敵を9割弱体化させていた呪術師、追放される。勇者が雑魚敵に負ける中、俺は即死チートで無双する~戻れと言われても、魔王の娘と幸せなので~

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第6話 新スキル『即死付与』。Sランク魔物が視線だけで死んでいく

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「ここが王城の庭園か。ふふっ、悪くない眺めだ」

王城の裏庭にある、白大理石で作られたガゼボ(西洋風の東屋)。
そこで俺とセリスは、王家専属のメイドたちが淹れた最高級の紅茶を楽しんでいた。
テーブルには色とりどりの焼き菓子が並び、心地よい風が花の香りを運んでくる。

「クロウ様、お茶のおかわりはいかがですか?」
「セリス様、こちらのクッキーは新作でございます」

メイドたちが恭しくかしずく。
昨日まで森で野宿し、乾いたパンをかじっていたのが嘘のような待遇だ。

「うむ、苦しゅうない。……ん、クロウよ、あーんしてやろうか?」

セリスがクッキーを指で摘まみ、いたずらっぽく俺の口元に差し出してくる。

「自分で食える」

「照れるな。ほら、あーん」

俺が苦笑しながら口を開けようとした、その時だった。

「……おい、クロウ! なんだそのふざけた格好は!」

庭園の入り口から、耳障りな怒鳴り声が聞こえてきた。
雰囲気ぶち壊しだ。
視線を向けると、衛兵たちに囲まれながら、勇者カイルたちがこちらへ歩いてくるところだった。

「ふざけた格好、とは心外だな。これは陛下から賜った『名誉宮廷魔導師』のローブだぞ?」

俺は立ち上がりもせず、ティーカップを持ったまま彼らを見やった。
俺が着ているのは、金糸の刺繍が施された深紅のローブ。
対するカイルたちは、相変わらず泥と煤で汚れた鎧を着たままだ。
その対比はあまりにも残酷で、まるで貴族とスラムの住人が向かい合っているようだった。

「め、名誉宮廷魔導師……だと!?」

カイルが目を剥いて絶句した。
後ろにいるアリシアやリナも、信じられないものを見る目で俺の衣装を見つめている。
この国で数人しか持っていない、最高位の魔術師の証。
それを、つい昨日追放した「荷物持ち」が身につけているのだ。

「う、嘘よ……なんであんたがそんな……」
「俺たちだって、まだ王城に招かれたことすらないのに……」

リナとガンツが悔しげに呻く。

「で、用件はなんだ? 見ての通り、俺は忙しいんだが」

俺が冷たく言い放つと、カイルは顔を赤くして一歩踏み出した。

「ふ、ふざけるな! 調子に乗るのもいい加減にしろよクロウ! お前、俺たちを差し置いて自分だけ甘い汁を吸おうってのか!? その地位も金も、本来はリーダーである俺のものだ!」

「……頭、大丈夫か? ゴブリンに殴られておかしくなったんじゃないか?」

「黙れ! ボガードから聞いたぞ。お前、何か汚い手を使ってロックガーディアンを倒したフリをして、ギルドを騙したそうだな? 王城に入り込めたのも、その女を使って陛下をたぶらかしたんだろ!」

カイルがセリスを指差す。
その瞬間、周囲の空気がピリリと凍りついた。
セリスが優雅に紅茶を啜りながら、カイルをゴミを見るような目で見下ろしたからだ。

「……クロウよ。この虫けらは、学習というものを知らぬらしいな。一度殺して、脳みそを作り直してやった方が世のためではないか?」

「同意するが、城の庭を汚すと掃除が大変だ。衛兵さん、つまみ出してくれ」

俺が合図すると、周囲で控えていた衛兵たちが槍を構えてカイルたちに迫った。

「お引き取りください、カイル殿。これ以上騒ぐなら、不敬罪として処罰します」

「くっ、放せ! 俺は勇者だぞ! この国の希望だぞ! なんで俺がこんな扱いを受けなきゃならないんだ!」

カイルが喚き散らす。
あまりにも見苦しい。かつての輝かしい勇者の面影はどこにもなかった。
ただの、プライドだけが高い子供だ。

その時だった。

ドオオオオオオオオオオオンッ!!

突如、城の上空で爆発音が響き渡った。
庭園の空気がビリビリと震える。

「な、なんだ!?」

カイルたちが驚いて空を見上げる。
城の塔の一つ、先ほどまで俺たちがいた『王女の寝室』がある塔の付近に、黒い空間の裂け目が生じていた。

「ゲート……!? 魔族の転移門か!?」

衛兵たちが叫ぶ。
裂け目から、どす黒い魔力が溢れ出し、それが凝縮して巨大な怪物の姿を形作った。

翼長十メートルはあろうかという、巨大な石像の悪魔。
Sランク魔物『ガーゴイルロード』だ。
しかも一体ではない。三体、いや五体。
さらに、その周囲には無数の小型ガーゴイルが群がっている。

「キシャアアアアアアッ!!」

ガーゴイルロードが耳をつんざく咆哮を上げ、急降下を開始した。
狙いは明確。この庭園だ。
いや、正確には俺か、あるいは王女の呪いを解いたことへの報復か。

「ひッ……!? Sランク!? なんで王都のど真ん中に!?」

カイルが腰を抜かした。
昨日のゴブリンや狼とはわけが違う。
本物の、災害級の魔物だ。
今のボロボロの彼らに勝ち目など万に一つもない。

「逃げろ! 殺されるぞ!」

ガンツが盾を捨てて走り出そうとする。
だが、ガーゴイルロードの一体が驚異的な速度で降下し、庭園の出口を塞ぐように着地した。

ズズゥゥンッ!!

地面が揺れ、土煙が舞う。
圧倒的な威圧感がカイルたちを襲う。

「あ……あ……」

アリシアが絶望の声を漏らす。
目の前には、鋼鉄すら引き裂く鉤爪を持った死神がいる。

「衛兵! 陛下をお守りしろ! 一般人は避難だ!」

ガレイン騎士団長が駆けつけてくるが、敵の数が多すぎる。
上空からは小型ガーゴイルが矢のように降り注ぎ、騎士たちを襲撃し始めていた。

「くそっ、結界はどうなってるんだ!?」

混乱する戦場。
その中で、俺はゆっくりと立ち上がった。

「セリス、下がっててくれ。ドレスが汚れる」

「ふむ。手伝ってやろうかと思ったが……まあよい。お主の新しい力の見せ所だな」

セリスは余裕の笑みを浮かべ、再び椅子に座った。

俺はガーゴイルロードの前に進み出た。
カイルたちが震えながら俺を見る。

「お、おいクロウ! 何やってんだ! 死ぬぞ!?」

「逃げるなら今のうちだぞ、カイル。……ああ、もう遅いか」

ガーゴイルロードが俺を標的と認識した。
石の巨体が唸りを上げ、巨大な爪を振り上げる。
その速度は、音速に近い。
普通の人間なら、反応する前に肉塊に変えられているだろう。

だが、今の俺には「視えて」いる。
敵の動きも、魔力の流れも、そしてその存在を構成する情報のすべてが。

俺は右手を軽く掲げた。

「検証(テスト)開始だ」

スキル発動、『状態編集』。
対象:視界内の敵対存在全て。
付与効果:【即死(デス)】

俺の目が、禍々しい紫色に輝いた。

カッッッ!!!!

俺を中心にして、目に見えない死の波動が扇状に広がった。
魔法のような派手な光線ではない。
ただ、俺が「視た」範囲にある命の灯火を、強制的に吹き消すだけの現象。

ガーゴイルロードの爪が、俺の鼻先数センチで止まった。

「……?」

カイルたちが呆然とする中、巨体がピクリとも動かなくなる。
そして次の瞬間。

ボロボロボロボロ……ッ!

巨大な石像の体が、まるで風化した砂の城のように崩れ落ちた。
物理的な破壊ではない。
『存在そのものの死』を与えられたことで、魔力による結合を維持できなくなり、塵へと還ったのだ。

一体だけではない。
空を飛んでいた残りの四体のガーゴイルロードも、群がっていた数十体の小型ガーゴイルも。
俺の視界に入っていた全ての魔物が、一斉に空中で灰となり、黒い雪のようにパラパラと降り注いだ。

静寂。
圧倒的な静寂が庭園を支配した。

「な……なん……だ、これ……?」

カイルが掠れた声で呟く。
理解できないだろう。
剣を振ったわけでもない。
呪文を唱えたわけでもない。
ただ、俺が彼らを「見た」だけで、Sランクの魔物の軍勢が全滅したのだ。

「ふぅ……。燃費(マナコスト)も悪くないな。視界内全てのマルチロックでも、魔力の一割も消費していない」

俺は軽く肩を回し、埃を払った。
即死スキル。
対象のレベルや耐性に関係なく、強制的にステータスを『死亡』に書き換えるチート能力。
これがあれば、軍隊だろうがドラゴンだろうが、俺の前ではただの背景に過ぎない。

「す、すごい……」
「一瞬で……全滅させた……」

衛兵や騎士たちが、畏怖と称賛の入り混じった眼差しで俺を見る。
そして、カイルたちは――。

「ひっ……ひぃぃッ……!」

恐怖で顔を引きつらせ、後ずさっていた。
彼らは悟ってしまったのだ。
目の前の男が、自分たちとは次元の違う存在になってしまったことを。
そして、もし俺がその気になれば、自分たちもあの魔物のように一瞬で灰にできるということを。

「……さて」

俺はカイルたちの方へゆっくりと振り返った。
ただそれだけの動作で、勇者たちは「ひっ!」と悲鳴を上げて抱き合った。

「カイル、さっき何か言いかけてたな。俺の地位がどうとか」

「い、いえ! 何でもないです! ごめんなさい!」

カイルが首をブンブンと横に振る。
プライドなど微塵もない。
あるのは、生物としての生存本能だけだ。

「そうか。なら、二度と俺の前に現れるな。……次は、『視線』が滑って、お前らに当たるかもしれないからな」

俺が瞳を細めると、カイルたちは顔面蒼白になり、

「わ、わかった! もう来ない! 二度と来ないからあああッ!」

脱兎のごとく逃げ出した。
転びそうになりながら、お互いを押しのけて、我先にと出口へ向かう。
その背中は、かつて世界を救うと豪語していた勇者のものではなく、ただの敗北者のそれだった。

「やれやれ。これで少しは静かになるか」

俺はため息をついた。
すると、背後からパチパチと拍手の音が聞こえた。

「見事だ、クロウ。我の出る幕などなかったな」

セリスが満足げに微笑んでいる。

「だが、あの魔物……やはり『召喚』されたものだ。術者の気配が、一瞬だけ感じ取れたぞ」

「ああ、俺も感じた」

俺は空に残る黒い裂け目の跡を見上げた。
魔族の気配。それも、ただの魔族ではない。
王城の結界を破り、ピンポイントでここを狙った手腕。

「『魔王軍』の残党か、あるいは……」

「あるいは、新たな魔王を名乗る不届き者か。……どちらにせよ、我とクロウに喧嘩を売った罪は重いぞ」

セリスの目が妖しく光る。
俺たちの戦いは、勇者パーティーという小さな枠を超え、より大きな世界の闇へと向き合い始めていた。

「クロウ殿!!」

そこへ、ガレイン団長と、護衛に守られた国王陛下が駆けつけてきた。
国王は息を切らしながら、俺の手を握りしめた。

「無事か!? いや、今のは……そなたがやったのか!?」

「ええ。少し虫除けをしただけです」

「虫除け……Sランクの魔物の群れをか!? おお……やはりそなたは、天が我が国に遣わした守護神に違いない!」

国王は興奮気味に俺を称えた。
周囲の貴族や騎士たちも、今や疑いの目はなく、崇拝に近い視線を送ってくる。
『最強の荷物持ち』の名は、今日この日をもって、この国で不動のものとなった。

「陛下。この襲撃、王女様の呪いと無関係ではないでしょう。調査を急いだ方がいい」

「うむ、もちろんだ! 全軍をもって当たる! ……クロウ殿、引き続き娘を、いやこの国を頼めるか?」

「乗りかかった船です。やれるだけのことはやりますよ」

俺が答えると、国王は安堵の表情を浮かべた。

その後、俺は再びセリスとのお茶会に戻った。
冷めてしまった紅茶をメイドが新しいものに取り替えてくれる。

「しかしクロウよ、あそこまで派手にやると、もう平穏な生活は望めぬぞ?」

セリスがクッキーをかじりながら言う。

「覚悟の上だ。それに、お前がいる時点で平穏なんて最初から無理だろ」

「ふふっ、違いない。退屈はさせぬと言っただろう?」

俺たちは笑い合った。
追放されたあの日、森の中で絶望していた俺はもういない。
隣には最強のパートナーがいて、手には世界を書き換える力がある。

どんな敵が来ようとも、全て薙ぎ払う。
そして、俺を捨てた者たちが地を這う様を、高みから見下ろしてやる。
それが、俺の選んだ『成り上がり』の道だ。

   ◇

その夜。
王都の薄暗い路地裏にある酒場で、男たちが密談をしていた。

「……ちっ、失敗したか」

フードを目深に被った男が、苦々しく舌打ちをする。
その向かいに座っているのは、カイルたちを唆したCランク冒険者ボガードだ。

「おい、話が違うぞ! あいつ、Sランクの魔物を一瞬で消し飛ばしたんだぞ!? あんな化け物相手に、俺にどうしろってんだ!」

ボガードが震える声で抗議する。

「落ち着け。力押しで勝てないのは分かった。……ならば、搦め手を使うまでだ」

フードの男は、懐から小袋を取り出し、テーブルに置いた。
ジャラリと重い音がする。

「これは……?」

「前金だ。お前には、ある噂を流してもらいたい。……『クロウは魔王と通じている』とな」

男の口元が歪に吊り上がった。

「英雄を突き落とすのに、剣はいらない。大衆の『疑心』があれば十分だ。……それに、あの勇者崩れのカイルたち。彼らもまだ利用価値がある」

「カイルたちを?」

「ああ。彼らの『嫉妬心』に火をつければ、最高の爆弾になる。……闇堕ちした勇者というのは、面白い駒になるからな」

ボガードは金貨の袋を握りしめ、下卑た笑みを浮かべた。

「へへっ……なるほどな。面白くなりそうだ」

路地裏の闇の中で、新たな陰謀が動き出そうとしていた。
俺の知らないところで、悪意の種が蒔かれている。
だが、今の俺にとってそれは、更なる『ざまぁ』の燃料でしかなかった。
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