という言葉。
これは俺にとって、最も許しがたいNGワードだった。
「あのさぁ」
俺はスコップを地面に突き刺した。
「焼くとか、壊すとか、簡単に言わないでくれないかな。畑の野菜が怖がるだろ」
俺が一歩前に出ると、アイリスがスッと俺の前に立った。
「主様、ここは私が」
「いや、いいよアイリス。元同僚と戦うのは気が引けるだろ?」
「しかし……!」
「それに、彼らは『害虫』じゃない。ただの『わからず屋』だ。ちょっと頭を冷やしてやるだけでいい」
俺はアイリスの肩をポンと叩いて下がらせた。
そして、ガレスに向き直った。
「おい、農夫。女の後ろに隠れるかと思えば、随分と威勢がいいな」
「隠れてないよ。ただ、あんたたちの装備、ちょっと手入れが行き届いてないなと思って」
俺はガレスの鎧を見た。
一見すると立派な黒鎧だが、よく見ると関節部分に金属疲労による微細な亀裂が入っている。
魔剣もそうだ。
血を吸いすぎて、刃の魔力回路が詰まっている。
「道具を大切にしない奴に、いい仕事はできない」。
これは俺の持論だ。
「なんだと? 我が装備にケチをつけるか」
「ああ。危ないから、ちょっと『手入れ(分解)』してやるよ」
俺は素手で、ゆっくりと歩き出した。
「死ねェッ!」
ガレスの号令と共に、騎士たちが一斉に襲いかかってきた。
四方八方から突き出される槍、振り下ろされる剣。
訓練された完璧な連携攻撃だ。
逃げ場はない。
だが、俺にはそれらが、畑に生い茂る「トゲトゲした雑草」にしか見えなかった。
「邪魔だ」
俺は一番手近な騎士の槍を掴んだ。
槍の穂先を握りしめ、そのまま軽く振るう。
「へっ?」
騎士が間抜けな声を上げた瞬間、彼の槍が飴細工のようにぐにゃりと曲がった。
それだけではない。
俺が触れた部分から、金属の分子結合が解かれ、槍全体がバラバラの鉄片となって崩れ落ちたのだ。
「な、なんだ!?」
「槍が……砂になった!?」
驚く騎士たちをよそに、俺は次々と「手入れ」を行った。
振り下ろされた剣の側面をデコピンで弾く。
パキンッ!
剣は粉々に砕け散る。
突き出された盾を、平手で叩く。
ボゴォッ!
盾はひしゃげ、装備していた騎士ごと後方に吹き飛ぶ。
「な、なんなんだコイツは……!」
「攻撃が通じない! いや、武器が勝手に壊れる!」
騎士たちはパニックに陥った。
俺は攻撃していない。
ただ、彼らの武器を「危ないもの(不要な枝)」として認識し、剪定しているだけだ。
スキル『草むしり』――応用・『武装解除(ディスアーム)』。
数分後。
五十人の騎士たちは、全員が武器を失い、呆然と立ち尽くしていた。
地面には、かつて剣や槍だった鉄屑の山ができている。
「ば、バカな……。断罪騎士団が、手も足も出ずに……」
ガレスは馬の上で震えていた。
信じられない光景。
魔法を使った形跡もない。
ただの農夫が、歩きながら触れただけで、精鋭たちの武装を無力化したのだ。
「次はあんただ」
俺はガレスを見上げた。
「ひッ……!」
「その鎧、重そうだな。肩凝るだろ? 脱がせてやるよ」
俺は地面を蹴った。
一瞬で距離を詰め、馬上のガレスの目の前に躍り出る。
「く、来るな! この魔剣の錆にしてくれる!」
ガレスは錯乱し、魔剣を振り下ろした。
黒い瘴気を纏った必殺の一撃。
だが、今の俺には「腐った枝」にしか見えない。
「サビてるのは、お前の剣の方だ」
俺は振り下ろされた魔剣の刃を、左手でガシッと受け止めた。
斬れない。
俺の『皮手袋(アースドラゴン製)』は、Aランクの魔剣ごときでは傷つかない。
「つ、掴んだ……!?」
「さあ、脱皮の時間だ」
俺は掴んだ剣ごと、ガレスを馬から引きずり下ろした。
そして、彼の胸甲に右手を当てる。
イメージするのは『皮むき』。
硬い殻に覆われた木の実(ガレス)から、不要な殻(鎧)を綺麗に剥く。
スキル発動、『草むしり』――応用・『殻割り(アーマーブレイク)』。
カッ!
俺の手のひらから衝撃波が走った。
バキバキバキバキィィィッ!!!
ガレスの全身を覆っていた漆黒のフルプレートメイルが、一瞬にして弾け飛んだ。
兜も、籠手も、具足も。
すべての留め具が同時に外れ、金属パーツが四散する。
「あ……れ……?」
土煙が晴れた後。
そこにいたのは、下着一枚の姿でへたり込む、おっさん(ガレス)だった。
手には、折れて短剣のようになった魔剣の残骸だけが握られている。
「わ、私の最強装備が……一撃で……?」
ガレスは涙目になっていた。
自慢の装備も、部下も、プライドも。
すべてが剥ぎ取られた。
目の前に立つ農夫は、泥一つついていない涼しい顔で見下ろしている。
「あー、すっきりした」
俺はパンパンと手を払った。
「どうだ? 体、軽くなっただろ?」
「ひ、ひぃぃぃぃッ!」
ガレスは悲鳴を上げて後ずさった。
戦意喪失。
完全に心が折れたようだ。
「……主様、お見事です」
いつの間にか、アイリスが後ろに立っていた。
彼女は呆れたように、下着姿の元同僚たちを見渡している。
「さて、ガレス殿。そして騎士諸君」
アイリスは冷徹な声で告げた。
「貴公らは、この『自治区』に対し、不当な武力行使を行った。本来なら極刑に値するが……主様の慈悲に感謝しろ」
「ア、アイリス……団長……」
「私の名はただのアイリスだ。……さあ、失せろ! 二度とこの地に足を踏み入れるな!」
「は、はいぃぃぃッ!」
ガレスと五十人の騎士たちは、脱兎のごとく逃げ出した。
武器も鎧も捨て、下着姿で森の中へと消えていく。
その背中は、先日逃げ出したジークと重なって見えた。
「……やれやれ。これで静かになるかな」
俺は落ちていた鉄屑を拾い集めた。
これ、溶かせば新しい農具の材料になるな。
リサイクル、リサイクル。
「主様、彼らが置いていった馬はどうしますか?」
「お、馬か。耕作に使えそうだな。花子(牛)たちと仲良くできるかな」
俺たちが戦利品(馬と鉄屑)の整理をしていると、不意に地面が大きく揺れた。
ズズズズズズ……ッ!
「ん? 地震か?」
いや、違う。
揺れは地下深くから響いてきている。
そして、今までにないほどの、強大で古臭い魔力の波動が、足元から突き上げてきた。
「こ、これは……!」
アイリスが顔色を変える。
家の中から、ヴァニアとティターニア、セラフィナも飛び出してきた。
「主様! 大変です!」
「地下のマナ・ラインが暴走していますわ!」
「封印が……何者かによって封印が解かれようとしています!」
「封印?」
俺は首を傾げた。
この村の地下に、何か埋まっているのか?
その時、逃げ帰ったはずのガレスたちの悲鳴が、遠くから聞こえてきた。
「ぎゃあああああッ! 地面が! 地面が割れるッ!」
「蔦だ! 巨大な植物がッ!」
森の向こう側で、巨大な黒い影が鎌首をもたげるのが見えた。
それは木でもなく、草でもない。
天を突くほど巨大な、禍々しい『花』のつぼみだった。
「あれは……まさか、『厄災の黒竜』が封印されていたという、『星喰らいの魔花(プラネット・イーター)』!?」
ティターニアが絶叫する。
どうやら、俺たちが騎士団とドタバタしている間に、逃げたジークか、あるいは別の誰かが、森の奥深くにある『やってはいけないスイッチ』を押してしまったらしい。
「あーあ。せっかくジャガイモ掘り終わったのに」
俺はため息をついた。
どうやら、今日の午後は『超大型雑草』の草むしりになりそうだ。
「みんな、準備はいいか? ちょっとデカいけど、抜くぞ」
「「「はいっ、主様!」」」
俺たちは新たな、そして過去最大級の『農作業』に向かうため、スコップを握り直した。
◇
一方、その頃。
地下遺跡の奥深く。
一人の男が、不気味に脈動する巨大な根の前に立っていた。
ジークだ。
彼は、村から逃げ出した後、偶然見つけた遺跡の入り口に迷い込んでいたのだ。
そして、そこで囁く声を聞いた。
『力が……欲しいか……?』
「欲しい……! ノエルを殺せる力が!」
ジークは迷わず、封印の石碑を破壊した。
彼の手には、まだあの時の感触が残っていた。
世界を滅ぼすほどの力が解き放たれる感触が。
「ハハハ……! 見ろノエル! これが俺の切り札だ! この『黒竜』……いや、この化け物植物を使って、村ごと貴様を飲み込んでやる!」
ジークは狂ったように笑った。
だが彼は気づいていなかった。
復活した『星喰らいの魔花』が、最初の養分として、封印を解いた愚か者(ジーク)を狙っていることに。
シュルルッ……。
背後から、無数の触手がジークに迫っていた。
続く
俺がのんびりとジャガイモ(ミスリルポテト)の収穫をしていた昼下がり。
村の入り口にある『拒絶の城門』の外から、拡声魔法で増幅された怒号が響き渡った。
「うわ、すごい大声だな。ご近所迷惑だろ」
俺はスコップを肩に担ぎ、ため息交じりに門へと向かった。
門の傍にある詰め所(という名の豪華な休憩室)では、門番役のアイリスが険しい顔で外の様子を伺っていた。
「主様、ご足労をおかけして申し訳ありません」
「いや、いいよ。で、今度はどこのセールスマンだ?」
「セールス……ではありません。あれは、王国騎士団の中でも『汚れ仕事』を専門とする特務部隊、『断罪騎士団』です」
アイリスの声には、かつてないほどの警戒色が滲んでいた。
彼女自身、元騎士団長だ。
その彼女がここまで警戒する相手とは、なかなかのものらしい。
「彼らは、法の番人であり、同時に処刑人でもあります。反逆者や逃亡者を捕らえ、その場で裁く権限を持っています。……おそらく、狙いはジークでしょう」
なるほど。
ジークは勇者の任務を放棄し、借金を踏み倒して逃亡した身だ。
国としては、メンツにかけても捕まえたいのだろう。
「でも、ジークならもういないぞ。昨日逃げ出したからな」
「ええ。ですが、彼らがそれを素直に信じるとは思えません。それに……彼らの目的はもう一つあるはずです」
アイリスが言い淀む。
「もう一つ?」
「『聖剣』の回収です。ジークが持ち出した国宝級の武具……それらが『ここにある』と判断されれば、私たちも同罪とみなされます」
ああ、あのハサミのことか。
昨日の喧嘩で粉々になっちゃったけど。
「まあ、とりあえず話してみるよ。隠すことなんて何もないしな」
俺は気楽に構えて、城門の操作盤(石板に『開』と書いただけのスイッチ)に手を触れた。
ズズズズズ……ッ。
重厚な地響きと共に、巨大な門が左右に開いていく。
◇
門が開いた先。
そこには、全身を漆黒のフルプレートメイルで固め、血のような赤いマントを羽織った集団が整列していた。
総勢五十名。
全員が殺気を隠そうともせず、手には抜き身の剣や槍を持っている。
その先頭に、一際豪奢な黒鎧を纏った大柄な男が、馬に跨ってこちらを見下ろしていた。
ガレス・ヴォルフォード。
『断罪騎士団』の団長であり、『首狩りガレス』の異名を持つ男だ。
「……貴様が、この『自治区』の代表か?」
ガレスは兜越しに、低い声で俺を威圧した。
その視線は、俺の持っているスコップと、泥だらけの長靴に向けられ、明らかに侮蔑の色を浮かべていた。
「はい、ノエルです。今はちょっとジャガイモ掘りで忙しいんですけど」
「農夫……だと? フン、グランツ宰相も焼きが回ったか。こんな小僧に騙されて『自治区』などと……」
ガレスは鼻で笑うと、馬の上から大声で告げた。
「我々は、逃亡した勇者ジークの身柄確保、及び、彼が不当に所持している国宝『聖剣エクスカリバー』の回収に来た! 情報によれば、奴はこの村に逃げ込んだはずだ。直ちに引き渡せ!」
やっぱりジークのことか。
あいつ、本当に最後まで迷惑な奴だな。
「ジークならいませんよ。ここでちょっと働いてましたけど、仕事が辛かったみたいで、昨日の夜に逃げ出しました」
俺は正直に答えた。
だが、ガレスの目は笑っていなかった。
「逃げた? ほう……。我々の包囲網を抜けてか? ありえんな」
「いや、本当にいないんですって。探してもいいですけど」
「黙れ!」
ガレスが一喝した。
その声だけで、周囲の空気がビリビリと震える。
物理的な衝撃波を伴う『威圧(プレッシャー)』だ。
普通の人間なら、これだけで失神するか、恐怖で動けなくなるレベルだろう。
だが、俺にとっては「ちょっと大きな声」でしかなかった。
「あの、耳がキーンとするんで、もうちょっと小さい声で喋ってもらえます?」
俺が耳をほじりながら言うと、ガレスがピクリと反応した。
「……貴様、何者だ? 我が威圧を受けて平然としているとは」
「農家です」
「ふざけるな! ……まあいい。ジークがいないなら、もう一つの用件だ。『聖剣』を返してもらおうか」
ガレスが手を差し出す。
「ジークが持ち出した聖剣。あれは国の所有物だ。奴がいないなら、奴を匿っていた貴様が管理しているはずだ」
聖剣。
昨日の夜、ジークが「神剣だ!」とか言って振り回していた、俺の『高枝切りバサミ(改)』のことだろうか。
それとも、アイリスが持っている本物の聖剣のことか?
いや、ジークが持っていたのは、国から支給された『量産型聖剣(レプリカ)』のはずだ。
「ああ、剣ですか。えーと……」
俺は頭をかいた。
「壊れちゃいました」
「は?」
「ジークが暴れて振り回すもんだから、危なくて。ちょっと指で弾いたら、粉々になっちゃって。あ、破片なら肥料置き場に捨ててありますけど、要ります?」
俺の言葉に、その場が静まり返った。
騎士たちが顔を見合わせ、そして一斉に爆笑した。
「ハハハハ! 聞いたか? 聖剣を指で弾いて壊しただと!」
「農夫の妄想もここまでくると傑作だな!」
「肥料置き場に捨てた? 国宝をゴミ扱いか!」
ガレスも肩を震わせて笑っていた。
だが、その笑いはすぐに冷酷なものへと変わった。
「……貴様、我々を愚弄する気か」
チャキッ。
ガレスが腰の剣を抜いた。
漆黒の刀身を持つ、禍々しい大剣だ。
『断罪の魔剣』。
斬った相手の魂すら断ち切ると言われる、Aランクの魔道具である。
「国宝の隠匿、虚偽の申告、そして騎士団への侮辱……。これらは全て『国家反逆罪』に相当する」
ガレスが剣先を俺に向けた。
「よって、貴様をこの場で処刑する。この村も、反逆者の巣窟として焼き払う。……総員、構え!」
「ハッ!」
五十人の騎士が一斉に戦闘態勢に入る。
彼らの殺気が、村へと向けられる。
「……はぁ」
俺は深くため息をついた。
せっかくの昼休みが台無しだ。
それに、「焼き払う」という言葉。
これは俺にとって、最も許しがたいNGワードだった。
「あのさぁ」
俺はスコップを地面に突き刺した。
「焼くとか、壊すとか、簡単に言わないでくれないかな。畑の野菜が怖がるだろ」
俺が一歩前に出ると、アイリスがスッと俺の前に立った。
「主様、ここは私が」
「いや、いいよアイリス。元同僚と戦うのは気が引けるだろ?」
「しかし……!」
「それに、彼らは『害虫』じゃない。ただの『わからず屋』だ。ちょっと頭を冷やしてやるだけでいい」
俺はアイリスの肩をポンと叩いて下がらせた。
そして、ガレスに向き直った。
「おい、農夫。女の後ろに隠れるかと思えば、随分と威勢がいいな」
「隠れてないよ。ただ、あんたたちの装備、ちょっと手入れが行き届いてないなと思って」
俺はガレスの鎧を見た。
一見すると立派な黒鎧だが、よく見ると関節部分に金属疲労による微細な亀裂が入っている。
魔剣もそうだ。
血を吸いすぎて、刃の魔力回路が詰まっている。
「道具を大切にしない奴に、いい仕事はできない」。
これは俺の持論だ。
「なんだと? 我が装備にケチをつけるか」
「ああ。危ないから、ちょっと『手入れ(分解)』してやるよ」
俺は素手で、ゆっくりと歩き出した。
「死ねェッ!」
ガレスの号令と共に、騎士たちが一斉に襲いかかってきた。
四方八方から突き出される槍、振り下ろされる剣。
訓練された完璧な連携攻撃だ。
逃げ場はない。
だが、俺にはそれらが、畑に生い茂る「トゲトゲした雑草」にしか見えなかった。
「邪魔だ」
俺は一番手近な騎士の槍を掴んだ。
槍の穂先を握りしめ、そのまま軽く振るう。
「へっ?」
騎士が間抜けな声を上げた瞬間、彼の槍が飴細工のようにぐにゃりと曲がった。
それだけではない。
俺が触れた部分から、金属の分子結合が解かれ、槍全体がバラバラの鉄片となって崩れ落ちたのだ。
「な、なんだ!?」
「槍が……砂になった!?」
驚く騎士たちをよそに、俺は次々と「手入れ」を行った。
振り下ろされた剣の側面をデコピンで弾く。
パキンッ!
剣は粉々に砕け散る。
突き出された盾を、平手で叩く。
ボゴォッ!
盾はひしゃげ、装備していた騎士ごと後方に吹き飛ぶ。
「な、なんなんだコイツは……!」
「攻撃が通じない! いや、武器が勝手に壊れる!」
騎士たちはパニックに陥った。
俺は攻撃していない。
ただ、彼らの武器を「危ないもの(不要な枝)」として認識し、剪定しているだけだ。
スキル『草むしり』――応用・『武装解除(ディスアーム)』。
数分後。
五十人の騎士たちは、全員が武器を失い、呆然と立ち尽くしていた。
地面には、かつて剣や槍だった鉄屑の山ができている。
「ば、バカな……。断罪騎士団が、手も足も出ずに……」
ガレスは馬の上で震えていた。
信じられない光景。
魔法を使った形跡もない。
ただの農夫が、歩きながら触れただけで、精鋭たちの武装を無力化したのだ。
「次はあんただ」
俺はガレスを見上げた。
「ひッ……!」
「その鎧、重そうだな。肩凝るだろ? 脱がせてやるよ」
俺は地面を蹴った。
一瞬で距離を詰め、馬上のガレスの目の前に躍り出る。
「く、来るな! この魔剣の錆にしてくれる!」
ガレスは錯乱し、魔剣を振り下ろした。
黒い瘴気を纏った必殺の一撃。
だが、今の俺には「腐った枝」にしか見えない。
「サビてるのは、お前の剣の方だ」
俺は振り下ろされた魔剣の刃を、左手でガシッと受け止めた。
斬れない。
俺の『皮手袋(アースドラゴン製)』は、Aランクの魔剣ごときでは傷つかない。
「つ、掴んだ……!?」
「さあ、脱皮の時間だ」
俺は掴んだ剣ごと、ガレスを馬から引きずり下ろした。
そして、彼の胸甲に右手を当てる。
イメージするのは『皮むき』。
硬い殻に覆われた木の実(ガレス)から、不要な殻(鎧)を綺麗に剥く。
スキル発動、『草むしり』――応用・『殻割り(アーマーブレイク)』。
カッ!
俺の手のひらから衝撃波が走った。
バキバキバキバキィィィッ!!!
ガレスの全身を覆っていた漆黒のフルプレートメイルが、一瞬にして弾け飛んだ。
兜も、籠手も、具足も。
すべての留め具が同時に外れ、金属パーツが四散する。
「あ……れ……?」
土煙が晴れた後。
そこにいたのは、下着一枚の姿でへたり込む、おっさん(ガレス)だった。
手には、折れて短剣のようになった魔剣の残骸だけが握られている。
「わ、私の最強装備が……一撃で……?」
ガレスは涙目になっていた。
自慢の装備も、部下も、プライドも。
すべてが剥ぎ取られた。
目の前に立つ農夫は、泥一つついていない涼しい顔で見下ろしている。
「あー、すっきりした」
俺はパンパンと手を払った。
「どうだ? 体、軽くなっただろ?」
「ひ、ひぃぃぃぃッ!」
ガレスは悲鳴を上げて後ずさった。
戦意喪失。
完全に心が折れたようだ。
「……主様、お見事です」
いつの間にか、アイリスが後ろに立っていた。
彼女は呆れたように、下着姿の元同僚たちを見渡している。
「さて、ガレス殿。そして騎士諸君」
アイリスは冷徹な声で告げた。
「貴公らは、この『自治区』に対し、不当な武力行使を行った。本来なら極刑に値するが……主様の慈悲に感謝しろ」
「ア、アイリス……団長……」
「私の名はただのアイリスだ。……さあ、失せろ! 二度とこの地に足を踏み入れるな!」
「は、はいぃぃぃッ!」
ガレスと五十人の騎士たちは、脱兎のごとく逃げ出した。
武器も鎧も捨て、下着姿で森の中へと消えていく。
その背中は、先日逃げ出したジークと重なって見えた。
「……やれやれ。これで静かになるかな」
俺は落ちていた鉄屑を拾い集めた。
これ、溶かせば新しい農具の材料になるな。
リサイクル、リサイクル。
「主様、彼らが置いていった馬はどうしますか?」
「お、馬か。耕作に使えそうだな。花子(牛)たちと仲良くできるかな」
俺たちが戦利品(馬と鉄屑)の整理をしていると、不意に地面が大きく揺れた。
ズズズズズズ……ッ!
「ん? 地震か?」
いや、違う。
揺れは地下深くから響いてきている。
そして、今までにないほどの、強大で古臭い魔力の波動が、足元から突き上げてきた。
「こ、これは……!」
アイリスが顔色を変える。
家の中から、ヴァニアとティターニア、セラフィナも飛び出してきた。
「主様! 大変です!」
「地下のマナ・ラインが暴走していますわ!」
「封印が……何者かによって封印が解かれようとしています!」
「封印?」
俺は首を傾げた。
この村の地下に、何か埋まっているのか?
その時、逃げ帰ったはずのガレスたちの悲鳴が、遠くから聞こえてきた。
「ぎゃあああああッ! 地面が! 地面が割れるッ!」
「蔦だ! 巨大な植物がッ!」
森の向こう側で、巨大な黒い影が鎌首をもたげるのが見えた。
それは木でもなく、草でもない。
天を突くほど巨大な、禍々しい『花』のつぼみだった。
「あれは……まさか、『厄災の黒竜』が封印されていたという、『星喰らいの魔花(プラネット・イーター)』!?」
ティターニアが絶叫する。
どうやら、俺たちが騎士団とドタバタしている間に、逃げたジークか、あるいは別の誰かが、森の奥深くにある『やってはいけないスイッチ』を押してしまったらしい。
「あーあ。せっかくジャガイモ掘り終わったのに」
俺はため息をついた。
どうやら、今日の午後は『超大型雑草』の草むしりになりそうだ。
「みんな、準備はいいか? ちょっとデカいけど、抜くぞ」
「「「はいっ、主様!」」」
俺たちは新たな、そして過去最大級の『農作業』に向かうため、スコップを握り直した。
◇
一方、その頃。
地下遺跡の奥深く。
一人の男が、不気味に脈動する巨大な根の前に立っていた。
ジークだ。
彼は、村から逃げ出した後、偶然見つけた遺跡の入り口に迷い込んでいたのだ。
そして、そこで囁く声を聞いた。
『力が……欲しいか……?』
「欲しい……! ノエルを殺せる力が!」
ジークは迷わず、封印の石碑を破壊した。
彼の手には、まだあの時の感触が残っていた。
世界を滅ぼすほどの力が解き放たれる感触が。
「ハハハ……! 見ろノエル! これが俺の切り札だ! この『黒竜』……いや、この化け物植物を使って、村ごと貴様を飲み込んでやる!」
ジークは狂ったように笑った。
だが彼は気づいていなかった。
復活した『星喰らいの魔花』が、最初の養分として、封印を解いた愚か者(ジーク)を狙っていることに。
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背後から、無数の触手がジークに迫っていた。
続く
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